隣の席のオッドアイギャルは俺の心の声が聞こえるらしい

夕凪けい

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第124話 救済の代償

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そして俺は、EES未来支援機構施設を出た。
中学からは――一人暮らしを始めた。

俺と愛理は、青蘭中学に入学した。
身体も、心も、少しずつ成長していき、
いつの間にか一人称も「僕」から「俺」へと変わっていた。

けれど――
どれだけ自分が変わっても。

「この世界のすべての人が、
穏やかに、幸せに生きられる世界」

その理想だけは、
一度も、揺らいだことがなかった。

そして――
中学二年の春。

「……愛理、遅いな。」

教室の自分の席に座りながら、俺は小さく呟いた。

この施設出身者の生活には、常に“監視”がある。
素行が悪ければ、施設へ報告書が提出される。
支給される生活費も減らされる。

そして――
あまりにも問題があれば、施設へ強制的に戻される。

それだけは、絶対に避けたかった。

――ガラガラ。

教室のドアが開く音が響く。

視線を向けると、
そこに立っていたのは、息を少し乱した愛理だった。

「にしし♡ 遅れちゃったね!」

小悪魔のような笑みを浮かべ、頭の横でピースサインを作りながら、愛らしいポーズのまま席へ戻ろうとする。
その仕草に、教室の空気が一瞬だけ和らいだ。

俺はその様子を見届けてから、ほっと息を吐き、ゆっくりと立ち上がった。

「おい、遅いぞ。愛理」

愛理は、ぱっと表情を明るくして、にこっと笑った。
その様子は、どう見てもただ事じゃない。

「ねぇ、蓮也! 今日ね、転校生が来るんだよ!」

……え?

