宇宙狂時代~SF宝島~

万卜人

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決戦! 宙森対《鉄槌》

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 シルバーは、長い通路を大股で歩く。
 時折、前方から逃げ遅れた宙森の兵士がシルバーの姿を見つけ、慌てて攻撃する。だが、まるで意に介しない。そのたび、手にしたレーザー・ガンや、火薬を使用した銃を使って応戦する。恐怖を感じ、逃げていく相手には、目もくれない。
 まるで無人の荒野を行くようなシルバーに、ジムとキャシー、ヘロヘロ、ガラスの管理人という順番で従いていく。
 そのうち、完全に辺りには、ひと気が一切なくなってしまった。冷たい静寂の中、五人の足音だけが響いている。
「妙だぜ……誰もいないみたいだ……」
 ジムが呟くと、キャシーも同意する。
「逃げたのかしら?」
 キャシーの疑問にヘロヘロが問い掛ける。
「どこにだい? 逃げるところなんか、あるのかい?」
 だしぬけに、シルバーが立ち止まった。
 目の前に巨大な観音開きの、木製の扉があった。深い飴色をしていて、どっしりと重そうな板でできている。
「ここだ。この先に、宙森の司令センターがある」
 シルバーは扉の側にある開閉スイッチを操作する。しかし、扉は固く閉ざされ、ぴくりとも動かない。
 シルバーの眉が顰められた。
「閉まっているのかい?」
 ジムの問い掛けに、「うむ」と無言で頷くと、シルバーは固めた拳で扉を一撃する。
「だあーんっ!」と、ジムが思わず飛び上がりそうな打撃音が、辺りに響く。
 シルバーの唇が引き締められた。
 扉の取っ手を両手で掴むと、ぐっと全身に力を込める。服の下から、ワイヤー・ロープのようなシルバーの筋肉が盛り上がる。
「ぬ! ……おおおおおおっ!」
 呻き声が洩れる。ぶるぶるとシルバーの全身が細かく震え始め、怖ろしいほどの力が込められているのが判る。
 ジムは、そっとキャシーの肘を掴んで後ろに下がる。
 シルバーが踏みしめている床が、みしみしと軋み始めた。
 がたんっ! と大きな音を立てて、扉が弾け飛ぶ。シルバーは両腕を広げ、重い扉を放り投げた。
 ジムは呆れた。なんて馬鹿力だ!
 ふうーっ、ふうーっとシルバーはふいごのような息遣いをして顔を上げた。
「《大校母》! どこにいるっ!」
 大声で叫び、開いた入口に飛び込んだ。
 ジムたちもシルバーの後から司令センターに踏み込む。
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