ホーボー・ホーボー魔導具を巡る冒険

アトアン・グリューゼン

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数日前

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 アンリ達が廃村を訪れる数日前……この廃村を四人の傭兵が訪れていた。

「井戸水の瘴気濃度は低いみたいです、飲んでも大丈夫っすね」

 一人の男が村の中央の古井戸の瘴気濃度を瘴気計で確認する。

「何だか今日はスゲェ喉が渇くなぁ……ここへ来るまでに持ち水全部使っちまったよ」

 そう言いながらもう一人の杖を持った魔術師の男が古井戸から水をくみ上げ、井戸水をがぶ飲みする。

「これはうまい水だ!」

「俺も今日は妙に喉が渇いてて……」

「おいおい、そんなに飲んで大丈夫か?」

 リーダー格らしき背の高い女が水をがぶ飲みする二人の男に声をかけた。

「平気ですよ、冷たくて旨い水ですよ瘴気濃度も低いし、リーダーもどうですか?」

「やめとく……」

 背の高い女はパイプで煙草をふかす。

「なあベネラ、この廃村周辺の調査に来ていた術者が行方不明になったんだよな?」

 背の高い女はパイプをふかせながら、金髪で赤目のシェイマの女に問いかける。

「ああ、そうだ……しかしアンタ、ルーベルカイムの路地で突然倒れてから慎重になったじゃねぇか、前は無鉄砲な狂犬野郎だったのに……火貰っていいか?」

 ベネラと呼ばれた金髪で赤目のシェイマは笑いながらリーダー格の背の高い女に問いかける。

「ああ……ベネラ、笑い事じゃねえぞ」

 背の高い女は金髪のシェイマのパイプに手をかざし加速術式で火をつける。

「悪いね……フフ、ハハッ!むさいスキンヘッドの大男がちっこくて可愛らしい女の子になって変わってたからなぁ、ハハッ」

「だからベネラ、笑い事じゃねえぞ、萎んだ身体から筋力を取り戻すの大変だったんだぞ」

「あのままで良かったのに小さくて可愛らしかったのになー、アタシのペットにして可愛がってやろうと思ったのにさ、ハハッ、あれどうしたんだ?一服盛られたのか?」

「……わからん、倒れたときの記憶がねぇんだ……そういや、倒れる少し前、お前と飲んでて……まさか、お前が薬を盛ったんじゃないだろうな?」

「ハハッ、まさか!そんなことしねぇよ……ん?」

「どうしたベネラ?」

「いま廃屋の陰に女の姿が……」

「女?……俺の術式での探知では何も引っかからないぞ」

「……見間違いか?」

「多分そうだろ……人の反応がない……さて、お前ら、休憩がすんだら、この村詳しく調べんぞ」

「どこから、探索します?」

 最初に村の古井戸を調べていた男がリーダー格の背の高い女に問いかける。

「そうだな……まずは奥の丘の上にあるあのデカい屋敷を調べるか……今夜、休めそうな場所もありそうだしな」

「了解」
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