こんなふうに声を弾ませる愛理を見るのは、正直、初めてだった。
いつもはどこか警戒していて、俺に対してでさえ、一定の距離を保っている彼女が――

今は、胸の奥から湧き上がる期待を、隠そうともせずに表へ溢れさせている。

その様子に、俺は思わず興味を持った。

「へぇ……どんなやつなんだ?」

すると愛理は、なぜか胸を張り、腰に手を当てて、誇らしげに言った。

「ふふ~ん! 今日ね、私がヤンキー達に絡まれたとき、助けてくれたんだよ!」

……ああ、なるほど。

胸の奥で、すとんと腑に落ちる。
オチは、だいたい見えた。

「その転校生がさ、ヤンキー達を返り討ちにして、助けてくれたってわけか?」

俺がそう言うと――
愛理は人差し指をぴん、と立てて、楽しそうに左右へ振った。

「にしし♡ 違うんだな、蓮也」

そして、少し身を乗り出して続ける。

「その子ね、めっちゃ喧嘩強いの。
でも――途中で、戦うのをやめたんだ」

「……は? なんでだ?」

首を傾げる俺に、
愛理は「えっへん!」とでも言いたげなポーズを決めて、得意げに言った。

「もしヤンキーをボコボコにしたら、
そばにいた私も“加害者側”として一括りにされるから、だって!」

一瞬、言葉を失った。
……そんな判断が、咄嗟にできるやつがいるのか。

「彼はね、“自分のためにそうした”って言ってたけど……」

愛理は、少しだけ照れたように視線を逸らす。

「でも、あれ絶対、無意識に私を庇ってくれたんだよ!」

その横顔は――
今まで見たことのない、柔らかい表情をしていた。

まるで。
初めて誰かに心を奪われた。
そんな言葉が、これ以上なく似合う――恋する乙女の顔だった。

「でね!転校生が私のためにボロボロになってるから私がフォローするってわけ!第一印象って大事じゃん?」

愛理は、また「えっへん」と言わんばかりに、胸を張るようなポーズを取った。

……ここまで来ると、さすがにオチは見えていた。
どうせ、余計なことを言って、盛大にフォローを失敗する――そんな未来が。

けれど、正直に言えば――興味はあった。

喧嘩のような切羽詰まる場面で、
自分よりも他人のことを優先できる人間。

人は、追い込まれたときにこそ本性を表す。
そしてその転校生は、
自分よりも――愛理を選んだ。

そんな、誰よりも優しい転校生に、
俺は一度、会ってみたいと思った。

――そのタイミングを見計らったかのように、
教室の扉が開く。

先生が、いつもの軽い調子で教室に入ってきた。

「はーい!みんな~!休み時間中にごめんね~。転校生紹介しま~す!」

明るく軽いノリの先生の声が、教室に響き渡る。

ガラガラ……

扉が開き、ゆっくりと姿を現したのは――傷だらけの男だった。
制服は乱れ、顔にはいくつも痣。
どうやら、相当気まずそうな表情をしている。

次の瞬間――
教室中の生徒たちの視線が、転校生に集中した。

「えっ……」
「なんかあいつボロボロじゃね?」
「ケンカでもしてきたの?ヤンキーってやつ?」

ざわめきが広がる、その中で。

その瞬間、愛理が席から勢いよく立ち上がった人物がいた。

「――あっ、あれ??君は!!」

そして、間髪入れずに続ける。

「さっき私がヤンキーに絡まれてたとき、助けてくれた男の子だ!!」

……下手くそかよ。

「傷だらけになりながらも私をかばってくれて、私、超感動したの!!」

クラスがざわつく中、愛理は満面の笑みで、さらにトドメを刺す。

「ヤンキー上級生にボコボコにされてもやり返さないんだよ?“なんで殴らなかったの?”って聞いたら――」

小さく咳払いをして、愛理はそのセリフを堂々と再現した。

「『クソを殴ったら手が汚れるだろ?しかも遅刻寸前だったから、手洗う時間ねぇんだよ』って――!もう!めっちゃカッコつけなんだから!」

……やっぱり、こういうオチか。

転校生は頭を抱えていた。
けれど、不思議と嫌そうな顔はしていない。
そして愛理に向かって、軽く頭を下げている。

どうやら――彼の想定していた最悪の結末は、避けられたらしい。

「じゃあ神田くんは……どこの席にしようかしら~?」

先生が教室を見渡し、ふと思いついたように声を上げる。

「――あっそうだ!仲良しみたいだし、本郷さんの横に座ろっか!」

その瞬間、愛理が「待ってました」と言わんばかりに勢いよく立ち上がる。

「わーい! わんちゃん、こっちこっち~!こっちー!ハウスだよっ!は・う・すっ⭐︎」

ピンク色のふわふわしたロングヘアが揺れ、
愛理は完全に、転校生をペット扱いで呼び寄せていた。

「おいでおいで~、ここここ~♪」

そう言いながら、
自分の横の椅子をペシペシと軽く叩く。

……よっぽど、転校生を気に入ったらしい。

家族だからこそ分かる。
この笑顔は、作り物じゃない。

愛理の横の席に、転校生が腰を下ろす。
その席は、俺の後ろでもあった。

俺は振り返り、声をかける。

「こいつ?変な奴だろ? ――でもまぁ、気にすんなよ。俺の幼馴染なんだ」

色んな事情が絡み合っているが、
