劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

ハイフィールド

文字の大きさ
1 / 127
第一章 いつも劇の役は木の役でした……

1本目

しおりを挟む
 神々しさを感じさせる真っ白い柱と壁の建物……神殿だ。前世ではTVで映画とかアニメでしか見た事が無い世界。
 それが今わたしの目の前にある……わたしは今、お父さんに抱きかかえられながら神殿に向かっている。

 今 のお父さんは鼻の下に髭を生やして、体型はふくよかな……有名だったRPGの商人みたいな見た目だ。

 周りを見ると、わたしと同じように抱っこされている子どもや、手を引かれたりしている子どもが同じ方へ歩いているようだ。

 わたしを含めてみんなの格好はまるでローマ時代の洋服……実はそんなに詳しくないからわからないけれど……を着ている。


 やがて神殿に到着すると立派な格好の神官様が立っていて、父が神官様の隣に立っているシスターが持っている箱にお布施? を入れると奥に案内された。

「さぁ、アーリャ。今日は3歳になった子どもが神の祝福を受ける洗礼の日……ここではギフトジョブが神から与えられるんだぞ」

「ギフトジョブ?」

「あぁ、神から与えられるギフトジョブは、その職業を得意とする特性を与えてくれるんだ……私も商人のギフトジョブを貰えたからそれなりに大きな商会を持てたんだぞ」

「そーなんだ」

「でもお前は女の子で末っ子だから、商人のギフトジョブを貰っても商会を継ぐ事は出来ないからな……そうだな良い所に嫁げるよう教養のあるジョブが貰えるといいな」

 今日はその目的でここに来たんだ……知らなかった。でもこんなファンタジーな世界でどんな職業が良いのかなんてさっぱりだよね。
 できればどんな事にでも潰しが利くような無難なジョブが良いよね。

 そんな事を考えている間に……目の前に大きな神の石像が建っている部屋にやって来る。ちょうど像の前にしゃがんでいる子どもの体が光り輝いているのが見えた。

「父ちゃん、俺、剣士のジョブをもらったよ!!」

「おお、よかったな、これで強くなれるぞ!!」

「おめでとうございます、神はいつでもあなたを見守っていますよ」


 へぇ、あんな感じでギフトジョブが貰えるんだ。あ、わたしの番だ。

「よく来てくれました、お名前は?」

「はい、アーリャです、今日はよろしくお願いします」

「3歳なのに礼儀正しいですね、それではアーリャ、これから神にお祈りを捧げて下さい。神から祝福を受け取る事が出来ますよ」

「はい」

 返事をした後、わたしは神の像の前に跪くと、目を閉じ両手を組んで神様に祈った。

 かみさま、あまり……いや、全然転生なんてしたくなかったけれど3年は無事に生き延びる事は出来ました……そこだけは感謝致します。
 どうか今後も無難に平穏な人生を送らせて下さい。

 すると目を閉じても分かるくらいの光に包まれた。

「おお、なんだこの大きな光は!?」

 隣で大いに驚く神官様の声が聞こえる……え? なんかおかしいの?

 その時、わたしの頭の中に声が聞こえた……


『アーリャ、そなたに祝福を与えよう……そなたのギフトジョブは……』

 わたしのジョブは……

『木だ』

 ……はい? いまなんて仰いました?

『木だ』

 え? 聞き間違いではなかったのですか? 木ってジョブ……職業じゃありませんよね?

『ギフトジョブだ』

 ちょっと、強引に押し通そうとしないで下さい。神様なりのジョークですよね? ゴッドジョーク?

『それではそなたの未来に幸あらんことを……』

 ちょおおおおおっ、いくな! いかないで! 説明して!! 木ってなに!? かみさまあぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!


「……リャ! アーリャ!!」

「はっ!?」

「どうしたのかと思ったぞ、光が消えても動かないから心配したぞ」

「ごめんなさいお父さん、ちょっと神様の祝福にびっくりしてました」

「そうか、何事もなかったのなら良かった……それで、どうだったんだ?」

「何がデスカ?」

「ギフトジョブだよ、何を授かったんだ?」

「……です」

「え? よく聞こえなかったな、もう一度良いか?」



「 木 で す ! ! ! 」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

処理中です...