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8歳の春
おしごときらい!
涙のお別れが過ぎれば、忙しい日々が始まる。
ヘルギ達はなんでも屋、ニールとシグルドは最近は何やらリースとむつかしい話をしている。
ウィルはアーサーと一緒に毎日狩りに出てて、夕方まで帰って来ない。
クィル神官も神官のお仕事で忙しそう………。
お絵描き中だったハームンドはやだなと思って、唐突にペンをぽいっと投げた。
お手本通りの癇癪である。
スライムはびっくりした様子だったが、アムルは思わず感心して拍手をしそうになってしまった。
そうなると癇癪が酷くなるだろうから、しないけれど。
「お父さんが居なくて寂しいねぇ。」
よしよしと撫でてやるけれど、不満そうな雰囲気は変わらない。
お父さんが居ないだけじゃなくて、お兄ちゃん達も居ない。
冬の間はほぼずっと一緒に居てくれたから、尚更つまんないと感じてしまうのだろう。
スライム達はまだ幼く兄弟一緒に居るから、特に。
「スライム種は群れで生活するから余計寂しいんだろうな。」
ぎこちなくてではあるが、アムルが抱っこをしてボディを撫でてやればほんの少しだけ落ち着いた。
けれどもアムル達は家族の一員とは離れた場所に位置する。
よしよしは嬉しいけれど、やっぱなんか違う。
まだアムルの足は治療中なので暴れたりはしないが、違うなぁとしょんぼりする。
「どうしようかなぁ。一回マチルダさんに相談してみるか。」
自分で何とかしたいけど、子供のことはよく分からない。
赤ん坊なんてもはや宇宙人感覚だ。
抱っこして連れて行こうと思ったが杖が無いと歩けないので、お兄ちゃんぶりたいスライムに抱っこをお願いしてみた。
「無理はするなよ。ハームンド、私達と一緒におやつの時間にしよう。」
お兄ちゃん達には内緒だぞと言って、ゆっくりとリビングへと向かう。
ホワイトスライムはすばしっこく先に向かったが、スライムとブルースライムは元々ゆっくりな動作なのでぎこちない動きしか出来ないアムルでも問題なく足並み揃えてリビングに行けた。
「開けるから待って。じっとして。」
おやつ欲しさに早く早くと急かすホワイトスライムをなんとか宥めながら、アムルはリビングへの扉を開ける。
ちなみにおやつは赤ちゃん3匹はミルク、スライムはふかし芋だ。
やはり元々のボディが大きいので、食べる種類や量が違うようだ。
「あら、おやつ?」
「ええ。お願いします。あと、少し伺いたいことがあるのですが………」
「なになに?なんでも聞いて!あ、私達もおやつにしましょっ!」
アムルの言葉を聞いて、マチルダはニコニコとしながらおやつを準備する。
取り敢えず先に赤ちゃん達のホットミルクを温めている間に、芋をふかしてお茶も用意する。
ミルクに夢中になり、こういう時だけ行動力が倍になる3匹の赤ちゃん達は、アムルが必死に気を引いて火元に近付かないようにしておく。
―――すっかりお兄ちゃんね。
その光景にほのぼのとした気持ちになりながら、マチルダはほんのり温くなったホットミルクを小さな木製カップに入れていく。
赤ちゃんじゃない!というプライドからカップを使いたがるようになったので、ウィルが作った小さなカップだ。
一度に入れれる量も少ないので、飲み過ぎ防止にも役立っている。
「はい、お待たせ!熱いから気を付けてね!」
ヘルギ達はなんでも屋、ニールとシグルドは最近は何やらリースとむつかしい話をしている。
ウィルはアーサーと一緒に毎日狩りに出てて、夕方まで帰って来ない。
クィル神官も神官のお仕事で忙しそう………。
お絵描き中だったハームンドはやだなと思って、唐突にペンをぽいっと投げた。
お手本通りの癇癪である。
スライムはびっくりした様子だったが、アムルは思わず感心して拍手をしそうになってしまった。
そうなると癇癪が酷くなるだろうから、しないけれど。
「お父さんが居なくて寂しいねぇ。」
よしよしと撫でてやるけれど、不満そうな雰囲気は変わらない。
お父さんが居ないだけじゃなくて、お兄ちゃん達も居ない。
冬の間はほぼずっと一緒に居てくれたから、尚更つまんないと感じてしまうのだろう。
スライム達はまだ幼く兄弟一緒に居るから、特に。
「スライム種は群れで生活するから余計寂しいんだろうな。」
ぎこちなくてではあるが、アムルが抱っこをしてボディを撫でてやればほんの少しだけ落ち着いた。
けれどもアムル達は家族の一員とは離れた場所に位置する。
よしよしは嬉しいけれど、やっぱなんか違う。
まだアムルの足は治療中なので暴れたりはしないが、違うなぁとしょんぼりする。
「どうしようかなぁ。一回マチルダさんに相談してみるか。」
自分で何とかしたいけど、子供のことはよく分からない。
赤ん坊なんてもはや宇宙人感覚だ。
抱っこして連れて行こうと思ったが杖が無いと歩けないので、お兄ちゃんぶりたいスライムに抱っこをお願いしてみた。
「無理はするなよ。ハームンド、私達と一緒におやつの時間にしよう。」
お兄ちゃん達には内緒だぞと言って、ゆっくりとリビングへと向かう。
ホワイトスライムはすばしっこく先に向かったが、スライムとブルースライムは元々ゆっくりな動作なのでぎこちない動きしか出来ないアムルでも問題なく足並み揃えてリビングに行けた。
「開けるから待って。じっとして。」
おやつ欲しさに早く早くと急かすホワイトスライムをなんとか宥めながら、アムルはリビングへの扉を開ける。
ちなみにおやつは赤ちゃん3匹はミルク、スライムはふかし芋だ。
やはり元々のボディが大きいので、食べる種類や量が違うようだ。
「あら、おやつ?」
「ええ。お願いします。あと、少し伺いたいことがあるのですが………」
「なになに?なんでも聞いて!あ、私達もおやつにしましょっ!」
アムルの言葉を聞いて、マチルダはニコニコとしながらおやつを準備する。
取り敢えず先に赤ちゃん達のホットミルクを温めている間に、芋をふかしてお茶も用意する。
ミルクに夢中になり、こういう時だけ行動力が倍になる3匹の赤ちゃん達は、アムルが必死に気を引いて火元に近付かないようにしておく。
―――すっかりお兄ちゃんね。
その光景にほのぼのとした気持ちになりながら、マチルダはほんのり温くなったホットミルクを小さな木製カップに入れていく。
赤ちゃんじゃない!というプライドからカップを使いたがるようになったので、ウィルが作った小さなカップだ。
一度に入れれる量も少ないので、飲み過ぎ防止にも役立っている。
「はい、お待たせ!熱いから気を付けてね!」
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