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ラストパサーとの出会い
第21話 帰還
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※時は戻ります。
「ルシスちゃん、叩いてごめんなさい」
「良いのです。心配をかけた私が悪いのです」
ロキはしゃがみ込み私をギュッと抱きしめてくれた。
「ルシス、説教の時間は終わりや。今からは尋問の時間やで」
私とロキが良い雰囲気になっていたところをトールが鬼の形相で睨みつけてぶち壊す。
「トール、あまりルシスちゃんを責めたらダメよ」
「責めるつもりはあらへんわ。きっちりと説明してもらうだけや」
トールの凄味はさらに増す。
「トール親分、私は何を話せば良いのでしょうか」
私はとぼけてみせるが、トールにはバレているだろう。私はできる子ではなくできない子であった。
「お前は、なぜキマイラが死んでいるとわかったんや」
「そ……それは……。呼吸音が聞こえなかったのです」
「ルシスちゃん、熱くもないのに汗をかいているわよ」
私はトールにつめられて冷や汗をかいていたようだ。
「破壊者には、暗黙のルールがあるねん。それはお互いのことを詮索しないことや。だから、俺らはお前のことを詮索しない。しかし、今の状況は別や。この場で何が起きたのか知っているのならちゃんと話してくれや。もちろん細かい説明はいらんで」
「ルシスちゃん、あなたがか弱い亜人ではないことは昨日の深夜に気付いたわ。あの気を失いそうな膨大な魔力、そして、一瞬で微力の魔力に変化したこと。初めて会った時は魔力を全く感じなかったのに、この変化は異質としか言えないわ。誰しも人には言いたくないことあるわ。だから詳しいことは話さなくても良いの。でもこれだけは確認させて欲しいのよ。ルシスちゃんがキマイラを倒してたのかな?」
やっぱり2人にはバレている。ここは誤魔化して無駄であろう。
「はい、私が倒したのです」
「キャキャキャキャキャキャ。ルシス、やっぱお前はおもろいわ」
「ルシスちゃん、正直に話してくれたありがとう」
「……」
ポロンだけが全く理解できていない。
「怒らないのですか?」
「キャキャキャキャキャキャ。破壊者は強いことが正義やねん。何を怒ることがあるねん」
「良くできました」
ロキは私の頭を撫でながら褒めてくれた。
「はい」
私は嬉しくて大きな声で返事をした。
「ルシスが倒したのなら依頼は達成やな。コイツを魔法袋に入れて報告するか」
「そうね」
「ロキお姉ちゃん、これで依頼は終了なのでしょうか?」
魔獣の脅威はなくなった。しかし、真実は何も解明されていない。
「俺らの依頼内容は、キャベッジの周辺に出没する魔獣の出没原因の究明とその原因を排除することや。全ての元凶を退治したから依頼は達成や。誰が合成魔獣を作って、シュティルの森へ放ったのかを調べるのは俺達の仕事ではないねん。それにこれ以上首を突っ込むのは得策とは言えんわ」
「トールの言う通りよ。後はキャベッジの町長が決めることなのよ」
「わかったなのです」
2人の口ぶりからこれ以上の詮索は危険なのであろう。
「……なんだかよくわかりませんが、依頼達成ですわぁ~~~」
ポロンは両手を上げて喜びを表現する。
「依頼達成なのですぅ~~~」
私もポロンの歓喜に便乗した。
「暇だぁ~~~~」
人の往来が少ないキャベッジでは門兵はやることがなく暇である。
「ローガンさん、こんな場所で横になっているのがバレたら町長に怒られます」
「黙れ!俺は次期町長になる男だ。親であろうとも文句は言わせない」
門兵とは町の門を守る大事な役割を担っている。しかし、キャベッジは平和すぎるので、門兵は飾りのような存在だ。最近は魔獣が近辺をうろつくようになったが、日ごろからサボっていたローガンは、いつものように門の近くで寝そべって休息をとっていた。
「カイル、ルークはまだ戻って来ないのか」
「ルークさんは、急に教会から連絡があったと言ってパースリへお戻りになりました。しばらくは戻らないと思います」
「なんだと!それは本当なのか?」
「はい。ローガンさんが昼休憩で席を外している間にパースリへ出発いたしました」
「明日は大事な日なのに、なぜ俺へ知らせずに行ったのだ。もしかして……。いや、そんなことはあり得ない。アイツが俺を裏切るはずがない」
「ローガンさん、顔色が悪いようですが、どうかなされたのでしょうか」
「いや、何でもない。気にするな」
「わかりました」
「あ!ローガンさん、破壊者たちが戻ってきました。これで魔獣の脅威はなくなります」
「……嘘やろ」
ローガンの顔がさらに青くなる。
「破壊者の皆様、お仕事、ご苦労様です」
「カイルさん、ありがとうございます。無事に依頼は達成いたしました」
「お……お前らなぜ生きているのだ!」
ローガンは大声を張り上げた。
「やっぱりお前、全てを知っていたんやろ」
「な……な……何を言っているのだ。俺は何も知らないぞ」
「まぁ、お前らが何を企んでいようが俺たちには関係ないわ。門を通らせてもらうで」
「どうぞ、お入りください」
カイルは門を開けて私たちを通してくれた。
「ルークは俺を騙していたのか……」
「ローガンさん、どうかしたのでしょうか」
「黙れ!俺は急用ができた。後はお前に任せたぞ」
「待って下さいローガンさん。どこへ向かわれるのですか」
