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しおりを挟む起きてからは色々なことが待っていた。
先ずは、魔獣を討伐し、解体その肉を美味しく料理し頂いた。私は何もしていない。全てリー様がしてくれた。
起きてからは体調が良く身体の動きが軽くなったくらい。理由は分からない。
リー様が何も言わないから多分大した事では無いのだと思うことにした。
それにしても、今迄食べなかった事が悔やまれるほど魔獣のお肉は美味しかった。おかわりしようとしたら、身体の動きが鈍くなりますよ、と言われ我慢することにした。
その代わりにと言っては何だが、デザートやスープなど目移りしそうなものが沢山あり、余った物はお昼ご飯に食べることにした。だって勿体無いから。
今日はリー様と森の奥まで探検し、色々な魔獣の対処の仕方や、魔生物の処理の仕方なども学んだ。
そう、ギルドマスターには言っていなかったが、魔生物が生息していたのだ。
害のないものから、人を喰らうものまで多種多様。でも、今迄確認されていた物が変異した物が多いので、新種というものは少ない。長年薬草などの採取をしている方ならば直ぐにわかるレベルだ。
因みに私はさっぱり分からない。薬草のお世話になった事も最初のうちだけで、殆ど採取すらしなくなっていたから。
今回調べたことを一覧にして冒険者ギルドに持っていく準備をする。
無闇矢鱈と森の深層部に入り込む輩は居ないと信じたいが、変に自尊心の高い者がいた場合はそうとは限らないだろう。
巻き添いくらわされて命を落とす者が可哀想だからその辺もきっちりしておかないと。
そんな話し合いをリー様としていたらどっぷり日が暮れてしまっていた。
こんな風に過ごすのもとても楽しい。これからもっといろんな土地に行って、見た事も聞いた事もない物を自分の目で確かめてみたい。
リー様に一緒に来て欲しいとお願いすると、勿論一緒に行かせてもらいますよ。何処までもね。と快く了承してもらえた。
嬉しさのあまり抱き付いて喜んだ。その後も色んな話をリー様としたかったのだけれど、私の意識はそこで無くなった。
次に目が覚めた時私達は冒険者ギルドに纏めた物を持ち込み、ギルドマスターと話をした。
やはりというか、無謀に森に入り込み何人かが命を落としているそうだ。愚かとしか言いようがない。
多分リー様と私の実力を見誤ったのだろうと言われた。
私たちが調べて纏めあげた書類はギルドマスターに渡し、配るなり貼り出すなりするように頼んだ。
知識も無いのに処理などできないだろうとの判断だ。新たに分かったことがあれば書き込める仕組みも大事だろう。
話し合いにはそのギルドで主に害獣の処理等をしていた実力者と呼ばれる人たちもいた。
同じ獣でも強さが違えば対処の仕方も違うという事で、鍛錬場でリー様が少し稽古をつけることになった。
私は見学かと思いきや、冒険者の中に女性もいて嫌がらせを受けないためにリー様の傍で待機する事になった。
邪魔にならない範囲を理解していたので何も問題は無く、逆に複数で襲われた時を想定してという練習では私が駆り出された。
動きが速すぎて見えないと苦情が来たので、少し抑えてくださいとリー様に言われ、かなり手を抜いての訓練になった。
その後は、リー様と本気の鍛錬。場所を壊しかけ、流石にリー様が私の攻撃を難無く受け止めお開きになった。
訳ではなく、私達が終わったと思った女性達がリー様に群がってっきた。
リー様の隣に居る私を押し退けようとした女性が、弾き飛ばされ壁に打ち付けられ血を流していた。
「前にも言いましたが、この子に手を出す輩に容赦はしません。目障りです死にたくなければ消えてください」
そこからは悲鳴が上がり逃げ惑う人で出入口がかなり混雑していたが、訓練を受けていた冒険者たちとギルドマスター、それに実力を測ろうとしていた者は残っていた。
「はぁすまないな、ああいう奴らは礼儀を知らんのだよ。
それに教え込んでも直ぐに忘れる。あんな奴らの冒険者資格は剥奪しておくから悪く思わんでくれ」
「別に構いませんよ、リリムにさえ手を出さなければ、ね」
「ああ、分かっている。薬草採取に長けているもの以外はギルドにも立ち入り禁止にする。
ギルド内の風紀も乱れて来ておったしな」
「私達としてはそれ程長くここに留まる気はありませんから大丈夫です。
それと早急にギルドを繋ぐ魔道具を使用した方がいいでしょう。
この地域にだけ魔物が出現しているとは考えにくいですし、他の大陸から来る魔物の情報なども共有しておいた方がいいでしょう。
この街にも魔具師が居るようですし頼んでみては如何です?
