「隠れ有能主人公が勇者パーティから追放される話」(作者:オレ)の無能勇者に転生しました

湖町はの

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第4章 モンスター襲来

第25話「ベルンハルトと『セックスしないと出られない部屋』」

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 キスも、ディープキスも、前戯乳首責めも、『セックス部屋を開く鍵』にはならなかった。

 なら、次の段階は――。


「〈洗浄ヴァッシェン〉」

 はい。この魔法が登場したということはもうお分かりですね。

 そう……本番です。
 挿入の挿で“いれる“って読むBLのやつが……ああ……うう……。

 
「ベル、怖い?」

 怖いに決まってんだろうが。
 なんでさぁ、攻めってすぐそれ訊くの? 怖いって言えばやめてくれるわけ?? やめてもらってる受け見たことないんだけど。

「うるさい……さっさとしろよ」

「意地っ張り」

 ふっ、と微笑してグレンは、ご丁寧に準備されたローションを自分の手のひらに垂らした。

 ……いやらしい光景。
 これが、今からグレンが抱くのが別の女の子とか男なら、エロ漫画かBL読んでる感覚で見れるけど。

「触りますよ」

 相手、オレなんだよなぁ。さすがに同じような気分ではいられない。

「……ん」

 頷くと、剥き出しの脚を開かされる。
 ズボンも下着も剥ぎ取られて、オレの身体を守るのは上のフリフリシャツ一枚だ。(これも脱がされそうになったけどどうにか守り抜いた。)

「っ、ふ……」

 指が、窄まりの縁をなぞる。
 人肌に暖められたローションのおかげで摩擦はないけど、自分でも素手で触ることなんかない場所を触られるのは、とにかく違和感しかない。

「あ、っ……」

 そのままゆっくりと、閉じた場所へと彼の指が飲み込まれていく。もう見ていられなくて、シーツに身を沈ませたままぎゅっと目を閉じた。

「痛かったらすぐに言ってくださいね」

 歯医者さんみたいだね……攻めと一緒で、言ってもやめてくれないやつでしょ、それ。

「あ、ン……っ、う」

 そんな色気のないことを考えてみたけど、気は逸れない。

「あっ……グレ、ン……や、ぁ……あ」

 内壁ナカを動く指が立てる音。静かな部屋で微かに聞こえる彼の吐息。目を閉じた分、聴覚が敏感になってそれを拾ってしまう。

「ベルンハルト……」

「や、っ……あ、なま、え……呼ぶ、な……ッ」

「どうして? ベル――ほら、呼ぶと貴方のここ、すごく感じるみたいですよ」

 だから嫌なんだよ……!! 察しろよ!!

「いいからっ、やめ……あっ」

「もう一本、増やしますよ」

 増えた質量に身体が固くなる。
 それを感じ取ったのか、グレンはオレの閉じた目蓋に唇を落として、囁いた。

「大丈夫。ベル……貴方の怖いことも、痛いことも、なにもしません。貴方の気持ちいいことだけ」

 言葉通り、今のところなにも痛いことはされてない。

 でも……まだ、指だけなんだよな。
 “本物“に耐えれるのか……?? いや、耐えれるようにいま指で予行練習されてるんだろうけどさ。

 
「っ……まじで、痛くしたら、お前のこと、最低でも三日は嫌いになるからな……!!」

 
 目を開けて、渾身の目力で睨みつける。できるだけ多くの闘争心(あんまりない)をかき集めて。

「……ふ」

 彼はきょとんとしてから――笑った。

「ふ、ははっ……そっか、三日……」

「あ? なに笑ってんだ! 馬鹿にして……っ」

 蹴り上げようとした脚を掴まれ、言葉は封じられる。

「してませんよ。貴方が可愛くて愛しくて……たまらなくなっただけです」

「――っ」

 可愛い。愛しい。
 もう、何度も聞いたはずなのに……慣れない。

「ベル……ベルンハルト、愛してます」

「っるさい!! さっさと続きしろ!!!」

 もう絶対喋らない。
 口をつぐんで、貝のように――いや、この場合マグロか――のようにやり過ごすんだ。

「続きって……はぁ、貴方はまたそうやって……」

 グレンはオレの背けた顔を無理やり自分の方へ向かせて、またキスをしてくる。

「んっ、う……あ、もう……キスは……しなくて、いいだろ……っ」

 キスじゃこの部屋を出れないのは検証済みだ。後は、挿入と射精しかないんだから。

「必要だからしてるわけじゃないです。俺が、したいからするんですよ、ベル。前にも言ったでしょう? 俺は、ずっと……貴方に触りたかった。こうやって貴方を抱きたかった」

「……グレ、あ」

 場違いに悲しそうな目をしたグレンが、オレの腕を掴む。そのまま身体を起こされ、強引にうつ伏せにさせられた。

「っ、なにす……」

「本当は貴方の顔を見て、貴方の声を聞きながらしたいところですが……初めてだと、この体勢の方が楽なそうなので」

 この体勢……って。後ろから、って意味?

