95 / 107
シルバーの戦い
1
しおりを挟む
「どなたかな?」
《大校母》の怒りの表情にもまるで動ぜず、教授は丁寧な口調で話しかけた。《大校母》は顔を真っ赤にさせ、噛みつくように喋り出す。
「原型以外、超空間ジェネレーターを起動させられないという話は、本当なの? それは決まったことなのですか? 妾には信じられませぬ。そのため、妾は原型の脳を使った計画を推し進めているというのに……」
教授の眉が顰められた。
「計画? 原型の脳を使った?」
「そうです!」
《大校母》は、ぐい、と頭を揺するようにして自分の〝楽園計画〟の全貌を話し出した。
聞いているフリント教授の顔つきが徐々に険しくなる。最後まで《大校母》が話し終えると、強く首を振って口を開く。
「そのような手段では、銀河の危機は避けることは金輪際できない! 問題は〝種族〟の増殖によるものだからだ。あなたは自分以外の総ての〝種族〟を亡ぼすつもりか?」
《大校母》の目付きが鋭く光る。
「必要ならね……。フリント教授、あなたは銀河系で居住可能な惑星を多数、発見なさったそうですね。その星系の座標を妾に示しなさい! 妾の〝楽園計画〟には、その星系の座標が必要なのです。居住惑星の数が増えれば増えるほど、観測させる原型の居住惑星が増えるのですから」
その場にいた宙森の侵攻部隊が全員さっと武器を構える。緊張が高まった。
サークを守っていたルーサンが「野郎……」と、似合わない唸り声を上げた。
宙森から脱出してきた原型の人々も、武器を持っていた。覚束ない手つきながら、それでも自分たちの武器を手に取り、対抗する構えを取った。
「やめろ! こんなところで射ちあいなど、暴挙以外の何物でもないぞ!」
堪りかねて教授が叫ぶ。だが、教授の叫びは、逆に緊張の糸をぷっつりと断ち切ったかのようだった。
どちらが先に武器の引き金を引いたのか、真紅のレーザー光が、さっと斑模様を映し出している壁面を撫でる。その途端、総ての壁が強烈な光芒を放ち、全員の目を眩ませた。
「わあ!」と光の奔流に誰かが悲鳴を上げた。
《大校母》の怒りの表情にもまるで動ぜず、教授は丁寧な口調で話しかけた。《大校母》は顔を真っ赤にさせ、噛みつくように喋り出す。
「原型以外、超空間ジェネレーターを起動させられないという話は、本当なの? それは決まったことなのですか? 妾には信じられませぬ。そのため、妾は原型の脳を使った計画を推し進めているというのに……」
教授の眉が顰められた。
「計画? 原型の脳を使った?」
「そうです!」
《大校母》は、ぐい、と頭を揺するようにして自分の〝楽園計画〟の全貌を話し出した。
聞いているフリント教授の顔つきが徐々に険しくなる。最後まで《大校母》が話し終えると、強く首を振って口を開く。
「そのような手段では、銀河の危機は避けることは金輪際できない! 問題は〝種族〟の増殖によるものだからだ。あなたは自分以外の総ての〝種族〟を亡ぼすつもりか?」
《大校母》の目付きが鋭く光る。
「必要ならね……。フリント教授、あなたは銀河系で居住可能な惑星を多数、発見なさったそうですね。その星系の座標を妾に示しなさい! 妾の〝楽園計画〟には、その星系の座標が必要なのです。居住惑星の数が増えれば増えるほど、観測させる原型の居住惑星が増えるのですから」
その場にいた宙森の侵攻部隊が全員さっと武器を構える。緊張が高まった。
サークを守っていたルーサンが「野郎……」と、似合わない唸り声を上げた。
宙森から脱出してきた原型の人々も、武器を持っていた。覚束ない手つきながら、それでも自分たちの武器を手に取り、対抗する構えを取った。
「やめろ! こんなところで射ちあいなど、暴挙以外の何物でもないぞ!」
堪りかねて教授が叫ぶ。だが、教授の叫びは、逆に緊張の糸をぷっつりと断ち切ったかのようだった。
どちらが先に武器の引き金を引いたのか、真紅のレーザー光が、さっと斑模様を映し出している壁面を撫でる。その途端、総ての壁が強烈な光芒を放ち、全員の目を眩ませた。
「わあ!」と光の奔流に誰かが悲鳴を上げた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる