劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

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第九章 仕切り直し

38本目

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 ゴブリンたちはオーレスさんが放つ弓の攻撃に次々と倒されて行き、ソレを逃れて飛び出してきたものにはドランの木刀が炸裂する。

 馬車の反対側から飛び出してきたゴブリンにはケニーが目くらましの光の魔法を唱えて足止めすると、すぐにオーレスさんの矢が刺さって倒れていった。

「気配は無くなった……これで安全です」

「大した事は無かったですね」

「また下らぬものを斬ってしまった」

 ドランが何か格好良い決め台詞が無いか悩んでいたので、(前世で)世界的に有名な泥棒三世の仲間のセリフを教えてあげたらもの凄く気に入ったみたい……あと、木刀だから切れてないからね。

「オーレスさん、森の中で倒してしまうと討伐証明を取りに行くの大変ですから、もっと引きつけて欲しいです」

「お、おう、済まなかったな」

 完璧に敵を撃退したのにダメ出しをするケニー……なんでそんなに偉そうなんだろう?
 それからゴブリンの討伐証明を回収し終わると再び馬車に乗り込んだ。

「20体か……普通はそれなりの人数の冒険者で当たるんだが、やはりお前達はとんでもないな」

 オーレスさんによると二人の実力は見習いとは思えないほどの実力をもっているみたい。なんか凄いね。

「この数の集団がいるって事はもしかしたら集落が出来ているかも知れない」

「え? わたしの農園が近いのにそれは困るよ」

 農園の施設には職人さん達もいるので、魔物が現れるのは凄い困っちゃう。一応、農園を守る人も雇っているけど門番と見張りで6人くらいしかいないし。

「集落の人数によるが、規模が大きいと冒険者の人数が下手をすれば100人くらい必要になる……数を集めるために時間が掛かりそうだな」

「緊急依頼にすると依頼料が倍以上掛かりますからね……どうするんですか?」

 ケニーに問われてわたしは考える……依頼料を出せないわけでは無いけど、可能な限り大げさにしたくは無い。
 現在、農園の場所を知っている人は限られている、大げさな依頼を出せばどうしてその場所に討伐依頼を出すのか勘ぐる人も出てくるだろう。

「とりあえず街に着くまでに考えるよ……少しだけ外の空気を吸ってくるね」

「魔物の気配は無いけど、そんなに遠くへ行くなよ」

 わたしは答えを保留した……人を使えないのなら自分でやるしか無いよね。わたしは馬車を出ると近くの木に触れた。
 『共有』のスキルを使うと近辺の情報がわたしの頭に流れ込んでくる。ううっ、やり過ぎると頭が痛くなるんだけど、このスキルを使うと木の近くの情報を共有出来るようになるのだ。
 そして、ある程度の近い距離なら木から木への情報をわたしに届けてくれる……つまり、この森の情報を知る事が出来るのです。

 木は側にある生命力を関知出来るみたいで、全部の情報を知ろうとするととんでもない頭痛が襲ってくるので、ゴブリンだけの生命力に絞って確認をする。

 すると、ある場所にかなりの数の生命力が固まっている場所を見つけた。

「(ウーちゃん、おねがい!)」

『ウーーーッドゥッ!』

 足下からウーちゃんが現れる。

 そのままウーちゃんにゴブリンの集落の場所を教えると『ウッドゥッ!』と返事をして再び地面に潜っていった。

「これでよし」

 やるべき事を終えたわたしは馬車に戻ったのでした。


 余談だけど後日、ゴブリンの集落のあったであろう場所を『共有』で確認すると、その場所には生命力は無く隙間無く木が生えていた。
 どのようにしてそうなったかは見ていないから分からないんだけど、ゴブリン達は森の栄養になったと思う……深く考えるのは止めようね。


「それにしてもどこからゴブリンがやって来たんでしょう?」

「この森は永遠の森エターナルフォレストと繋がっているから、そこから来ているのかも知れない」

 以前、この国は未開拓の土地も多いと話したと思うんだけど、開拓困難で手付かずの土地の一つが『永遠の森エターナルフォレスト』と呼ばれる森だ。

 その森の由来となった永遠樹エターナルツリーと呼ばれる木が厄介で、どんな斧でも木が切れない、どんな強力な炎の魔法でも燃えない、切り倒す事も破壊する事も不可能と言われるとんでもなく丈夫な木が生い茂る大森林なの。
 その森に住む魔物も強力なものが多くて入る事も困難で、エルフですら入る事を躊躇われると言われている。

そして遠くから見える事は出来るものの、今だそこに辿り着いた人はいないと言われている、森の中心には巨大な大樹……世界樹ワールドツリーがそびえ立っているのだ。

 何を隠そうわたしが狙っている開拓地はそこなのです。



 きっとあの土地はわたしだけが開拓出来るんだと思う……だから、何としてもその権利を手に出来るようにならないといけないんだよ!
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