突撃!門工サバゲー部!~ウクライナを救った6人のミリオタの物語 第2章「ウクライナ戦場編」~

たぬ吉R&D&P

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突撃!門工サバゲー部2!

2-13「リュドミラとヘイヘ」

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「リュドミラとヘイヘ」
 それから2日間、ドネツクを境界とするウクライナ軍とロシア軍の戦闘は一進一退の攻防を極めた。隼が傍受するロシア軍の無線から、相当な損失が出ていることと、後部補給基地がハイマースによるピンポイント攻撃で兵站が断たれているとの情報が入ってきている。後、3、4日も待てば、前線のロシア軍は撤退を余儀なくされ、ウクライナの影響範囲に北上できるかと予想を立てた。
 一昨日に屠龍が送ったメールには返事は来ていない。

 しかし今朝から、屠龍が発熱し予断を許さなくなった。レスキューキットの抗生物質を飲ませたが、熱が下がらない。飛燕が呼び出した舩坂の推測では「破傷風」の可能性があるという。
「このまま高熱が続くとなんぼ若いって言っても衰弱してしまう。早く、きちんとした治療をせんとあかんな。」
と舩坂が発言し、急遽、強行突破策が取られることになった。今の場所から、ドネツク国際空港の前を抜け、ロシア軍の前線の隙間、約3キロを北へ街を外れ今は作付けが中断されている不整地を強行突破する作戦が検討された。

 飛燕と舩坂が幽体で前線視察しに行き、ロシア軍の配置状況を把握した。バウリチェンコとヘイヘも協力してくれて、逃走経路が検討された。
 作戦会議中、零は飛燕に呼び出され、車外に一人で出た。
「零ちゃん、今、零ちゃんたちが「ロシア軍」と戦ってるっていう話を聞きつけて、どうしても参加したいっていう人…、いや人を超えたもんがおるんやけど、いっぺん会ってやってくれへんか?」
と飛燕から頼まれた。
「はあ、おっちゃんが認める人やったらいいけろ。今、ここに来てるのけ?」

 零がR-149に戻ると会議は終わっていた。バウリチェンコとヘイヘも「危険だけど屠龍君の状態を考えるとやるしかない。零ちゃん、もし、撃たなあかん状況になったらどうする?」と聞いてきた。(屠龍先輩優先でお願いするべ。ただ、極力、人は傷つけないようにしてほしいべ…。)と答えると、「零ちゃんは本当にやさしくていい子だねぇ。零ちゃんのやさしさが災いしなけりゃいいけどね。時には鬼にならないと仲間は守れないよ。それだけは覚えとくんよ。」とリュドミラ・バウリチェンコが零の頭を撫でた。

 6人はR-149に乗り込んだ。飛燕、舩坂、バウリチェンコ、ヘイヘと新たな霊も一緒だ。屠龍が後部に寝かされ、彗星がつきっきりで濡れたタオルでおでこと脇の下を冷やしている。紫電は操縦席、疾風は前席でナビゲーション役、隼は無線機の前で構えている。零は光学式スコープをつけたカラシニコフAK-47を肩に上部ハッチから上空警戒を任されている。やや心配そうな顔をしたバイリチェンコといつもと同じ笑顔のヘイヘが横についている。
 廃墟ビルを出て5分もしないうちに、ロシア軍が使用するイラン製ドローンが上空に現れた。零のインカムに隼の声が飛び込んできた。
「零ちゃん、俺らが盗んだR-149を破壊してでもウクライナ側に渡すなって指令が出てる。10キロ後方の基地からT-72も出撃したみたいや。ドローンは対地ロケット弾搭載モデルや!迎撃してくれ!」

 (えっ、実弾で撃つんだべか?そ、そんな…)躊躇した零に「零ちゃん、ドローンは無線操縦だよ!撃墜しても誰も傷つかないから殺るよ!入るからね!」とバウリチェンコが憑依してきた。(リュドミラさん、無人ということでしたら、遠慮なくやってけろ!)、「あいよ、任せな!」バイリチェンコは小さい零の身体には大きすぎるAK-47をしっかりと銃床を右肩に押し付けると短い手を精一杯伸ばし、スコープを覗き込んだ。
 追撃してきているドローンは8機。スコープを覗き込んではフルオートで0.5秒間引き金を引く。カラシニコフAK-47のマガジン装填数は30発。発射速度は毎分600発。一機当たり5発で確実に1機、また1機と撃墜していく。射撃体勢に入るドローンを優先して狙撃していくため、まだ1機のロケット弾発射を許していない。
 (リュドミラさん凄いべ!この揺れる車から百発百中だべ!)あっという間に6機のドローンを撃墜し、残り2機となった。マガジンを交換する際、狭いハッチに引っかかり、マガジンを一つ落としてしまった。

 その数秒の合間に1機のドローンがロケット弾を発射した。「紫電君、右に避けて!」リュドミラが零の身体を借りてマイクに叫ぶ。とっさに切った操縦桿に車体が大きくローリングする。外れたロケット弾の一発が道路標識に当たり頭上から看板とパイプが落ちてくる。とっさにAK-47を零の頭上に掲げ、落下物を銃でかわした。きらりと光るものが、車上の屋根から道路に落ちた。
 AK―47についていた光学式スコープに落下物がヒットし外れてしまったのがわかった。「リュドミラさん、チェンジだ!」ヘイヘが叫ぶとバウリチェンコは零の身体から抜け代わりにヘイヘが入ってきた。(先生はスコープなしで大丈夫なんだべか?)、「僕はもともとスコープは使わない。人の頭よりでっかいドローンなら500メートルでも外さないよ!」と零に言うと、速攻1機撃墜した。
 照門と照星を効き目に合わせ、残り1機も一撃で撃墜した。(きゃー、さすがヘイヘ先生だべ!すごーい!凄すぎるベー!)
「紫電さん、ドローンは全機撃墜したべ。前方に広い空き地が見えてきたべ!ん、空港?誘導灯みたいだべ!」
「あぁ、ドローンの攻撃避けるうちに一本手前に出てしもたみたいや。周りから丸見えになるから、操縦席からは視界が聞けへんから、零ちゃんしっかり周辺警戒頼むで!」
「了解だべ!疾風部長、屠龍副長をお願いしますだ!」




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