家族と言うより幼馴染と呼んだ方が、今は無難だと思った。

俺は続ける。

「わりぃ、自己紹介遅れたな。俺、真田蓮也!よろしくな、神田!」

――これが。

俺の親友、神田ゆういちとの出会いだった。
そして俺は、すぐに気づいてしまった。

この神田ゆういちも――
EES未来支援機構施設の子どもたちと、同じ種類の苦しみを抱えている。

もちろん、苦しみの重さに優劣はない。
痛みの形も、深さも、人それぞれだ。

それでも――
彼の中に沈んでいるものは、俺が今まで何度も見てきた“それ”だった。

俺は反射的に思った。
早く救わないと。
彼の苦しみの半分を、自分の中に受け負ってしまおう、と。

だが――その瞬間。

脳裏に、あの黒髪の少女の声が蘇る。

――君が救った人間が、必ず正しくなるとは限らない。
―― 次の“苦しみ”を生み出す側に回ることだってある

越界者の言葉。

その言葉を聞いて以来、
俺はこの能力を“安易に”使えなくなっていた。

救うことが、必ず正義とは限らない。
善意が、次の不幸を生むこともある。

だから俺は――
神田ゆういちを、どんな人間なのか見極めようとした。

……いや、違う。
正確には、疑っていたんだ。

そして俺と愛理は、
神田を含めた三人で下校することになった。

夕焼けが街を染める帰り道。
アスファルトの上に、三つの影が並んで長く伸びていく。

俺たちは並んで歩きながら、
本当にどうでもいい話をしていた。

「へ~ゆういちって、妹ちゃんがいるんだ⭐︎」
「会ってみたいな~」

「……ああ、一つ下で、ちょっとませた妹だけどな」

「にししっ♪ 妹に甘そう~お兄ちゃんって感じ?」

愛理の声は無邪気で、
その視線は露骨なほど彼に向けられていた。

その様子が――
俺には、たまらなく嬉しかった。

空気は柔らかく、
このまま時間が流れてくれればいいと、
本気でそう思った――

だが。

その穏やかな空気は、
唐突な声によって、容赦なく切り裂かれる。

「……おい」

低く、乾いた声。
俺は、一瞬で察した。

――今朝、愛理が絡まれたと言っていたヤンキー達だ。

「へぇ、今朝の子か。やっぱり可愛いな~?」

「オレらと遊ぼうよ、な?上級生と仲良くしといたほうが得だぜ?色々とさ」

口元にいやらしい笑みを浮かべながら、
連中はゆっくりと距離を詰めてくる。

……正直、俺は咄嗟に愛理よりも、こいつらの方を心配した。

愛理の強さは、施設にいた頃から知っている。
この程度の相手なら、文字通り“一瞬”で終わる。

――骨が折れる音を、俺は聞きたくなかった。

だから愛理がどう動くかを見ると、
彼女は――怯えているフリをしていた。

なるほど。
どうやら今日は、ゆういちの前では
「か弱い女の子」を演じたいらしい。

俺がジト目で見ているのに気づいたのか、
愛理はウインクをひとつ、舌をぺろりと出して、
口だけで言葉を作る。

「は、や、く、な、ん、と、か、し、ろ、れ、ん、や♡」

……こいつ、本当に覚えてろよ。

俺も愛理と同じく、施設で格闘技を習ってきた。
とはいえ――それは護身のためだ。
他人を傷つけるためじゃない。

ふと、昔のことを思い出す。
父さんが、俺に言っていた言葉だ。

「どんな人間でもな」
「その人を大切に思ってくれてる家族とか、友達がいるだろ?」

父さんは、静かな声で続けた。

「そういう人たちの顔が浮かぶとさ」
「どうしても、怒る気になれなくなるんだ」

少し困ったように笑って、こう言った。

「自分の怒りよりも、
 その人たちが悲しむ姿を――
 お父さんは、見たくないんだよ」

その言葉は、今も胸の奥に残っている。

俺は、父さんのその想いを――
この先も、繋いでいきたいと思っている。

だから俺は、
ヤンキーたちが“諦める程度”に、
上手く収めようと一歩踏み出しかけた――

その時だった。
ゆういちが、俺たちの前に出た。

俺と愛理、
そしてヤンキーたちの間に――
まるで盾になるみたいに、立ちはだかっていた。

……驚いた。

俺たちを守るために、
何の躊躇もなく、わざわざ前に出てきた。

自分が殴られる可能性なんて、最初から承知の上で。
それでも――
俺たちを守るために。

自己犠牲を選ぼうとしている。

……その姿を見た瞬間、
俺は、ひどく情けなくなった。

こんな男を、疑った自分が。

こんなにも優しいやつが、
将来、誰かを苦しめる存在になるかもしれないなんて――

そんなの、
ただの俺の勝手な被害妄想じゃないか。

(………何してんだよ。俺は)

その瞬間、はっきりと決めた。

――こいつと、友達になりたい。

愛理も察したのだろう。
猫を被るのをやめ、
静かに臨戦態勢へ移っていた。

だがヤンキーたちは、そんなことなど気にも留めない。

「なんだ?またてめぇかよ?……いい加減ウゼェんだよ」

そして――

ブンッ!!

振り上げられる拳。
狙いは、ゆういちの顔。

その瞬間、
俺の体は考えるより先に動いていた。

「……ッ!」

バチィッ!!