ローガンは門の近くに繋がれていた馬に乗ってパースリへ向かった。
ローガンは何処へ……。
「ルシスちゃん、叩いてごめんなさい」
「良いのです。心配をかけた私が悪いのです」
ロキはしゃがみ込み私をギュッと抱きしめてくれた。
「ルシス、説教の時間は終わりや。今からは尋問の時間やで」
私とロキが良い雰囲気になっていたところをトールが鬼の形相で睨みつけてぶち壊す。
「トール、あまりルシスちゃんを責めたらダメよ」
「責めるつもりはあらへんわ。きっちりと説明してもらうだけや」
トールの凄味はさらに増す。
「トール親分、私は何を話せば良いのでしょうか」
私はとぼけてみせるが、トールにはバレているだろう。私はできる子ではなくできない子であった。
「お前は、なぜキマイラが死んでいるとわかったんや」
「そ……それは……。呼吸音が聞こえなかったのです」
「ルシスちゃん、熱くもないのに汗をかいているわよ」
私はトールにつめられて冷や汗をかいていたようだ。
「破壊者には、暗黙のルールがあるねん。それはお互いのことを詮索しないことや。だから、俺らはお前のことを詮索しない。しかし、今の状況は別や。この場で何が起きたのか知っているのならちゃんと話してくれや。もちろん細かい説明はいらんで」
「ルシスちゃん、あなたがか弱い亜人ではないことは昨日の深夜に気付いたわ。あの気を失いそうな膨大な魔力、そして、一瞬で微力の魔力に変化したこと。初めて会った時は魔力を全く感じなかったのに、この変化は異質としか言えないわ。誰しも人には言いたくないことあるわ。だから詳しいことは話さなくても良いの。でもこれだけは確認させて欲しいのよ。ルシスちゃんがキマイラを倒してたのかな?」
やっぱり2人にはバレている。ここは誤魔化して無駄であろう。
「はい、私が倒したのです」
「キャキャキャキャキャキャ。ルシス、やっぱお前はおもろいわ」
「ルシスちゃん、正直に話してくれたありがとう」
「……」
ポロンだけが全く理解できていない。
「怒らないのですか?」
「キャキャキャキャキャキャ。破壊者は強いことが正義やねん。何を怒ることがあるねん」
「良くできました」
ロキは私の頭を撫でながら褒めてくれた。
「はい」
私は嬉しくて大きな声で返事をした。
「ルシスが倒したのなら依頼は達成やな。コイツを魔法袋に入れて報告するか」
「そうね」
「ロキお姉ちゃん、これで依頼は終了なのでしょうか?」
魔獣の脅威はなくなった。しかし、真実は何も解明されていない。
「俺らの依頼内容は、キャベッジの周辺に出没する魔獣の出没原因の究明とその原因を排除することや。全ての元凶を退治したから依頼は達成や。誰が合成魔獣を作って、シュティルの森へ放ったのかを調べるのは俺達の仕事ではないねん。それにこれ以上首を突っ込むのは得策とは言えんわ」
「トールの言う通りよ。後はキャベッジの町長が決めることなのよ」
「わかったなのです」
2人の口ぶりからこれ以上の詮索は危険なのであろう。
「……なんだかよくわかりませんが、依頼達成ですわぁ~~~」
ポロンは両手を上げて喜びを表現する。
「依頼達成なのですぅ~~~」
私もポロンの歓喜に便乗した。
「暇だぁ~~~~」
人の往来が少ないキャベッジでは門兵はやることがなく暇である。
「ローガンさん、こんな場所で横になっているのがバレたら町長に怒られます」
「黙れ!俺は次期町長になる男だ。親であろうとも文句は言わせない」
門兵とは町の門を守る大事な役割を担っている。しかし、キャベッジは平和すぎるので、門兵は飾りのような存在だ。最近は魔獣が近辺をうろつくようになったが、日ごろからサボっていたローガンは、いつものように門の近くで寝そべって休息をとっていた。
「カイル、ルークはまだ戻って来ないのか」
「ルークさんは、急に教会から連絡があったと言ってパースリへお戻りになりました。しばらくは戻らないと思います」
「なんだと!それは本当なのか?」
「はい。ローガンさんが昼休憩で席を外している間にパースリへ出発いたしました」
「明日は大事な日なのに、なぜ俺へ知らせずに行ったのだ。もしかして……。いや、そんなことはあり得ない。アイツが俺を裏切るはずがない」
「ローガンさん、顔色が悪いようですが、どうかなされたのでしょうか」
「いや、何でもない。気にするな」
「わかりました」
「あ!ローガンさん、破壊者たちが戻ってきました。これで魔獣の脅威はなくなります」
「……嘘やろ」
ローガンの顔がさらに青くなる。
「破壊者の皆様、お仕事、ご苦労様です」
「カイルさん、ありがとうございます。無事に依頼は達成いたしました」
「お……お前らなぜ生きているのだ!」
ローガンは大声を張り上げた。
「やっぱりお前、全てを知っていたんやろ」
「な……な……何を言っているのだ。俺は何も知らないぞ」
「まぁ、お前らが何を企んでいようが俺たちには関係ないわ。門を通らせてもらうで」
「どうぞ、お入りください」
カイルは門を開けて私たちを通してくれた。
「ルークは俺を騙していたのか……」
「ローガンさん、どうかしたのでしょうか」
「黙れ!俺は急用ができた。後はお前に任せたぞ」
「待って下さいローガンさん。どこへ向かわれるのですか」
ローガンは門の近くに繋がれていた馬に乗ってパースリへ向かった。
ローガンは何処へ……。
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