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しおりを挟むそれは偶々だっだ。
10の時、猛獣と盗賊の討伐の依頼を受けた。
1つ国を挟んだ場所でのことであったので、髪色や瞳の色を変えなくても大丈夫だとバーナードさんも言っていた。
パーティを組んだのも、経験豊富な
頼り甲斐のある人達ばかりだった。
最初は、「子供が」と言われると思っていたけど、私が動けるとわかると色々教えてくれる様になった。
家を開ける時間も長くなり、心配されるかと思いきや、「お目付役をつけております」と笑顔で返されてしまった。
猛獣と盗賊の討伐は滞りなく終わった。
勿論誘き寄せるための餌には私がなった。”経験“を積むと言うのはそう言うことだとも教わった。
報酬は人数で割った分に、餌としての危険度分が上乗せされていた。
領地での仕事では沢山もらえていなかった金額から跳ね上がっていたので、もらっていいのか再確認したら、「ガキとは思えない動きだった」と褒めてもらえた。
問題が起きたのは依頼が完了して、家に帰る道中に起こった。
丁度自国と、隣国との境目の山中で数台の馬車が盗賊?に襲われていたのを発見。馬車の持ち主の方も護衛が応戦していたが、数と場所が森の中と不利な状況で追い詰められていた。
本当に助けに入ったのは気まぐれだっった。多分依頼の興奮が抜けきっていなかったのだと思う。
人と人の合間を縫うように動き、盗賊達の動きを封じていく。殺さずではなかったが、なるべく生捕りにできる様にしておいた。
後は、襲われた側がなんとかするだろうと踏んで。
礼を言われたがそれだけで、あんまり関わりたくもなかったから早々にその場を離れた。
家に帰りバーナードさんにその話をすると、「顔を見せていないのなら問題無いでしょう」と言われた。
そう言われて当時のことを思い起こす。そう言えばちゃんとマントに付いていたフード被ってたよね。
多分めくれてなかったよね。
・・・・・・うん、大丈夫のはず。
そう思いたい。
後に知った、あの馬車の主が両親だったと言うとこに。
両親もその場に居たらしい。外交の帰り、恨み等で襲われたのだとか。
外交官も大変ね。
※※※※※
執事視点
リリムお嬢様は領地で冒険者登録をされ、領地周辺での依頼を難なくこなされてきた。
そろそろ経験値を増やしていってもらいたいと隣国を挟んでお隣の国の依頼を受けてもらう事にした。
国内で目立たれては国を抜け出しにくくなるためでもある。
結果は任務完了。怪我など無し。
自ら餌となる潔さ、周りの動きを読み無駄のない動きで殲滅していく様は見ものだったようだ。
報告書には興奮して書かれているのがありありと見てとれた。
余程綺麗だったのだろう。
あの幼さでは長剣を扱うのはまだ無理がある。なのでリリム様には短剣の二刀流、加えて体術。
あの柔軟な体から繰り出される技は、相手をしていても、見ていても気持ちがいい。そして見惚れる。
依頼終了後はきちんとした反省会を開いている。疲れて太刀筋が乱れる様ではまだまだだし、姿勢が悪くなるのもいけない。
問題は此方に帰ってくる時に起こった。
まさか現当主の馬車が盗賊に襲われている所に出くわすとは思いもよらなかった。
勘でも働いたか?
難なく盗賊を撃退し、その場を離れたそうだが油断は出来ない。ああ見えて現当主は鋭い方だ。疑われる可能性は万が一にも消しておかねばならない。
報告が終わられたリリム様には休んでもらい、この後の対策を練る。
明日には反省会、そして国に居られなかった分の知識を詰め込んで頂かねば。
いつもの日常にちょっとした刺激が加わるのも悪くはない。
偶には私も子供と一緒に身体を動かしにいこうかな。
そう思ったひと時だった。
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