鈍い衝撃音が響く。
拳が、俺の頬を掠める。

痛みが、遅れてやってくる。

俺は歯を食いしばり、
ヤンキーたちを睨みつけて吐き捨てた。

「……いてぇな、マジで。
いきなり俺の友達に手ぇ出すんじゃねぇよ!」

――そうだ。
もう決めた。

愛理のために自分を犠牲にし、
今度は俺のためにも前に出た男。

その正義に、
少しだけ――自分を重ねてしまった。

ゆういちは、驚いたように目を見開き、俺を見た。

「……おい、ちょっと待てよ蓮也……」

「は?何がだよ」

戸惑いを隠せない声で、ゆういちは続ける。

「なんでだよ……なんで、俺を庇ったんだよ……?
今日初めて会ったばっかだろ、俺たち……」

ゆういちのその言葉に、
俺はすぐに察した。

――ああ、こいつは。
きっと、相当な苦しみを抱えてきたんだ。

そう思った瞬間、
胸の奥に溜まっていた感情が、堰を切ったように溢れ出す。

だから俺は、
考えるより先に――
思わず吐き捨てるように、口を開いていた。

「知るかよ、そんなもん!」

一拍、置いて――
胸の奥に溜まっていたものを、そのまま言葉にする。

「お前は、傷だらけになりながらも、今日初めて会った俺の幼馴染…愛理を守ったんだろ?」

「その事実だけで十分だろ。
俺は、そんなヤツを友達として信じていいと思っただけだ」

その言葉に、ゆういちははっきりと戸惑いを浮かべ、声を荒げた。

「……もういい。お前ら、逃げろ!」

「こいつらは関係ねぇ。俺がやる。俺一人で片付けるから……!」

必死に、俺たちを遠ざけようとする背中。
その姿は、さっきまでヤンキーたちに向けられていたものと、何も変わらなかった。

「……はぁ?バッカじゃねぇの、お前」

思わず、ため息混じりに吐き捨てる。

「愛理から聞いたぜ、お前のこと」

俺は一歩前へ出て、
そして――ゆっくりと、ゆういちの隣に並び立った。

「自分のせいで周りを巻き込むのが嫌な奴なんだってな。だからって、なんで全部1人で苦しむんだよ……?」

拳を強く握りしめ、視線を逸らさず前を睨みつける。

「でもな――俺は、友達が苦しんでるのを見て見ぬフリなんて、できねぇんだよ!」

胸の奥から、抑えきれない感情が込み上げる。

「だから一緒に苦しんでやる。ボコられても、怒られても、連帯責任でも、一緒にギロチンかけられたって構わねぇ」

それは覚悟だった。
軽口でも、勢いでもない。

「友達ってのはな苦しんでる時こそ、そばにいるのが友達だ」

言葉にした瞬間、
自分の中で何かがはっきりと形を持った。

「俺はもう、お前を”友達”って決めたからな」

――さっきまで疑っていた俺が、
今さらこんなことを言うのは、調子がいいのもわかっている。

でも――
ゆういちに出会って、俺は気づいてしまった。

人は、将来どうなるかわからない。
誰かを救う側にも、誰かを苦しめる側にもなり得る。

先の見えない“不安な未来”を想像して、
誰かを疑い続けるよりも――

俺は、今この瞬間にある確かな事実を見ることを選びたかった。

ゆういちは、傷だらけになりながらも、
俺の家族同然の存在である愛理を守った。

それだけで、十分だった。

苦しいときにそばにいるのが友達で、
それでも離れず、最後まで一緒にいると決めた相手を――親友って呼ぶんだって。

――ずっと、見届ける。

この男が、どんな選択をして、
どんな道を歩いていくのかを。

――そのすべてを、見届けたい。

この時の俺は、確かにそう思っていた。

ゆういちは、俺と愛理の方へ振り返り、声を張り上げる。

「蓮也、愛理……どうなってもしらねぇぞ?」

その緊張感を、真っ向からぶち壊すように、
愛理はにこっと愛らしい笑顔を浮かべた。

「もぉ!わんちゃんのくせに生意気だよ⭐︎」

「やるしかねぇな……!」

俺は地面を蹴り、ヤンキーたちの群れへ飛び込んだ。

施設で受けてきた授業に比べれば、相手の攻撃は荒く、単調だ。
俺は一切攻めず、ひたすらいなす。
間合いを調整し、意識的に自分へと注意を引きつける。

――ゆういちの方へ、人を行かせないために。

拳をかわし、蹴りを受け流し、
ただただスタミナが切れるのを待つ。

やがて、ヤンキーたちの息が荒くなり始めた。

「てめぇ……調子乗ってんじゃねぇぞッ!!」

怒鳴り声が飛ぶ中、
ゆういちが俺に向かって叫ぶ。

「蓮也……! 守れよ、本郷だけは……!」

そして、ゆういちは一歩前へ出た。
ヤンキーたちと真正面から対峙する。

その瞬間、俺は目を見開いた。

――戦い方。
――間合いの取り方。

それは、俺が施設で格闘家から叩き込まれたものと、驚くほどよく似ていた。

(………どういうことだ?なんでその戦い方を……)

そんな疑問が浮かぶ間もなく、
ヤンキーたちの体力は、完全に底をついた。

「くっそ、なんだよこいつら……! 鬱陶しい!」

吐き捨てるように言い残し、
上級生たちはその場から逃げていった。

静寂。

残された俺とゆういちは、
その場に無様に仰向けに倒れ込み、荒い息を整える。

俺は、息を切らしながら声をかけた。

「……はぁっ、はぁっ……お前、めっちゃ強いな?」

「お前が弱すぎなんだよ……なんで殴られに来たんだよ……」

呆れ半分の声。
俺は鼻をこすり、夕焼けの空を見上げて笑った。

「こういうのは、勝ち負けじゃねぇんだよ。信念ってやつだ。
友達が苦しんでんのに、逃げられるかっての……バーカ」

さすがに、複数に囲まれれば
攻撃を受けずに済むはずもない。

鈍い衝撃が、何度も身体を叩く。
足がもつれ、地面に縫い止められたみたいに動かなくなる。

――身体が、張り付く。

それなのに。

不思議と、嫌じゃなかった。
いや……それどころか。

(……心地いい、なんて)

