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第十八章 悪役令嬢VS学院四天王
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「勝者、サーム様!!」
ヘレナさんが落とした木剣を拾うと項垂れながらこちらに歩いてくる。
「アーリャさん……っっ……申し訳ございません……っ」
「泣かないで下さいヘレナさん。ヘレナさんの頑張りはとても嬉しいです。怪我が無くて何よりです」
「あぁ、よくやった。立派な戦いだったよ」
あれからベスさんとヘレナさんはあっさりと負けてしまった。元々数あわせで戦う予定では無かったのに、彼女達は果敢に戦ってくれた。
___________________________________
先鋒
○マクシス・アルヴァリス ― モブ・ハイケーノ×
次鋒
○ドラン ― フレッド・イキリ×
中堅
×ベスティー・マイラ ― ポルック・カスト○
副将
×ヘレナ・オスティオ ― サーム・ロディック○
大将
アーリャ・アルダーク ― ルビィ・テンカー
___________________________________
お互いに2勝2敗……後が無いのは一緒なのに、わたしとルビィさん達の士気は明らかに違っていた。本来ならわたしがいくら頑張った所でルビィさんに勝てるはずは無い……それをお互いに分かっているからだ。
「さぁ、アーリャさん、ルビィさんとお幸せに……あらいけない、まだ勝負は着いていないですね、ふふふ」
今まではわたしが悪役令嬢だったのに今となっては立場が逆転しているかのようだった。これじゃ意地悪な悪役令嬢に立ち向かう庶民のヒロインだね。
絶体絶命だけど秘策が無いわけでは無い。これは賭けだけどその成功率を上げるためにわたしは悪役令嬢じゃないとね。
「アーリャ・アルダーク……このままでは貴女に怪我をさえてしまうかもしれない……棄権して下さい」
「お断りします」
わたしは孔雀の扇をバッと広げると口元を隠して強気の態度を取る……ここがが勝負所だよ。
「ルビィさん……お願いがあります。栄えある『騎士』のギフトジョブを持つ貴方に本気で戦って欲しいです」
「なっ、そんな危険な事は出来ない」
「あら、ルビィさんは気高き決闘で手を抜くというのですか? わたしはそんな相手に負ける気はありませんよ」
ルビィさんの意識の高さを利用して挑発をする。この孔雀の扇も良い効果を出していると思うよ。
「……分かりました。貴女がそこまでの決意をもってこの決闘に挑むと言うのなら手を抜くのは侮辱になる……私は本気でいきます」
「ありがとうございます……これでわたしも心置きなく戦えます」
「あら、やるならひと思いにやって下さいって意味かしら? うふふ、諦めたらそこで試合終了ですよ」
前世ではスポーツ漫画を読んでいそうなセリフを使うキャレルさんにわたしは高飛車に答える。
「貴族では無いキャレルさんには一生分からないと思いますよ」
「なっ……貴族になりたての成り上がりのくせに!!」
「なりたてであろうと無かろうと貴族の立場であると無いでは大いに違いますよ」
試合相手ではないキャレルさんを挑発しても仕方がないんだけど、ここまでやりたい放題罠を張られたんだから少しくらいは仕返ししたいよね? だから攻撃をやめない。
「ふん、ごちゃごちゃ言ってないでさっさと中央に行きなさい。最後の大将戦で痛い目見れば良いのよ」
「是非とも審議は公平にお願いしますね、庶民のキャレルさん」
キャレルさんは怒って何かを言っているようだけど言いたい事を言って少し留飲が下がったので既に中央で待ち構えているルビィさんの前に立った。
「貴女の望み通り本気で戦います……覚悟を決めて下さい」
「それはわたしのセリフです……どうか油断なさらぬように」
「それでは最終戦……大将同士の戦いです。それでは……」
わたしは両手持ちの木剣を後ろに隠すように構える……剣道では使われる事の無い脇構え……その見慣れぬ構えに怪訝な表情を見せつつも騎士の鏡のような構えで返してくるルビィさん。
「……勝負……開始!!」
……運命の最終決戦が開始された!!
ヘレナさんが落とした木剣を拾うと項垂れながらこちらに歩いてくる。
「アーリャさん……っっ……申し訳ございません……っ」
「泣かないで下さいヘレナさん。ヘレナさんの頑張りはとても嬉しいです。怪我が無くて何よりです」
「あぁ、よくやった。立派な戦いだったよ」
あれからベスさんとヘレナさんはあっさりと負けてしまった。元々数あわせで戦う予定では無かったのに、彼女達は果敢に戦ってくれた。
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先鋒
○マクシス・アルヴァリス ― モブ・ハイケーノ×
次鋒
○ドラン ― フレッド・イキリ×
中堅
×ベスティー・マイラ ― ポルック・カスト○
副将
×ヘレナ・オスティオ ― サーム・ロディック○
大将
アーリャ・アルダーク ― ルビィ・テンカー
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お互いに2勝2敗……後が無いのは一緒なのに、わたしとルビィさん達の士気は明らかに違っていた。本来ならわたしがいくら頑張った所でルビィさんに勝てるはずは無い……それをお互いに分かっているからだ。
「さぁ、アーリャさん、ルビィさんとお幸せに……あらいけない、まだ勝負は着いていないですね、ふふふ」
今まではわたしが悪役令嬢だったのに今となっては立場が逆転しているかのようだった。これじゃ意地悪な悪役令嬢に立ち向かう庶民のヒロインだね。
絶体絶命だけど秘策が無いわけでは無い。これは賭けだけどその成功率を上げるためにわたしは悪役令嬢じゃないとね。
「アーリャ・アルダーク……このままでは貴女に怪我をさえてしまうかもしれない……棄権して下さい」
「お断りします」
わたしは孔雀の扇をバッと広げると口元を隠して強気の態度を取る……ここがが勝負所だよ。
「ルビィさん……お願いがあります。栄えある『騎士』のギフトジョブを持つ貴方に本気で戦って欲しいです」
「なっ、そんな危険な事は出来ない」
「あら、ルビィさんは気高き決闘で手を抜くというのですか? わたしはそんな相手に負ける気はありませんよ」
ルビィさんの意識の高さを利用して挑発をする。この孔雀の扇も良い効果を出していると思うよ。
「……分かりました。貴女がそこまでの決意をもってこの決闘に挑むと言うのなら手を抜くのは侮辱になる……私は本気でいきます」
「ありがとうございます……これでわたしも心置きなく戦えます」
「あら、やるならひと思いにやって下さいって意味かしら? うふふ、諦めたらそこで試合終了ですよ」
前世ではスポーツ漫画を読んでいそうなセリフを使うキャレルさんにわたしは高飛車に答える。
「貴族では無いキャレルさんには一生分からないと思いますよ」
「なっ……貴族になりたての成り上がりのくせに!!」
「なりたてであろうと無かろうと貴族の立場であると無いでは大いに違いますよ」
試合相手ではないキャレルさんを挑発しても仕方がないんだけど、ここまでやりたい放題罠を張られたんだから少しくらいは仕返ししたいよね? だから攻撃をやめない。
「ふん、ごちゃごちゃ言ってないでさっさと中央に行きなさい。最後の大将戦で痛い目見れば良いのよ」
「是非とも審議は公平にお願いしますね、庶民のキャレルさん」
キャレルさんは怒って何かを言っているようだけど言いたい事を言って少し留飲が下がったので既に中央で待ち構えているルビィさんの前に立った。
「貴女の望み通り本気で戦います……覚悟を決めて下さい」
「それはわたしのセリフです……どうか油断なさらぬように」
「それでは最終戦……大将同士の戦いです。それでは……」
わたしは両手持ちの木剣を後ろに隠すように構える……剣道では使われる事の無い脇構え……その見慣れぬ構えに怪訝な表情を見せつつも騎士の鏡のような構えで返してくるルビィさん。
「……勝負……開始!!」
……運命の最終決戦が開始された!!
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