うり坊すごろく記 ~もふもふは非常食要員なんじゃないかと最近うたがってます~

青山零

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悪役を演じて見せよ!

おひさしぶり

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 ソラは祝賀会でぶーちゃんと勘之助と会う約束をしている。
 
 殺気を感じたと思ったら、包丁を持った中年男性がいきなり突っ込んできた。
「おめーが、アイランか! 覚悟しいやー!」
 人違いであるにしても、急に包丁を持った人が襲い掛かるなんて、警備どうなっていやがる。

「あっ、鉄さん!」
 どうやらロックロックビート旅館の板前鉄さんの特攻にあったらしい。初対面が鬼の形相なのはいただけない。
 今回、鉄さんがここにいるのは、ロックロックビート旅館から派遣されて祝賀会の料理を作ってるからで、包丁は料理用の包丁だった。
 要人がいる中での突撃だったので、危険人物認定されて、速攻で騎士団員に捕縛されていた。やはり料理用とはいえ、包丁を持っていたのはよろしくない。
 後の彼の言い分では、包丁は料理人の魂であり知り合いがいたので、見せようとしただけで、傷つけるつもりなんて毛頭なかったと言っていたそうな。絶対嘘である、殺気を感じたソラはちょっぴりチビってしまった。今日は散々である、凶なだけに。

「ごめんなさい、ソラお兄ちゃん、アイランお兄ちゃんも。何を勘違いしたのか、鉄さんってばアイランお兄ちゃんを目の敵にしているの」
 鉄さんと会うのを楽しみにしていただけに残念な邂逅かいこうであった。
 
「僕知っているよ! ぶーこがアイラン兄ちゃんのこと、好きって言ったからだよ、『お嬢のツレは俺が見極めてやる』って言ってた」
「そ…それは、友愛の意味で」
 と言いつつ、ブーちゃんは真っ赤になってしまっている。見極めるどころか、最初から殺しにかかっていやしなかったかとソラは思った。

「ソラ、無事か?」
 ライオン兄さんがやってきた、タマキの腰に手をあててエスコートしつつだ。この数時間で何があったのやら。

「えっ、ライオン兄さん、タマキ?」
 ヘタレ社畜チキン返上かと思いきや、距離感の近さにタマキは物凄く嫌そうな顔をしている。あれれ、どういう状況だろう。

「そこであったの! ソラのはっぴょー、楽しかった!」
 どうやら、今はタマキに変身したポンタがタマキの代わりに色々と動いているらしく、今いるタマキは変身したポンタのようだった。ポンタに聞いたところ、音楽祭の準備で疲れ果てたタマキは用務員室に食事を運んで休んでいるとのことだった。

「あのな、ソラ、実はタマキさんと付き合うことになったんだ」
「えっ!」
 勘違いが勘違いを呼んで、レオナルドはタマキと付き合うことになったようだ。
 後にソラがポンタに聞いたところ、たぬきのポンタにはよくわからないことを言われて、適当に相槌を打っていたら、そうなったらしい。また、ポンタには人との距離感も良く分からなかったので、腰に手をあてられてもそんなもんだと思って拒否しなかったらしく、それもレオナルドの勘違いに拍車をかけてしまった要因らしい。

 どうしようもない、こうなったら、レオナルドのことはタマキに丸投げしようとソラは思った。
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