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第二章「父と娘」
1「帰ってこない優しい父」
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私がまだ幼い頃、病気で父が死んだ。
それは数カ月の闘病生活を経ての事だった。幼い頃だったから私はあまりよく覚えていないけど、父が痩せ細っていく姿を覚えている。でも決して父は弱音を吐いたりしない人だった。
いつも私と母には笑顔を見せてくれて。だから私の記憶の中にいる父はいつも笑顔だった。
そして父は死ぬ数日前、死期を悟って私に言った。
『死んでも、必ずお前の所に帰ってくるよ』
それは死者回帰現象の事を指していた。
だから私は、四年経ったら父は私の元に来てくれるのだと楽しみに待った。
けれど父は四年の制約期間を過ぎても帰ってこなかった。私の入学式や卒業式、成人式にも。私が結婚し、子供を生んでも……父は戻ってこなかった。
だから、私は父が私との約束を忘れてしまったんだと思った。そして私自身も父の約束を忘れようとしていた。父が私との約束を忘れてしまったように……。
◇◇◇◇◇◇◇◇
梅雨が明けて暑い夏が訪れようとしている初夏。
まだ朝早いというのに、蝉の音が鳴り始めていた。
「ママ! じゅーしゅっ!」
まだ三歳になったばかりの娘・あかりがテーブルを叩いて言った。
平凡な街の、どこにでもあるような賃貸マンションの一室に、私と夫、娘の家族三人で住んでいる。
「はいはい、それは後でね。ほら、あかり。パパが出るからお見送りするよ」
私はそう言いながら、テーブルの上に置いていたお弁当を風呂敷に包んだ。あかりは「パパー!」と叫びながら玄関先に向かい、私もお弁当を持って玄関に向かった。
玄関先には靴を履く、仕事着に身を包んだ夫がいた。
「じゃあな、あかり。パパは仕事に行ってくる」
夫は娘の頭を撫でて、それを待ってから私は手にしていたお弁当を渡した。
「はい、お弁当。今日は帰りが遅くなるの?」
「いや、今日は早く帰ってくるよ」
夫はそう言って、お弁当を鞄の中に入れた。大工をしている同い年の夫は、高校の時からの付き合いで、子供ができたのをきっかけに三年前に結婚した。
夫はこういっちゃなんだけど、容姿は人並みだし、だらしがないし、料理も下手だ。でも優しくて思いやりがある。子供も、私の事もとても大切にしてくれる人。だから私は今でも夫を愛している。
「いってらっしゃい、気を付けてね」
「いってきます」
夫はそう言うと、私の頬にいってきますのキスをして、そして優しく私のお腹を撫でた。お腹には、三カ月目に入った新しい命が宿っているからだ。
少しふっくらしてきた私のお腹を夫は愛おし気に見つめた。こんな時、思う。この人と結婚して良かったって。でもそんな事、面と向かって言えないから私は素っ気ない態度をつい見せてしまう。
「ほら、聡。早く行かないと遅刻しちゃうわよ!」
私が言うと、夫は腕時計を見て「あ、いっけね!」と呟くと慌てて、玄関のドアを開けた。
「じゃあな」
それだけを言うと、さっと家を出て行ってしまった。あかりは「いってらっちゃーい」と手を振り、私は見送った後、閉まったドアの鍵をしめた。
そんな私の服の袖をあかりが掴み「ママ、じゅーしゅは?」と可愛らしい上目遣いで言ってくる。親馬鹿かもしれないけど、宇宙で一番かわいい。だから、こんなお願いをされたら断れない。
「はいはい、ジュースね。何ジュースにする?」
「あのね、あかり、リンゴじゅーしゅがいい!」
笑顔で言われ、ああ、もう可愛いな! と思いながら、私はあかりの頭を撫でた。そして私のこの平凡な日々が、今日も何事もなく過ぎていくと思っていた。
でも、今日は少し違っていた。
夫の聡が家を出てから一時間後。
私はパートでしている雑貨屋の仕事に出掛ける準備をしていた所、何の前触れもなく携帯電話が鳴った。
「ママ―、でんわー!」
幼稚園に行く準備をもう済ませてあったあかりがリビングのテーブルに置いておいた携帯を持って寝室にやってきた。化粧をしていた私は最後の仕上げの口紅を塗り終わったところだった。
「ありがとう」
そう言って、携帯をあかりから受け取り、スマホの画面に目を向けた。画面に表示されているのは夫の会社の電話番号。一応何かあった時の為にと、登録していた番号だった。
何だろう? と思いながら、電話に出る。
「はい、もしもし」
『もしもし、奥村・美咲さんのお電話でしょうか?』
返ってきた声はおじさんの声だった。
「そうですが……」
『お久しぶりです。奥村の上司の新田です』
そう言われて、夫の上司の顔を思い浮かべる。結婚式の時や、夫が同僚の人と一緒に連れてきたから、ぼんやり程度に覚えている。でも、どうしてそんな人から電話が?
そう嫌な予感がした途端、向こうから説明があった。
『実は、工事現場で事故がありまして……奥村が事故に巻き込まれてしまったんです。今、近くの総合病院で手術を受けています。こちらに来ていただけないでしょうか?』
静かな声の中に、現状が芳しくない事を感じる。私は思わずスマホを落としそうになったが、何とかぎゅっとスマホを持って場所を尋ね、すぐに病院に向かう事を伝えた。
私は仕事場と幼稚園に事情を説明して今日は休むことを連絡し、軽自家用車で病院に向かった。そして病院に着くと新田さんが病院内から迎えに出てきてくれて、私とあかりを手術室の前へと案内してくれた。
手術室のドアの真上には手術中のランプが妖しく光り、私達は手術が終わるのをすぐ傍のベンチに座りながら待った。その待ち時間の間、新田さんが電話では詳しく説明できなかった事故の内容を教えてくれた。
話の内容では、今建設しているビルの資材が崩れ落ちてきて、そのすぐ傍にいた新人を庇って資材の下敷きになったらしい。その後すぐに救急車で運ばれ、直属の上司の新田さんが付き添い、私に連絡してくれたようだ。
そうしてその説明を私達が聞き終えた後、ようやく手術中のランプが消えた。ドアが開き、看護師に付き添われながらベッドに夫は痛々しい姿で横たわっていた。表情は蒼白で、点滴を打たれ、頭には何重もの包帯が巻かれている。
朝は元気に家を出て行ったのに、どうしてこんな風になったの?
そう思っていると、手術室から出てきた医師に声をかけられた。
医師の話によると頭の打ち所が悪くて、もしかしたらこのまま目覚めない可能性もあると言われた。とにかくICU(集中治療室)に入るらしい。その話を呆然としながら聞き、その後、付き添ってくれた新田さんにお礼を言い、集中治療室で眠る夫の傍に寄りそった。
その顔は蒼白で、とても目覚めそうにない雰囲気だった。点滴や多くの配線が夫の体から出ていて……それはまるで、医療モノのドラマに出てくる患者の姿そのものだった。
私はただ信じられない思いで夫の顔を眺めるしかできなかった。もし、このまま目覚めなかったら。そう考えると、不安と恐怖、強く孤独を感じた。
もし、このまま死んじゃったりしたら……?
最悪な事ばかりが浮かんで、胸の奥がぎゅうっと押し潰れそうになる。息を吐くのも辛い。
誰か助けて、そう叫びたくなる。でも、叫んだところで誰の助けも借りられない。私達の親は離れた所に住んでいるし、それぞれすぐにこれない事情がある。助けを求めるにも友人も家庭がある。あまりに急だ。
誰を頼る事が出来るだろう? 誰も傍にいない、夫を失うかもしれないという苦しみが胸の中にぐるぐると渦巻く。
これから夏になったら海に行こうって言っていたのに。
生まれてくる赤ちゃんも見れないなんて。
あかりだって大きくなるのに。
そう思うと、涙がぽろぽろと零れてきた。
あまりに突然で、私はその事に適応できなかった。いや、こんな状況にすぐに対応できる人なんでいるのだろうか? 私はそんな事を悲しみの渦の中、涙を零しながら思った。
そんな私を心配そうにあかりは見つめ、私の服の袖を小さな手でぎゅっと握った。でも、私はその手を今、握り返す事が出来なかった。本当なら私がしっかりしないといけないのに。
だけど大事な人が死ぬかもしれない局面で普通にしてられる人間がどれだけいるだろう?