 そんなオレの疑問に答えるように――指で散々いじられて、ドロドロになった穴に、熱を持った塊が押し当てられた。

 これ……もしかしなくても、チン……。


「――っ! あ、ぐ……ッ」

 熱に貫かれる。
 想像してたよりもずっと大きくて、硬いそれに、身体が悲鳴を上げるように震えた。

「ベル……息、吐いて……ゆっくり……」

「あ、あ……グレ、やだ……あっ」

 後ろから熱に溶けた声で囁かれ、舌で首筋を愛撫される。それに身体が僅かに弛緩したのを見計らかったかのように、飲み込まされた熱が……更に奥を穿った。

「っ、あ……!! まだ……っ」

 あれで、先っぽだけだったのかよ……!!

「は……あ、っ……グ、レン……」

「ベル……ぜんぶ、はいりました」

 なんの報告だよ。いらねぇわそんなん。いや、やっぱいる。これで「まだ半分ですよ」とか言われたらしぬ。

「まだ、動くなよ……っ」

「ええ……なじむまで、このまま」

 なじむって、なんか言い方がもう、ね……?
 いや、エロいことしてるんだからエロくて当たり前なんだけど……!!

「ひ、ぁ……ッ! な、お前……なんでまた、おおき、く……」

「……すみません。ベルの腰が細いなって思ってたら、つい……」

 確かにお前の手、オレの腰掴んでるけどさ……!! だからってなに今更そこに興奮してんだ!!!

「ついじゃねぇよばか!! あっ、や……っ!!」

 怒声は、途中で嬌声に変わってしまった。まだ落ち着かない内側を擦るように、腰を揺さぶられたせいで。

「でも、俺……ちゃんと、痛いことはしてませんよ」

「動く、なっ……あっ、って……やっ……言った、のに……あ、ああ」

「言ってましたね。なじむまで、って……だから、待ちました。ね、いい子でしょ?」

「悪い子に、決まってんだろうが……ッ」



 ◇


 
「やだ、だめ……っ! イく、イっちゃ……――!!」

「っ、ベル――」

 オレが果てるのとほとんど同時に、体内に熱い体液が注がれる。

 
「は……あ……」

「ベル、こっち向いて」

「やだ……向こう行け」

 オレの声は枯れてるし、身体はへとへとなのに、グレンはずっと元気そうだしなんか楽しそうだ。むかつく。

 こいつにとっては、オレが抵抗したって怒ったって、ただ非力な子犬が吠えてる程度にしか思えないんだろう。

 むかつく。むかつく。むかつく……!!


 だるい身体を無理矢理起こして、ボタンがほとんど取れたシャツで身体を隠しながら、グレンに向かって人差し指を突きつける。

「見下しやがって……次は、絶対オレがお前を泣かせてやる……っ!!」

 べしょべしょでドロドロのままの宣戦布告。
 その間抜けさとうかつさにオレが気づいたのは、彼に笑われてからだった。

「へぇ……“次“があるんですか?」

 ――あ。

 うわ……ほんとじゃん。なに当たり前に次回のこと考えてんの……。いや、でもさ。

「……だってお前、定期的にオレと……しないと、死ぬんだろ」

「ベルは、俺に死んで欲しくない?」

 グレンは寝そべると、オレの膝に頭を乗せる。
 彼に下から覗き込まれるのは何だか新鮮だ。いつもはオレが見上げるばっかりだから。

「は? そんなの……当たり前、というか……別に、誰かに本気で死んで欲しいなんて、思ったことない」

「……なら、貴方は。俺以外の誰かが、“貴方とセックスしないと死ぬから抱かせてください“って言ってきたら――どうするんですか?」

 なにその状況……こわ……。

「いや、普通に断るよ……別の方法探す……」

「でも、俺ならいいんだ?」

 くっそ……。グレンお前、自分の顔の良さを自覚しやがって。
 イケメンが微笑みながらそんなセリフ吐いたらな! 大体の人類はイエスしか言えなくなるんだよ!! 

 オレも含めて!!!

「……っ、ああそうだよ! でも、勘違いするなよ! オレはあくまで、お前には利用価値があって、お前とは〈契約フェアトラーク〉で離れられなくて……だからっ!!!」

 なんだこの古臭いツンデレみたいな言い訳……。自分でもげんなりする。


「ベル、好きです」

「脈絡ねぇな……」

「言いたくなりました」

「今後は言いたくなっても控えろ」

 
 出口が出来ていることに気づくまでの五分弱――オレとグレンはそんなむず痒い会話を繰り広げた。

 ……てかグレンくん。たぶんお前、出口出来てたのもっと早く気づいてたよね?
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