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パーティー会場にはすでに人が揃っていて、いつの間にパーティー会場に足を運んでいたのかマリーの両親の姿も見えた。
マリーの両親は、フィリップの両親と楽しく歓談しているようだ。
こっちは全然それどころじゃないのに、何で呑気なものなのだろう。
マリーが鼻息荒く両家の両親の元に出向こうとしたときのことだった。
突然会場の中央で大きく手を叩く男の姿があった。
フィリップだ。
彼が高らかに手を上げると、今日の主役の一人であったことから、みんなは自ずと彼に視線を注ぐ。
何事かとマリーも思わず足を止めて見ると、フィリップのニヤリと笑う顔が視界に映った。
瞬間、全てを悟ったものの、もはや手遅れだった。
フィリップは高らかな声で告げたのだ。
「皆さんお集まりのところ、大変申し訳ない。僕たちの婚約は破棄させてもらうことにする」
会場中の誰もが、マリーの両親でさえ、驚いたようにフィリップを見つめ、フィリップの言葉に真剣に耳を傾けているようだった。
「なぜなら、マリーは婚約者がいるにもかかわらず、他の男を作ってそいつと寝ていたのだ。そんな娘と結婚なんてできない!」
フィリップはマリーに向かって叫ぶように告げた。
瞬間、会場内の空気は悪くなり、みんなしてマリーを見てはヒソヒソと言葉をかわす。
それは決して良い内容ではないだろう。
「待ってください! こんなの、濡れ衣です! むしろフィリップの方が今朝突然他の女を作って、私に婚約破棄を告げてきました。この婚約破棄の原因はフィリップにあひます!」
このまま大人しく濡れ衣を着せられてたまるか!
そう思ったマリーも負けじと声を上げた。
けれど、フィリップは哀れなものを見るような目でマリーを見つめた。
「往生際がわるいな、マリー。嘘はついちゃダメだよ。自分が悪いことをしたからって、人まで悪者に仕立て上げるだなんて、人間のすることじゃない」
人間のすることじゃないですって!?
そんなの、どの口が言えるのだ。
けらど、明らかに後攻になってしまったマリーの立場は不利だった。
マリーに向けられる不信感の塊のような視線はどんどん増え続けている。
きっとみんなマリーが自分の悪事を誤魔化すためにフィリップを陥れようとしていると思っているのだろう。
そんなのって、ない。
「ふざけないで! 何でみんなこいつのこと信じるのよ! 被害者は私なんだから!!」
そのとき、前方の方にいた両親が立ち上がった。
助けてくれるのだと思った。
けれどそれはマリーの思い過ごしでしかなかったようだ。
「マリー、私はきみをそんなふしだらな人間に育てた覚えはない。私達に恥をかかせて、勘当だ!」
「そんな……」
どうして誰も私の言葉を信じてくれないのだろう。
マリーは酷く絶望した。
勘当=王宮追放だ。
私は完全なる濡れ衣を着せられて王宮追放を喰らうことになってしまった。
フィリップのせいで。
婚約破棄、フィリップの浮気。
元々フィリップのことがそんなに好きだったわけではないが、これだけでも十分屈辱にだった。
それに加え、こちらに浮気という罪を擦り付けて自分は涼しい顔をして本命と結ばれようだなんて、絶対に赦せない。
私は静かにフィリップへの復讐を誓ったのだった。
マリーの両親は、フィリップの両親と楽しく歓談しているようだ。
こっちは全然それどころじゃないのに、何で呑気なものなのだろう。
マリーが鼻息荒く両家の両親の元に出向こうとしたときのことだった。
突然会場の中央で大きく手を叩く男の姿があった。
フィリップだ。
彼が高らかに手を上げると、今日の主役の一人であったことから、みんなは自ずと彼に視線を注ぐ。
何事かとマリーも思わず足を止めて見ると、フィリップのニヤリと笑う顔が視界に映った。
瞬間、全てを悟ったものの、もはや手遅れだった。
フィリップは高らかな声で告げたのだ。
「皆さんお集まりのところ、大変申し訳ない。僕たちの婚約は破棄させてもらうことにする」
会場中の誰もが、マリーの両親でさえ、驚いたようにフィリップを見つめ、フィリップの言葉に真剣に耳を傾けているようだった。
「なぜなら、マリーは婚約者がいるにもかかわらず、他の男を作ってそいつと寝ていたのだ。そんな娘と結婚なんてできない!」
フィリップはマリーに向かって叫ぶように告げた。
瞬間、会場内の空気は悪くなり、みんなしてマリーを見てはヒソヒソと言葉をかわす。
それは決して良い内容ではないだろう。
「待ってください! こんなの、濡れ衣です! むしろフィリップの方が今朝突然他の女を作って、私に婚約破棄を告げてきました。この婚約破棄の原因はフィリップにあひます!」
このまま大人しく濡れ衣を着せられてたまるか!
そう思ったマリーも負けじと声を上げた。
けれど、フィリップは哀れなものを見るような目でマリーを見つめた。
「往生際がわるいな、マリー。嘘はついちゃダメだよ。自分が悪いことをしたからって、人まで悪者に仕立て上げるだなんて、人間のすることじゃない」
人間のすることじゃないですって!?
そんなの、どの口が言えるのだ。
けらど、明らかに後攻になってしまったマリーの立場は不利だった。
マリーに向けられる不信感の塊のような視線はどんどん増え続けている。
きっとみんなマリーが自分の悪事を誤魔化すためにフィリップを陥れようとしていると思っているのだろう。
そんなのって、ない。
「ふざけないで! 何でみんなこいつのこと信じるのよ! 被害者は私なんだから!!」
そのとき、前方の方にいた両親が立ち上がった。
助けてくれるのだと思った。
けれどそれはマリーの思い過ごしでしかなかったようだ。
「マリー、私はきみをそんなふしだらな人間に育てた覚えはない。私達に恥をかかせて、勘当だ!」
「そんな……」
どうして誰も私の言葉を信じてくれないのだろう。
マリーは酷く絶望した。
勘当=王宮追放だ。
私は完全なる濡れ衣を着せられて王宮追放を喰らうことになってしまった。
フィリップのせいで。
婚約破棄、フィリップの浮気。
元々フィリップのことがそんなに好きだったわけではないが、これだけでも十分屈辱にだった。
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私は静かにフィリップへの復讐を誓ったのだった。
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