私は普通になんてできなかった。でもそんな時、誰かが私に声をかけた。
「美咲は相変わらず泣き虫だな。まあ、こんな状況なら仕方ないが」
その人は少し困ったように懐かしそうに言った。
その声に驚いて、私は泣きながらもハッとして声の方に目を向けた。
そこにはもうとうの昔に見忘れて、ぼんやりとしか覚えていない姿があった。でも、その人を私が忘れるわけがなかった。
「こうやって目の前で見ると、やっぱり随分と大人になったものだ」
穏やかな笑顔でその人は言った。
「どうして……」
私は驚きのあまり涙も止まり、その人は私に向かってにっこりと笑った。
「やぁ、久しぶりだね。美咲」
亡くなる前と変わらない笑顔を私の父は見せた。
「お父さん……!」
それは数カ月の闘病生活を経ての事だった。幼い頃だったから私はあまりよく覚えていないけど、父が痩せ細っていく姿を覚えている。でも決して父は弱音を吐いたりしない人だった。
いつも私と母には笑顔を見せてくれて。だから私の記憶の中にいる父はいつも笑顔だった。
そして父は死ぬ数日前、死期を悟って私に言った。
『死んでも、必ずお前の所に帰ってくるよ』
それは死者回帰現象の事を指していた。
だから私は、四年経ったら父は私の元に来てくれるのだと楽しみに待った。
けれど父は四年の制約期間を過ぎても帰ってこなかった。私の入学式や卒業式、成人式にも。私が結婚し、子供を生んでも……父は戻ってこなかった。
だから、私は父が私との約束を忘れてしまったんだと思った。そして私自身も父の約束を忘れようとしていた。父が私との約束を忘れてしまったように……。
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梅雨が明けて暑い夏が訪れようとしている初夏。
まだ朝早いというのに、蝉の音が鳴り始めていた。
「ママ! じゅーしゅっ!」
まだ三歳になったばかりの娘・あかりがテーブルを叩いて言った。
平凡な街の、どこにでもあるような賃貸マンションの一室に、私と夫、娘の家族三人で住んでいる。
「はいはい、それは後でね。ほら、あかり。パパが出るからお見送りするよ」
私はそう言いながら、テーブルの上に置いていたお弁当を風呂敷に包んだ。あかりは「パパー!」と叫びながら玄関先に向かい、私もお弁当を持って玄関に向かった。
玄関先には靴を履く、仕事着に身を包んだ夫がいた。
「じゃあな、あかり。パパは仕事に行ってくる」
夫は娘の頭を撫でて、それを待ってから私は手にしていたお弁当を渡した。
「はい、お弁当。今日は帰りが遅くなるの?」
「いや、今日は早く帰ってくるよ」
夫はそう言って、お弁当を鞄の中に入れた。大工をしている同い年の夫は、高校の時からの付き合いで、子供ができたのをきっかけに三年前に結婚した。
夫はこういっちゃなんだけど、容姿は人並みだし、だらしがないし、料理も下手だ。でも優しくて思いやりがある。子供も、私の事もとても大切にしてくれる人。だから私は今でも夫を愛している。
「いってらっしゃい、気を付けてね」
「いってきます」
夫はそう言うと、私の頬にいってきますのキスをして、そして優しく私のお腹を撫でた。お腹には、三カ月目に入った新しい命が宿っているからだ。
少しふっくらしてきた私のお腹を夫は愛おし気に見つめた。こんな時、思う。この人と結婚して良かったって。でもそんな事、面と向かって言えないから私は素っ気ない態度をつい見せてしまう。
「ほら、聡。早く行かないと遅刻しちゃうわよ!」
私が言うと、夫は腕時計を見て「あ、いっけね!」と呟くと慌てて、玄関のドアを開けた。
「じゃあな」
それだけを言うと、さっと家を出て行ってしまった。あかりは「いってらっちゃーい」と手を振り、私は見送った後、閉まったドアの鍵をしめた。
そんな私の服の袖をあかりが掴み「ママ、じゅーしゅは?」と可愛らしい上目遣いで言ってくる。親馬鹿かもしれないけど、宇宙で一番かわいい。だから、こんなお願いをされたら断れない。
「はいはい、ジュースね。何ジュースにする?」
「あのね、あかり、リンゴじゅーしゅがいい!」
笑顔で言われ、ああ、もう可愛いな! と思いながら、私はあかりの頭を撫でた。そして私のこの平凡な日々が、今日も何事もなく過ぎていくと思っていた。
でも、今日は少し違っていた。
夫の聡が家を出てから一時間後。
私はパートでしている雑貨屋の仕事に出掛ける準備をしていた所、何の前触れもなく携帯電話が鳴った。
「ママ―、でんわー!」
幼稚園に行く準備をもう済ませてあったあかりがリビングのテーブルに置いておいた携帯を持って寝室にやってきた。化粧をしていた私は最後の仕上げの口紅を塗り終わったところだった。
「ありがとう」
そう言って、携帯をあかりから受け取り、スマホの画面に目を向けた。画面に表示されているのは夫の会社の電話番号。一応何かあった時の為にと、登録していた番号だった。
何だろう? と思いながら、電話に出る。
「はい、もしもし」
『もしもし、奥村・美咲さんのお電話でしょうか?』
返ってきた声はおじさんの声だった。
「そうですが……」
『お久しぶりです。奥村の上司の新田です』
そう言われて、夫の上司の顔を思い浮かべる。結婚式の時や、夫が同僚の人と一緒に連れてきたから、ぼんやり程度に覚えている。でも、どうしてそんな人から電話が?
そう嫌な予感がした途端、向こうから説明があった。
『実は、工事現場で事故がありまして……奥村が事故に巻き込まれてしまったんです。今、近くの総合病院で手術を受けています。こちらに来ていただけないでしょうか?』
静かな声の中に、現状が芳しくない事を感じる。私は思わずスマホを落としそうになったが、何とかぎゅっとスマホを持って場所を尋ね、すぐに病院に向かう事を伝えた。
私は仕事場と幼稚園に事情を説明して今日は休むことを連絡し、軽自家用車で病院に向かった。そして病院に着くと新田さんが病院内から迎えに出てきてくれて、私とあかりを手術室の前へと案内してくれた。
手術室のドアの真上には手術中のランプが妖しく光り、私達は手術が終わるのをすぐ傍のベンチに座りながら待った。その待ち時間の間、新田さんが電話では詳しく説明できなかった事故の内容を教えてくれた。
話の内容では、今建設しているビルの資材が崩れ落ちてきて、そのすぐ傍にいた新人を庇って資材の下敷きになったらしい。その後すぐに救急車で運ばれ、直属の上司の新田さんが付き添い、私に連絡してくれたようだ。
そうしてその説明を私達が聞き終えた後、ようやく手術中のランプが消えた。ドアが開き、看護師に付き添われながらベッドに夫は痛々しい姿で横たわっていた。表情は蒼白で、点滴を打たれ、頭には何重もの包帯が巻かれている。
朝は元気に家を出て行ったのに、どうしてこんな風になったの?
そう思っていると、手術室から出てきた医師に声をかけられた。
医師の話によると頭の打ち所が悪くて、もしかしたらこのまま目覚めない可能性もあると言われた。とにかくICU(集中治療室)に入るらしい。その話を呆然としながら聞き、その後、付き添ってくれた新田さんにお礼を言い、集中治療室で眠る夫の傍に寄りそった。
その顔は蒼白で、とても目覚めそうにない雰囲気だった。点滴や多くの配線が夫の体から出ていて……それはまるで、医療モノのドラマに出てくる患者の姿そのものだった。
私はただ信じられない思いで夫の顔を眺めるしかできなかった。もし、このまま目覚めなかったら。そう考えると、不安と恐怖、強く孤独を感じた。
もし、このまま死んじゃったりしたら……?
最悪な事ばかりが浮かんで、胸の奥がぎゅうっと押し潰れそうになる。息を吐くのも辛い。
誰か助けて、そう叫びたくなる。でも、叫んだところで誰の助けも借りられない。私達の親は離れた所に住んでいるし、それぞれすぐにこれない事情がある。助けを求めるにも友人も家庭がある。あまりに急だ。
誰を頼る事が出来るだろう? 誰も傍にいない、夫を失うかもしれないという苦しみが胸の中にぐるぐると渦巻く。
これから夏になったら海に行こうって言っていたのに。
生まれてくる赤ちゃんも見れないなんて。
あかりだって大きくなるのに。
そう思うと、涙がぽろぽろと零れてきた。
あまりに突然で、私はその事に適応できなかった。いや、こんな状況にすぐに対応できる人なんでいるのだろうか? 私はそんな事を悲しみの渦の中、涙を零しながら思った。
そんな私を心配そうにあかりは見つめ、私の服の袖を小さな手でぎゅっと握った。でも、私はその手を今、握り返す事が出来なかった。本当なら私がしっかりしないといけないのに。
だけど大事な人が死ぬかもしれない局面で普通にしてられる人間がどれだけいるだろう?
私は普通になんてできなかった。でもそんな時、誰かが私に声をかけた。
「美咲は相変わらず泣き虫だな。まあ、こんな状況なら仕方ないが」
その人は少し困ったように懐かしそうに言った。
その声に驚いて、私は泣きながらもハッとして声の方に目を向けた。
そこにはもうとうの昔に見忘れて、ぼんやりとしか覚えていない姿があった。でも、その人を私が忘れるわけがなかった。
「こうやって目の前で見ると、やっぱり随分と大人になったものだ」
穏やかな笑顔でその人は言った。
「どうして……」
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