劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

ハイフィールド

文字の大きさ
101 / 127
第十八章 悪役令嬢VS学院四天王

101本目

しおりを挟む
 勝負が始まったけれどルビィさんは動かない。わたしがどう動いても対処出来る自信があるんだと思う。少し変わっている構えとは言えわたしの剣を持つ腕を見れば素人だという事はバレバレらしいしね……これはまーくんやドランからも言われている。

「ジッとして動かず引き分けを狙っているわけじゃ無いわよね、早く動かないと反則負けよアーリャさん」

 動かない両者に戦いを促すのは審判の役目だけど、この場合はルビィさんにも言える事なのにわたしだけにいってくるちっとも公正じゃ無いジャッジのキャレルさん。
 言われなくても今わたしに出来る事はひとつだけ……それしか練習していないから。

「……いきますよ」

 わたしは摺り足で足がちゃんと動くか確認する……それを見てもルビィさんは動かない。軽く深呼吸をしたあと、わたしはルビィさんに向かって走り出した。


□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □


『相手がどう動くかなんて予測する事は熟練の剣士にだって難しいよ』

 まーくん達の言葉を思い出す。万が一わたしが戦う事になったらと言う事でまーくんとドランが練習方法を一緒に考えてくれる。二人は自分がもしも負けた場合……ルビィさんが予想外に強くて二人が負けてしまった時……についてちゃんと考えていた。

『相手との実力差があれば後の前……相手の動きを見て相手より早く攻撃出来るからな』

 でもそれじゃ何をやっても勝てないよ~一体何を練習すれば良いの?

『上手い事相手の攻撃を限定させる事だ。例えばルビィ・テンカーは騎士のギフトジョブ……中でも相手との間合いを計って放たれるソリッドスラッシュという高速で剣を振り下ろすスキルに定評がある』

『連戦で疲れている時、最後の戦いだったら得意スキルでサクッと終わらせたい気持ちは分かるぜ』

『いつもみたいにアーリャの口八丁でそれを使わせる方向に持って行けば相手の一手を読めるという事ですね』

 ちょっとケニー言い方!! でもなんか希望が見えてきた気がする。まーくんも『ソリッドスラッシュ』というスキルの真似事は出来るみたいで間合いも分かるので練習をすることになった。

 練習内容は……思い出したくないよ。しばらく筋肉痛で毎日マリナにマッサージしてもらっていたから。


□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

「貴女を全力で迎え撃ちます」

 左手を前に向けて右手の剣を高く構えるルビィさん。騎士は盾を持って戦う戦術が基本らしいので、左手は盾を構えている体なんだと思う。
 大丈夫、何度も練習したんだから。これが駄目だったらわたしに勝ち目は無い……そのまま剣を持つ腕に力を込めた。

 明らかに剣の間合いの外……だけどわたしが剣を振るう素振りを見せたのでルビィさんはスキルの準備に入ったのが分かった。おそらくわたしの剣が空振りをしたタイミングでスキルを当てるつもりなんだろう。

 わたしは剣の間合いの外から後方に構えた剣を力一杯振り上げる。剣道で脇構えが使われなくなった理由は、ルールで竹刀の長さが決まっているから隠す意味が無い事と竹刀の重さなら上段に構えていてもそこまで疲れない事だって前世で聞いた事がある……体育の先生の話が良く脱線していたのが懐かしい……逆に振り下ろすより振り上げる方が威力やスピードが無いので、この構えはこのファンタジーの世界から見ても効率的には見えないと思う。

 でも、もしも剣の長さが決まっていなかったら?

「やああああっっ!!」

 わたしが剣を振り上げるとその剣に『加工』のスキルを使った……するとその木剣はその剣身を伸ばしていった。

「!?」

 驚愕に染まるルビィさんの表情……わたしは必死に剣を振り切る。

 カァンッッ!!

 決闘場に衝突音が響く。

「……」

「……」



 ……わたしの持つはルビィさんの脇をしっかりと捕らえていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

処理中です...