その時だった。

「うっわ~ボロッボロだね~⭐︎」

ひょこっと現れたのは、愛理だった。
……いや、どこに隠れてたんだよ。お前が一番強いというのに。

「にしし、ほとんどゆういちが倒してたけどね?
でもでも、2人とも私を守ってくれてありがとう♡」

その言葉は、俺の気持ちをちゃんと汲んでくれたものだった。

愛理は、にこやかに両手を差し出す。

俺とゆういちは、それぞれその手を取り、立ち上がった。

「これからもよろしくね? わんちゃん♡」

その声に、思わず息が抜けた。

夕焼けの中、
三人の影が、再び並んで伸びていく。

俺とゆういちは、何も言わずに顔を見合わせ――
そして、同時に小さく笑った。

言葉はいらなかった。
その一瞬だけで、十分だった。

やがて、ゆういちと別れ、
俺と愛理はそれぞれ別の道へと歩き出す。

少しだけ静かになった帰り道。
愛理は、俺の方を振り返り、いつもの調子で言った。

「にしし♡蓮也、助けてくれてありがとうね♡絆創膏でも貼ろうか??」

「気が利くな。頼むよ」

「今は持ってないけど。」

「持ってないのかよ。なんで聞いたんだよ」

思わずツッコミを入れると、
愛理は楽しそうに肩をすくめた。

「にしても派手にやられたね~蓮也ぐらいなら一人であいつらぐらい沈めれるでしょ」

「これは授業じゃないからな。あと相手に怪我負わせたくなかったし」

「相変わらず、平和主義だね~~」

呆れたようで、どこか嬉しそうな声。
俺はふっと息を吐いてから、さっきから引っかかっていたことをぶつけた。

「てかお前なんで猫被ったままなんだよ!?こん中でお前が一番強いのに、そんなにもゆういちにか弱い女の子に見て欲しかったのかよ?」

一瞬だけ、間が空いた。

そして、愛理は照れる様子もなく、
小さく、でもはっきりと頷いた。

「………うん♡」

「ゆういちの前ではなぜか女の子でいたいの」

――ああ。
その一言で、全部わかった。

愛理はもう、
ゆういちを“友達”としてじゃなく、
“恋”として、心に迎え入れている。

それが、妙に嬉しかった。

そして同時に、
俺にも愛理以外の大切な人間――
胸を張ってそう呼べる「親友」ができたんだと、
胸の奥がじんわりと熱くなる。

だから俺は、
あえて軽口で、その空気を茶化した。

愛理の真似をして、にやけた声で言う。

「にしし♡ゆういちに愛理がめっちゃ怖いこと教えてやろ~~と」

次の瞬間――

「…………オマエ、シバク。」

即答だった。

俺は思わず笑った。
夕焼けに染まる帰り道で、
確かに――何かが始まった気がした。

そして俺と、ゆういちと、愛理は――
いつの間にか、当たり前みたいに一緒に過ごすようになっていた。

ゆういちはバスケ部に入り、
そこに昔から仲のよかった聖も加わり、
気づけば俺たちは四人で、毎日を笑って過ごしていた。

バスケ部の練習。
休み時間のくだらない会話。
修学旅行。
放課後にゲーセンへ寄り道する時間。

どれもが、俺にとっては――
紛れもなく「幸せな日々」だった。

そんなある日。
愛理が、珍しく真面目な顔で俺に相談を持ちかけてきた。

「ねぇ……私、好きな男ができたかも……」

――ああ。
聞くまでもなかった。

相手が誰なのかなんて、
あのヤンキーたちと対峙した、あの夕焼けの帰り道からとっくに分かっていた。

「ゆういちだろ?」

愛理は、思いきり目を見開いた。

「ぬわっ!?なんで!?」

長い付き合いだが、
こいつは恋愛に関してだけは、驚くほど分かりやすい。それ以外は、全く掴めないくせに。

「な、なんでわかったのよ……」

なんで分からないと思ってたんだよ。
俺は淡々と、愛理の顔を指差した。

「顔に書いてあるぞ?
“ゆういちが大好き”って」

愛理は、恥ずかしそうにもじもじしながら、話を続ける。

「……じゃあ、手伝え。」

「なんで命令形なんだよ。
お前さ、それが人に物を頼む態度か?」

大きくため息をついて、肩をすくめる。
――本当は、最初から手伝う気満々なのに。

「昔は愛理も、もうちょい可愛かったのになぁ……
お兄ちゃん、残念だわ」

「いつから、あんたは私のお兄ちゃんになったのよ」

