59 / 127
第十二章 あなたを探して……
59本目
しおりを挟む
「え? 真っ直ぐって、目の前は森ですよ!? ぶつかっちゃいますよ!!」
「大丈夫です!! このまま真っ直ぐです!!」
わたしは再びスキルを使うと、目の前の森の木々達が生き物のように動いて道を作っていった。
「んなっ!? 木が動いて道が!? いや、そうだった、このまま進みます。危ないので捕まっていて下さい!!」
オーレスさんは突然の出来事に驚きはしたもののそこは熟練冒険者、すぐに覚悟を決めて馬車の進路を真っ直ぐに進める。強引にショートカットだよ!! 今からまーくんに追いつくにはこの方法しか無いもん。
凄い勢いでWPが下って行くけれど、それこそ冗談みたいに貯めたポイントだよ、何時使うの、今でしょう!! ちょっと、誰、古いとか言った人、小さい頃のTVCMって何だか頭に残っちゃうでしょ?
って、さっきから何を言っているんだろう、ちょっと急激にWPが減ってきてハイになっちゃっているのかな?
その時馬車がガタンと大きく揺れるとわたしは体勢を崩す。
「おっと、危ない」
それをドランが受け止めてくれた。さすがの運動神経だよ。それを見かねてマリナが……
「お嬢、危ないから座ってて下さい」
……わたしの身を案じてくれるけど、そういうわけには行かない。
「だめ、わたしが道を見ていないと追い付けないから」
「ならば俺がしっかりと支えてやるぜ」
「僕も力を貸しましょう」
二人がわたしに寄り添って倒れないよう支えてくれた。うう、さすがの幼馴染み。わたしが引かない事をわかっているようだよ。
わたしは二人に支えられながら森の中に道を作り続けた。目標の反応はゆっくりと動き続けている……馬の並足の速度だ。
まさか自分達が全速力で追いかけられているなんて夢にも思っていないはず。
……こうして、わたし達は森を全速力で通り抜けてまーくんを追いかけていった。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
それから数時間、とうとう相手の馬車に追い付ける位置に着いた。
「それじゃあ街道に出るように道を作ります」
「いいえ、アーリャさん、追跡に気付かれて逃げられるのも厄介です。いっその事追い越して道を塞いでしまいましょう」
なるほど、さすが熟練冒険者は冷静だよ。わたしは焦って後ろから追いかける事しか思いつかなかった。
「道が細くなって迂回出来ないような所で待ち伏せしましょう」
「わかりました」
わたしはオーレスさんのアドバイスにしたがって条件に合う位置まで馬車を先回りさせる事にした。
【共有】で両サイドが森になっていてかつカーブしながら幅が狭くなる長い道を見つけたので、そこに先回しして馬車を止める。
ジョブの能力で道の行く先も、両サイドの森へも簡単に抜けられないように塞いだ……これなら誰かを抱えて逃げる事も難しいはずだよ。
「お二人は馬車の中にいて下さい。ケニーは馬車の陰で援護。わたしが馬車の屋根へ。ドラン、お前は真っ正面になるが……いけるか?」
本来なら成人前の子供を前に出すなんてあり得ないけれど、長くドランの実力を見てきたオーレスさんは彼を正式な冒険者として扱っている。
「へっ、誰に聞いているんだよ、まかせておけよ!!」
「頼んだぞ」
「いつでもフォロー出来るようにしておきます。どんな怪我を負っても治しますからね」
みんなそれぞれ準備を整えて相手の馬車が到着するのを待つ。やがて遠くから馬車の走る音が聞こえる。
もうすぐ曲がり角の奥から目的の馬車がやって来るはずだ……とうとう誘拐犯とご対面だよ。
「大丈夫です!! このまま真っ直ぐです!!」
わたしは再びスキルを使うと、目の前の森の木々達が生き物のように動いて道を作っていった。
「んなっ!? 木が動いて道が!? いや、そうだった、このまま進みます。危ないので捕まっていて下さい!!」
オーレスさんは突然の出来事に驚きはしたもののそこは熟練冒険者、すぐに覚悟を決めて馬車の進路を真っ直ぐに進める。強引にショートカットだよ!! 今からまーくんに追いつくにはこの方法しか無いもん。
凄い勢いでWPが下って行くけれど、それこそ冗談みたいに貯めたポイントだよ、何時使うの、今でしょう!! ちょっと、誰、古いとか言った人、小さい頃のTVCMって何だか頭に残っちゃうでしょ?
って、さっきから何を言っているんだろう、ちょっと急激にWPが減ってきてハイになっちゃっているのかな?
その時馬車がガタンと大きく揺れるとわたしは体勢を崩す。
「おっと、危ない」
それをドランが受け止めてくれた。さすがの運動神経だよ。それを見かねてマリナが……
「お嬢、危ないから座ってて下さい」
……わたしの身を案じてくれるけど、そういうわけには行かない。
「だめ、わたしが道を見ていないと追い付けないから」
「ならば俺がしっかりと支えてやるぜ」
「僕も力を貸しましょう」
二人がわたしに寄り添って倒れないよう支えてくれた。うう、さすがの幼馴染み。わたしが引かない事をわかっているようだよ。
わたしは二人に支えられながら森の中に道を作り続けた。目標の反応はゆっくりと動き続けている……馬の並足の速度だ。
まさか自分達が全速力で追いかけられているなんて夢にも思っていないはず。
……こうして、わたし達は森を全速力で通り抜けてまーくんを追いかけていった。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
それから数時間、とうとう相手の馬車に追い付ける位置に着いた。
「それじゃあ街道に出るように道を作ります」
「いいえ、アーリャさん、追跡に気付かれて逃げられるのも厄介です。いっその事追い越して道を塞いでしまいましょう」
なるほど、さすが熟練冒険者は冷静だよ。わたしは焦って後ろから追いかける事しか思いつかなかった。
「道が細くなって迂回出来ないような所で待ち伏せしましょう」
「わかりました」
わたしはオーレスさんのアドバイスにしたがって条件に合う位置まで馬車を先回りさせる事にした。
【共有】で両サイドが森になっていてかつカーブしながら幅が狭くなる長い道を見つけたので、そこに先回しして馬車を止める。
ジョブの能力で道の行く先も、両サイドの森へも簡単に抜けられないように塞いだ……これなら誰かを抱えて逃げる事も難しいはずだよ。
「お二人は馬車の中にいて下さい。ケニーは馬車の陰で援護。わたしが馬車の屋根へ。ドラン、お前は真っ正面になるが……いけるか?」
本来なら成人前の子供を前に出すなんてあり得ないけれど、長くドランの実力を見てきたオーレスさんは彼を正式な冒険者として扱っている。
「へっ、誰に聞いているんだよ、まかせておけよ!!」
「頼んだぞ」
「いつでもフォロー出来るようにしておきます。どんな怪我を負っても治しますからね」
みんなそれぞれ準備を整えて相手の馬車が到着するのを待つ。やがて遠くから馬車の走る音が聞こえる。
もうすぐ曲がり角の奥から目的の馬車がやって来るはずだ……とうとう誘拐犯とご対面だよ。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる