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第十五章 旅立ち
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王様との謁見後、大臣さんから改めてこれからわたしのするべき事を聞いた。
成人する五年後に爵位を得るわけなんだけど、それまで王立学習院で学ばないといけないらしい。貴族の子供だけでは無く、国の才能ある若者なら平民も通う王立学習院らしくその王立学習院を卒業出来なければ爵位は貰えないんだって。
とは言え商人ならただの平民よりは下地が出来ているだろうから礼儀作法や王国史をしっかり学んでいれば問題ないだろうと説明された。
何よりもまーくんも王立学習院に通う事に決まったらしい。決まったというか元々通っていたけれど、今回の事があってどうするか検討されていたようだけど、侯爵クラスの高い地位の裏切り行為が発覚したため、むしろ王立学習院内の方が守りやすいと判断されたらしい。
まーくんと会える環境なら記憶を取り戻す機会も増えるはず。わたしのやるべき事は王立学習院で学ぶ事と、まーくんの記憶を取り戻す為の情報収集に王立学習院内で強い立場を得るために商売は継続する。
まーくんに会えるまでは自分のやっている事が正しいのか確信が持てなかったけどこれからは違うよ!
本来の予定なら爵位を得るのはまだ先で、まーくんに会えるのももっと先のはずだった。でも、記憶を失ってしまったとは言え予定よりも遙かに早くまーくんに会う事が出来た……つまりわたしは間違っていなかった。
これで迷い無く思った道を端って進む事が出来る……わたしは頭の中でやるべき事を思い描いていくのだった。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
「五年前にアーリャが商人になるって言った時からこうなる予感がしていたよ」
家に帰った後、お父さん達にお城での出来事を報告すると、さすがにお父さんもお母さんも大いに驚いていた。
「本当ね、商人どころかお貴族様になるなんて」
「うん……あと五年後だけどね。男爵だけど今回問題を起こした家の領地の領主代行として領地経営を学んで、そのまま順調に出世すれば侯爵としてそのままその地を治めるんだって」
「学校は来月からなんだろう? 周りは身分の高い人ばかりで大丈夫なのかい?」
「アーリャ、無理はするなよ」
「何があってもここがお前の家だからな」
全寮制である王立学習院へ入ると長期の休み以外は家に帰ってこられない。そして卒業すればわたしは貴族になるのだ……家族と一緒にいられる時間は短い。口には出さないけれどみんなそれを感じでいる。
わたしはツンとした鼻に気付かないふりをしながら残り少ない家族との時間を過ごすのでした。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
旅立ちの日がやって来た。馬車には雇用主を正式にわたしへと移されたマリナに……
「へへっ、アーリャは俺が守るぜ」
「僕がいれば問題ないです……任せておいて下さい」
ドランとケニーが専属冒険者として雇われる事になった。二人とも家を継ぐ気が一切無いみたい……二人とも兄妹がいるから大丈夫みたいだけど。ちなみに御者席にはオーレスさんもいるのでお馴染みのメンバーだった。
「学習院の準備のために礼儀作法もしっかり練習されていましたからお嬢はもう安心ですね」
「うん……とっても辛かったよ」
「そういえばあの陰険執事が通い詰めだったな」
「本当に失礼が服を着たような人物でしたよね」
同感だけどそれをケニーが言っちゃう?
そうなのです、学院に通うための礼儀作法を教えるためにまた来たのです……ドロシー様の執事クライフが。
ドロシー様が良かれと思って寄越してくれたんだけどチェンジ要求を飲み込むのが大変だったよ。そして苛烈な指導でわたしはギブアップしそうに……ドランとケニーはキレそうになった所をセルバンさんがやってきて……という、いつかの焼き増しのような展開になった。
出来ればセルバンさんを最初から寄越して欲しかったんですけど、あくまでシャリーナ家の家令であってドロシー様付きの執事ではないので簡単には来れなかったみたい。
さて、過ぎ去った辛い日々の事はわすれるとして、わたしはこれからの学習院生活に思いを馳せる。
既に過去の文献などでギフトジョブや魔道具で記憶を戻すための手がかりを探すのはもちろん、同時に商売も手広く広げていく予定だ。今までも散々なファンタジー世界だったのだ、記憶を戻す方法だってきっとあるはず。
学習院は表向き身分の差は関係ないというスタンスを取っているけれど、身分を盾にして成り上がりのわたしを虐めてくるに違いない……意を守るためにも力を付けてまーくんと幸せになるんだ!!