即座に返される。

「私もね、
“自分のことを僕って言ってた健気な蓮也”がいなくなって、
お姉ちゃん悲しいよ?」

「……うっせ。
てかお前もお姉ちゃんなのかよ。家系図ややこしいわ」

軽口は、ここまでだ。

「ま、手伝ってやるよ。
で? 何してほしいんだ?」

「にしし♡ さすがだね?蓮也」

「ゆういちが、他の女の子と仲良くしてたら」

「写真撮って、私に送って♡」

俺は思わず目を見開いた。

「いや、お前……普通に怖ぇわ!!」

普通なら、間違いなく怖い。
でも――俺は愛理の過去を知っている。

親に捨てられた過去。
その苦しみを、半分受け負った。

だから、その執着が理解できてしまうのが、余計に怖くて苦しかった。

それでも――
俺が救った愛理が、
今は俺の大切な親友であるゆういちを想っている。

その事実が、どうしようもなく嬉しかった。

自分が選び、背負ってきた苦しみと選択が、
誰かの幸せへとつながっている。

それだけで――
俺は、救われた気がした。

「にしし♡
お願いね~、お兄ちゃん♡」

「やめろその呼び方!」

そんなやり取りのあと、
俺はふと思い出したように口を開いた。

「そういえばさ。
前に喧嘩ふっかけてきたヤンキー達、いるだろ?」

「あいつら、どうやらゆういちに復讐するつもりらしい。
なんか……ゆういちが“バラされたくない過去”を知ったとかでさ。
それを使って、報復しようとしてるみたいだぜ?」

「はにゃ?」

「あいつら、まだ懲りてないの?」

愛理の反応は――
なぜか、少し楽しそうにすら見えた。

「で?」

「そいつら、今どこにいるの?」

嫌な予感がして、俺は慌てて答える。

「おい……まさか殴り込みに行く気じゃないよな?」

「ダメだぞ!
また施設に報告書出されたら面倒なんだから!
俺まで巻き込まれるんだぞ……!」

違う。
それだけじゃない。

誰かが血を流すようなことは――
もう、してほしくなかった。

だが、愛理は――
にししっと、楽しそうに笑った。

「にしし♡
蓮也は相変わらず、真面目でいい子ちゃんなんだから~」

そして、首を傾げる。

「でもね?」

その声音は、やけに軽かった。

「いくら蓮也のお願いでも、それは聞けないなぁ」

「だって――私の大事なわんちゃんに危害を加えようとする敵はさ?」

にこり、と微笑む。

「私が、地獄に叩き落としてくるって決めてるんだもん♡」

――その瞬間。

越界者の、黒髪の少女の言葉が、脳裏をよぎった。

みんなが傷つかず、
誰も壊れない世界。

でもね――
その理想を叶えるためには、
多少の汚れや、犠牲を
“強要する覚悟”も必要なんじゃないかな?

……これが、その犠牲なのかもしれない。

俺は、そう感じていた。

今の、何の力もなく、弱い俺にとって。
その犠牲は――
「許容しなければならないもの」なのだと。

そう納得してしまった自分に、
俺は少しだけ、嫌気がさした。

誰かに傷つけられず、
理由もなく苦しまされず、
大切な人と――
安全で、穏やかに暮らせる世界。

ずっと追い求めてきた、俺の理想。

それが、
ほんの少しだけ近づいたようで――
同時に、ひどく遠ざかったようにも見えた。

「……はぁ」

諦めたように、肩をすくめる。

「……わかったよ。
正直、俺もゆういちが傷つくのは嫌だしな」

そう言って、俺は肩をすくめた。

俺は――
ゆういちと愛理の恋が、うまくいくことを
誰よりも望んでいた。

それはきっと、
自分の理想を守ることよりも、
二人の幸せを優先してしまった、
俺なりの選択だったんだと思う。

正しいかどうかなんて、考えなかった。
ただ――
誰かが笑ってくれるなら、それでいいと思ってしまった。

その選択が、
この先どんな未来を呼び寄せるのかも知らずに。

そんな日々は、ある日を境に、唐突に終わりを告げた。それは、あまりにも無遠慮で、残酷な形で訪れた。

朝。
教室に入った瞬間、違和感に気づく。

ざわつく空気。
視線の向き。
そして――黒板。

そこには、白いチョークで、はっきりと書かれていた。

「神田ゆういちは過去、暴力事件で生徒を病院送りにしている」

……は?

一瞬、意味が理解できなかった。

冗談だと思った。
悪質な、くだらない冗談だと。

だって――
自分の親友が、誰かを苦しめる側の人間だったなんて。そんなはず、あるわけがない。

俺は、反射的にゆういちの方を見た。

「……おい、ゆういち」

声が、少しだけ震える。

「気にすんなよ? こんなの……デマ、だろ?」

必死に、笑ってみせる。

「馬鹿馬鹿しいよな?
ったく誰だよ?こんな事するやつは……」

俺は、ゆういちの方を見据えた。

「お前がこんな事するはずないだろ?」

――そうだ。
これは誰かが流したデマだ。
そうであってほしかった。

そう確認するように、俺は言葉を重ねた。

けれど。

ゆういちの返事は――
俺が、心の底で求めていたものじゃなかった。

「……あぁ」

短く、低い声。

「事実だよ…デマなんかじゃない」

その一言で、
教室の空気が、完全に凍りついた。

誰も、何も言えなくなる。

ゆういちは、視線を伏せたまま、申し訳なさそうに続けた。

「黙ってて……悪かったな蓮也」

……そんなはず、ない。

それでも俺は、信じられなかった。

「おい……待てよ」

声が強くなる。

「ゆういちのことだからさ、
なんか理由があったんだろ?」

理由もなく、誰かを傷つけるような奴じゃない。
……そうだろ?
そうだと言ってくれ。

俺は、ゆういちの顔を見つめた。
親友の、その苦しそうな表情と――
胸の奥で渦巻いている感情を、俺は一瞬で察してしまった。

ああ、やっぱりだ。
こいつは、何かを背負ってる。

だからこそ――
同時に、はっきりと湧き上がってきた感情がある。

こんなことをした“犯人”が、どうしても許せなかった。

――大切な親友を、
こんな形で、こんなやり方で、苦しめるやつが

けれど、ゆういちはそれ以上、何も答えなかった。ただ、静かに自分の席へ戻り、
やがて、何事もなかったかのように授業が始まる。

……昼休みだ。
そのとき、もう一度、真相を聞こう。

そう決めていた。

だが。

チャイムが鳴ると同時に、
ゆういちは席を立ち、そのまま教室を出ていった。

追いかける間も、なかった。

そして、少し時間が経った。
――それでも。

胸の奥に溜まったものは、消えるどころか、
静かに、確実に、熱を増していく。

怒りだ。

無視しようとしても、
考えないようにしても、
心の底でずっと、くすぶり続けている。

……もう、無理だった。

俺は歯を食いしばり、
堪えきれなくなって、教室中に向かって叫んだ

「誰だよ!?
こんなくだらねぇことしたやつは!!」

拳を握りしめる。言葉遣いもいつもより荒い。

「俺がぶっとばしてやるよ」

――教室は、沈黙に包まれていた。

「ゆういちはな、こんなことするヤツじゃねぇんだよ!!
出て来い!!これ書いたやつ!!」

怒号が、教室に叩きつけられる。

だが――
その怒りに、冷たい声が返ってきた。

クラスの女子のひとり、花谷が困惑と戸惑いを滲ませながら言った。

「でも……神田って、自分で言ったじゃん。
“やった”って……それが事実なんでしょ?」

その言葉に、頭の中で何かが弾けた。

「馬鹿か?お前……!」

自分でも驚くほど、声が荒れていた。

冷静になれ、なんて無理だった。
親友が、目の前で切り刻まれているのに――
どうして平然としていられる?

「“自分勝手に暴力をふるう”のと、
“誰かを守るために戦う”のじゃ、意味が違ぇんだよ!!」

拳が震える。

俺は、信じたかった。
いや――信じていた。

「ゆういちはな……本当に、優しいヤツなんだ」

言葉を、一つひとつ噛みしめるように続ける。

「俺は知ってる。
あいつは絶対に……誰かのためにしか拳を振るわねぇ!」

――ガタン!

突如、教室に響いた大きな音。

椅子が、勢いよく引かれた。

次の瞬間、立ち上がったのは――
聖だった。

教室中の視線が、一斉に集まる。

「僕も……僕も、信じてるよ!」

普段はおっとりして、争いを好まない聖が――
わざわざ椅子を引き、立ち上がっていた。

震えているのは、声じゃない。
胸の奥で抑えきれずに揺れている、感情そのものだ。

聖は一度、息を整えると、
逃げ場を探すこともなく、まっすぐな瞳で教室を見渡した。

「ゆういちは、絶対に意味もなく殴ったりなんてしない」

一歩、前に出る。

「僕は、ずっと近くで見てきた」

拳を握りしめ、はっきりと言い切る。

「だから……信じてる!!」

その言葉は、
教室に張りつめていた疑念の空気に、確かな亀裂を入れた。

――少なくとも、
ゆういちは、ひとりじゃなかった。

その瞬間、
教室の空気が、はっきりと変わった。

ざわついていた声が、すっと引いていく。
疑念よりも先に――
“何かがおかしい”という感覚が、皆の中に芽生え始めていた。

そして――
俺は、はっきりと思い出した。

「……そうだよ。思い出した」

自分でも驚くほど、声は落ち着いていた。

「この前、愛理が上級生に絡まれたとき……
ゆういちは俺たちを助けるために、一人で前に出てくれたんだ」

その言葉が、教室に落ちる。

次の瞬間、
クラスメイトたちの間に、ざわざわとした波が広がった。

「……待てよ」

「……この紙……このタイミング……内容……
もしかして……あいつらが……?」

点と点が、線でつながっていく。

少し前――
ヤンキーたちが、ゆういちに報復しようとしている、という話を聞いていた。
“バラされたくない過去”を掴んだ、と。

(……でも、愛理が何とかしたはずだろ?)

