どうぶつ村(淡水魚・海水魚含む)の住人たち〜今日も何かが起こっている〜

黒梟

文字の大きさ
4 / 29

雪の精

しおりを挟む


 今日は卒業式で、喜んで貰えるかなと思って、低気圧呼び込んで寒気増やして、雪の結晶作って降らせてみたけれど・・・・・・・・・。

 予想外のノミーの反応に笑ってしまった。
相変わらず突拍子も無いことを言ってくれる。
退屈しないで済むけど、相手をすると大変だ。


 空気中の水分の中に溶け込んでまた寒い地域を目指す。暖かい所では雪だるまの姿をとれないから。

 風に流されながら初めてあの子に会ったことを思い出し、笑みが零れた。

 ほんとに、全然変わんないな~



*******


 寒気が流れ込み麓の村や町にも雪が降り始めていた。

 いつ自分になったのか、意識を持ち始めた時のことは覚えていない。
 それでも楽しい事を求めて、世界中を飛び回っている。同じ場所に何度も行く時もあれば、一回行って終わりの時もある。

 今回行った村も、川や大きな泉があったので再度訪れた場所だ。
 住む者達は変わっても、穏やかな時の流れと、水音は変わらない。そんなこの村が好きだ。

 雪はもう数十センチは積もっている。

 これくらいなら大丈夫か

 そう思い小さな雪だるまの姿をとる。そうしてそのまま泉まで飛んで行く。
 泉に着くと、色鮮やかな魚が居た。どう見ても死んでるだろうと思っていたら、その魚事もあろうに泉の真ん中で前転繰り出した。
 当然弾かれた水面は勢い良く水しぶきを上げ宙に舞う。

 って、おーーーーーーーーい!どんだけの力で水面切ったんだ!!!?
 有り得ない、普通有り得んだろう??どう見てもちっこい魚。私とも体格差がそう無いんだぞ?!

閑話
 私?私の体格?
身長(高さ)約13cm、頭周り(上周囲)約23cm、胴体部(下周囲)約22、5cm  つぶらな瞳がチャームポイント。
 えっ?下が小さい?大丈夫!内容量は下の方が多いから!バランス悪くないよ!
閑話終わり


 そんな私を他所に、魚は舞い上がった水がキラキラと輝いて落ちてくるのをうっとり見ていた。

 なんかもう、目がキラキラ光ってる!乙女か!

 それを見ていて、気に入らなかった私の同胞が泉の水面を凍らし始めた。

 何十という雪の精が一斉にちっこい魚の下の水面目掛けて冷気を出したのだ。それこそ瞬間冷凍!!
 魚の下の水面も間髪入れずに凍りつき、その上に居た魚の身体が水面の氷に張り付いた。
 氷の厚さはおおよそ30cm。結構な厚みだ。

 身動きの取れなくなった魚が、胸びれや尾びれを懸命に動かして叫んでいる。
「ノミーー!ノミーー!」

 その内、どうしようもなくてしょぼくれたのがわかった。

 そしたら魚の前に同胞達が姿を見せ、おもむろに魚をなじりだした。

「魚は大人しく水の中で冬眠するもんだろ?」「魚の癖に僕達の仕事邪魔すんな!」「このまま寝どけば?春になったら溶けるから」

 などなど、つまらないことを言っている。折角面白いことできるんだし、一緒き遊べばいいのに・・・。

 助けに行こうかなと思ったその時、魚の目付きが変わった!
 ついでに頭に角みたいなのも生えてる気がする・・・・・・・・・幻覚じゃ無さそうだ。

 何かいろいろヤバい!

 咄嗟に、上空まで登り上がる。私の行動を見ていた同胞達もそれに習った。
 悲鳴を上げたのは魚の近くにいたもの達だ。

「えっ・・・ぎ、やあああああああああああああああ」

 どうやって氷から剥がれることが出来たのかは知らないが、空気を振動させ同胞の分子をも振動させ熱を作り出し蒸発させているのだ。

 そうして身体の後ろ半分、尾びれを頭に着くほど体を逸らし、勢い良く氷に叩き付けた。
 厚さ30cmもある氷がいとも簡単に割れて砕けた!

 魚恐るべし!!!!

 挙句に同胞が出した熱も加わり氷が溶けてきている。
 魚の周りだけ温かくなったのか、角が無くなりほっこり顔になっていた。・・・・・・・うん、怒らせちゃいけない奴だ。
 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...