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第4章 モンスター襲来
第35話「ベルンハルトとシャウラ」
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「――起きろ」
水を頭から浴びせかけられ目を覚ましたロニーは、状況を理解できていないのか辺りをキョロキョロと見回す。
「グレン、“目隠し“の魔法を解いてやれ」
「はい」
そして、光を失っていた目に飛び込んできた敵の名を、唸るように呼んだ。
「ベルンハルト……ッ!」
「おはよう。いい夢は見れたか? ロニー」
ミルザム伯爵家の血縁者の特徴である空色の瞳よりも幾分か暗い、淀んだ深海のような彼の青の双眸は憎しみに染まっている。
「クソッ……なんでお前が……っ! 伯爵は! 答えろ――ぐ、あ……っ!!」
目に見えない拘束に抗おうと身を捩っていた彼は、突如叫び声を上げた。
「――おい、貴様のような下郎にこの方の問いかけを無視する権利があると思ってるのか?」
……怖いって。
ねぇ……そいつめっちゃ痛がってるんだけど、グレンさんなにしたの??
あと今のは質問っていうかさ、あれじゃん。カッコつけてみたかっただけで……真剣に「はい/いいえ」で答えられても困るんで。
はぁ~……悪役ムーブ疲れる。
けど正直楽しいのは楽しい。
一生言わないセリフいっぱい言えるし。あとイケメンだからなに言っても様になるの確定してて安心感すごい。
「悪いなぁ。オレも可愛い義弟にこんな手荒な真似はしたくないんだが……生憎とオレの番犬は血気盛んでね」
「……どこまで知ってるんだ」
硬い床の上で悶え苦しみながらも気丈にオレを睨め付けてくるロニー。
そんな彼を、豪奢な椅子に座り長い脚を組んで微笑みながら眺めているオレは誰がどう見たって立派な悪役だろう。
仕方ない。
清く正しく生きたって、ベルンハルトは幸せになれないんだから。誰かを蹴落としてでも幸せになってやるさ。
それがオレのヒーローの――グレンの望みだ。
「グレン、この芋虫に教えてやれ」
ロニーの肩を靴でぐいぐいと踏みつける。……思ってたよりも難しいな。
「はい、ベルンハルト」
でもグレンがそんなオレの姿を恍惚の表情で見つめてきてるから、まあ、それっぽくなってるんだろ。
……やっぱグレンってちょっとマゾなのかな。オレがこういうのしてるときなんか嬉しそうなんだよな……。
「ロニー・ミルザム……いやロニー・シャウラと呼ぶべきか。ここは貴様の生家、シャウラ子爵家の地下室だ」
「それが、なに……っ! うっ、ぐ」
「そう焦るな。ベルンハルトの言葉も覚えられない鳥頭の貴様にもわかるよう、順を追って説明してやってるんだ。ああ……貴方は脳みそが足りていないのではなく、情報の取捨選択がお得意なだけでしたっけ?」
……やばい。この足蹴にするのをやめるタイミングがわかんない。
話してる間ずっと踏んでるのも変だよね?? そろそろやめてもいいのかな……。
「貴方がここで開発していた新しい魔法――〈毒針〉。シャウラ子爵家は、その魔法を付与した石を使ってミルザム伯領をモンスターに襲撃させる計画を立てていた。そして伯爵を亡き者にし、その罪をベルンハルトに押し付けるつもりでいた」
「っ……つまり、全部知ってるってことか」
オレ一個知らないことあったんだけど……。
〈毒針〉ってなに??
死の魔法の名前なのかな……そういうの教えといて欲しい。
グレンわりとさぁ、オレから訊かないと教えてくんないよねぇ~!!
「ええ。貴方の実の兄君――エステル様が、全て話してくれましたよ」
「エステル……っ、あの忌々しい役立たずが……ッ!」
ロニー、ロニー!!
エステル実は扉の外で話きいてるから!! あんまりそういうこと言わないの!!
そう。エステルはグレンに説得されて、この部屋の扉の外で見張りをしている。
グレンに「絶対になにがあっても声は出さないでくださいね。動かないでくださいね」って言い含められてたから、多分今頃ぐぬぐぬしてるんだろうなぁ……。
「さて……もうじき伯爵様に、領主様になる……いや、なるはずだった聡明な貴方になら……もうおわかりですね?」
グレンはそこまで言うと、オレに抱きついて、頭を差し出してくる。
……撫でろってことかな?
髪を撫でてやると満足そうに微笑んだので正解だったらしい。よし、オレにもグレンの気持ちがわかってきた。
「チェックメイトだ、ロニー・シャウラ」
いい気分のまま、一生に一回しか言わないセリフをまた使った。
よく考えたらチェスしてないから、なんか別の言い回しの方が良かったかな……それかあれか? 本邸行ったときにチェスして伏線張っとくべきだったかも。
「抵抗はするなよ。お前の“毒針“は、【予言】で封じてある」
要するに魔法は使えないようにしてあるってことです。……やってくれたのはグレンだけどね。
「……僕を、どうする気だ」
「そうだなぁ……王都に連れていって悪逆の大罪人として裁判にかけても良いが……お前は仮にもオレの“弟“。ミルザム伯爵家の人間だからな」
俯いたロニーの顎を足の先で持ち上げて、無理やり上を向かせる。
おお……これ脚長くないとできないな……。
「いくらこのオレが証言したところで、口さがない人間は父上の責を問うかもしれない」
“父上“より“お父様“の方がかっこよかったかなぁ~……ぶっつけ本番だからセリフ考えるの難しい。
「そこでだ。ロニー・ミルザム。お前には――お前自身の毒で、償ってもらうことにするよ」
はい。こっからノープランです。
あとはきっとグレンがどうにかしてくれるさ……!!
