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しおりを挟む13にもなれば暫く家に帰らなくても何も言われなくなった。
お祖父様とバーナードさんがうまくやってくれているらしい。
まあ、元々居ても居なくてもいい人間だから?関心も持たれていないけど?
それでも、本宅の使用人は別宅の事が気になるらしく、様子を見に来ることが有るんだそうだ。
誰に報告しているのか聞くと、使用人の中だけで留めているんだとか。
バーナードさん達を良く思わない人達が、何とか解雇に持っていこうとしているんだって。でもバーナードさんはお祖父様に雇ってもらっているから、無駄だと思うんだけど。
そんな話をバーナードさんとしていたら、「彼方は暇なんですよ」とのこと。
暇だから何しても良いとは思わない。貰うお金の分は働かないと次に斡旋してもらえないのでは?
「ずっと公爵家で雇ってもらえると思っているんですよ」
考えを読んだ答えにびっくりしていると、慣れていきましょうね?と笑顔で言われてしまった。
その笑顔が怖いんだって。
最近は帝国まで行き冒険者として、また間諜の真似事もしている。
相手の考えを読み直ぐに次の行動に移せる様にとの訓練だった。
身体を動かしている討伐や護衛などは良いんだけど、諜報活動などは向いてないのかもしれないと思い始めた。
そんな時、大衆食堂で踊り子をして舞を披露してみたら此れが結構受けた。
昼間も娯楽として舞って、夜は呑み屋みたいになるから、舞った後はお客さんの相手をする。
社交術は家庭教師に叩き込まれていたので、そこから欲しい情報をパズルのように繋ぎ合わせて持ち帰っていく。
冒険者として回った国や地域の事を持ち出せば、それだけで懐まで入らせてくれるものもいた。
怪しまれないように全く関係ない話も含ませ、周りの会話にも注意した。
半年くらい、帝国内でも主要地域を巡り諜報活動にも慣れて来た頃、油断もあり強い酒を飲まされ高級宿に連れ込まれてしまった。
意識が朦朧としてはっきりせず、何をされるかわからない恐怖もあり涙が止まらなかった。
『大丈夫。僕が連れて帰ってあげる。君は僕のお嫁さんだよ』
優しく抱きしめて、頭を撫でてくれる。安心したからか、そのまま意識を飛ばしてしまった。
朝起きたらゆったりした寝間着を着ていた。誰も部屋に居なかったけど、メッセージカードが置いてあった。
『君の身体は清いままだよ、安心して。
ただ、人を見る目をもっと養ってから帝国においで、でないと何度でも喰べられてしまうよ』
喰べられるの意味がわからなかったけど、怖い思いをしなくて済んだのだと思い涙が出た。
でも、カードに差出人の名前が無かったからお礼も言えない。
一回国に戻ってそこからやり直すことにした。
今度はちゃんとお礼言いたいな。
※※※※※
???視点
クスクス
レイからの報告でうちに来ているのは知っていたけど、久しぶりに見ると本当に可愛いね。前会った時より成長している。身体つきも女性らしくなってきた。
今は、間諜の練習?真似事をしているんだっけ?可愛すぎて直ぐに手を出したい気分だ。
衣装も考えないといけないね。あんなに露出の多いのはいけない。実際今も何人かが狙っているしね。
そういうことはどうやら教え込まれていない様だね。
やれやれ、人の物に手を出すとどうなるかちゃんと教え込んどかないとダメだね。
僕の目の前でリリムを宿に連れ込むなんて本当、鋼の心臓持ってるよね。
クスクス、大丈夫、死んだ方がマシだって思わせてあげる。
リリムは僕のだよ。あの日会った時からね。誰にもあげないから。
早く僕の所においで。
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