うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!

かかし

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7歳の冬

神様のメモ帳:キラキラ光る一番星

キラキラ、キラキラ

イレイラは美しい物が大好きだったので、気になって気になって仕方ありませんでした。
でも弟神はダメだと言うので、仕方なく我慢してあげることにしました。
でも、でもでもやっぱり。
気になるものは気になってしまい、イレイラはうーんと考えました。
そしてそうだ!と、閃きます。

と。

ろくでもないですね。
でもそんなろくでもない閃きのままに、イレイラは一つだけ新しいモノを創りました。
だってイレイラは神様なので。
この世界という小さくも大きな箱庭は、イレイラの思うがままなのです。
ほんのちょっと、ほんのちょっとだけ創った、世界のでっぱり。
それはキラキラ流れる一番星にコツンと引っかかって、そうしてイレイラの箱庭世界に落としてくれました。
後はそれを拾うだけ。
でもウキウキで拾ったそれは空に浮かんでいる時はとっても素敵に見えたのに、いざ拾ってみると美しくないただの石ころでした。

なぁんだ、つまんない。

そう思って太陽にかざしてみたけれど、時折チラッとキラキラとしたひかりを感じるけれど、それだけ。
つまんないなぁと思って投げ捨てようとしたイレイラの美しい細腕を、誰かが掴みました。
まぁ、イレイラに触れられる存在なんて、弟神メルトラしか居ないんですけどね。

「何をしている?これは………どうしたんだ。」

メルトラはイレイラの腕が軋む程握りしめながら、そう言いました。
どうしたもこうしたもない。
落ちてたから拾ったのだ。
何も悪いと思っていないイレイラは、至って普通にそう言いました。
すると、メルトラは顔を真っ赤にして怒り出します。

「魂が決められた場所世界以外に落ちる筈がないだろう。落としたのか!?」
「うるさい!耳元で叫ばないでよ!」

急に怒り出したメルトラにビックリして、イレイラはそう言って距離を取ろうとしました。
今までとは違う怒り方。
なんでそんなに怒られないといけないのか分からないし、どうしてイレイラが悪いと決めつけてくるのか。
メルトラはいつもそうだ。
イレイラは何も悪くないのに、悪いと決めつけてくる。

「落としてない!落ちてきたの!だから拾ったの!」
「だから、魂は決められた場所世界以外には落ちないと言っているだろう!?仮にじゃあ本当に落ちてきたとして、どうしてに包まれたままなんだ?そして姉は今、何をしようとした!」

どうしてそんな言い方をされないといけないのか。
イレイラにはさっぱり分からりません。
分からないのでイレイラはキッとメルトラを睨みつけました。
イレイラはこの世界の神様なので分かります。
分かって当たり前なのです。
それなのに目の前の弟神のことが分からないなんて、屈辱でしかありませんでした。

「だって、だってキレイじゃない!空にあった時はあんなにキラキラしてたのに!」
「ほら!やはり空を走る魂じゃないか!あれだけ触ってはならぬと言っただろう!」

ああいえばこういう。
普段は従順な弟神をイレイラは愛していたけれど、こういう時のメルトラのことはだいっきらいでした。
どの位嫌いかと言えば、最近創ったぶっさいくなアルラウネとかいうモンスターと同じ位に嫌いでした。
なまじっか顔を美しく使ったので、下半身の薔薇の部分が尚更醜く見えて大嫌いなのです。

「あっ!」

そんなことを考えていると、メルトラがイレイラの手から石ころを取り上げました。
今まさに捨てようとした石ころですが、捨てる前に取り上げられるのは嫌でした。
だって、捨てるその瞬間までイレイラの物なのですから。

「返して!」
「駄目だ!これは姉が弄んで良い物ではない!」
「嫌よ!私が見付けたのよ!私の物よ!」

イレイラはそう言いますが、意地悪なメルトラはちっとも聞いてくれません。
寧ろイレイラに取られまいと、しっかりと握ってしまうではありませんか。
イレイラの物なのに。
なんて失礼で、酷い話なんだ。

「メルトラ!」
「こればっかりは譲れない!どうするんだ!星々の導きを失ってしまっては、この魂はもう元には戻れない!」

あれ程言ったじゃないかとメルトラは言うけれど、そんなこと知ったことではありません。
勝手に落ちてきた、石ころなのですから。
イレイラは悪くないのに。

「これは渡せない!姉の手が届かないようにする!」

そう言ってメルトラは石ころを持って、どこかに消えてしまいました。
かと思えば、たくさんの気持ち悪いモンスターを創って戻ってきたのです。

「何これ!こんなの要らない!」
「いいや、必要な生命だ。」
「私はこんなの愛さない!」
「姉が愛さなくても構わない!私が愛するのだから!」

メルトラはすっかり怒ってしまっている。
でもイレイラも怒っているのだ。
こうして起きた姉弟喧嘩は、60年程続いた後に自然と収束した。
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