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巨乳それは恐ろしい特殊効果を持つスキルである。俺が体感した三つの特殊効果を説明しよう。
最初に俺が体感したのは殺気を感じずに背後を取られ背中に巨乳を押し付けられた時だ。その時俺は、心が熱湯のようにぐつぐつと煮えたぎる感情が芽生え、その感情に呼応するかのように顔が急激に熱くなり真っ赤に染まる失態をおかしてしまった。あの時すぐにメーヴェから離れたことにより事なきを得たが、あのまま巨乳を押し付けられていれば俺はどのような結末を迎えていたのだろうか?想像するだけで背筋が凍る思いである。
次は水浴びを覗き見をした時である。近くで確認できなかったので詳細に説明することはできないが、遠目からでもわかる美しいフォルムに大きく揺れるその姿は、見る者の心を魅了して制御不能な行動を発動させる危険な効果であった。
最後に顔に巨乳を押しつけられて新たな効果を知ることになる。これは上記の二つが魅了もしくは洗脳の効果があるとすれば、最後の巨乳の効果は精神異常を解除する効果と言えるだろう。戦闘で正面から堂々と敵の顔を胸に沈める行為は不可能に近いうえ、大きなスキを与えて返り討ちに合う危険がある。そのことから考えるとおのずとこれは仲間が精神攻撃を受けた時にする治療行為だと解釈すると納得がいく。
巨乳とは魔力を必要としないスキル、人間にはスキルという特殊な力が宿っている情報は今までに確認がとれていなかった。これは人間が魔族にひた隠しにしていた切り札だと言える。俺は人間をなめていた。300年間も魔族を欺き弱者を演じ続けたのは、人間が魔族に勝つ最高の舞台が整うのを待ち続けているからである。おそらく、人間が隠しているスキルは巨乳だけではない。覗き見したときにクレーエの小さな二つの物体からも、メーヴェの巨乳と同じ効果を感じた。
アルバトロスよ、俺と魂を入れ替えたことを後悔させてやる。俺は人間がひた隠しにしているスキルの秘密を暴いてやる。
「メーヴェ、ありがとう。お前のおかげで元気を取り戻せた」
俺の心はスッキリとしていた。それは、人間の体になって全てを失った俺が明確な目的を得たからである。目的を見つけた俺の表情は感情溢れる心地よい顔になっていた。その表情を見たメーヴェはさらに俺に巨乳を押し付けるように抱きしめる。
「アル、何を悩んでいたかは聞かないわ。でも、なにか吹っ切れることができたのね」
俺の顔は巨乳に浸食されるようにムニュムニュとうずもれていく。まるでモフモフの魔獣の毛皮に飛び込むような感触だ。なんてフワフワで気持ちが良いのだろう・・・なんて暖かくて心が平穏になるのだろう・・・なんて甘くてクリーミーな香がするのだろう・・・
「あら、アルが寝ちゃったわ」
「アルは疲れていたのでしょう。ここで少し休息を取ってから移動しましょう」
「そうだな。少し休んでから行こうぜ」
俺は心地よい眠気に誘われて眠りに陥りそうになっていた。なぜ急にねむたくなったのか理由は簡単だ。俺の巨乳に対する分析が間違っていたからである。俺は巨乳には精神異常を解除する効果があると説明したがそれは間違っていた。あれは相手を油断させて近づいて、ひと時の安らぎを与えながら眠らせる睡眠魔法のような効果を持っていたのだ。俺はメーヴェの策略にハマったのかもしれない。メーヴェ、お前は俺を眠らせてどうするつもりだ。お前も俺が魔王だと気が付いたのか・・・いや、それは早計な考えだ。ミーラン同様に疑っている段階だのであろう。
30分後、俺は後頭部に暖かくて柔らかい感触を感じる。俺はハッとして目を見開いた。すると俺の予測は的中していなかった。俺の目の前には視界を遮る大きな物体が二つある。下から見てもこの物体のフォルムはとても美しく魅惑的だ。アダムとイブが禁断の果実を手にしたように、俺も手を伸ばして大きな物体を掴みたいと思わせる。いや、今はそれよりも気になることがある。それは俺の後頭部にある暖かくて柔らかい存在である。俺はその存在を目の前にある大きな物体だと思っていたが、俺の予測は外れていた。だが、この心地よい感触は非常に巨乳と似ている。この柔らかい物体に後頭部を預けていると、波の上にぷかぷかと揺れる流木のように心を無にして波に身を任せたくなる。人間の体になったこと、ミーランやメーヴェに魔王だとバレないか不安なこと、俺の今後の人生のこと、俺を悩ます全てのことがこの物体に触れている間は忘れさせてくれる。
その時俺はハッとあることに気付き驚愕する。これはまさに前門の虎後門の狼である。目の前には巨乳後頭部には謎の柔らかい物体、これは絶対絶命の危機的状況である。俺はメーヴェの二つのスキルによって完全に心と体を支配された状態にあるのだ。ここからすぐに逃げ出さないといけないのは理解している。しかし、俺はこの場から離れたくはない。迂闊だった。絶対強者の俺が完全にメーヴェの術中にハマったのである。メーヴェ、お前は俺をどうするつもりだ・・・嘆きの声が心にこだまする。
最初に俺が体感したのは殺気を感じずに背後を取られ背中に巨乳を押し付けられた時だ。その時俺は、心が熱湯のようにぐつぐつと煮えたぎる感情が芽生え、その感情に呼応するかのように顔が急激に熱くなり真っ赤に染まる失態をおかしてしまった。あの時すぐにメーヴェから離れたことにより事なきを得たが、あのまま巨乳を押し付けられていれば俺はどのような結末を迎えていたのだろうか?想像するだけで背筋が凍る思いである。
次は水浴びを覗き見をした時である。近くで確認できなかったので詳細に説明することはできないが、遠目からでもわかる美しいフォルムに大きく揺れるその姿は、見る者の心を魅了して制御不能な行動を発動させる危険な効果であった。
最後に顔に巨乳を押しつけられて新たな効果を知ることになる。これは上記の二つが魅了もしくは洗脳の効果があるとすれば、最後の巨乳の効果は精神異常を解除する効果と言えるだろう。戦闘で正面から堂々と敵の顔を胸に沈める行為は不可能に近いうえ、大きなスキを与えて返り討ちに合う危険がある。そのことから考えるとおのずとこれは仲間が精神攻撃を受けた時にする治療行為だと解釈すると納得がいく。
巨乳とは魔力を必要としないスキル、人間にはスキルという特殊な力が宿っている情報は今までに確認がとれていなかった。これは人間が魔族にひた隠しにしていた切り札だと言える。俺は人間をなめていた。300年間も魔族を欺き弱者を演じ続けたのは、人間が魔族に勝つ最高の舞台が整うのを待ち続けているからである。おそらく、人間が隠しているスキルは巨乳だけではない。覗き見したときにクレーエの小さな二つの物体からも、メーヴェの巨乳と同じ効果を感じた。
アルバトロスよ、俺と魂を入れ替えたことを後悔させてやる。俺は人間がひた隠しにしているスキルの秘密を暴いてやる。
「メーヴェ、ありがとう。お前のおかげで元気を取り戻せた」
俺の心はスッキリとしていた。それは、人間の体になって全てを失った俺が明確な目的を得たからである。目的を見つけた俺の表情は感情溢れる心地よい顔になっていた。その表情を見たメーヴェはさらに俺に巨乳を押し付けるように抱きしめる。
「アル、何を悩んでいたかは聞かないわ。でも、なにか吹っ切れることができたのね」
俺の顔は巨乳に浸食されるようにムニュムニュとうずもれていく。まるでモフモフの魔獣の毛皮に飛び込むような感触だ。なんてフワフワで気持ちが良いのだろう・・・なんて暖かくて心が平穏になるのだろう・・・なんて甘くてクリーミーな香がするのだろう・・・
「あら、アルが寝ちゃったわ」
「アルは疲れていたのでしょう。ここで少し休息を取ってから移動しましょう」
「そうだな。少し休んでから行こうぜ」
俺は心地よい眠気に誘われて眠りに陥りそうになっていた。なぜ急にねむたくなったのか理由は簡単だ。俺の巨乳に対する分析が間違っていたからである。俺は巨乳には精神異常を解除する効果があると説明したがそれは間違っていた。あれは相手を油断させて近づいて、ひと時の安らぎを与えながら眠らせる睡眠魔法のような効果を持っていたのだ。俺はメーヴェの策略にハマったのかもしれない。メーヴェ、お前は俺を眠らせてどうするつもりだ。お前も俺が魔王だと気が付いたのか・・・いや、それは早計な考えだ。ミーラン同様に疑っている段階だのであろう。
30分後、俺は後頭部に暖かくて柔らかい感触を感じる。俺はハッとして目を見開いた。すると俺の予測は的中していなかった。俺の目の前には視界を遮る大きな物体が二つある。下から見てもこの物体のフォルムはとても美しく魅惑的だ。アダムとイブが禁断の果実を手にしたように、俺も手を伸ばして大きな物体を掴みたいと思わせる。いや、今はそれよりも気になることがある。それは俺の後頭部にある暖かくて柔らかい存在である。俺はその存在を目の前にある大きな物体だと思っていたが、俺の予測は外れていた。だが、この心地よい感触は非常に巨乳と似ている。この柔らかい物体に後頭部を預けていると、波の上にぷかぷかと揺れる流木のように心を無にして波に身を任せたくなる。人間の体になったこと、ミーランやメーヴェに魔王だとバレないか不安なこと、俺の今後の人生のこと、俺を悩ます全てのことがこの物体に触れている間は忘れさせてくれる。
その時俺はハッとあることに気付き驚愕する。これはまさに前門の虎後門の狼である。目の前には巨乳後頭部には謎の柔らかい物体、これは絶対絶命の危機的状況である。俺はメーヴェの二つのスキルによって完全に心と体を支配された状態にあるのだ。ここからすぐに逃げ出さないといけないのは理解している。しかし、俺はこの場から離れたくはない。迂闊だった。絶対強者の俺が完全にメーヴェの術中にハマったのである。メーヴェ、お前は俺をどうするつもりだ・・・嘆きの声が心にこだまする。
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