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熱い、甘い
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ぱちんっと何かが弾けるような音と共に、クィルは目を覚ました。
今宵のお茶会も、とても有意義な時間だった。
クィルはそう思いながら大きな欠伸を一つして、目の前にある逞しい胸板に頭を乗せた。
固くて高くて乗せ心地の悪い枕だこと、とくふくふと笑いながらすりすりと頭を懐かせる。
《んぅ………くすぐったい………》
暫くそうして遊んでいると、不快そうにそう言いながらアーサーは無意識にクィルの腰を抱くと仰向けになっている自身のボディの上に乗せた。
これ、好き。
アーサーはあやして黙らせようとしているつもりなのだろうけれど、嬉し過ぎて興奮しているので若干逆効果だったりする。
《今何時だ………?》
「さぁ?夢でお茶をしていたら、目が覚めちゃいました。」
クィルの髪を撫でながら、掠れた声でアーサーは時間を聞く。
しかしこの部屋に時を告げる物は何もない。
聞かれたところで明確な時間なんて答えられないので、クィルはテンション高くそう答えた。
子供達はいつもアムルの部屋で眠っているから、アーサーが使っている寝室はクィルとアーサーだけだ。
多少騒いだところで、迷惑をかけるのはアーサーだけ。
なので少しだけ声を潜めるだけで、あとは普通だった。
《夢………ああ、夢渡りか。》
神に目を掛けられたモンスターや人間は、夢を通じて直接神々が会いに来ることがある。
破壊の神の愛し子であるクィルのことだ。
わりとよくあるのだろう。
「貴方の話をしました。」
《私の?》
「ええ。」
何の話をしたのか。
破壊の神が下手なことを言うとは思えないが、クィルが何を聞きたがっているのかが分からない。
頼むから余計なことを聞いてくれるなよという思いを込めながら、美しいサラサラとした髪を撫でる。
何で湯浴みしかしてない筈なのに、こんなに髪が綺麗なんだ?
「会いたがってましたよ。」
《ん?》
「貴方に。破壊の神様が、会いたいと。」
クィルの言葉に、アーサーの手がピタリと止まった。
会いたい。
その意味を考えると、緊張してしまう。
しかしそんなアーサーにふふっとクィルは微笑むと、頬と思わしき場所にキスをした。
そしてそのままゆっくりと、キスをしながら顔を動かして唇を合わせる。
見えないけれども、顔がある。
そう分かった時から、こうしてひっそりとキスをすることが増えた。
見えない舌が口内に入ってくるのはビックリするけれど、楽しい。
「ふっ、んぁっ………でも、合わせる顔がないんですって。」
《顔が無いのは私の方だがな。》
アーサーはそんなことを言いながら、クィルの脇腹を撫でる。
勿論、ただくすぐる意味ではなく、性的な意味でだ。
今が何時かは分からないが、朝はもう近いだろう。
それならばいっそ、このまま戯れるのも悪くない。
「スる?」
《ああ。だが、ホワイトスライムがいつ突撃してくるか分からないから、声抑えろよ?》
跨るような体勢をして、蠱惑的にシャツをゆっくりとたくし上げるクィル。
あからさまな誘惑。
露出がないからかなまっちろくも見える腹を撫で、臍を撫でることでノッてやる。
「スリル満点ですね。」
《楽しめそうか?》
「もちろん。」
貴方となら、何だって。
今宵のお茶会も、とても有意義な時間だった。
クィルはそう思いながら大きな欠伸を一つして、目の前にある逞しい胸板に頭を乗せた。
固くて高くて乗せ心地の悪い枕だこと、とくふくふと笑いながらすりすりと頭を懐かせる。
《んぅ………くすぐったい………》
暫くそうして遊んでいると、不快そうにそう言いながらアーサーは無意識にクィルの腰を抱くと仰向けになっている自身のボディの上に乗せた。
これ、好き。
アーサーはあやして黙らせようとしているつもりなのだろうけれど、嬉し過ぎて興奮しているので若干逆効果だったりする。
《今何時だ………?》
「さぁ?夢でお茶をしていたら、目が覚めちゃいました。」
クィルの髪を撫でながら、掠れた声でアーサーは時間を聞く。
しかしこの部屋に時を告げる物は何もない。
聞かれたところで明確な時間なんて答えられないので、クィルはテンション高くそう答えた。
子供達はいつもアムルの部屋で眠っているから、アーサーが使っている寝室はクィルとアーサーだけだ。
多少騒いだところで、迷惑をかけるのはアーサーだけ。
なので少しだけ声を潜めるだけで、あとは普通だった。
《夢………ああ、夢渡りか。》
神に目を掛けられたモンスターや人間は、夢を通じて直接神々が会いに来ることがある。
破壊の神の愛し子であるクィルのことだ。
わりとよくあるのだろう。
「貴方の話をしました。」
《私の?》
「ええ。」
何の話をしたのか。
破壊の神が下手なことを言うとは思えないが、クィルが何を聞きたがっているのかが分からない。
頼むから余計なことを聞いてくれるなよという思いを込めながら、美しいサラサラとした髪を撫でる。
何で湯浴みしかしてない筈なのに、こんなに髪が綺麗なんだ?
「会いたがってましたよ。」
《ん?》
「貴方に。破壊の神様が、会いたいと。」
クィルの言葉に、アーサーの手がピタリと止まった。
会いたい。
その意味を考えると、緊張してしまう。
しかしそんなアーサーにふふっとクィルは微笑むと、頬と思わしき場所にキスをした。
そしてそのままゆっくりと、キスをしながら顔を動かして唇を合わせる。
見えないけれども、顔がある。
そう分かった時から、こうしてひっそりとキスをすることが増えた。
見えない舌が口内に入ってくるのはビックリするけれど、楽しい。
「ふっ、んぁっ………でも、合わせる顔がないんですって。」
《顔が無いのは私の方だがな。》
アーサーはそんなことを言いながら、クィルの脇腹を撫でる。
勿論、ただくすぐる意味ではなく、性的な意味でだ。
今が何時かは分からないが、朝はもう近いだろう。
それならばいっそ、このまま戯れるのも悪くない。
「スる?」
《ああ。だが、ホワイトスライムがいつ突撃してくるか分からないから、声抑えろよ?》
跨るような体勢をして、蠱惑的にシャツをゆっくりとたくし上げるクィル。
あからさまな誘惑。
露出がないからかなまっちろくも見える腹を撫で、臍を撫でることでノッてやる。
「スリル満点ですね。」
《楽しめそうか?》
「もちろん。」
貴方となら、何だって。
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感想ありがとうございます!
家族とは離れて暮らしていましたし、誰かに相談したりするような性格ではなかったことが災いしたんでしょうねぇ…
感想ありがとうございます!
浄化され過ぎて、ぷつんと切れてはいけない糸まで切れてしまったのかもしれません^^;
ある意味ネガティブな男だったので…
奥さん視点は奥さん視点で一本話が書けそうな内容になりそうなので、また別のお話ということでw
そしてチョロルドは幸せになるのか…のんびりお見守りいただければ幸いです!^^
チョロルドさん、なんだか出家するような勢いですよ!!
続きが楽しみです。
感想ありがとうございます!
出家というか、家出のような気もしますwww
ぼちぼち書いていきますので、のんびりお待ち頂ければ幸いです!