けど、こんな過去を知っていて、
しかもゆういちに明確な恨みを持っている人間。

――そんなやつら。

(……あいつらしか、いねぇだろ……)

紙を握る拳に、ぐっと力がこもる。

怒りと、確信。
胸の奥で、煮えたぎるような感情が渦を巻く。

俺の脳裏に浮かんだのは――
父さんを苦しみに追い込んだ、あの同僚たちの顔だった。
理不尽を当然のように押し付け、
誰かの人生を踏み潰しても、何ひとつ感じなかった連中。

二度と繰り返さないと誓ったはずだった。
あの赤い涙の惨劇を。

それなのに今、
俺は再び、その一歩を踏み出そうとしていた。

そして俺は踵を返し、
勢いよく教室を飛び出そうとした。

その動きに気づいたのか、
聖も何も言わずに、俺の隣へ並ぶ。

二人でドアを押し開けた――
その瞬間。

廊下の先に、
“ゆういち”が立っていた。

……驚いた。
もしかして――
さっきの会話、全部聞いていたのか?

胸の奥が、ひやりと冷える。

「おい! ゆういち!! 探したぞ?」

思わず、声を張り上げていた。

けれど――
近づいて、すぐに気づく。

ゆういちの様子が、
いつもと明らかに違っていた。

視線は定まらず、
肩はわずかに落ちていて、
まるで、何かを必死に押し殺しているみたいだった。

俺は、一歩踏み出して言った。

「差出人、わかったんだよ!」

言葉に、力を込める。

「あの紙、書いたのは……
きっと、上級生のクラスのヤンキー共だった!!」

一息で、言い切った。

「今から聖と一緒に——」

「……あれ?」

その瞬間。
俺は思わず言葉を失う。

そこには――
立ち尽くしながら涙を流している
ゆういちの姿があった。

「お前……泣いてるのか?」

――父さんの葬式。

雨の匂い。
重苦しい沈黙。
黒い服に包まれた人々。

その中で――
オッドアイの目をした、
「代表」と呼ばれていた男がいた。

彼は、父さんの棺の前で、
誰にも見せないはずの顔で――
静かに、けれど確かに、涙を流していた。

強い立場にいる人間が、
決して見せるはずのない弱さ。

あのとき俺が見たのは、
作られた悲しみじゃない。
責任でも、義務でもない。

――本物の、喪失の涙だった。

そして今。
目の前で涙を流すゆういちの姿が、
その記憶と、重なっていた。

次の瞬間――
ゆういちは、逃げるように走り出した。

「おい! ゆういち!!」

俺と聖は、迷わず後を追う。

廊下を駆け抜け、階段を駆け上がり、
辿り着いた先は――屋上だった。

ギィ……と軋む音を立てて、
屋上のドアを押し開く。

開いた瞬間、
強い日差しが一気に差し込み、視界が白く染まる。

「……はぁ、はぁっ……」

荒い呼吸の音。

「……おい、ゆういち」

そこにいたのは――
愛理と、ゆういち。

愛理の前に立つゆういちは、
まるで“救われた”かのような顔をしていた。

その光景を見た瞬間、
胸の奥が、じんわりと熱くなる。

――よかった。愛理がゆういちを救ったんだ。

かつて、
苦しみを背負っていた愛理の苦しみや痛みを、
俺は受け負った。

そして今。
その愛理が、
苦しんでいるゆういちを、確かに救っている。

(……俺のしてきたことは、間違いじゃなかったんだ)

そう思えたことが、
何よりも救いだった。

俺と聖は、
ゆういちと愛理のもとへ歩み寄る。

そして――
迷いなく、言った。

「俺は、お前の味方だぞ」

“救うこと”が、常に正しいとは限らない。

それでも――
今、この瞬間だけは、はっきりと思えた。

俺は、間違っていなかった。

自分が救った人間が、
さらに誰かを救っていく。

その連鎖こそが――
俺がずっと夢見てきた理想への、確かな一歩なんだと。

誰かが理不尽に傷つけられることもなく、
理由もなく苦しめられることもなく、
大切な人と――

穏やかに、幸せに、生きていける世界。

それは、まだ遠くて、
簡単には辿り着けない理想かもしれない。

それでも。

この連鎖が続く限り、
俺はその世界を、信じていた。
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