7 / 12
7.甘くくすぐったい想い
しおりを挟む
敵国アラウエラの襲撃を見事に阻止したことで、父親率いる騎士団は激励を受けた。
敵国との話し合いについては、王家とともに対応していくことになった。
そんなある夜、私は騎士団とともにアラウエラに立ち向かったことからも、騎士団の会合に呼んでもらえていた。
一応これまでも騎士団名簿の一番下に私の名前はあったものの、いつもルキと特別枠で特訓をしていたことから、どこか疎外感があった。
だからこのこと自体とても嬉しくて、私はとてもわくわくした気持ちで参加していた。
会合が一段落つき、夜が更けた頃、私は外の空気を吸いに少し部屋の外に出ていた。
すると、どこからともなくルキに話しかけられる。
「イルア、ここに居たのか」
「ルキ? びっくりしたぁ」
「びっくりしたのはお互い様だろ? こんなところでどうした?」
「ちょっと外の空気を吸いに……。会合は楽しかったけど、ちょっと一休みしたくて……」
なんだかんだで団員たちは、団長の娘である私にとても興味津々だったようだ。
次から次へと話しかけられ、団長である父のことについても色々と質問攻めにされていた私は、さすがにちょっと疲れてしまったのだ。
「みんなイルアに興味津々だったもんな~」
「私に、というより、お父様にだと思うよ?」
「そうか? 俺は、イルアに興味津々だけどな?」
「え?」
「あ?」
ルキが私に興味津々だなんて、聞き間違いだろうか。
思わずルキを見てしまったが、ルキは何気なく発した言葉だったのか、ルキには不思議そうに見つめ返される。
「や、だって、ルキが私に興味津々とか、言うから……」
すると、ルキはグッと私に向かって距離を詰めてきた。
「え、ちょっと……」
気づけば、ルキに顎をつかまれ、至近距離で見つめられる。
「イルアは、俺に興味ねえの?」
ルキから言われた問の答えが頭の中に浮かぶより先に、かああと顔が熱くなる。
月明かりがルキの顔を照らし、いつもより色気を増して見える。
日頃は剣術を身につけることに精一杯で、ほとんど意識していなかったが、ルキは美形だ。
改めて至近距離で見つめられて、今はルキのことしか視界に入らないし、ルキのことしか考えられない。
だからなのか、ものすごくルキを前にして今までにないくらいにドキドキと胸が高鳴った。
「それは……その……」
ルキに興味がないといえば嘘になる。
ルキとずっと一緒にいるようで、まだまだルキのことは知らないことの方が多いだろう。
けれど、どうしてルキに興味があると告げることがこれほどまでに恥ずかしいのだろう。
最近、たまにルキを前にして、今まで抱いたことのない感情がこみ上げて苦しくなる瞬間がある。
「何?」
ルキが私の言葉の続きを促すようにそう問いかけて、顎にかける手の指先で私の唇をなぞる。
私を捉えて離さないルキの瞳に、吸い込まれてしまいそうだった。
「ルキ様、イルア様、そこにいたんですか! そろそろ会合の締めをするので会場にお戻りください」
そのとき、少し離れたとこらから侍女の声が聞こえて、思わずびくりと身を震わせてどちらからともなく距離をとる。
「……仕方ねえ。行くぞ、イルア」
ルキは少し残念そうにそう言うと、私の一歩前を歩いて、ともに会場に戻ったのだった。
敵国との話し合いについては、王家とともに対応していくことになった。
そんなある夜、私は騎士団とともにアラウエラに立ち向かったことからも、騎士団の会合に呼んでもらえていた。
一応これまでも騎士団名簿の一番下に私の名前はあったものの、いつもルキと特別枠で特訓をしていたことから、どこか疎外感があった。
だからこのこと自体とても嬉しくて、私はとてもわくわくした気持ちで参加していた。
会合が一段落つき、夜が更けた頃、私は外の空気を吸いに少し部屋の外に出ていた。
すると、どこからともなくルキに話しかけられる。
「イルア、ここに居たのか」
「ルキ? びっくりしたぁ」
「びっくりしたのはお互い様だろ? こんなところでどうした?」
「ちょっと外の空気を吸いに……。会合は楽しかったけど、ちょっと一休みしたくて……」
なんだかんだで団員たちは、団長の娘である私にとても興味津々だったようだ。
