突然婚約破棄された出来損ない令嬢は、騎士になって世の中を見返します!

香取鞠里

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7.甘くくすぐったい想い

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 敵国アラウエラの襲撃を見事に阻止したことで、父親率いる騎士団は激励を受けた。

 敵国との話し合いについては、王家とともに対応していくことになった。

 そんなある夜、私は騎士団とともにアラウエラに立ち向かったことからも、騎士団の会合に呼んでもらえていた。

 一応これまでも騎士団名簿の一番下に私の名前はあったものの、いつもルキと特別枠で特訓をしていたことから、どこか疎外感があった。

 だからこのこと自体とても嬉しくて、私はとてもわくわくした気持ちで参加していた。

 会合が一段落つき、夜が更けた頃、私は外の空気を吸いに少し部屋の外に出ていた。

 すると、どこからともなくルキに話しかけられる。


「イルア、ここに居たのか」

「ルキ? びっくりしたぁ」

「びっくりしたのはお互い様だろ? こんなところでどうした?」

「ちょっと外の空気を吸いに……。会合は楽しかったけど、ちょっと一休みしたくて……」

 なんだかんだで団員たちは、団長の娘である私にとても興味津々だったようだ。

 次から次へと話しかけられ、団長である父のことについても色々と質問攻めにされていた私は、さすがにちょっと疲れてしまったのだ。


「みんなイルアに興味津々だったもんな~」

「私に、というより、お父様にだと思うよ?」

「そうか? 俺は、イルアに興味津々だけどな?」

「え?」

「あ?」


 ルキが私に興味津々だなんて、聞き間違いだろうか。

 思わずルキを見てしまったが、ルキは何気なく発した言葉だったのか、ルキには不思議そうに見つめ返される。


「や、だって、ルキが私に興味津々とか、言うから……」

 すると、ルキはグッと私に向かって距離を詰めてきた。


「え、ちょっと……」

 気づけば、ルキに顎をつかまれ、至近距離で見つめられる。


「イルアは、俺に興味ねえの?」

 ルキから言われた問の答えが頭の中に浮かぶより先に、かああと顔が熱くなる。

 月明かりがルキの顔を照らし、いつもより色気を増して見える。

 日頃は剣術を身につけることに精一杯で、ほとんど意識していなかったが、ルキは美形だ。

 改めて至近距離で見つめられて、今はルキのことしか視界に入らないし、ルキのことしか考えられない。

 だからなのか、ものすごくルキを前にして今までにないくらいにドキドキと胸が高鳴った。


「それは……その……」


 ルキに興味がないといえば嘘になる。

 ルキとずっと一緒にいるようで、まだまだルキのことは知らないことの方が多いだろう。

 けれど、どうしてルキに興味があると告げることがこれほどまでに恥ずかしいのだろう。

 最近、たまにルキを前にして、今まで抱いたことのない感情がこみ上げて苦しくなる瞬間がある。


「何?」

 ルキが私の言葉の続きを促すようにそう問いかけて、顎にかける手の指先で私の唇をなぞる。

 私を捉えて離さないルキの瞳に、吸い込まれてしまいそうだった。


「ルキ様、イルア様、そこにいたんですか! そろそろ会合の締めをするので会場にお戻りください」


 そのとき、少し離れたとこらから侍女の声が聞こえて、思わずびくりと身を震わせてどちらからともなく距離をとる。


「……仕方ねえ。行くぞ、イルア」

 ルキは少し残念そうにそう言うと、私の一歩前を歩いて、ともに会場に戻ったのだった。
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