うり坊すごろく記 ~もふもふは非常食要員なんじゃないかと最近うたがってます~

青山零

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悪役を演じて見せよ!

謝るこころ

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「そうです、うちのソラは人を慈しむ優しい子供です。殺人なんて犯すはずもない」
 両親同様に様子を見に来てくれていたレオナルドも擁護してくれている。なぜか、ミステリー殺人事件の断罪が始まっているが、乙女ゲーム婚約破棄断罪はどこいった。

 実は、レオナルドとタマキの後日談。音楽祭で付き合うことが決まり、何度か一緒に出掛けた2人だったが、生粋のタマキの人見知りが災いして、レオナルドに振られてしまった。『タマキさんはまだ結婚とか考えられないみたいですね…、すみません、無理を言ってお付き合いいただいて…』と悲しそうにしていたそうだ。この件でソラは男女の付き合いは難しいんだなと思ったが、意外とこうやって付き合ってみてダメと思ったら、簡単にお別れできるんだと勉強になった。
 その日、タマキは臨時開店したスナックガラムママで朝までへべれけになって飲み明かしたそうだ。結果的には、潔く身を引いた兄も結局恋することができなかったタマキも失恋という形になってしまったけれど、何だかんだ楽しそうだったなとソラは少しうらやましく思ったのだった。

「ええい、だまれだまれ! この娘が小僧がエ…エリヤちゃんを…エリヤちゃんを…ぐおおおおお、許せん!」
 ルージュの引っ張って前に引っ立てた。ヤト先生は号泣し、目をぐしぐしとこすっている。
「…ソラ、私はあの試合の時に確かに校庭に降り立つ、あなたをみました」
「ルーちゃんどうして…」
 ソラはぐっと握りこぶしを握る。

「僕はあの時、アランと白虎といました。白虎が吐いた毛玉の量が多すぎたことを心配したアランに頼まれて、ジュリアン室井が白虎にメディカルチェック能力を使っているところでした。丁度、観客のおじいさん、おばあさんのメディカルチェックが終わった後でしたので、観客とアランに聞いてもらえれば証明できると思います」
「ああ、そうだった、ちょうどその時でした。それなら、俺が証明できます」
 アランも一緒に証言してくれている。

 くわっと、ヤト先生が目を見開いた。
「なっなんじゃと! 」
「証拠もなしにそこの娘の証言だけで、この子を責めたのだとしたら、大問題です。国の為政者として君臨していた人とは思えない体たらくですぞ」
 ここぞとばかりにパパがヤト先生を追い詰めだした。

「娘! どういうことじゃ! 弁明せい!」
「先にそこの娘さんを責める前に、ソラに謝ったらいかがですか」
「ライオン兄さん…」
 皆が皆、ソラを守ってくれた。そして、ヤト先生と白岩先生とルージュに注目が集まる。

「ぬっ…」
「ソラ君、申し訳なかった。弁明するようだが、まるでもやがかかったように…すべてが歪曲して見えた…ヤト先生、自分はヤト先生にたくさん救われました。間違ったことをしたら、謝ることも教わりました…ヤト先生」
 白岩先生が90度お辞儀し、謝罪する。この先生のいいところは潔いところだ、そしてヤト先生にも謝罪を促した。
「ぬっ、すまなかった…、娘も手荒な真似をしてすまぬ、目先のことしか見えておらんかった…わしは…わしは」
 ヤト先生の号泣に心が痛む光景だった。
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