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第2章〜クルムテント王立学園〜
第30.5話〜校長先生との対談〜
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「1階層にワイバーン、2階層にキングウィルフィッシュ、3階層にキングモンキー・・・か。にわかには信じ難いな。」
校長先生は、僕の報告を聞いて頭を抱える。まぁ、この報告を聞いたら嫌でもそうなるだろう。
彼女は僕よりも頭が良い。ナビと同じ結論に至っているはずだ。
「つまりXを考えろと?我が学園の人口ダンジョンごときに?ホワイト、笑わせないでくれよ。」
「だが、事実だ。その証拠は先程見せたはずだ。それに俺がその嘘をついたって利点が無い。」
先程とは、僕が校長室に来た時に、信じられないの一点張りだったので、オールモンキーのドロップ品である爪を大量に出したのだ。
そこからここまでの話に繋がっている。流石に校長先生も本気モードらしい。
彼女はそんなことは分かっていると言うような顔付きで、だけど少し落ち着きを取り戻して、静かに言った。
「・・・この件は私だけか?」
その言葉は恐らく、暗に僕たちがダンジョン内で考えてた、首謀者の耳には届いていないか?ということだ。
「まだ貴方だけだ。」
そして、彼女は対面していたソファに沈み込む。色々と投げ出したくなったんだろうなぁ・・・。
「そうか。ホワイト、お前がこの事を処理できるか?」
「難しいと言っておこう。俺の討伐の最高はSS級討伐魔物、龍魔王デルフォールだ。ダンジョンにはその二つ上、Xがいる可能性が高い。法則から外れた神にも届く存在を倒すことができる未来が見えない。」
普通ならこれで落胆するはずだが、彼女は逆に驚いた。
「つまりはSSS級を倒せるということか!」
彼女は僕が言おうとしてることに気付いたらしい。
僕がX級を前提に言っていることが。だけど、SSS級も僕は相当難しいと思うけどね。
SSS級とは事実上、今のこの世界では最高のランク帯であり、Xの一つ前。魔王を超えた存在。
それらは、尊敬と畏怖の念から、名前の前に、それぞれの色で表される。
「あぁ。知ってる奴がいるからな。そいつ程だったら恐らく倒すことはできるだろう。」
いつかに、僕が唯一倒すことができなかった存在だけどね。
「かのこの世界の本当の王たちを知っている理由を聞くのはともかく、なら、ホワイトが討伐に成功するまで、人口ダンジョンを封鎖する。そちら側は任せて良いか?Xが出た場合には、本当にお手上げだが。」
話の落ちが見えた。彼女もこの件は、最小限の被害で抑えたいのだろう。
「分かった。少なくても9階層。ボスの直前までは攻略することを誓おう。・・・そして、今回のことについてだが。」
僕が何を言おうとしているのか、彼女は察して少し考え込んだ。
元々、彼女に最初、聞きに行ったのは学園の校長だからという理由でもなく、信じられる人だからでもない。
数千年生きてきた彼女なら、この現象について知っていると思ったからだ。
「・・・やったのは誰なのか?そう調べたいだろうが、これができる者など、私は見たことがない。
これは禁忌の魔法を使った者がいるだろう。」
聞きなれない言葉に一瞬戸惑うと、彼女は話してくれた。
「禁忌とは、今は様々な理由で封印されていたり、使うのを禁止されている魔法の事だ。私はその中でこれと似た魔法を知っている。」
僕の読みは当たった。彼女はやはりこのことについて知っているのだと。だけど、その事は明らかに僕が予想していた物よりも確実にやばい物だった。
禁忌の魔法。それがどう意味するのか分からないが、その魔法はこれ程の事が出来るということ。そして、その魔法を使うことができる者がいるということ。
「その魔法とは一体なんなんだ。そして、それができる者だ。最早、分かっているのだろう?」
「【神王の墓】。この魔法は禁忌の中でもトップクラスの存在であり、知ってる者など私は見たことがない。」
神王の墓・・・魔法の名前のようには見えないな。まるで何かを召喚するような。
「この魔法は、我らハイエルフしか今は知らない程の大魔術。かつて神が世界を創造する時に用いた魔術だ。」
校長先生は、僕の報告を聞いて頭を抱える。まぁ、この報告を聞いたら嫌でもそうなるだろう。
彼女は僕よりも頭が良い。ナビと同じ結論に至っているはずだ。
「つまりXを考えろと?我が学園の人口ダンジョンごときに?ホワイト、笑わせないでくれよ。」
「だが、事実だ。その証拠は先程見せたはずだ。それに俺がその嘘をついたって利点が無い。」
先程とは、僕が校長室に来た時に、信じられないの一点張りだったので、オールモンキーのドロップ品である爪を大量に出したのだ。
そこからここまでの話に繋がっている。流石に校長先生も本気モードらしい。
彼女はそんなことは分かっていると言うような顔付きで、だけど少し落ち着きを取り戻して、静かに言った。
「・・・この件は私だけか?」
その言葉は恐らく、暗に僕たちがダンジョン内で考えてた、首謀者の耳には届いていないか?ということだ。
「まだ貴方だけだ。」
そして、彼女は対面していたソファに沈み込む。色々と投げ出したくなったんだろうなぁ・・・。
「そうか。ホワイト、お前がこの事を処理できるか?」
「難しいと言っておこう。俺の討伐の最高はSS級討伐魔物、龍魔王デルフォールだ。ダンジョンにはその二つ上、Xがいる可能性が高い。法則から外れた神にも届く存在を倒すことができる未来が見えない。」
普通ならこれで落胆するはずだが、彼女は逆に驚いた。
「つまりはSSS級を倒せるということか!」
彼女は僕が言おうとしてることに気付いたらしい。
僕がX級を前提に言っていることが。だけど、SSS級も僕は相当難しいと思うけどね。
SSS級とは事実上、今のこの世界では最高のランク帯であり、Xの一つ前。魔王を超えた存在。
それらは、尊敬と畏怖の念から、名前の前に、それぞれの色で表される。
「あぁ。知ってる奴がいるからな。そいつ程だったら恐らく倒すことはできるだろう。」
いつかに、僕が唯一倒すことができなかった存在だけどね。
「かのこの世界の本当の王たちを知っている理由を聞くのはともかく、なら、ホワイトが討伐に成功するまで、人口ダンジョンを封鎖する。そちら側は任せて良いか?Xが出た場合には、本当にお手上げだが。」
話の落ちが見えた。彼女もこの件は、最小限の被害で抑えたいのだろう。
「分かった。少なくても9階層。ボスの直前までは攻略することを誓おう。・・・そして、今回のことについてだが。」
僕が何を言おうとしているのか、彼女は察して少し考え込んだ。
元々、彼女に最初、聞きに行ったのは学園の校長だからという理由でもなく、信じられる人だからでもない。
数千年生きてきた彼女なら、この現象について知っていると思ったからだ。
「・・・やったのは誰なのか?そう調べたいだろうが、これができる者など、私は見たことがない。
これは禁忌の魔法を使った者がいるだろう。」
聞きなれない言葉に一瞬戸惑うと、彼女は話してくれた。
「禁忌とは、今は様々な理由で封印されていたり、使うのを禁止されている魔法の事だ。私はその中でこれと似た魔法を知っている。」
僕の読みは当たった。彼女はやはりこのことについて知っているのだと。だけど、その事は明らかに僕が予想していた物よりも確実にやばい物だった。
禁忌の魔法。それがどう意味するのか分からないが、その魔法はこれ程の事が出来るということ。そして、その魔法を使うことができる者がいるということ。
「その魔法とは一体なんなんだ。そして、それができる者だ。最早、分かっているのだろう?」
「【神王の墓】。この魔法は禁忌の中でもトップクラスの存在であり、知ってる者など私は見たことがない。」
神王の墓・・・魔法の名前のようには見えないな。まるで何かを召喚するような。
「この魔法は、我らハイエルフしか今は知らない程の大魔術。かつて神が世界を創造する時に用いた魔術だ。」
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