わたしは庶民のヒロインが悪役令嬢のいじめを受けつつも最後に王子様と幸せになる物語を想像する。
「うん、わたしの未来はきっと大丈夫」
……馬車はわたしの希望と夢を乗せて王都に向かう街道を真っ直ぐ進んでいくのでした。
_________________________________________
とりあえずこれで第一部完となります。
続きは王立学習院を舞台とした学園恋愛物……今度こそ恋愛物……になる予定です。
成人する五年後に爵位を得るわけなんだけど、それまで王立学習院で学ばないといけないらしい。貴族の子供だけでは無く、国の才能ある若者なら平民も通う王立学習院らしくその王立学習院を卒業出来なければ爵位は貰えないんだって。
とは言え商人ならただの平民よりは下地が出来ているだろうから礼儀作法や王国史をしっかり学んでいれば問題ないだろうと説明された。
何よりもまーくんも王立学習院に通う事に決まったらしい。決まったというか元々通っていたけれど、今回の事があってどうするか検討されていたようだけど、侯爵クラスの高い地位の裏切り行為が発覚したため、むしろ王立学習院内の方が守りやすいと判断されたらしい。
まーくんと会える環境なら記憶を取り戻す機会も増えるはず。わたしのやるべき事は王立学習院で学ぶ事と、まーくんの記憶を取り戻す為の情報収集に王立学習院内で強い立場を得るために商売は継続する。
まーくんに会えるまでは自分のやっている事が正しいのか確信が持てなかったけどこれからは違うよ!
本来の予定なら爵位を得るのはまだ先で、まーくんに会えるのももっと先のはずだった。でも、記憶を失ってしまったとは言え予定よりも遙かに早くまーくんに会う事が出来た……つまりわたしは間違っていなかった。
これで迷い無く思った道を端って進む事が出来る……わたしは頭の中でやるべき事を思い描いていくのだった。
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「五年前にアーリャが商人になるって言った時からこうなる予感がしていたよ」
家に帰った後、お父さん達にお城での出来事を報告すると、さすがにお父さんもお母さんも大いに驚いていた。
「本当ね、商人どころかお貴族様になるなんて」
「うん……あと五年後だけどね。男爵だけど今回問題を起こした家の領地の領主代行として領地経営を学んで、そのまま順調に出世すれば侯爵としてそのままその地を治めるんだって」
「学校は来月からなんだろう? 周りは身分の高い人ばかりで大丈夫なのかい?」
「アーリャ、無理はするなよ」
「何があってもここがお前の家だからな」
全寮制である王立学習院へ入ると長期の休み以外は家に帰ってこられない。そして卒業すればわたしは貴族になるのだ……家族と一緒にいられる時間は短い。口には出さないけれどみんなそれを感じでいる。
わたしはツンとした鼻に気付かないふりをしながら残り少ない家族との時間を過ごすのでした。
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旅立ちの日がやって来た。馬車には雇用主を正式にわたしへと移されたマリナに……
「へへっ、アーリャは俺が守るぜ」
「僕がいれば問題ないです……任せておいて下さい」
ドランとケニーが専属冒険者として雇われる事になった。二人とも家を継ぐ気が一切無いみたい……二人とも兄妹がいるから大丈夫みたいだけど。ちなみに御者席にはオーレスさんもいるのでお馴染みのメンバーだった。
「学習院の準備のために礼儀作法もしっかり練習されていましたからお嬢はもう安心ですね」
「うん……とっても辛かったよ」
「そういえばあの陰険執事が通い詰めだったな」
「本当に失礼が服を着たような人物でしたよね」
同感だけどそれをケニーが言っちゃう?
そうなのです、学院に通うための礼儀作法を教えるためにまた来たのです……ドロシー様の執事クライフが。
ドロシー様が良かれと思って寄越してくれたんだけどチェンジ要求を飲み込むのが大変だったよ。そして苛烈な指導でわたしはギブアップしそうに……ドランとケニーはキレそうになった所をセルバンさんがやってきて……という、いつかの焼き増しのような展開になった。
出来ればセルバンさんを最初から寄越して欲しかったんですけど、あくまでシャリーナ家の家令であってドロシー様付きの執事ではないので簡単には来れなかったみたい。
さて、過ぎ去った辛い日々の事はわすれるとして、わたしはこれからの学習院生活に思いを馳せる。
既に過去の文献などでギフトジョブや魔道具で記憶を戻すための手がかりを探すのはもちろん、同時に商売も手広く広げていく予定だ。今までも散々なファンタジー世界だったのだ、記憶を戻す方法だってきっとあるはず。
学習院は表向き身分の差は関係ないというスタンスを取っているけれど、身分を盾にして成り上がりのわたしを虐めてくるに違いない……意を守るためにも力を付けてまーくんと幸せになるんだ!!
わたしは庶民のヒロインが悪役令嬢のいじめを受けつつも最後に王子様と幸せになる物語を想像する。
「うん、わたしの未来はきっと大丈夫」
……馬車はわたしの希望と夢を乗せて王都に向かう街道を真っ直ぐ進んでいくのでした。
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とりあえずこれで第一部完となります。
続きは王立学習院を舞台とした学園恋愛物……今度こそ恋愛物……になる予定です。
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