魔石はこの前の魔物の物と、私が持っている最高の物を渡しておきましょう。
欲しいと言ったら差し上げてください。優先されるのは情報の共有ですから」
「分かった、その、だな、魔具師が何処にいるのか教えては貰えないだろうか?魔力を持っている者は隠れて生きる者が多いのだ。
すまん、手間をかけさせる」
わかりましたとリー様が返事をし、そのまま魔道具屋に行く事になった。
取引はリー様私、ギルドマスターの3人で行ない、完成次第ギルドに届けるというもの。
国への報告は既に済んでおり、騎士団でも屈強の者が力を見せつける事になった。
上辺だけや爵位ではではどうしようもないしね。
当分はこれで事が済むだろうと言われている。無謀な事をする者が居なければの話であるが。
その後数日は森の中を散策し、対応能力を磨いていった。
魔石は全てその都市の魔具士に渡し活用してもらう様に頼んだ。
当然力尽くで奪いにくるものも居るだろうからそう言った輩用の防御の力を施した魔石も渡しておいた。
私に魔力は無いから全てリー様が魔力を付与した物を身につけている。何でも男性除けなんだそうだ。
そんな事ないと思うんだけどな、と顔に出ていたのだろう。抱き締められ口づけられた。可愛すぎますよとその日はベッドから出してもらえなかった。
「いいですかリリム。貴女はとても可愛らしくもあり、綺麗になっているんです。
この前のギルドの訓練の時でも貴女を見ている若い冒険者が多かったのですよ。もう少し自覚してくださいね。
でなければ貴女を人前に出したくなくなります。お願いしますよ」
子守唄のようにそう耳元で囁かれ私は意識を手放した。
どうするのが1番良かったのかな?
目が覚めると、抱き締められ頭を撫でられていた。とても気持ちが良くずっとそうしてもらっていたいくらいだ。
身体をリー様に預けているとクスクス笑う声が聞こえて来た。それでも離れたくなくて抱き付いていたら、お腹は空いていませんか?と言われた。上を向くとお腹がぐーと大きな音を立てて鳴った。
恥ずかしくて一気に顔が真っ赤になりリー様の胸に顔を埋めた。
もう少しだけと思っていたら、そのまま抱きしめられ眠りについてしまった。
空腹よりも温もりの方が勝ってしまった瞬間であった。
お腹いっぱいご飯を食べてギルドに向かうと、奇異の目を向けられた。
意味が分からずギルドマスターに面会し今後の事を話し、この付近から去る事をリー様が話していた。
初めて聞く話に驚いていると、この辺は全て周りましたから次に移動しても問題はありませんよ。新しい所にも行ってみたいでしょう?と頭を撫でられた。
人前でされるのは、子供扱いされているみたいでとても恥ずかしいけど、気持ちが良いので、このままでも良いかと思ってしまった。
ギルドマスターからこの大陸のことを教えて貰い、面白そうなところをリー様と話して決め順番に向かうことにした。
人との出会いというよりも、色々な魔物との出会いの方が多くてとても充実した日々を送っていた。
リー様も私を束縛する訳ではなく好きな事をさせてもらえるので、一緒にいててとても楽しかった。
リー様が怒る時は本当に危ない事をした時だけだから。
帰る事を気にすることも、報告する事も考えなくて良いのはとても楽だった。
自分の思うままに進む事ができてとてもたのしかった。
ずっとそんな日々が続くものだと思っていた。
リー様とのこの時間を奪われることは無いと。
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