突撃!門工サバゲー部!~ウクライナを救った6人のミリオタの物語 第2章「ウクライナ戦場編」~

たぬ吉R&D&P

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突撃!門工サバゲー部2!

2-14「魔王ハンス・ウイルリッヒ・ルーデル」

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「魔王ハンス・ウイルリッヒ・ルーデル」
 「零ちゃん、準備はええか!新人さんがうずうずしてお待ちかねやで!」車内から飛燕の声が掛かった。(はい、お願いしますだ。私、飛行機はわからないんで!)、「じゃあ、零ちゃん、お邪魔するよ!」と零に憑依してきた。今まで憑依してきた霊とは違った感触だった。零はその違いを納得した。(こ、これが「魔王」だべな…)
零に憑依した霊は空港内を見回すと
「右の手前格納庫まえのエプロンだ!フェンスをぶち破れ!スホーイSu-25UBが暖気中だ!フル装備の複座機に横付けしてくれ。着いたらすぐに疾風君、後部座席に屠龍君を乗り込ませて隼君は一緒に乗り込んでくれ。行くぞ!」

 「バキッ!ベキベキベキ!」フェンスをなぎ倒して、R-149MA1がドネツク国際空港内に乗り込んできた。隼がリアハッチから飛び降りると
「ドネツク攻略中隊のモロゾフ大尉から連絡が入ってるだろう。出撃準備はできているのか。チョーク外せ!すぐに出るぞ!」
早口でまくし立てた。
「えっ、何も聞いていませんが」
と戸惑う整備員に
「なにー、貴様、「今すぐ発進させる」か「シベリア」か「陸軍に入っての最前線」か今すぐ好きなものを選べ!俺は気が短いんだ!3秒で決めろ!」
とほとんど「やから」を通した。

 疾風は背中に背負った屠龍を後部座席に座らせるとその上に隼が座った。それを確認した時点で疾風が飛び乗ったR-149MA1は北に向けて再びフェンスをなぎ倒し走り出した。
 零は、両手を伸ばしてやっとのことで操縦席に乗り込むと、スイッチ関係を次々に入れていった。
「電源接続オッケー!燃料オッケー!油圧正常、対地攻撃システムオン!コンタクト!」
 零が叫ぶと、キィィィンとジェットエンジンが高周波音をあげていく。
(ルーデルさん、ロシアの飛行機なんか操縦できるんだべか?ドイツ人なんでしょ?)
「おいおい、零ちゃん、誰に物言ってるんだい!俺はハンス・ウイルリッヒ・ルーデル!第2次大戦ではスツーカでイワンの戦車を公式記録だけでも519両屠り「ソ連人民最大の敵」とスターリン親父に言わせた男だ。まあ、零ちゃんの仲間の「シモ・ヘイヘ」も一緒だかな!
 そしてアメリカのフェアチャイルドA-10を作った男だ。YA―10の競合機YA-9に近いSu-25の捕獲機ももちろん乗ってるさ!まあ、A-10と比べりゃ子供のおもちゃみたいなもんだがな!イワンのシュトルモヴィグ(攻撃機)を飛ばすなんて朝飯の前の「牛乳」みたいなもんさ!まあ、怖かったら「拳(こぶし)を「耳」に突っ込んどきな!」
(ん、ルーデルさん、何言ってるのかわからないべ?)
「うーん、まあ、イワンの敵は俺の味方だ!後は任せな!さあ、飛ぶぞ!」
 Su-25は滑走路に位置付けるとタキシングに入った。前方が空いたのを確認するとスロットルを空けた。民間航空機とは違う強いGを感じながら、Su-25は空へ舞い上がった。第4旋回後、機体を斜めにすると北に向かうR-149を確認し、その後方から5台のT-72が追走してきているのが見えた。
 
 「疾風君、紫電君、5台のT-72が4キロ後方に迫ってる。その先を街道を外れて不整地に入るのであれば、追いつかれる可能性がある。急げよ!」
「疾風です。了解しました。砲撃射程に入るようであれば援護願います。」
無線が切れると
「零ちゃん、今の聞いたよな。不整地に入ると8輪とはいえタイヤとキャタピラーでは時速20キロは戦車の方が速い。撃っていいよな?」
(うーん、できるだけ、人を傷つけないようにお願いするべ…。)
「わかった、じゃあ、ロケット弾は脅しで使うだけにして、30ミリ機関砲で後部エンジンを打ち抜くならいいかな?」
(そんなことができるんだべか?)
「だーかーらー、誰に物言ってんだよ!リュドミラ・バウリチェンコやシモ・ヘイヘと同じで俺様にかかればイワンのタンクなんか停まってるもおんなじさ!
 まあ、機体を軽くするために、爆弾とロケット弾は威嚇で先に使ってしまうよ!」

 不整地に入り一気に距離を詰めてきたT-72が主砲を発砲してきた。3000メートル以上の距離があるため、ロシア戦車の砲弾はすべてR-149のはるか後方に落ちたが、第2射、第3射と距離が近づいていく。
「よっしゃ、ちょっと脅しをかけて、距離を空けさせるか!そーれ!」
ルーデルは大きくSu-25を大きくバンクさせると80キロ爆弾6個を5両の戦車の前方に落とした。5台のT-72は大きく展開し、距離が開いた。
「あと15キロ逃げ切れば、ロシアの実効支配エリアを抜ける。白旗上げる準備をしとけよ!」
 無線が入ると彗星がシーツをAK-47に括り付けて天蓋から差し出しガムテープで固定した。
 
 それを確認すると、ルーデルが憑依した零は「満面の笑み」を持ってロケット弾を発射した。再び、T―72の隊列が右へ左へと大きく乱れた。(これで何とか逃げ切れるべ!)と零が思った瞬間、がくんとR-149の車速が落ちた。
「零ちゃん、駆動輪のパンクや!40キロ以上でえへんようになってしもた!」
紫電の声が無線に入った。
「あちゃー、爆弾とロケット弾は全部使ってしまった後で…。零ちゃん、機関砲で直接射撃でいいよな?」
楽しそうな声でルーデルは尋ねた。
(はい…、けど、エンジン打ち抜きでお願いするべ。上部砲塔への射撃はやめてけろ!ルーデルさんの腕を信じるべ…。お願い…。)
「はいはい、かわいこちゃんにお願いされたら、約束は守ってあげないとね。あっという間の射撃ショーだからしっかりと見とくんだよ!」

 ルーデルは、Su-25を旋回させると、機関砲のトリガーを短く引いた。一降下目で2両、次の緩降下でさらに2両、最後は威嚇射撃で遊びながら見事にエンジンを打ち抜いた。
「敵5両殲滅。我、先にクラマトルスクに屠龍君を搬送する。」
と言い残し、ルーデルはスロットを開け北の空に飛行機雲を残し飛んで行った。

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