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侵攻
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山道を必死になって、コールは自転車を走らせていた。
ペダルをこぎ、坂道をあえぎながら登る。ちらりと村をふりかえると、村のあちこちに兵士たちが銃を手にして立っているのが見える。村の広場には、あの巨大な戦車が鎮座していた。
これからどうなるんだろう……。
不安をふりきるようにコールはペダルを踏む足にちからをこめた。
コールの目指すのは、このちかくにある帝国軍の駐屯地である。総督府は帝国軍の地方行政の要であるが、駐屯地は非常事態に対応するための基地として位置している。そのひとつが、ちかくにあるのだ。
道はようやく下り坂になった。
ペダルをこぐのをやめ、コールは道を自転車の勢いのままに下っていった。
と、曲がり角のむこうから帝国軍の装甲車が姿をあらわした。
コールは思わずブレーキをかけた。
ききーっ、とブレーキの音を響かせ、自転車は横倒しになった。
いててて……、とコールは腰をさすった。
「大丈夫か?」
装甲車からひとりの兵士が飛び出してきた。
コールを介抱して立ち上がらせる。ぱん、ぱんと身体についた土ぼこりを払ってくれた。
「あぶねえなあ、あんな勢いで坂道を下ったら、ぶつかるぞ」
「ごめんなさい……あ、あの大変なんです」
「大変?」
「そうです、共和国軍が攻めてきたんです」
はあ、と兵士は頓狂な声をあげた。
「共和国軍? スリン共和国のことかい? あいつらは帝国にさからって、壊滅したんじゃないのか?」
違いますって、とコールは足踏みした。
「まだ健在ですよ! 現にロロ村が攻撃を受けたんです!」
ロロ村?
装甲車のほうからもう一人の声がした。
兵士はふりかえった。
「あ、少尉殿!」
じゃり、と装甲車からもうひとりが地面に足をおろした。ぴかぴかに磨き上げられたブーツ、ぴんとのりの利いた真新しい軍服。
襟には少尉の位が輝いている。
その顔を見たコールはあっ、と叫んだ。
「ギャン!」
ひさしぶり、とギャンは笑った。
ペダルをこぎ、坂道をあえぎながら登る。ちらりと村をふりかえると、村のあちこちに兵士たちが銃を手にして立っているのが見える。村の広場には、あの巨大な戦車が鎮座していた。
これからどうなるんだろう……。
不安をふりきるようにコールはペダルを踏む足にちからをこめた。
コールの目指すのは、このちかくにある帝国軍の駐屯地である。総督府は帝国軍の地方行政の要であるが、駐屯地は非常事態に対応するための基地として位置している。そのひとつが、ちかくにあるのだ。
道はようやく下り坂になった。
ペダルをこぐのをやめ、コールは道を自転車の勢いのままに下っていった。
と、曲がり角のむこうから帝国軍の装甲車が姿をあらわした。
コールは思わずブレーキをかけた。
ききーっ、とブレーキの音を響かせ、自転車は横倒しになった。
いててて……、とコールは腰をさすった。
「大丈夫か?」
装甲車からひとりの兵士が飛び出してきた。
コールを介抱して立ち上がらせる。ぱん、ぱんと身体についた土ぼこりを払ってくれた。
「あぶねえなあ、あんな勢いで坂道を下ったら、ぶつかるぞ」
「ごめんなさい……あ、あの大変なんです」
「大変?」
「そうです、共和国軍が攻めてきたんです」
はあ、と兵士は頓狂な声をあげた。
「共和国軍? スリン共和国のことかい? あいつらは帝国にさからって、壊滅したんじゃないのか?」
違いますって、とコールは足踏みした。
「まだ健在ですよ! 現にロロ村が攻撃を受けたんです!」
ロロ村?
装甲車のほうからもう一人の声がした。
兵士はふりかえった。
「あ、少尉殿!」
じゃり、と装甲車からもうひとりが地面に足をおろした。ぴかぴかに磨き上げられたブーツ、ぴんとのりの利いた真新しい軍服。
襟には少尉の位が輝いている。
その顔を見たコールはあっ、と叫んだ。
「ギャン!」
ひさしぶり、とギャンは笑った。
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