平凡で特徴なんて何一つもない俺が総攻めなワケ

梨緒

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俺の学校のアレこれ

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俺、王崎紗綺(オウサキ サキ)が通っている全寮制の男子校はある森の奥にたたずむ、金持ちの坊ちゃんが集まる『嶺凌(レイリョウ)高校』という有名校だ。



そして平凡である俺も高校から通い始めたのだが、1年の時の同室者が言うにはこの学校は王道学園なるものらしい。



生徒による自主性を重んじているらしく、学校を運営しているのは生徒会と風紀委員会だったり、美形には必ずと言ってもいいほど親衛隊がいたり、学校の8.9割以上はホモとかバイだったり、「抱かれたい男」、「抱きたい男」ランキングがあったり、、etc.......まあ、腐っている人、あぁ...ネタ的に言うと作者と同じような人達なら分かる世界観なのだ。




うん、そんな人達にはきっと想像がつくと思うけど、一ヶ月前に王道学園になくてはならない時期外れの転校生がやってきた·····







その転校生の容姿は、直接的に言えばマリモのよう(ってか俺はそう呼んでいる)。もじゃもじゃな前髪が長い黒髪に、瓶底メガネ。そして、極めつけに見た目にあわないくらいの明るい性格。



名前は「愛川咲良(アイカワ サクラ)」。



名前の通りに、彼は学園で人気がある親衛隊持ちの美形を次々に虜にしていって愛されている。


そのせいで、親衛隊は暴動を起こし、生徒会や風紀委員会は仕事をしなくなったりと·····この高校は崩壊寸前真っ只中なのです。





そんな、学校が大変な状態であるにも関わらず、俺はというと…






















『うーーん·····いちごパフェかバナナパフェ、どっちにしようかなぁ.....?あ、チョコレートパフェも美味しそう....』




寮の食堂で、食後のデザートを何にしようか迷っていました!←イマココ!



「うへぇ~よく朝からそんな胸焼けしそうなモノ食べれるね.....」






そう言って、俺を向かいの席から呆れたように見つめるのはカナ、、本名は福山奏(フクヤマ カナデ)、、である。さっき説明に一瞬だけ出てきてた1年の時の同室者、兼クラスメート。



『ん?あぁ、毎朝の日課なようなものだしな!』




「うん、知ってるよ。去年から知ってるよ。だからぁ、そういうことを言ってるんじゃなくてね…」




だったら、何が言いたいんだよ…



俺はそんなカナを無視して、バナナパフェを注文する。




あ、この学校の食堂はタッチパネル式になっていて毎月一度に食費は支払うようになっている。、、うん、なんて楽チン♪




「あれ?バナナパフェにしたの?ねぇねぇ、しゃ『やだ』·····ってまだ言ってないんだけど!!」




『は?嫌だよ。ふざけんなよ。写真なんか撮らせねぇよ』



「唐突の暴言による拒否!!」




そう言って、泣き真似をして机に顔をうずめるカナを一瞥しているとウェイターさんがバナナパフェを持ってきてくれた。あ、ちゃんと「ありがとうございます」は言ったよ。·····当たり前だけどねー。でも、この学校にはおぼっちゃまばかりだから言わない人がほとんどなんだよねー。作って持ってきてもらうのが当たり前だとか思ってる。そんなワケあるわけないのに......




『いただきまーす·····あ、』




「·····?」




『撮ったら、絶交するから』




「了解しましたー!!」




うん、素直なことはいいことだと思うよ、俺は。
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