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お泊り学習 8
しおりを挟む城門をくぐって広場に出る。
そこから見る朱色の建物はとても綺麗だった。
一度壊されたけど、土台部分などが残っていた為に忠実に再現できたのだそうだ。そして今では有形文化財になっているんだとか。
住人の思いの塊なんじゃな。
一人頷きながらそう思ってると、上から声が降ってきた。
「ケンタ、何うんうん言ってるノミ?」
「建物が綺麗に保存してあって、住民がそれを守っているのだなと感心しておったのだ」
「確かに!外見がこれだけ綺麗なら、中はもっとすごいんだろうね!楽しみだね!」
「そうじゃない・・・・じゃがノミよ!あまりに綺麗だからといって立ち入ってはいけない場所や、物には絶対に触れてはならんぞ!よいな!!」
「はーい!大丈夫だよ。危ないと思うとこには、強面の先生達が見張ってるから。ノミーよりも強烈なのがいるみたい」
「ノミーより強烈って、はぁ、ウホ先生がワシにお主を押し付けるわけだ」
楽しそうに話すノミーに比べて、本当の意味でノミーを託された意味を理解した。世の中狭いな。強烈なのが全てうちの村に集まっておるのだから・・・
そしてシミジミ思う
何でワシ達のいる村あんなに平和なんじゃろ?
いつも陰で大人達が必死になって子供達を見守っている事を皆は知らない。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
先ずは外側の城壁の上を歩いてみる。ワシの様に高くない身長では景色が見えにくいので、所定の位置で先生達が待機していて抱きかかえて景色を楽しませてくれる。
勿論ノミーは、ふわふわ浮いて「あそこに何があるよー」などと教えてくれていたが、見えないワシからすれば、よくわからん説明でもあった。
建物の中に入ると、説明文やその時代の民族衣装を着た人形などがあった。
ガイドさんの説明もわかりやすく、質問している先生もいた。
物珍しい物が多く、ノミーがソワソワし始めた。
ワシの小さい頭の上でモゾモゾされると、収まりが悪いと言うか、首がしんどい。ので、一言。
「ノミー動くな!大人しくせんとワシの背中に後ろ向きで縛り付けるぞ!」
「ノミ!それは嫌。大人しくする。ケンタの尻尾が邪魔で後ろ見えないもん!」
失礼な!ワシの丸まったふわふわの尻尾の何処が不満なんじゃ!
玉座の置いてある場所ではみんなが立ち止まって写真を撮ったりしていた。
頭の上から不穏な言葉が・・・「座ってみたいノミ・・・」、すかさず「背中に後向き」「何でもないノミ!」
比較的穏やかに、順調に進んでいると思ったら、後ろから来た別の生徒がロープを超えて行こうとして、先生に頭掴まれておった。
ま、当然じゃな。マナーは守らんとな。
また、建物の中から見る景色は、城壁からのものと違って遠くまで見えていた。
見る場所によって変わる景色が目を楽しませていた。
この後の買い物を控えて皆んなのテンションが上がっていったのは言うまでもないことであった。
「ふふん、何を買おうかの~」
「犬が食べるものじゃないの?」
「せっかくきたんじゃからここでしか買えない物をお土産にするのは当たり前じゃろ?
第一ノミーは魚。魚が食べるのもしか買わんのか?それではあまりにも素っ気ないのではないか?」
「あそっか、そうだね!どんなのがあるか楽しみだよね!」
「食べ物のの匂いにつられるではないぞ!探す方が大変なじゃから!
後、大道芸に混じってもダメじゃぞ!」
「えー?なんかダメなことが一気に増えた気がする~」
「当たり前じゃーーーーー!」
どうやらワシの苦難は買い物の時まで続きそうであった。
解せない・・何故じゃ・・・
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