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第二章・アイゼンリウト騒乱編
第53話 レッサーデーモン対ダンディスとリードルシュ
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「ふむン。中々手こずらせてくれマスねぇ」
広場の中央で腕を組みながら、レッサーデーモンは賛辞を贈った。予想以上に倒れない。この二人を倒せるのは倒せるが、このまま早めに倒しても魔界に帰るだけになるかもしれない。それではここまで来た意味が無いなと考えていた。
最初は面倒だなと思いながらも、格の違いから拒否できずに呼び出されて来た。だが存外地上も悪くはない。適当に戦い捕食していれば、何れ梃子摺る相手にも出会えるのではないか、そう思い始めている。
このレッサーデーモンは今の自分の位に満足せず、諦めてはいなかった。呼び出される側からいつかは呼び出し使役する側になりたい。その為には経験と成長が必要だ。この地上で捕食し魔力を蓄えながら鍛えれば、自分を呼び出した者のようになれるかもしれない。
あの魔族が相手をしている人間のような男には興味がある。あの男は自分を呼び出した魔族を倒すだろう。そう考えるとコイツら相手にウォーミングアップして待つのも一興かと考え、少し泳がすべく距離を取り待った。
「それは結構なこって」
ダンディスは壁に叩きつけられたが、よろけながら離れる。巨体にも拘らず反応速度が異常に早く、先ほど喰らったのはこちらを侮っていたからだとダンディスは思った。もう少しそのまま軽く見てくれていたら良かったのにと心の中で呟きながら、自分の体の状態を確認する。
両親が頑丈に生んで育ててくれたお陰でまだまだ行ける。退屈凌ぎに軍に入って鍛えて暴れた時とは違い、今は友の為にコイツを倒さなければならない。獣人として魔族に後れを取る訳には行かない。魔法を使わないなら尚の事。
「馬鹿力だけが自慢ではな」
リードルシュは仰向けに倒れながらそう毒を吐く。元エルフの自分が感じる限り、レッサーデーモンには魔力がありそれも減っている。だが目に見える魔法を使用して居らず、それを警戒していたがその答えが漸く分かった。コイツは自分の弱点を補う為に魔力を使用しているのだと。
魔族が地上に生きる生物相手に見下さず、的確な対処をしてくるとは。リードルシュにとっては驚きだった。皆で戦った時も魔法を使用すれば良かったのにそれをせず敗れている。まさか見縊っていたのは自分たちだったとは。
「つまらナイ挑発デスねぇ。もう少し知的な言葉選びはナイものデスか?」
「くたばれ」
ダンディスがそう吐き捨てると、壁に穴が開く。何とかダンディスはレッサーデーモンの一撃を掻い潜り、リードルルシュの元へ行く。
「旦那、体力を回復させてくれ。暫く俺が持ちこたえる間に」
そう言われてリードルシュは仕方なく頷いた。今の自分は体力が底をついている。元々エルフは体力がどの種族よりも低い。それに最近は剣打ち以外碌に運動した覚えが無い。
まさか前の職場に魔族と戦う為に戻るとは思っていなかった。こんなにも退屈しない状況になるとは……人生何が起こるか分からないものだなと思い小さく笑いながら、一刻も早く体力を回復すべく集中する。
「さぁ鬼さんこちらだ」
「オヤまぁ。お一人でこのワタクシに立ち向かうのデスか? 愚かな」
レッサーデーモンは二人の意図を知った上で見逃す。ひょっとするともう少し楽しめるかもしれないと思ったからだ。リードルシュの剣技はダークエルフとして考えても手練れ中の手練れ。ダンディスも同様に強いが体力と回復力は目を見張るものがある。
この先に待っている門番を考えてこの二人が残ったとしたら、それはそれで楽しみがまだ残っているなと思っていた。そして先ずはこの二人に存分に楽しませてもらおうと考えての行動だった。
