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第三章
家に遊びに
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そして…周りにバレない様にメッセージのやり取りだけで話を進め、ついに休みの日。
私は緊張しながら、悠理の家に遊びに来ていた。
「お、お邪魔します」
悠理が玄関先で迎えてくれて、おずおずと靴を脱いで家の中に上がる。
リビングらしき部屋に入ると、すぐにソファに座っていた影がぴょんっと降りてきて、こちらに向かってくる。
ツインテールで元気いっぱいの女の子。
悠理のスマホで写真見せてもらったけど、きっとこの子が日和ちゃんだ。
「こ、こんにちは」
緊張しながらも優しく微笑むと、日和ちゃんはぱぁっと顔が明るくなって笑顔で返事を返してくれた。
「わー!
ひなたちゃんだよね!?
お兄ちゃんからお話し聞いてるよ!
へぇ、凄く可愛い彼女さんだね!
ね、お兄ちゃん!」
「そ、そうだな…」
言葉を投げかけられて、どう返せば良いのか迷っているのか、悠理は視線を逸らしながら苦笑いしていた。
日和ちゃんは私と挨拶を軽く交わした後すぐに気に入ってくれたらしく、元気いっぱいに歓迎してくれた。
「ひなたちゃん、一緒に遊ぼ!」
「いいよー、何する?」
「えっとねー、ゲームしよ!
ひなたちゃんゲーム好き?」
「うん、好きだよ!
レース物も格闘系もいけるよ!」
「えー!
凄い!
じゃあ車で走るやつやろ!」
日和ちゃんがガチャガチャとゲームをセットして、コントローラーを3人分用意して渡してくれる。
「日和ちゃんはゲーム得意?」
「うん、お兄ちゃんとよくやってるんだ!
お父さんも入れて、たまに3人でやる!」
「そうなんだね」
だからコントローラー3人分あるんだね。
なるほど、でもこうして少し歳の離れた兄妹を見てると、ハルくんと私みたいで何だか和む。
確か日和ちゃんは小学4年生だから…6歳差くらい?
それだと私とハルくんと同じだ。
これがいわゆる、親近感が湧くってやつかな?
日和ちゃんの笑顔を見ていると、自然と私の顔も笑顔になる。
「じゃあ始めるよー!
お兄ちゃんもひなたちゃんも、手加減なしだからね!」
「うん、わかった!」
「いいけど、後で悔しくて泣くなよ?」
コントローラーを受け取った悠理は、いつもの余裕あり気な顔で笑って日和ちゃんを挑発する。
「泣かないもん!
今日は日和が勝つんだから!」
挑発に乗る様に、日和ちゃんが真剣な顔をして画面を見つめた。
その姿が可愛くて、私は小さく微笑んだ。
--------
「…はい、余裕」
「あー!
お兄ちゃんちょっとは手加減してよ!」
「おいおい、さっきと言ってる事違うだろうが」
レースに負けて悔しがる日和ちゃんを、悠理がからかう様に笑って頭を撫でる。
こういう所を見ると、悠理ってちゃんとお兄ちゃんしてるんだなぁってしみじみ感じるなぁ。
2人のやりとりを隣で眺めて、微笑ましく思う。
しばらく3人で色んなゲームしたり、トランプしたりジュースを飲んだりして楽しく過ごしていた。
そして遊び疲れて休憩を取っていた時、日和ちゃんは何だかソワソワし始めていた。
「ねぇねぇお兄ちゃん、ひなたちゃん!」
日和ちゃんがソファから身を乗り出すようにして、私たちに話しかける。
「「ん?」」
少し間を空けて隣に座っていた私たちは2人同時に返事を返すと、日和ちゃんがニヤニヤしながら口を開いた。
「2人が付き合ってるのはわかったけどさ。
日和…恋人繋ぎ、見てみたい!」
「「…えっ!?」」
私と悠理の声が、ハモる。
「…はぁ。
日和、急に何言い出すんだよ」
悠理は短いため息をついて、スマホを操作する手を止め日和ちゃんを見る。
「だって、本に書いてあったもん!
恋人同士がデートする時にドキドキする方法その1って!
ね、お願い!
1回だけでいいから、実物見てみたい!」
キラキラした目で私たちを見つめてきた。
どうしよう…?と少し困惑して迷っていると、悠理と目が合う。
私はアイコンタクトでどうするか確認した。
ホントにやるの?
日和ちゃんに見えない様に、口元に手を添えてパクパクと小さく口を動かす。
すると悠理は私を見た後、頭を項垂らせて目を瞑り「はぁー…」と深いため息を漏らした。
そしてスッと頭を上げて再び私と視線が合った時、テーブルの上で私の方に手のひらを見せる様に差し出してきた。
「……1回だけだ。
日和、ちゃんと見とけよ」
あ、本当にするんだ。
そう理解した瞬間、私の顔が熱くなるのを感じた。
恋人繋ぎなんて初めて。
だけど…今の私は"彼女役"だからしっかりしなきゃ。
自分に言い聞かせて、悠理の手にそっと手を重ねる。
すると悠理はスルッと滑らせて、私の指と彼の指を絡ませた。
こ、これが"恋人繋ぎ"…。
一瞬ドキッと心臓が飛び跳ねる。
「きゃー!
ありがとう、お兄ちゃん、ひなたちゃん!」
恋人繋ぎを間近で見て歓声を上げる日和ちゃんに、ニッコリと微笑んだ後繋いだ悠理の手をジッと観察する。
私は緊張しながら、悠理の家に遊びに来ていた。
「お、お邪魔します」
悠理が玄関先で迎えてくれて、おずおずと靴を脱いで家の中に上がる。
リビングらしき部屋に入ると、すぐにソファに座っていた影がぴょんっと降りてきて、こちらに向かってくる。
ツインテールで元気いっぱいの女の子。
悠理のスマホで写真見せてもらったけど、きっとこの子が日和ちゃんだ。
「こ、こんにちは」
緊張しながらも優しく微笑むと、日和ちゃんはぱぁっと顔が明るくなって笑顔で返事を返してくれた。
「わー!
ひなたちゃんだよね!?
お兄ちゃんからお話し聞いてるよ!
へぇ、凄く可愛い彼女さんだね!
ね、お兄ちゃん!」
「そ、そうだな…」
言葉を投げかけられて、どう返せば良いのか迷っているのか、悠理は視線を逸らしながら苦笑いしていた。
日和ちゃんは私と挨拶を軽く交わした後すぐに気に入ってくれたらしく、元気いっぱいに歓迎してくれた。
「ひなたちゃん、一緒に遊ぼ!」
「いいよー、何する?」
「えっとねー、ゲームしよ!
ひなたちゃんゲーム好き?」
「うん、好きだよ!
レース物も格闘系もいけるよ!」
「えー!
凄い!
じゃあ車で走るやつやろ!」
日和ちゃんがガチャガチャとゲームをセットして、コントローラーを3人分用意して渡してくれる。
「日和ちゃんはゲーム得意?」
「うん、お兄ちゃんとよくやってるんだ!
お父さんも入れて、たまに3人でやる!」
「そうなんだね」
だからコントローラー3人分あるんだね。
なるほど、でもこうして少し歳の離れた兄妹を見てると、ハルくんと私みたいで何だか和む。
確か日和ちゃんは小学4年生だから…6歳差くらい?
それだと私とハルくんと同じだ。
これがいわゆる、親近感が湧くってやつかな?
日和ちゃんの笑顔を見ていると、自然と私の顔も笑顔になる。
「じゃあ始めるよー!
お兄ちゃんもひなたちゃんも、手加減なしだからね!」
「うん、わかった!」
「いいけど、後で悔しくて泣くなよ?」
コントローラーを受け取った悠理は、いつもの余裕あり気な顔で笑って日和ちゃんを挑発する。
「泣かないもん!
今日は日和が勝つんだから!」
挑発に乗る様に、日和ちゃんが真剣な顔をして画面を見つめた。
その姿が可愛くて、私は小さく微笑んだ。
--------
「…はい、余裕」
「あー!
お兄ちゃんちょっとは手加減してよ!」
「おいおい、さっきと言ってる事違うだろうが」
レースに負けて悔しがる日和ちゃんを、悠理がからかう様に笑って頭を撫でる。
こういう所を見ると、悠理ってちゃんとお兄ちゃんしてるんだなぁってしみじみ感じるなぁ。
2人のやりとりを隣で眺めて、微笑ましく思う。
しばらく3人で色んなゲームしたり、トランプしたりジュースを飲んだりして楽しく過ごしていた。
そして遊び疲れて休憩を取っていた時、日和ちゃんは何だかソワソワし始めていた。
「ねぇねぇお兄ちゃん、ひなたちゃん!」
日和ちゃんがソファから身を乗り出すようにして、私たちに話しかける。
「「ん?」」
少し間を空けて隣に座っていた私たちは2人同時に返事を返すと、日和ちゃんがニヤニヤしながら口を開いた。
「2人が付き合ってるのはわかったけどさ。
日和…恋人繋ぎ、見てみたい!」
「「…えっ!?」」
私と悠理の声が、ハモる。
「…はぁ。
日和、急に何言い出すんだよ」
悠理は短いため息をついて、スマホを操作する手を止め日和ちゃんを見る。
「だって、本に書いてあったもん!
恋人同士がデートする時にドキドキする方法その1って!
ね、お願い!
1回だけでいいから、実物見てみたい!」
キラキラした目で私たちを見つめてきた。
どうしよう…?と少し困惑して迷っていると、悠理と目が合う。
私はアイコンタクトでどうするか確認した。
ホントにやるの?
日和ちゃんに見えない様に、口元に手を添えてパクパクと小さく口を動かす。
すると悠理は私を見た後、頭を項垂らせて目を瞑り「はぁー…」と深いため息を漏らした。
そしてスッと頭を上げて再び私と視線が合った時、テーブルの上で私の方に手のひらを見せる様に差し出してきた。
「……1回だけだ。
日和、ちゃんと見とけよ」
あ、本当にするんだ。
そう理解した瞬間、私の顔が熱くなるのを感じた。
恋人繋ぎなんて初めて。
だけど…今の私は"彼女役"だからしっかりしなきゃ。
自分に言い聞かせて、悠理の手にそっと手を重ねる。
すると悠理はスルッと滑らせて、私の指と彼の指を絡ませた。
こ、これが"恋人繋ぎ"…。
一瞬ドキッと心臓が飛び跳ねる。
「きゃー!
ありがとう、お兄ちゃん、ひなたちゃん!」
恋人繋ぎを間近で見て歓声を上げる日和ちゃんに、ニッコリと微笑んだ後繋いだ悠理の手をジッと観察する。
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