23 / 124
第23話 推しが俺の横で寝てるんだが!?(物理)
しおりを挟む
――人生で一番、心臓に悪い夜がきた。
なぜかって?
いま俺の隣に――
安城恵梨香(推し)が、添い寝している。
いやいやいや、状況どうなってんの!?
こっちは心臓バクバク、顔面真っ赤。
一方で、本人はすうすうと寝息を立てて、まるで何事もなかったかのように静かに夢の中。
……これ、夢?バグ?幻覚?異世界転生の前兆?
──話は、少し遡る。
「家に連絡しなくて大丈夫か?」と俺が聞くと、安城は涼しい顔でこう言った。
「一人暮らしだから。問題ないわ」
その一言に、隣の姫花が目を輝かせる。
「ひ、一人暮らし!? 大人っぽいっ!」
「いやいや……でも女の子一人ってのはさ、なんというか……か弱いし――」
(いや…か弱くはないか?)
その瞬間、安城からギロリと刺すような視線が飛んできた。
(あれ?……ばれてる?そんな訳ないよな?)
その後、姫花が「一緒にお風呂入ってくるね~♪」と安城を引っ張っていった。
──俺はというと。
「……湯、全部抜けてるじゃねぇか……!」
一滴の希望も残ってないバスタブに、俺は絶望した。テレビをぼんやり見ていると、姫花が嬉しそうに言った。
「そうだ!お隣さんからチョコもらったんだ~。安城さん、甘いの好き?」
その瞬間、安城の肩がピクッと反応。
(……あ、好きなんだ。かわいい……)
開封されたのはちょっと大人向けのチョコ。俺は一口でギブアップ。
「これは……無理……甘すぎて、なんか……ダメだわ……」
だが安城は違った
「……おいしいわね、これ」
もぐ、もぐもぐ、もぐもぐもぐ――
止まらない手と、無表情で次々とチョコを口に運ぶ姿に、俺は思った。
(……ギャップ萌えって、これのことか……!)
それぞれが寝室に入り、俺も自分の部屋で布団に潜った。
(……推しが、同じ屋根の下にいる……!)
心拍数は天井知らず。もう無理だ。絶対に寝れない――
と思っていた。
──だが、眠っていた。
「……トイレ……トイレ……」
寝ぼけ眼の安城が、ふらふらと起き上がり、トイレを目指す。
(……ここ、神田くんの家だったわね……)
眠気で朦朧としながら、感覚だけを頼りに歩く。
「……電気……つかない……」カチ、カチ。
何度押しても反応しないスイッチ。
(……もういいわ……)
真っ暗な中を“勘”で乗り切ったその足取りが──
自分の部屋と“思い込んでいた”俺の部屋へと、向かった。スライドドアの感触が、いつもの部屋と似ていた。それが致命傷だった。
するりとドアを開け、するりと布団へ滑り込む。
(……あったかい……おやすみなさ……)スヤァ……
「まてぇぇええ! ダブルミックスゥ!」
夢の中でソフトクリームを追いかける俺。
――ガサッ
寝返りの先にふわっと柔らかくて、あったかくて、いい匂いのする“何か”が。
(……え?なにこれ?)
視界がはっきりするにつれて、俺の心拍数もはっきりしてきた。
パッと目を開けると、そこには――
金髪。オッドアイ。寝息。安城恵梨香(推し)。
「……安城ぉぉぉおおおおお!!???」
俺の魂が、音を立てて悲鳴を上げた。
(なに!?どうして!?マジで!?え!?これは!?やばいやばいやばい!!)
その心の声は――
横で寝ていた安城にも、しっかり届いていた。
(……ん……え……ここ……どこ……)
意識が戻り、隣にいる存在に気づいた瞬間。
(……私の、ばか)
月明かりに照らされた安城の頬が、ほんのり赤く染まっていた。その横顔は、まるで童話のお姫様みたいに綺麗だった。
なぜかって?
いま俺の隣に――
安城恵梨香(推し)が、添い寝している。
いやいやいや、状況どうなってんの!?
こっちは心臓バクバク、顔面真っ赤。
一方で、本人はすうすうと寝息を立てて、まるで何事もなかったかのように静かに夢の中。
……これ、夢?バグ?幻覚?異世界転生の前兆?
