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温室には
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先に気がついたのは、ナーランダだっだ。
「ノエル様。気がつきましたか」
ベスを迎えてから、もう三ヶ月ほど立っただろうか。
研究所の空気がなんとなく変わったのは、二人とも気がついていた。
もちろん、皆苦労をしていたポーションの材料となる植物のコンディションについて、ベスにアドバイスを受けることによって飛躍的に質が向上した事が影響しているのは言わずもがなだが、何か言葉にできない、根本的な部分が変わったのだ。
「ああ」
ノエルは、首を傾げた。ナーランダの言わんとしている事を、理解しているのだ。
「何が起こっているんだ。エロイースはここ三月の間、一度も癇癪を起こしていないし、エズラ様は喘息の発作が起こっていない。他の研究員もやけに落ち着いているし、研究所のネコ魔獣など、今まで人がそばを通るたびに毛を逆立てていたというのに、この間、ついに頭を撫でさせてくれた」
何が変わったというわけではないが、何か、変わった。
それも良い方に、あるものがあるべきところにあるように、落ち着いているのだ。
魔術院の研究者同士というものは、それぞれ仲良くはしているが、やはり結局は競争相手だ。
いつも手の内を探り、少しでも他の同僚より高い研究結果をあげることに躍起で、少し刺々しい空気で相手を刺すところがあったのだが、今やその棘が抜けて、ただ皆粛々と研究に勤しむ事に集中している。
特にキャッキャと仲良くしているわけでもない。ただ、棘が抜けていて、穏やかな空気なのだ。
高クラスのポーションの生成ような、非常に繊細な魔術を扱う魔術師達にとって、精神状態の安定は非常に大切だ。
今まで品質の高いポーションの質量生産に苦労していたのだが、ここ数週間のポーションの質と供給量は目を見張る。
この魔術院の筆頭魔術師、つまりは責任者であるノエルにとっては喜ばしい事態なのだが、どうにも解せない。
「間違いなく、あいつが研究所に入ってきてからだ。だが、ベスは植物の世話をしてるだけで、なんのポーションを作成して与えているわけでもない。意味がわからん」
ーーーーーーーーーーーーー
「エロイース、お前最近落ち着いてるな」
ポーションの精製中だったエロイースに、ノエルは後ろから声をかけた。
エロイースは機嫌が良いらしい。いつもはイライラとしながら繊細な作業に打ち込んでいるが、今日は何やら鼻歌まじりで作業をしている。めずらしい事もあるものだ。
気になって、ノエルはエロイースに声をかけてみた。
そして、研究所の変化の理由を、呆気にとられるほど簡単にエロイースが種明かしをしてくれたのだ。
「そうねえ、ベスの温室に入り浸ってるからね」
「温室? 何があるんだ?」
「あそこの空気は本当に癒されるの。あの子は本当にどの植物も、その植物があるべき姿に戻してあげることが上手でしょ? あるべき姿に戻ると人間も一番の力を発揮する気がする。そう思って深呼吸すると、なんだか無理しなくても、肩肘を張らなくてもよいような気持ちになって、一回心がリセットする気がするの」
そう、いつも張り詰めた雰囲気を醸し出していたエロイースは、子供の頃のような無邪気な笑顔でノエルに笑いかけた。ノエルと、エロイースは従兄弟の関係にある。
(こんな顔でエロイースが笑っているのを見たのは、子供の頃以来初めてだな・・)
ベスは、カビの一件から、共同温室と、ノエル専用の温室の担当も任されるようになっていた。
ノエル専用の温室は、共同温室よりも広くて使いやすいがノエルは多忙なので、個人用の温室の管理をする余裕がなく、今まで物置になっていたものだ。
空いているスペースには、ベスの好きな花やら野菜も植えているらしいが、ノエルはまだそちらには足を踏み入れたことはない。
研究、会議、研究。
今は切羽詰まった研究はないが、ベスに依頼すれば確実に、最高品質の植物の材料が手に入るという事は、多忙なノエルの心の負担を、実に軽くした。
「今は、あっちの温室、いろんな花が咲き乱れて綺麗よ。ベスが育ててる植物って、とっても伸び伸びしてて、幸せそうで、無理がないのよね」
「幸せそうな植物と、飾らないで笑ってるベスがいて、本当に空気がいいの。そこで好きに昼寝して、起きたらベスが作った田舎っぽいハーブクッキーなんか食べながら、ちょっとお話しするとさあ、なんだか子供の頃というか、素の自分に戻る気がするの」
言葉にするのは難しいんだけどね。
そうエロイースは言った。
「エズラ様なんてお爺ちゃん子だったベスが喜ぶもんだから、よくご実家のお菓子を持って、日に一回はベスのところに遊びに行ってるのよ。なんだか、空気がいいとか、体が整うとか言って、ベスのところに行くようになってから随分今お元気なの。膝が痛いのが、治ったらしいわよ」
「そんなもので治るわけがないだろう・・」
エロイースは笑って、そして呟くように、言った。
「あの場所に行くと、色々元に戻って、大丈夫な気がするの。心も体も、魂も。生まれた時の何もない状態に戻れる気がする。あの子の温室に行けば、何も悲しい事は起こらない気がするし、安全なの。実家から辛い手紙が来た日は、ベスの温室に駆け込んだら、ささくれだった心が、なんとかなるの」
エロイースは高位貴族の娘としての人生ではなく、魔術師となったことで、実家から厳しい扱いを受けている。
定期的に起こすエロイースの癇癪は、高い結果を残さなければこの魔術院での厳しいポジション争いのプレッシャーと、実家からの厳しい扱い。
エロイースはノエルの知らないところで心を蝕んでいた事に、ノエルはようやく思い至る。
「てか、みんなベスのところに遊びに行ってるのに、なんでノエルは行かないの?」
「ノエル様。気がつきましたか」
ベスを迎えてから、もう三ヶ月ほど立っただろうか。
研究所の空気がなんとなく変わったのは、二人とも気がついていた。
もちろん、皆苦労をしていたポーションの材料となる植物のコンディションについて、ベスにアドバイスを受けることによって飛躍的に質が向上した事が影響しているのは言わずもがなだが、何か言葉にできない、根本的な部分が変わったのだ。
「ああ」
ノエルは、首を傾げた。ナーランダの言わんとしている事を、理解しているのだ。
「何が起こっているんだ。エロイースはここ三月の間、一度も癇癪を起こしていないし、エズラ様は喘息の発作が起こっていない。他の研究員もやけに落ち着いているし、研究所のネコ魔獣など、今まで人がそばを通るたびに毛を逆立てていたというのに、この間、ついに頭を撫でさせてくれた」
何が変わったというわけではないが、何か、変わった。
それも良い方に、あるものがあるべきところにあるように、落ち着いているのだ。
魔術院の研究者同士というものは、それぞれ仲良くはしているが、やはり結局は競争相手だ。
いつも手の内を探り、少しでも他の同僚より高い研究結果をあげることに躍起で、少し刺々しい空気で相手を刺すところがあったのだが、今やその棘が抜けて、ただ皆粛々と研究に勤しむ事に集中している。
特にキャッキャと仲良くしているわけでもない。ただ、棘が抜けていて、穏やかな空気なのだ。
高クラスのポーションの生成ような、非常に繊細な魔術を扱う魔術師達にとって、精神状態の安定は非常に大切だ。
今まで品質の高いポーションの質量生産に苦労していたのだが、ここ数週間のポーションの質と供給量は目を見張る。
この魔術院の筆頭魔術師、つまりは責任者であるノエルにとっては喜ばしい事態なのだが、どうにも解せない。
「間違いなく、あいつが研究所に入ってきてからだ。だが、ベスは植物の世話をしてるだけで、なんのポーションを作成して与えているわけでもない。意味がわからん」
ーーーーーーーーーーーーー
「エロイース、お前最近落ち着いてるな」
ポーションの精製中だったエロイースに、ノエルは後ろから声をかけた。
エロイースは機嫌が良いらしい。いつもはイライラとしながら繊細な作業に打ち込んでいるが、今日は何やら鼻歌まじりで作業をしている。めずらしい事もあるものだ。
気になって、ノエルはエロイースに声をかけてみた。
そして、研究所の変化の理由を、呆気にとられるほど簡単にエロイースが種明かしをしてくれたのだ。
「そうねえ、ベスの温室に入り浸ってるからね」
「温室? 何があるんだ?」
「あそこの空気は本当に癒されるの。あの子は本当にどの植物も、その植物があるべき姿に戻してあげることが上手でしょ? あるべき姿に戻ると人間も一番の力を発揮する気がする。そう思って深呼吸すると、なんだか無理しなくても、肩肘を張らなくてもよいような気持ちになって、一回心がリセットする気がするの」
そう、いつも張り詰めた雰囲気を醸し出していたエロイースは、子供の頃のような無邪気な笑顔でノエルに笑いかけた。ノエルと、エロイースは従兄弟の関係にある。
(こんな顔でエロイースが笑っているのを見たのは、子供の頃以来初めてだな・・)
ベスは、カビの一件から、共同温室と、ノエル専用の温室の担当も任されるようになっていた。
ノエル専用の温室は、共同温室よりも広くて使いやすいがノエルは多忙なので、個人用の温室の管理をする余裕がなく、今まで物置になっていたものだ。
空いているスペースには、ベスの好きな花やら野菜も植えているらしいが、ノエルはまだそちらには足を踏み入れたことはない。
研究、会議、研究。
今は切羽詰まった研究はないが、ベスに依頼すれば確実に、最高品質の植物の材料が手に入るという事は、多忙なノエルの心の負担を、実に軽くした。
「今は、あっちの温室、いろんな花が咲き乱れて綺麗よ。ベスが育ててる植物って、とっても伸び伸びしてて、幸せそうで、無理がないのよね」
「幸せそうな植物と、飾らないで笑ってるベスがいて、本当に空気がいいの。そこで好きに昼寝して、起きたらベスが作った田舎っぽいハーブクッキーなんか食べながら、ちょっとお話しするとさあ、なんだか子供の頃というか、素の自分に戻る気がするの」
言葉にするのは難しいんだけどね。
そうエロイースは言った。
「エズラ様なんてお爺ちゃん子だったベスが喜ぶもんだから、よくご実家のお菓子を持って、日に一回はベスのところに遊びに行ってるのよ。なんだか、空気がいいとか、体が整うとか言って、ベスのところに行くようになってから随分今お元気なの。膝が痛いのが、治ったらしいわよ」
「そんなもので治るわけがないだろう・・」
エロイースは笑って、そして呟くように、言った。
「あの場所に行くと、色々元に戻って、大丈夫な気がするの。心も体も、魂も。生まれた時の何もない状態に戻れる気がする。あの子の温室に行けば、何も悲しい事は起こらない気がするし、安全なの。実家から辛い手紙が来た日は、ベスの温室に駆け込んだら、ささくれだった心が、なんとかなるの」
エロイースは高位貴族の娘としての人生ではなく、魔術師となったことで、実家から厳しい扱いを受けている。
定期的に起こすエロイースの癇癪は、高い結果を残さなければこの魔術院での厳しいポジション争いのプレッシャーと、実家からの厳しい扱い。
エロイースはノエルの知らないところで心を蝕んでいた事に、ノエルはようやく思い至る。
「てか、みんなベスのところに遊びに行ってるのに、なんでノエルは行かないの?」
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