水を頭から浴びせかけられ目を覚ましたロニーは、状況を理解できていないのか辺りをキョロキョロと見回す。
「グレン、“目隠し“の魔法を解いてやれ」
「はい」
そして、光を失っていた目に飛び込んできた敵の名を、唸るように呼んだ。
「ベルンハルト……ッ!」
「おはよう。いい夢は見れたか? ロニー」
ミルザム伯爵家の血縁者の特徴である空色の瞳よりも幾分か暗い、淀んだ深海のような彼の青の双眸は憎しみに染まっている。
「クソッ……なんでお前が……っ! 伯爵は! 答えろ――ぐ、あ……っ!!」
目に見えない拘束に抗おうと身を捩っていた彼は、突如叫び声を上げた。
「――おい、貴様のような下郎にこの方の問いかけを無視する権利があると思ってるのか?」
……怖いって。
ねぇ……そいつめっちゃ痛がってるんだけど、グレンさんなにしたの??
あと今のは質問っていうかさ、あれじゃん。カッコつけてみたかっただけで……真剣に「はい/いいえ」で答えられても困るんで。
はぁ~……悪役ムーブ疲れる。
けど正直楽しいのは楽しい。
一生言わないセリフいっぱい言えるし。あとイケメンだからなに言っても様になるの確定してて安心感すごい。
「悪いなぁ。オレも可愛い義弟にこんな手荒な真似はしたくないんだが……生憎とオレの番犬は血気盛んでね」
「……どこまで知ってるんだ」
硬い床の上で悶え苦しみながらも気丈にオレを睨め付けてくるロニー。
そんな彼を、豪奢な椅子に座り長い脚を組んで微笑みながら眺めているオレは誰がどう見たって立派な悪役だろう。
仕方ない。
清く正しく生きたって、ベルンハルトは幸せになれないんだから。誰かを蹴落としてでも幸せになってやるさ。
それがオレのヒーローの――グレンの望みだ。
「グレン、この芋虫に教えてやれ」
ロニーの肩を靴でぐいぐいと踏みつける。……思ってたよりも難しいな。
「はい、ベルンハルト」
でもグレンがそんなオレの姿を恍惚の表情で見つめてきてるから、まあ、それっぽくなってるんだろ。
……やっぱグレンってちょっとマゾなのかな。オレがこういうのしてるときなんか嬉しそうなんだよな……。
「ロニー・ミルザム……いやロニー・シャウラと呼ぶべきか。ここは貴様の生家、シャウラ子爵家の地下室だ」
「それが、なに……っ! うっ、ぐ」
「そう焦るな。ベルンハルトの言葉も覚えられない鳥頭の貴様にもわかるよう、順を追って説明してやってるんだ。ああ……貴方は脳みそが足りていないのではなく、情報の取捨選択がお得意なだけでしたっけ?」
……やばい。この足蹴にするのをやめるタイミングがわかんない。
話してる間ずっと踏んでるのも変だよね?? そろそろやめてもいいのかな……。
「貴方がここで開発していた新しい魔法――〈毒針〉。シャウラ子爵家は、その魔法を付与した石を使ってミルザム伯領をモンスターに襲撃させる計画を立てていた。そして伯爵を亡き者にし、その罪をベルンハルトに押し付けるつもりでいた」
「っ……つまり、全部知ってるってことか」
オレ一個知らないことあったんだけど……。
〈毒針〉ってなに??
死の魔法の名前なのかな……そういうの教えといて欲しい。
グレンわりとさぁ、オレから訊かないと教えてくんないよねぇ~!!
「ええ。貴方の実の兄君――エステル様が、全て話してくれましたよ」
「エステル……っ、あの忌々しい役立たずが……ッ!」
ロニー、ロニー!!
エステル実は扉の外で話きいてるから!! あんまりそういうこと言わないの!!
そう。エステルはグレンに説得されて、この部屋の扉の外で見張りをしている。
グレンに「絶対になにがあっても声は出さないでくださいね。動かないでくださいね」って言い含められてたから、多分今頃ぐぬぐぬしてるんだろうなぁ……。
「さて……もうじき伯爵様に、領主様になる……いや、なるはずだった聡明な貴方になら……もうおわかりですね?」
グレンはそこまで言うと、オレに抱きついて、頭を差し出してくる。
……撫でろってことかな?
髪を撫でてやると満足そうに微笑んだので正解だったらしい。よし、オレにもグレンの気持ちがわかってきた。
「チェックメイトだ、ロニー・シャウラ」
いい気分のまま、一生に一回しか言わないセリフをまた使った。
よく考えたらチェスしてないから、なんか別の言い回しの方が良かったかな……それかあれか? 本邸行ったときにチェスして伏線張っとくべきだったかも。
「抵抗はするなよ。お前の“毒針“は、【予言】で封じてある」
要するに魔法は使えないようにしてあるってことです。……やってくれたのはグレンだけどね。
「……僕を、どうする気だ」
「そうだなぁ……王都に連れていって悪逆の大罪人として裁判にかけても良いが……お前は仮にもオレの“弟“。ミルザム伯爵家の人間だからな」
俯いたロニーの顎を足の先で持ち上げて、無理やり上を向かせる。
おお……これ脚長くないとできないな……。
「いくらこのオレが証言したところで、口さがない人間は父上の責を問うかもしれない」
“父上“より“お父様“の方がかっこよかったかなぁ~……ぶっつけ本番だからセリフ考えるの難しい。
「そこでだ。ロニー・ミルザム。お前には――お前自身の毒で、償ってもらうことにするよ」
はい。こっからノープランです。
あとはきっとグレンがどうにかしてくれるさ……!!
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