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10歳の春
クリスとカイル
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「お夕飯が出来るまでの間、遊んでなさい。」
「「はーい!」」
「ニール、暫くクリスとカイルと遊んでてくれ。何かあったらすぐ呼べよ?」
「うん。」
「ニール!さむいからリビングであそぼー!」
マチルダとウィルは子供達に遊んでおくように告げると、キッチンへと向かって行った。
返事はしたもののどうするべきかと悩んだニールの背中を、クリスとカイルは優しく押しながらリビングへと案内してくれた。
大きなシグルドは外に居る。
家に入れそうな大きさまで小さくなってはみたけれど、重さで床が抜けそうだったから止めたのだ。
本当はニールも外に一緒に居たかったけれど、そういう訳にもいかない。
小さなスライム2体をいっぱいいっぱいに抱えながら、クリス達の案内でリビング前の暖炉の前に座る。
毛足の長いふかふかのラグが心地好い。
………が、暖炉には火が灯っておらずひんやりとしている。
「あ!だんろついてない!」
「あ、ごめーん!今日お出掛けしたし、お母さん達も出掛けて居ないしで消してたわー。」
ごめんねーと、特に慌てた様子もなくマチルダは暖炉の前に行くと魔術を使って火を起こしてくれた。
兄であるウィルと逆で、マチルダは見た目こそ獣人の特徴だが身体能力等は普通の人間だ。
魔術に関しては別に得意という訳ではないが、それでも生活魔術程度だったら使うことは出来る。
「………わっ!すごい!!」
「すごいでしょー!」
「ボクたちももうすこしおおきくなったらおしえてもらうんだ!」
薪に手をかざして火を点けてやれば、初めて生活魔術を見たニールが大興奮で拍手をした。
そんなニールに双子は自分が褒められたかのように自信満々に胸を張ると、出来るようになったら褒めてねと約束を交わす。
火起こしの生活魔術は初歩中の初歩ではあるのだが、こうも褒められると照れくさい。
マチルダはそんな気持ちで無邪気に褒め称える子供達の頭を順番に撫でてみせた。
「僕もね、お父さんにまほうつかわないひのおこしかたおしえてもらった。」
「できたの!?」
「うん。でも1かいだけ。」
「1回でもすごい!オレもおしえてもらったけど、できなかったんだー。」
双子はすごいすごいとニールを褒め称えた。
万が一火を起こす魔力すら無くなってしまった時の為にと何度か教えてもらったのだが、何度やっても上手くいかなかったのだ。
向き不向きがあるから気にするなと言われても、やっぱり気になってしまう。
まだ7歳の子供にだって、プライドはあるのだから。
「ほらほら、マチルダが困ってるだろ。子供共は三人と二匹で遊んでろ。で、マチルダは戻って来い。」
「「「はーい!」」」
「あ、ごめんねお兄ちゃん!」
ウィルの言葉に子供達は元気なお返事をし、マチルダは慌ててキッチンへと戻った。
何して遊ぶ?積み木あるよ!と楽しそうな声がリビングに響く。
手を洗い食事の準備をしながら、ウィルもマチルダも思わず顔が緩むのが止められなかった。
「ボクつみきもってくる!まっててね!!」
しかしその後に子供部屋とリビングを往復する足音が聞こえたと思ったら、次いで聞こえたド派手にオモチャをひっくり返す音に頭が痛くなったのだが。
「「はーい!」」
「ニール、暫くクリスとカイルと遊んでてくれ。何かあったらすぐ呼べよ?」
「うん。」
「ニール!さむいからリビングであそぼー!」
マチルダとウィルは子供達に遊んでおくように告げると、キッチンへと向かって行った。
返事はしたもののどうするべきかと悩んだニールの背中を、クリスとカイルは優しく押しながらリビングへと案内してくれた。
大きなシグルドは外に居る。
家に入れそうな大きさまで小さくなってはみたけれど、重さで床が抜けそうだったから止めたのだ。
本当はニールも外に一緒に居たかったけれど、そういう訳にもいかない。
小さなスライム2体をいっぱいいっぱいに抱えながら、クリス達の案内でリビング前の暖炉の前に座る。
毛足の長いふかふかのラグが心地好い。
………が、暖炉には火が灯っておらずひんやりとしている。
「あ!だんろついてない!」
「あ、ごめーん!今日お出掛けしたし、お母さん達も出掛けて居ないしで消してたわー。」
ごめんねーと、特に慌てた様子もなくマチルダは暖炉の前に行くと魔術を使って火を起こしてくれた。
兄であるウィルと逆で、マチルダは見た目こそ獣人の特徴だが身体能力等は普通の人間だ。
魔術に関しては別に得意という訳ではないが、それでも生活魔術程度だったら使うことは出来る。
「………わっ!すごい!!」
「すごいでしょー!」
「ボクたちももうすこしおおきくなったらおしえてもらうんだ!」
薪に手をかざして火を点けてやれば、初めて生活魔術を見たニールが大興奮で拍手をした。
そんなニールに双子は自分が褒められたかのように自信満々に胸を張ると、出来るようになったら褒めてねと約束を交わす。
火起こしの生活魔術は初歩中の初歩ではあるのだが、こうも褒められると照れくさい。
マチルダはそんな気持ちで無邪気に褒め称える子供達の頭を順番に撫でてみせた。
「僕もね、お父さんにまほうつかわないひのおこしかたおしえてもらった。」
「できたの!?」
「うん。でも1かいだけ。」
「1回でもすごい!オレもおしえてもらったけど、できなかったんだー。」
双子はすごいすごいとニールを褒め称えた。
万が一火を起こす魔力すら無くなってしまった時の為にと何度か教えてもらったのだが、何度やっても上手くいかなかったのだ。
向き不向きがあるから気にするなと言われても、やっぱり気になってしまう。
まだ7歳の子供にだって、プライドはあるのだから。
「ほらほら、マチルダが困ってるだろ。子供共は三人と二匹で遊んでろ。で、マチルダは戻って来い。」
「「「はーい!」」」
「あ、ごめんねお兄ちゃん!」
ウィルの言葉に子供達は元気なお返事をし、マチルダは慌ててキッチンへと戻った。
何して遊ぶ?積み木あるよ!と楽しそうな声がリビングに響く。
手を洗い食事の準備をしながら、ウィルもマチルダも思わず顔が緩むのが止められなかった。
「ボクつみきもってくる!まっててね!!」
しかしその後に子供部屋とリビングを往復する足音が聞こえたと思ったら、次いで聞こえたド派手にオモチャをひっくり返す音に頭が痛くなったのだが。
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