次から次へと話しかけられ、団長である父のことについても色々と質問攻めにされていた私は、さすがにちょっと疲れてしまったのだ。
「みんなイルアに興味津々だったもんな~」
「私に、というより、お父様にだと思うよ?」
「そうか? 俺は、イルアに興味津々だけどな?」
「え?」
「あ?」
ルキが私に興味津々だなんて、聞き間違いだろうか。
思わずルキを見てしまったが、ルキは何気なく発した言葉だったのか、ルキには不思議そうに見つめ返される。
「や、だって、ルキが私に興味津々とか、言うから……」
すると、ルキはグッと私に向かって距離を詰めてきた。
「え、ちょっと……」
気づけば、ルキに顎をつかまれ、至近距離で見つめられる。
「イルアは、俺に興味ねえの?」
ルキから言われた問の答えが頭の中に浮かぶより先に、かああと顔が熱くなる。
月明かりがルキの顔を照らし、いつもより色気を増して見える。
日頃は剣術を身につけることに精一杯で、ほとんど意識していなかったが、ルキは美形だ。
改めて至近距離で見つめられて、今はルキのことしか視界に入らないし、ルキのことしか考えられない。
だからなのか、ものすごくルキを前にして今までにないくらいにドキドキと胸が高鳴った。
「それは……その……」
ルキに興味がないといえば嘘になる。
ルキとずっと一緒にいるようで、まだまだルキのことは知らないことの方が多いだろう。
けれど、どうしてルキに興味があると告げることがこれほどまでに恥ずかしいのだろう。
最近、たまにルキを前にして、今まで抱いたことのない感情がこみ上げて苦しくなる瞬間がある。
「何?」
ルキが私の言葉の続きを促すようにそう問いかけて、顎にかける手の指先で私の唇をなぞる。
私を捉えて離さないルキの瞳に、吸い込まれてしまいそうだった。
「ルキ様、イルア様、そこにいたんですか! そろそろ会合の締めをするので会場にお戻りください」
そのとき、少し離れたとこらから侍女の声が聞こえて、思わずびくりと身を震わせてどちらからともなく距離をとる。
「……仕方ねえ。行くぞ、イルア」
ルキは少し残念そうにそう言うと、私の一歩前を歩いて、ともに会場に戻ったのだった。
11
あなたにおすすめの小説
「平民とでも結婚すれば?」と捨てられた令嬢、隣国の王太子に溺愛されてますが?
ゆっこ
恋愛
「……君との婚約は、ここで破棄させてもらう」
その言葉を、私は静かに受け止めた。
今から一時間前。私、セレナ・エヴァレットは、婚約者である王国第一王子リカルド・アルヴェイン殿下に、唐突に婚約破棄を言い渡された。
「急すぎますわね。何か私が問題を起こしましたか?」
「いや、そういうわけではない。ただ、君のような冷たい女性ではなく、もっと人の心を思いやれる優しい女性と生涯を共にしたいと考えただけだ」
そう言って、彼は隣に立つ金髪碧眼の令嬢に視線をやった。
婚約破棄された悪役令嬢は逆玉に乗せる💗乙女ゲームに転生してしまったゼネコン親父
青の雀
恋愛
聖女と結婚したいからと婚約破棄されてしまったマーガレット
ショックのあまり寝込んでしまう
夢の中で前世の記憶を取り戻すが、前世ニッポン人で高校生の時に父親が亡くなり国立大学の工学部に進学するも、弟妹を養うため様々なアルバイトを経験する
その後、就職氷河期にもかかわらず、大手ゼネコンに入社し、45歳で役員に昇り詰める。
高校生の娘が遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したことを知るが、マーガレットとして、鈴之助の記憶と経験をもとにゲームのストーリー通りには行かせないと奮闘する
肉体ブティックに入れず、別建てにしました
婚約破棄から玉の輿みたいな話です
髪の毛が綺麗すぎると婚約破棄された令嬢は、元婚約者通うサロンで毛根壊滅薬を使う
常野夏子
恋愛
社交界で「髪の美しさ」を理由に婚約破棄された令嬢ミーア。
失意に沈む彼女だったが、やがて冷徹な復讐心が胸に芽生える。
やがて恐ろしい薬を手に入れたミーアは、元婚約者が通う高級サロンに忍び込み計画を実行に移す——
一滴で全てを奪い去るその力。
目を覆いたくなるほどの変貌。
そして、ミーアはさらに世界規模の支配に手を伸ばす——?
貧乏伯爵家の妾腹の子として生まれましたが、何故か王子殿下の妻に選ばれました。
木山楽斗
恋愛
アルフェンド伯爵家の妾の子として生まれたエノフィアは、軟禁に近い状態で生活を送っていた。
伯爵家の人々は決して彼女を伯爵家の一員として認めず、彼女を閉じ込めていたのである。
そんな彼女は、ある日伯爵家から追放されることになった。アルフェンド伯爵家の財政は火の車であり、妾の子である彼女は切り捨てられることになったのだ。
しかし同時に、彼女を訪ねてくる人が人がいた。それは、王国の第三王子であるゼルーグである。
ゼルーグは、エノフィアを妻に迎えるつもりだった。
妾の子であり、伯爵家からも疎まれていた自分が何故、そんな疑問を覚えながらもエノフィアはゼルーグの話を聞くのだった。
悪役令嬢ですが、今日も元婚約者とヒロインにざまぁされました(なお、全員私を溺愛しています)
ほーみ
恋愛
「レティシア・エルフォード! お前との婚約は破棄する!」
王太子アレクシス・ヴォルフェンがそう宣言した瞬間、広間はざわめいた。私は静かに紅茶を口にしながら、その言葉を聞き流す。どうやら、今日もまた「ざまぁ」される日らしい。
ここは王宮の舞踏会場。華やかな装飾と甘い香りが漂う中、私はまたしても断罪劇の主役に据えられていた。目の前では、王太子が優雅に微笑みながら、私に婚約破棄を突きつけている。その隣には、栗色の髪をふわりと揺らした少女――リリア・エヴァンスが涙ぐんでいた。
『冷酷な悪役令嬢』と婚約破棄されましたが、追放先の辺境で領地経営を始めたら、いつの間にか伝説の女領主になっていました。
黒崎隼人
ファンタジー
「君のような冷たい女とは、もう一緒にいられない」
政略結婚した王太子に、そう告げられ一方的に離婚された悪役令嬢クラリス。聖女を新たな妃に迎えたいがための、理不尽な追放劇だった。
だが、彼女は涙ひとつ見せない。その胸に宿るのは、屈辱と、そして確固たる決意。
「結構ですわ。ならば見せてあげましょう。あなた方が捨てた女の、本当の価値を」
追放された先は、父亡き後の荒れ果てた辺境領地。腐敗した役人、飢える民、乾いた大地。絶望的な状況から、彼女の真の物語は始まる。
経営学、剣術、リーダーシップ――完璧すぎると疎まれたその才能のすべてを武器に、クラリスは民のため、己の誇りのために立ち上がる。
これは、悪役令嬢の汚名を着せられた一人の女性が、自らの手で運命を切り拓き、やがて伝説の“改革者”と呼ばれるまでの、華麗なる逆転の物語。
悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」
公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。
忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。
「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」
冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。
彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。
一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。
これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる