【BL】勇者推しの俺が何故か敵対する魔王に転生してました。

のがみさんちのはろさん

文字の大きさ
27 / 80
第一部

27話 「勇者の仲間を増やそう作戦」

しおりを挟む


 今日は予定通り、敵情視察に行こう。
 俺はいつものように気配を消して、下界に降りた。確か、教えてくれた国は東って言ってたか。じゃあ、こっちかな。ゲームみたいに画面の隅にマップが表記されていれば分かりやすいんだけどな。

 この前は噂話を聞きに行っただけだったけど、今回は真面目に人間達の様子を確認しに行く。うん、ちゃんと仕事してるっぽい。
 リドの話だと、少し遠い場所にある国らしい。だからエルと鉢合わせになることもないから安心できるな。
 そういえば、あの国に勇者の仲間になるキャラがいたはず。大柄の戦士なんだけど、どうにか仲間になるように誘導できないかな。変身すればバレないと思うし。
 ただ俺はコミュ障だ。成り行きでエルとは話をする仲になったけど、基本的に人見知りだし。
 勇者の仲間になるように誘導するって言ってもどうやればいいんだ。仲間キャラにどう言っても肝心の勇者が仲間拒否してるし。
 別人に変身して、エルに仲間を作るように説得するしかないかな。でもアイツが他人の言葉を聞くとは思えない。これは難しいミッションだな。
 俺が仲間になるキャラに変身してエルを説得して、その仲間キャラにはエルに変身して、みたいなことすればいけるか。
 いや、俺には無理だ。そんな難しいことしてもボロが出る。
 てゆうかそのキャラの名前何だったっけ。俺の好きなタイプじゃなかったからパーティーにもあまり入れなかったんだよな。

 どうにか、アイツに仲間作らせる方法はないかな。
 まだあの街を拠点にしてるならまだ間に合うかな。さっさとヒロインキャラに会わせて一緒に旅をするように仕組みたいんだけど。
 催眠とかでいけるかな。勇者であるエルにはこの手の魔法は使えない。だからヒロインキャラである魔法使いの女の子、マリアに勇者の仲間になるように暗示をかけて無理やりにでもパーティーに入れなきゃ。
 よし。あとで行ってみるか。今はこの世界で起きてる戦争を見に来たんだから。

 目的の場所に到着。確かに中央にある王都に比べたら小さめの国だ。ゲームでも来たことない場所だから名前も知らない。
 国と国の間に、ゲームとかでよく見る防壁みたいなのが作られてる。こういうのどう言ったらいいんだろう。戦争系のゲームとかやったことないから全然専門用語が出てこないけど。不謹慎な言い方しちゃうけど、要は敵将とか討ち取る系かな。
 ヤバいな。こういう時、学がないことがバレてしまう。
 今は動きがないみたいだな。お互いの陣地を軽く見ても、戦況は五分五分って感じかな。負傷者が多い。どっちの国でもみんな傷だらけだ。見える場所にいないだけで、死者も少なくないんだろうな。
 そうまでして、戦うのはなんでだ。俺みたいな一般高校生からしたら戦争なんて起こす理由なんて理解できない。日本に生まれたからそう思うのかな。

「……うーん。来るタイミング悪かったな」

 また日を改めてくるか。
 それより、他にやることも出来たしな。
 マリアがいるのは、確かワンナの村だったはず。あそこの小さな教会の修道女をやっている。
 最初は普通の子だったんだけど、教会に魔物がやってきて襲われそうになったところに勇者が駆けつける。そして勇者がピンチになったところでマリアが魔法の力に目覚めて、二人で戦って魔物を退けるってイベントがあった後に仲間になるんだけど。
 今の勇者はもうそのイベントで苦戦なんかしないだろうな。幻の水晶を使って最強防具をもう手に入れただろうし。
 そうなるとマリアの潜在能力を催眠で引き出すしかないな。それから勇者パーティーに入れさせる。
 問題はどうやって誘導するか。マリアに仲間にしてとエルに頼み込むようにするしかないかな。アイツが折れるまで懇願するようにするしかない。さすがの勇者もそこまで言われたら仲間にせざるを得ないだろう。
 今は普通の女の子として暮らしてるマリアには悪いけど、サポート役は必要だ。マリアの魔法は主に回復呪文。一緒にいればもうアイツがボロボロになることもないだろう。
 それに、可愛くて良い子が一緒なら、俺への気持ちが万が一好意からくるものであれば、それもなくせるはずだ。

「そしたら……俺も安心して魔王城で勇者を待っていられる……」

 俺は複雑な気持ちを抱えたまま、ワンナの村へと飛んでいった。
 そういえば俺、女の子に自分から話しかけたことないや。大丈夫かな。



しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

異世界転生した双子は今世でも双子で勇者側と悪魔側にわかれました

陽花紫
BL
異世界転生をした双子の兄弟は、今世でも双子であった。 しかし運命は二人を引き離し、一人は教会、もう一人は森へと捨てられた。 それぞれの場所で育った男たちは、やがて知ることとなる。 ここはBLゲームの中の世界であるのだということを。再会した双子は、どのようなエンディングを迎えるのであろうか。 小説家になろうにも掲載中です。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。 原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。 「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」 破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。 しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。 「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」 いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!? 全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ! 小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...