「やってみなけりゃ解るまい?」
「ソレもそうデスねぇ。思い知るとヨイでしょう」
レッサーデーモンは巨体に似合わぬ速度で距離を詰めた。ダンディスはリードルシュから離れながら剣撃を加える。レッサーデーモンはダンディスの意図を見抜いた上で敢えて釣られたように移動し、全てを捌き切った。
攻守交替とばかりにダンディスを攻撃するレッサーデーモン。ダンディスは負けずにそれをかわしながら攻撃をする。眼にも留まらぬ速さで二人の攻防が繰り返された。
「ホホぅ。中々ヤリますねぇ」
「まだまだ上がるぜ?」
その言葉通りダンディスは攻撃速度を加速させる。レッサーデーモンの体に切り傷が次々と加えられる。それでもレッサーデーモンの顔色は変わらなかった。何故ならそれは体力と引き換えにスピードを上げているように見えたからだ。
「イイんデスけどねぇ。これは何時までモツものデスか?」
自滅で終わるのはつまらないなと思い問いかけたが、ダンディスはニヤリと笑っただけだった。レッサーデーモンはそれが少し癇に障り、試すように息をも吐かせぬ攻撃を仕掛ける。だがダンディスの速度は衰えない。攻撃は鋭く的確に急所を捉えようとしている。
レッサーデーモンの切り傷から少しずつ傷が大きくなる。少々の切り傷なら回復する事が出来る。だが今は昼間。城の真上が曇っているとはいえ、世界全体で見ればこの辺りは日差しが強い時間帯だ。回復を向上させるものにはならない。
それにしてもこれは一体何の魔法を使って居るんだ? レッサーデーモンは困惑し始める。
「クっ!」
一撃を胸に受け、大振りの一撃をダンディスに加えようとするが
距離を取られる。
「言うダケの事はあった訳デスねぇ。良いでしょう。本気でお相手しましょう」
レッサーデーモンは魔力を放出し体に纏うと、一気に距離を詰めダンディスに攻撃を加える。それを下がりつつ捌き、攻撃を加えるダンディス。彼の脳裏に遠き日の戦場が蘇る。
広場の中央で腕を組みながら、レッサーデーモンは賛辞を贈った。予想以上に倒れない。この二人を倒せるのは倒せるが、このまま早めに倒しても魔界に帰るだけになるかもしれない。それではここまで来た意味が無いなと考えていた。
最初は面倒だなと思いながらも、格の違いから拒否できずに呼び出されて来た。だが存外地上も悪くはない。適当に戦い捕食していれば、何れ梃子摺る相手にも出会えるのではないか、そう思い始めている。
このレッサーデーモンは今の自分の位に満足せず、諦めてはいなかった。呼び出される側からいつかは呼び出し使役する側になりたい。その為には経験と成長が必要だ。この地上で捕食し魔力を蓄えながら鍛えれば、自分を呼び出した者のようになれるかもしれない。
あの魔族が相手をしている人間のような男には興味がある。あの男は自分を呼び出した魔族を倒すだろう。そう考えるとコイツら相手にウォーミングアップして待つのも一興かと考え、少し泳がすべく距離を取り待った。
「それは結構なこって」
ダンディスは壁に叩きつけられたが、よろけながら離れる。巨体にも拘らず反応速度が異常に早く、先ほど喰らったのはこちらを侮っていたからだとダンディスは思った。もう少しそのまま軽く見てくれていたら良かったのにと心の中で呟きながら、自分の体の状態を確認する。
両親が頑丈に生んで育ててくれたお陰でまだまだ行ける。退屈凌ぎに軍に入って鍛えて暴れた時とは違い、今は友の為にコイツを倒さなければならない。獣人として魔族に後れを取る訳には行かない。魔法を使わないなら尚の事。
「馬鹿力だけが自慢ではな」
