5 / 9
始まり
エンテイ視点
しおりを挟む
涼やかな音を聞き、空を見上げた私は美しい女神を見た。
彼女にはどんな言葉を並べても、その美しさを表現することはできない。私の知っている最上級の言葉も意味はない。ただ、心が全霊で美しいと彼女を称える。
ハイエルフ族のユナ様
穢れを知らない白い肌。女性らしさのある腰の曲線美に華奢な肢体。エルフを表す縦長の尖った大きな耳。月の光を紡いだような長髪は風に流れて、星の川を見ているかのよう。その瞳には純白の真珠を思わせる白い瞳が煌めいている。
薄紅のドレスを纏った彼女が透明の羽根を羽ばたかせ、地上に降り立った時、本当に女神だと思った。ユナ様を御守りするのは私しかいない。その悲し気で儚い彼女を守らなければ。大切に囲って、近い内に私の妻にするのだ。ユナ様に家族を作って差し上げられるのは私しかいない。お慰めできるのも、このエンテイだけなのだ。
なのに。
「お待ちください!!」
ああ。彼女がいなくなってしまった。
「王子!」
煩い奴等だ。そんなに怒鳴らなくても聞こえている。
「ユナ様はご自身の国に帰られたのだろう。南大陸にあるアルテミア国へ。」
建国して間もないと聞いたユナ様の国。南大陸には恐ろしく強いモンスターと亞人どもが住み着いている。
「ユナ様を南大陸からお連れするには、この中央大陸を制圧しなければなるまいな」
「では、戦争をなさるのですか」
そうしなければ、恐らく最後の神であるユナ様を得られないだろう。
周辺諸国も絶対に考えることは同じに違いない。
「各国に先触れの使者を送れ。従うならよし。逆らうなら叩き潰すと伝えろ。この炎馬王国の力、思い知らせてやる。我が父、タケルの力を見せてやろうぞ。」
待っていてください。必ず、我が国が勝利をつかんでみせます。
愛するユナ様。
ユナ。
永久の愛を君に捧ぐ。
彼女にはどんな言葉を並べても、その美しさを表現することはできない。私の知っている最上級の言葉も意味はない。ただ、心が全霊で美しいと彼女を称える。
ハイエルフ族のユナ様
穢れを知らない白い肌。女性らしさのある腰の曲線美に華奢な肢体。エルフを表す縦長の尖った大きな耳。月の光を紡いだような長髪は風に流れて、星の川を見ているかのよう。その瞳には純白の真珠を思わせる白い瞳が煌めいている。
薄紅のドレスを纏った彼女が透明の羽根を羽ばたかせ、地上に降り立った時、本当に女神だと思った。ユナ様を御守りするのは私しかいない。その悲し気で儚い彼女を守らなければ。大切に囲って、近い内に私の妻にするのだ。ユナ様に家族を作って差し上げられるのは私しかいない。お慰めできるのも、このエンテイだけなのだ。
なのに。
「お待ちください!!」
ああ。彼女がいなくなってしまった。
「王子!」
煩い奴等だ。そんなに怒鳴らなくても聞こえている。
「ユナ様はご自身の国に帰られたのだろう。南大陸にあるアルテミア国へ。」
建国して間もないと聞いたユナ様の国。南大陸には恐ろしく強いモンスターと亞人どもが住み着いている。
「ユナ様を南大陸からお連れするには、この中央大陸を制圧しなければなるまいな」
「では、戦争をなさるのですか」
そうしなければ、恐らく最後の神であるユナ様を得られないだろう。
周辺諸国も絶対に考えることは同じに違いない。
「各国に先触れの使者を送れ。従うならよし。逆らうなら叩き潰すと伝えろ。この炎馬王国の力、思い知らせてやる。我が父、タケルの力を見せてやろうぞ。」
待っていてください。必ず、我が国が勝利をつかんでみせます。
愛するユナ様。
ユナ。
永久の愛を君に捧ぐ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
76
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる