39 / 45
39
しおりを挟むリヴァル様の執務室で抱かれたあの日から半年が経った。
はっきり言って抱かれた時のことはよく覚えていない。初めに彼の唾液を飲み込んでから記憶が無いのだ。
それでも彼が私を気持ちよくさせてくれた事には変わりなく、子供がお腹に宿ったのもまた事実。
でも、あの時確かにリヴァル様の目が真紅に染まっていた。間違いでなければあの時リヴァル様はリヴァイアル様と入れ替わっていたのだろう。
でも普段からあれ、っと思うことが多々あった。本当は入れ替わっているのではなく、一つになったのだろうか?聞いても良いのか悩む所である。
悪魔のリヴァイアル様が酷いことをする訳では断じて無い。これ迄の事を鑑みるにとても優しい。
お腹の子が産まれたら聞いてみよう。教えてもらえるのかは分からないけれど。
それでも此処を出て家族で暮らすときに隠し事はいらない。自分の心の奥まで伝えたら嫌われるかな?それでも聞いて欲しいことはいっぱいある。
早く産まれておいで。皆んなで待っているから。大好きだよ。
お腹を摩りながら話しかける。ノックの音がしてリヴァル様が入ってくる。すると挨拶もなしにいきなり寝室に運び込まれた。シーツの上に優しく下されるといきなりお腹が痛くなり始めた。
えっ、っと思う間も無く下着を取られ、膝を立てられ足を開かれる。
レイの姿と侍女の姿があり、ベッド上から見るとお産の準備と思えた。
まだ半年しか経っていないのにまだ産まれないよ。
「リリム今度の子は悪魔の子です。ですので通常の人間よりもお産が早くなります。
大丈夫、リリムの身体には負荷がかからないようにします。ですので安心して我が子を産んでくださいね」
リヴァル様が私の心を読んだのか疑問に答え、安心させることを言ってくれる。
多分今の彼はリヴァイアル様なのだろう。袖を引っ張り顔を寄せてもらう。
「リヴァイアル様ちゃんと産みますから見守っていてくださいね」
そう伝えれば口付けられ唾液とは違うものが流し込まれた。
後に聞くと魔力なのだそうだ。それが心地良くて眠気が襲ってくると、途端にお腹に激しい痛みが走る。
いつの間にか身体に力が入らず蹲ることすらできない。
呼吸が荒くなり目の焦点が合わなくなってくる。
そんな中部屋に結界を張ったリヴァイアル様が手を握ってくれる。その手が徐々に暖かくなる。
お腹の痛みは取れないけれど、頭を撫でてくれる手で安心出来る。
しばらくその痛みが続くとお腹の子が産まれてこようと膜を破り這い出し始めた。
暖かい液が膣内から溢れ、子供が出口をこじ開ける出てくる。
お腹に居た周期が短いので小さい子が産まれると思っていたらエスよりも一回りも大きい。
物凄い痛みで気を失いそうになるのをリヴァイアル様に止められる。母胎が気を失うと子に食べられるのだとか。
自力で子宮から這い出た我が子は今度は子宮内の胎盤を引っ張り出す。臍の緒はついたままだ。
胎盤を全て出し終わると、今度はそれを食べ始めた。
身体を動かせない私には見えないが、レイが口パクで教えてくれる。
その間誰も言葉を発しなかった。
全てを食べ終わると、子供は一気に成長し10歳くらいになった。
自身の魔法で身を綺麗にし服を着る。そして私を一瞥する。
ベッドから降りた我が子は私を見ると、ご苦労だったな、と声を掛けいなくなってしまった。
訳が分からずリヴァイアル様を見ると、頭を下げている。後で聞いた話によると魔族の中でも王になれるほどの器なのだという。
彼の気配が完全に部屋から消えるとリヴァイアル様が魔法で私の身体を綺麗に回復させてくれた。
貴女を抱けないのは寂しいですですから。と言われてしまえばい赤くなるしかない。
子宮や膣内、蜜口が酷いと思っていたら、綺麗に修復されていたらしい。
あの子が出て胎盤を出された後からは痛みが引いていたことを伝えると、余程リリムのお腹の中が快適だったのでしょうと言われてしまった。
本来悪魔は生まれ出るときは卵から孵るか、母体となるものがある時は胎を突き破って出てくるそうです。
聞いてるだけでも痛々しいのですが、快適だからと言う理由で身体を傷つけずに出てきてくれたのでしょうか?