リードルシュは仰向けに倒れながらそう毒を吐く。元エルフの自分が感じる限り、レッサーデーモンには魔力がありそれも減っている。だが目に見える魔法を使用して居らず、それを警戒していたがその答えが漸く分かった。コイツは自分の弱点を補う為に魔力を使用しているのだと。
魔族が地上に生きる生物相手に見下さず、的確な対処をしてくるとは。リードルシュにとっては驚きだった。皆で戦った時も魔法を使用すれば良かったのにそれをせず敗れている。まさか見縊っていたのは自分たちだったとは。
「つまらナイ挑発デスねぇ。もう少し知的な言葉選びはナイものデスか?」
「くたばれ」
ダンディスがそう吐き捨てると、壁に穴が開く。何とかダンディスはレッサーデーモンの一撃を掻い潜り、リードルルシュの元へ行く。
「旦那、体力を回復させてくれ。暫く俺が持ちこたえる間に」
そう言われてリードルシュは仕方なく頷いた。今の自分は体力が底をついている。元々エルフは体力がどの種族よりも低い。それに最近は剣打ち以外碌に運動した覚えが無い。
まさか前の職場に魔族と戦う為に戻るとは思っていなかった。こんなにも退屈しない状況になるとは……人生何が起こるか分からないものだなと思い小さく笑いながら、一刻も早く体力を回復すべく集中する。
「さぁ鬼さんこちらだ」
「オヤまぁ。お一人でこのワタクシに立ち向かうのデスか? 愚かな」
レッサーデーモンは二人の意図を知った上で見逃す。ひょっとするともう少し楽しめるかもしれないと思ったからだ。リードルシュの剣技はダークエルフとして考えても手練れ中の手練れ。ダンディスも同様に強いが体力と回復力は目を見張るものがある。
この先に待っている門番を考えてこの二人が残ったとしたら、それはそれで楽しみがまだ残っているなと思っていた。そして先ずはこの二人に存分に楽しませてもらおうと考えての行動だった。
「やってみなけりゃ解るまい?」
「ソレもそうデスねぇ。思い知るとヨイでしょう」
レッサーデーモンは巨体に似合わぬ速度で距離を詰めた。ダンディスはリードルシュから離れながら剣撃を加える。レッサーデーモンはダンディスの意図を見抜いた上で敢えて釣られたように移動し、全てを捌き切った。
攻守交替とばかりにダンディスを攻撃するレッサーデーモン。ダンディスは負けずにそれをかわしながら攻撃をする。眼にも留まらぬ速さで二人の攻防が繰り返された。
「ホホぅ。中々ヤリますねぇ」
「まだまだ上がるぜ?」
その言葉通りダンディスは攻撃速度を加速させる。レッサーデーモンの体に切り傷が次々と加えられる。それでもレッサーデーモンの顔色は変わらなかった。何故ならそれは体力と引き換えにスピードを上げているように見えたからだ。
「イイんデスけどねぇ。これは何時までモツものデスか?」
自滅で終わるのはつまらないなと思い問いかけたが、ダンディスはニヤリと笑っただけだった。レッサーデーモンはそれが少し癇に障り、試すように息をも吐かせぬ攻撃を仕掛ける。だがダンディスの速度は衰えない。攻撃は鋭く的確に急所を捉えようとしている。
レッサーデーモンの切り傷から少しずつ傷が大きくなる。少々の切り傷なら回復する事が出来る。だが今は昼間。城の真上が曇っているとはいえ、世界全体で見ればこの辺りは日差しが強い時間帯だ。回復を向上させるものにはならない。
それにしてもこれは一体何の魔法を使って居るんだ? レッサーデーモンは困惑し始める。
「クっ!」
一撃を胸に受け、大振りの一撃をダンディスに加えようとするが
距離を取られる。
「言うダケの事はあった訳デスねぇ。良いでしょう。本気でお相手しましょう」
レッサーデーモンは魔力を放出し体に纏うと、一気に距離を詰めダンディスに攻撃を加える。それを下がりつつ捌き、攻撃を加えるダンディス。彼の脳裏に遠き日の戦場が蘇る。
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