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しおりを挟む朝起きたら胸に違和感を感じた。なんでかジンジンしている。服で擦れたのかな?
昨日は人肌が気持ちよくてグッスリ眠れたし。あの人に感謝しないと。
着替えてリビングに向かうと2人に「おはよう」「おはようございます」と笑顔で挨拶された。
「おはようございます」と返し席に着く。朝ごはんはレイが用意してくれたみたいで、カリカリのベーコンに半熟卵、トーストされたパンにサラダ。
どれも美味しそうで、一気に食べ終わった。
名前も知らない美丈夫は優雅に食べてるし、レイも所作が綺麗だ。
・・・・、あれ?私だけがっついてる?
「リリムはそのままで大丈夫ですよ。何でも完璧にされると息苦しくなりますから」
「え?でも2人とも食べ方物凄く綺麗」
「ああ、私たちは身体に染み付いていますから。仕方ありませんね」
「そういうものなのですか?」
「ええ、そういうものです」
レイもそれに頷くのが見えた。
片付けを申し出、食器を洗う。その間二人の間に会話等存在しなかった。
・・・・・・・・・・・無言。
洗い場の水音だけが室内に響き渡る。
「では私も仕事をしなければなりませんので、行ってきますね」
えっ?と振り向いた時には、美丈夫はもう居なかった。名前聞き損ねた。
レイに聞いてもいいのだけど、本人に聞かないと失礼に当たると思い二の足を踏んでいる。
仕事はお昼と夜の食事時なので、レイが淑女としてのマナーや所作等を教えてくれる。普段使わないと体が忘れるからという理由だ。
剣術や武術も然りで、日常の基礎体力をつけるトレーニングとレイに相手になってもらい動きを見てもらっている。
偶に公爵領に行ってはお祖父様に甘えている。
美丈夫といる時とは違う安心感がある。でも、頼りになるのは、あの綺麗な美丈夫。どう鍛えたらあんな綺麗な肉体になるんだろう?
私もあんな風に筋肉つけたいな。
そんな私の心情を理解したのか、お祖父様とレイに、
「「リリム(様)はそのままで大丈夫だ(です)」」
と凄い勢いで迫られ言われてしまった。
でも、大の大人には敵わないしな。どうしようかな。
「その様なことを考えなくても貴方様の側には腕の立つ者がついていますよ」
?誰のことだろう?レイ?でも口ぶりではレイじゃ無いよね?わからないな~。
「「わからなくても問題(ありません)ないぞ」」
公爵領では穏やかな時間が流れた。
そんな日が続き半年が経った。
その日は朝起きたら美丈夫(未だに名前が分からない)は居らず、レイも「夕方には戻りますから気をつけておいてください」と出掛けて行った。
その日のレストランは経営者も支配人も留守にしているようだ。急な仕事が入ったのだとか。
サブのリーダーが指示を出してくれているのだが、周りは支配人ならこうするであろうとの見解を読みテキパキと仕事をしていく。それは私に対してもそうであった。
サブリーダーは明らかにとある客の元に私を向かわせようとした。だが、他の職員が空気を読んで先回りして指示を出してくれたので、私が向かうことは無かった。
レイが帰ってくるまでの辛抱。そう思い昼は何事も無く終わりを迎えた。
誰かに捕まる前に店を出て、家には戻らず人通りの多い場所で時間を潰す。普段はこんなことしないのだが、何故か不安が拭えない。
こんな事は初めてで、初めて襲われかけた時でも感じなかった悪寒に、夜の部は休もうかと本気で考えた。
結局逃げても何もならないからと、レストランに向かう。其処で目にしたのは、ボロボロにされた私の衣装。特注でレイが用意してくれたもの。
これでは仕事は無理だと断ろうとサブリーダーの元に向かうと、替えの衣装を渡された。
明らかに露出が多いそれに断りを入れようとすると、
「お得意様がいらっしゃるので、その方が帰られたらその後は下がってくれて構わない」
軽く相手をして帰れば良いかと引き受けてしまった。それが悪手だとも知らずに。
※※※※※
レイ視点
今日いや此処最近私の周りがおかしかった。仕事面で此処までややこしくさせられたことなど一度もなかったのだ。
明らかに私をリリム様から離そうという魂胆であろう。乗らなくても良いのだが、見つけて叩き潰さないと彼の気がおさまらないので、私もリリム様から離れる事となった
彼は先に手を打ちに一度帝国に戻っている。距離にして大分有るが、転移が使えるので問題無い。
リリム様には彼の信頼出来る影が1人付いている。脇目も振らず只只管に仕えるもの。
報告は私と彼の2人が逐一受けていた。
「影の中に裏切り者がいます」
それだけで充分だった。彼の影の中で唯一の女。
彼が愛するのはリリム様のみ。
邪魔するものは如何なる理由があろうとも処分する。其れが皇族に連なる影で有るなら尚更。
リリム様が夕の仕事に入ると同時に、帝国から戻りレストラン内で気配を消し影と私、彼の3人で様子を伺う。
案の定リリム様にちょっかいをかけて来た客がいる。金でリーダー格を買収したようだ。
リリム様の身体に変化が起きる。直ぐにでも動こうとする彼を抑え、化粧室に向かう様、リリム様に指示を出す。
私が帰って来たのが分かり安堵するリリム様。
気力でバックヤードの化粧室付近迄辿り着くと倒れたしまった。そんな彼女を難なく彼が抱き上げる。そして私に黒い笑みを見せると、もう一つの家、もとい邸に向かわれた。
残ったの者処理は私と影で済ます。
リリム様に手を出そうとした者には全員消えてもらいます。
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