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しおりを挟む拝啓 皆様。
私の名前は、アルフレッド・マチスと申します。
気軽に【アル】とでもお呼びください。同じ騎士団に所属している仲間も、そのように呼んでくださいますので、どうぞお気になさらず。私もこの手記を綴るに当たって、自身のことを以下よりそう書いていこうと思います。
さて、それではこの手記を書くことになった経緯を説明いたしましょう。
事の発端は、かれこれ三ヶ月ほど前のある事件でしょうか。いいえ、それというのも世界的、人類的な視点で見ればそれは事件ではなく、救済なのですけど……。
私こと、アルには事件にしか思えませんでした――と、今になっては思います。
端的に言いますと、三か月前に神より啓示がございました。
【異世界より勇者がやってくる。その者はいずれ魔王を打倒する結果をもたらすであろう】、と。その後まもなく、王都のミルドガッドの外れの森の中にて、見たことのない面妖な衣服を身にまとった男性が発見されたのです。曰く、自分は『ニホン』という国からやってきた、と。その若者は語りました。
瞬く間にその若者の噂は、国中に広まりました。
それは王都を越えて、末端の村や、果てには魔王の耳にも届いたことでしょう。世界を救う勇者がやってきたのだ、と。これで人々は、魔王の恐怖に怯えなくて済むのだ、と。
そこまでは、私も心より喜んでおりました。
神にも、そのような方を招いてくださり、素直に感謝しておりました。
ただ、いまになって思います。
神よ――――何という野郎を連れてきてくれやがったのですか、と。
私、アルが何故そのように思うようになったのか。
この先は、そのことについてしっかりと書き残していきたいと思います。
どうか、その上でどうかお考えください。
勇者って、こんなクズもいるのか、ということを……。
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