「多分ですが彼は面白いものを見つけたのでしょう。ですからリリム様の身体の傷を修復し、痛みまで取り除いたのだと思います」
レイが説明してくれる。本来人から生まれる悪魔は凶暴で手がつけられず捕縛するのが通例なのだとか。
皇城自体にも結界が張ってあり逃げ出すことは叶わない。その中で調教し飼い慣らすのだそうだ。
でもあの子は此処から簡単に出て行ってしまった。どこかで捕まえられているのだろうか?それなら助け出しに行かないと。
ベッドから降りようとすればリヴァイアル様に抱き上げられ近くのソファに膝抱きで座らされる。見上げると額に口付けを落とされる。途端に眠気が襲い意識を失ってしまった。
次に目を覚ました時、私は悪魔の姿のリヴァイアル様にベッド上で見下ろされていた。
※※※※※※※※
リヴァイアル視点
半年前に悪魔の種を仕込むのに成功している。これであのお方が無事に腹の中から出てくれれば問題ない。
彼は数千年前にこの国に力を与えその時に捕らえられてしまった。
決して油断があったわけではない、悪魔にでさえ知られていなかった。
人間界に生息する植物が悪魔の力を極限まで弱らせることができることなど。
それは本当に偶然だった。人間にとって特別身体にいいという薬草でもなかった。
ただ、その時の料理人が別の野菜と間違えたのが事の発端だった。
力を与えた後、人間の女を何人か抱き殺し欲望を満たした後、献上された食事を口に入れた途端弱体化しその隙を見逃さなかった人間に血肉を喰われ見せしめに広場に晒された。
だがそれで悪魔が滅するはずもなく人間の中で生き続けた。そして彼の復活を願う悪魔の中で力のあるものが、皇族の赤ん坊が産まれる前に自らの魂を埋め込む。
魂の相性が悪ければ暴走を起こし直ぐに死んでしまう。
辛うじて生まれ出ても身体の中で反発しあえば同じ様に死しか待っていない。
そんな中で私は本当に運が良かったのかもしれない、悪運という意味で。
先に身体に定着していた魂との相性は良かった。
幼少期に目を付けられる行為をしてしまったっが、それ以降はなりを潜め様子を窺い、血が恋しくなればリヴァルを刺激し血を浴びる様に殺戮を楽しんだ。
そんな中で出会えたリリムは僥倖と言えるものだった。
会った瞬間欲望の赴くままに犯し尽くし血肉を貪りたくなった。
そしてそう感じたのは私だけではなくリヴァルも同様であった。
二つの魂が惹かれる者は珍しい。何万年に一回あるか無いかの確率になる。
誰にも渡さない
二つの意思が重なると同時に同調が始まった。人間で護りきれない部分を私が護る。
可愛がるのは勿論2人で執拗に離れられないように、他のものに目移りしないように私にだけ夢中にさせる。
どんな手を使っても手に入れる。
少し時間は掛かったが、肉体も精神も私に毒されるように堕ちていった。
それでもリリムの魂は綺麗だった。
人間の子を産み落とした時何故か涙が出た。意味はわからない。リリムからは喜んでくれてありがとうとお礼を言われた。
リヴァルは嬉しかったのだろう。リリムに巡り会えて。子供を作ることができて。
皇城に住処を移動したのは結界が張ってあるから、それが1番の理由だった。
悪魔の子を胎に宿すには身体を作り替えなければいけないのと、胎を一度伸ばしておかなければいけない。
窮屈と感じると不快に感じ育つ前に外に出ようとする。それを避けるための人間の子だ。
人の子は狭い中でも文句を言わずに居てくれる、これ程有難いものはない。
悪魔の種は子宮内以外には注いではいけないとも言われている。
実際膣内で悪魔の子が孵り母胎を死に追いやった例もある。
触手で膣内を広げ、膜を張り子種が付かないように処理を施す。リリムは嫌がっているが、死なせないためには仕方が無い。ちゃんと育ってもらわないと困る。
リリムの身体を傷つけ、快感と痛みを与える。作り替えられたリリムの身体は私の想像よりも遥かに気持ちよく、血を飲むだけでも喉の渇きが無くなる。
飲み干したい
私の中の本能が叫ぶ。
もっとリリムの身体を貪りたい
私の中のリヴァルが叫ぶ。
無事子宮内の壁に卵が張り付いたのを確認し、リリムの身体を修復する。
育ちきるまでは母体から栄養を貰わなければいけない。生命力を吸い尽くそうとするならば私が傍で監視しなければいけない。
生育は順調だった。母体にも影響は無かったと言っても過言では無い。
生まれ落ちるのは彼では無いかもしれない。
目的を達成するために私の魔力を胎の子に注ぎ続ける。もちろんリリムが寝ている間に蜜口から。
半年が経った頃リリムの部屋から魔力の拡がりを感じ、慌てて訪ねると彼が胎から出てこようとする前兆だった。
レイに指示し、出産の準備を始める。どこから出てくるのか分からない以上迂闊なことは出来ない。
リリムに手を握り安心させるので精一杯。迂闊なことをすれば喰われてしまう。
何処ぞの蜘蛛と同じで母体を喰らって生きるのだ。
メリメリと蜜口が開き手、頭、胴体と出てくる。最後に足が出るとそのまま臍の緒を引っ張り胎盤を出し喰らい出した。
その身体は一気に成長しエスよりも大きく10歳くらいの子供になった。
驚く間もなく服を着ベッドから降りるとリリムに労いの言葉をかける。ご苦労様と。
私に一瞥もくれることなく彼は魔界に帰っていった。
リリムの身体の修復をと蜜口を見ると、胎の中まで綺麗にされていた。
だが、生殖器としての機能は失われていた。
魔王を胎に宿し産み落としたのだ、仕方の無いことだろう。
リリムが無事で良かった。
これでまた、私の快楽に付き合わせることが出来る。
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる