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第十九章 領主様は悪役令嬢!?
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「こ、これは御領主自ら足を運んで頂けるとは!!」
「そのままで結構です。お仕事中押しかけてすみません」
「いえ、とんでもないです!!」
領主から丁寧な言葉をかけられて恐縮する国境警備隊の隊長さん。いけない身分が低い相手に丁寧に接するのは逆に良くないかもしれないから気を付けなきゃ……でもむつかしいなぁ。
今わたしは隣国との境目である国境にやって来ている。もちろん冒険者の護衛も領の兵士も一緒にだ。今アルダーク領はお掃除が必要なので、身元が綺麗と分かった兵士と国境の兵を交代させるため。そしてここに来るまでに滅ぼされた開拓村を視察する目的もあったのです。
斥候の人に村の様子を確認してもらい安全な場合はそれを視察してきた。そして魔物が住み着いている村には近づかずに、離れたところからギフトジョブの力『樹人作成』で魔物をトレント達の養分になってもらったりと村の再開拓の準備を進めていたのでした。
隊長さんには新しい身分証明書や通行許可証の使い方を説明して今後は不審者を通さない仕組みを徹底させる。今現在は隣国とは国交断絶状態なのであちらから人が来るわけではないけれど問題の無い隣国の商人は帰国を許可している状態だ。もっとも帰国したらもうこちらに戻っては来れないけどね。
「なるほど、相手に悟られないように身分証や通行証の偽造を見抜けるのは良いですね」
少なくともアルダーク領の内外を固める事によって完璧では無いかも知れないけれど、今までのような間諜天国状態にはならないと思う。
隣国は今頃いきなり連絡不能になった間諜達の行方について悩ませてい事だろう……調子に乗って人を送り込んで自業自得だと思います。
「それではわたしは領都へ戻ります。改めて国境警備をお願いしますね」
「はい、お任せ下さい」
わたしは隊長さんに挨拶をすると街に戻る事にした……のだけれど、少し寄り道をする。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
「ここが永遠の森……なんですね」
「はい、言い伝えでは資源豊かな森で肥沃な大地にはそれは豊富な植物が実っていたとか」
オーレスさんの言葉にわたしはそれを見上げた。
目の前に恐ろしく背の高い木が壁のように並んでいる……そしてその木の色は白かった。この木が永遠樹……決して朽ちる事が無いと言われている木だ。わたしはその木に触れると、永遠樹を『ラーニング』した。だけど……
「これは……覚える事は出来たけどWP の消費が大きすぎる」
ギフトジョブを使う時に消費されるWP がなんと通常の100倍以上も必要なのだ。もちろん学院生活中はともかく日常的に『光合成』でWP を稼いでいたわたしなら永遠樹を使う事は出来るんだけど、他の木のように大量に作る事は難しそうだ。
「使う時はよく考えて使わないと」
だけど木なのに火に強くてとても丈夫、そして劣化しないこの世の物とは思えないもの……その利用価値は計り知れない。また王国に言えない秘密が増えちゃったけれど、わたしの目的を達成するために上手に使っていかなくちゃ。
「お待たせしました、それでは帰りましょう……領都へ」
振り返るとわたしは馬車に向かって歩き出した……あと一週間もすれば学院の新学期が始まる。わたしの領主様生活はひとまずここまでだ。
……また悪役令嬢に戻って学院でまーくんとラブラブ学院生活を送らなくちゃね!
「そのままで結構です。お仕事中押しかけてすみません」
「いえ、とんでもないです!!」
領主から丁寧な言葉をかけられて恐縮する国境警備隊の隊長さん。いけない身分が低い相手に丁寧に接するのは逆に良くないかもしれないから気を付けなきゃ……でもむつかしいなぁ。
今わたしは隣国との境目である国境にやって来ている。もちろん冒険者の護衛も領の兵士も一緒にだ。今アルダーク領はお掃除が必要なので、身元が綺麗と分かった兵士と国境の兵を交代させるため。そしてここに来るまでに滅ぼされた開拓村を視察する目的もあったのです。
斥候の人に村の様子を確認してもらい安全な場合はそれを視察してきた。そして魔物が住み着いている村には近づかずに、離れたところからギフトジョブの力『樹人作成』で魔物をトレント達の養分になってもらったりと村の再開拓の準備を進めていたのでした。
隊長さんには新しい身分証明書や通行許可証の使い方を説明して今後は不審者を通さない仕組みを徹底させる。今現在は隣国とは国交断絶状態なのであちらから人が来るわけではないけれど問題の無い隣国の商人は帰国を許可している状態だ。もっとも帰国したらもうこちらに戻っては来れないけどね。
「なるほど、相手に悟られないように身分証や通行証の偽造を見抜けるのは良いですね」
少なくともアルダーク領の内外を固める事によって完璧では無いかも知れないけれど、今までのような間諜天国状態にはならないと思う。
隣国は今頃いきなり連絡不能になった間諜達の行方について悩ませてい事だろう……調子に乗って人を送り込んで自業自得だと思います。
「それではわたしは領都へ戻ります。改めて国境警備をお願いしますね」
「はい、お任せ下さい」
わたしは隊長さんに挨拶をすると街に戻る事にした……のだけれど、少し寄り道をする。
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「ここが永遠の森……なんですね」
「はい、言い伝えでは資源豊かな森で肥沃な大地にはそれは豊富な植物が実っていたとか」
オーレスさんの言葉にわたしはそれを見上げた。
目の前に恐ろしく背の高い木が壁のように並んでいる……そしてその木の色は白かった。この木が永遠樹……決して朽ちる事が無いと言われている木だ。わたしはその木に触れると、永遠樹を『ラーニング』した。だけど……
「これは……覚える事は出来たけどWP の消費が大きすぎる」
ギフトジョブを使う時に消費されるWP がなんと通常の100倍以上も必要なのだ。もちろん学院生活中はともかく日常的に『光合成』でWP を稼いでいたわたしなら永遠樹を使う事は出来るんだけど、他の木のように大量に作る事は難しそうだ。
「使う時はよく考えて使わないと」
だけど木なのに火に強くてとても丈夫、そして劣化しないこの世の物とは思えないもの……その利用価値は計り知れない。また王国に言えない秘密が増えちゃったけれど、わたしの目的を達成するために上手に使っていかなくちゃ。
「お待たせしました、それでは帰りましょう……領都へ」
振り返るとわたしは馬車に向かって歩き出した……あと一週間もすれば学院の新学期が始まる。わたしの領主様生活はひとまずここまでだ。
……また悪役令嬢に戻って学院でまーくんとラブラブ学院生活を送らなくちゃね!
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