──話は、少し遡る。
「家に連絡しなくて大丈夫か?」と俺が聞くと、安城は涼しい顔でこう言った。
「一人暮らしだから。問題ないわ」
その一言に、隣の姫花が目を輝かせる。
「ひ、一人暮らし!? 大人っぽいっ!」
「いやいや……でも女の子一人ってのはさ、なんというか……か弱いし――」
(いや…か弱くはないか?)
その瞬間、安城からギロリと刺すような視線が飛んできた。
(あれ?……ばれてる?そんな訳ないよな?)
その後、姫花が「一緒にお風呂入ってくるね~♪」と安城を引っ張っていった。
──俺はというと。
「……湯、全部抜けてるじゃねぇか……!」
一滴の希望も残ってないバスタブに、俺は絶望した。テレビをぼんやり見ていると、姫花が嬉しそうに言った。
「そうだ!お隣さんからチョコもらったんだ~。安城さん、甘いの好き?」
その瞬間、安城の肩がピクッと反応。
(……あ、好きなんだ。かわいい……)
開封されたのはちょっと大人向けのチョコ。俺は一口でギブアップ。
「これは……無理……甘すぎて、なんか……ダメだわ……」
だが安城は違った
「……おいしいわね、これ」
もぐ、もぐもぐ、もぐもぐもぐ――
止まらない手と、無表情で次々とチョコを口に運ぶ姿に、俺は思った。
(……ギャップ萌えって、これのことか……!)
それぞれが寝室に入り、俺も自分の部屋で布団に潜った。
(……推しが、同じ屋根の下にいる……!)
心拍数は天井知らず。もう無理だ。絶対に寝れない――
と思っていた。
──だが、眠っていた。
「……トイレ……トイレ……」
寝ぼけ眼の安城が、ふらふらと起き上がり、トイレを目指す。
(……ここ、神田くんの家だったわね……)
眠気で朦朧としながら、感覚だけを頼りに歩く。
「……電気……つかない……」カチ、カチ。
何度押しても反応しないスイッチ。
(……もういいわ……)
真っ暗な中を“勘”で乗り切ったその足取りが──
自分の部屋と“思い込んでいた”俺の部屋へと、向かった。スライドドアの感触が、いつもの部屋と似ていた。それが致命傷だった。
するりとドアを開け、するりと布団へ滑り込む。
(……あったかい……おやすみなさ……)スヤァ……
「まてぇぇええ! ダブルミックスゥ!」
夢の中でソフトクリームを追いかける俺。
――ガサッ
寝返りの先にふわっと柔らかくて、あったかくて、いい匂いのする“何か”が。
(……え?なにこれ?)
視界がはっきりするにつれて、俺の心拍数もはっきりしてきた。
パッと目を開けると、そこには――
金髪。オッドアイ。寝息。安城恵梨香(推し)。
「……安城ぉぉぉおおおおお!!???」
俺の魂が、音を立てて悲鳴を上げた。
(なに!?どうして!?マジで!?え!?これは!?やばいやばいやばい!!)
その心の声は――
横で寝ていた安城にも、しっかり届いていた。
(……ん……え……ここ……どこ……)
意識が戻り、隣にいる存在に気づいた瞬間。
(……私の、ばか)
月明かりに照らされた安城の頬が、ほんのり赤く染まっていた。その横顔は、まるで童話のお姫様みたいに綺麗だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
清掃員と僕の密やかな情状
MisakiNonagase
恋愛
都心のオフィスビルで働く会社員の26歳・高城蓮(たかぎれん)。彼の無機質な日常に唯一の彩りを与えていたのは、夕方から現れる70歳の清掃員・山科和子だった。
青い作業服に身を包み、黙々と床を磨く彼女を、蓮は「気さくなおばあちゃん」だと思っていた。あの日、立ち飲み屋で私服姿の彼女と再会するまでは――。
肉じゃがの甘い湯気、溶けゆく氷の音、そして重ねた肌の温もり。
44歳の年齢差を超え、孤独を分かち合った二人が辿り着いた「愛の形」とは。これは、一人の青年が境界線の向こう側で教わった、残酷なまでに美しい人生の記録。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる