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最終章「管理人」
仕事内容
しおりを挟む――――私は管理人、それ以外に名前はない。
私の仕事は死者を現世に四日間だけ戻すことができる回帰門の管理と、回帰門と創生門、天の門を通る為に必要な通行許可証をそれぞれ発行することだ。
回帰門の傍に置かれた事務机が私の仕事場であり、机の上には私の仕事道具である愛用のインクと羽ペンが置かれている。ほとんど山積みの書類に埋もれて隠れているが……。
そして、ここでは毎日毎日、通行許可証を求めて多くの人が私の元に来る。その人達に私は許可証を渡し、現世に渡り、四日間を過ごして戻ってきた人達のサポート&ケアも私の業務の一つだ。
天国に行くか、転生する道を選ぶか。
天国に行くなら、天の門への許可証を、転生をするなら創生門の許可証を発行しなければならない。
なので私の仕事は忙しく、とてもハードだ。時には許可のないものでも通行許可証を求めて私の元にやってきたり、再発行を願ったりする困った者達もいる。そう言った人達の対処も私がしなければならない。
まあ、そう言った人達には地獄行をちらつかせ、大抵帰ってもらうのだが。それでも私の仕事は忙しい。毎日毎日、死者が現世からやってくるからだ。
だが、そう文句を言っても仕事の量が減る訳でもないので、私は黙々と自分の仕事を行う。
けれど、この仕事をしていると本当に様々な人の人生を垣間見る。それもまたこの仕事をしている醍醐味と言えるだろう。
つい数年前も、死んで一年しか経っていない青年が私の元に来た。
彼はバスの事故によって死んだのだが、友人の為に今すぐ帰りたいと私に無理難題を言ってきた。だが当然、私に”死者は四年間待たなければならない”という規則を曲げる事などできない。
死してから四年後に四日だけ。それが誰にでも平等に与えられた権利であり、規則だから。
それを覆すことができるのは神だけである。なので、ただの管理人である私にできるはずがないのだ。
でも彼は帰ることができた。死後、たった一年で。
それには特別な理由があった。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「なぁ、管理人さん! どうにかして俺に通行許可証を発行してくれよ! ちょっとだけでもいいんだ! 頼む!」
そう言ったのは約一年前にこの黄泉平坂に来たばかりの青年、梶原潤だった。私は事務机に座ったまま、彼に目もくれず答えた。
「無理です。あと後三年とニ週間、待ってください。そうすれば、貴方にも通行許可証を発行して差し上げます」
私が言うと彼はどんっと机を叩いた。
「だから、それじゃ遅いって言ってんだろー!? なぁ、本気で頼むよ!」
真剣な眼差しで私に言ったが、それでも無理なものは無理なのだ。
「残念ですが、無理です。何度言ったらわかるんですか。あんまりしつこいと通行許可証自体発行しませんよ!」
私が言うと、彼は私の言葉が堪えたのか少し怯んだ。でも彼は引き下がらない。まあ、そうだろうこのやり取りも今日が初めてではない。彼がこちらに来てからずっとしている。その理由は彼の親友にある。
「俺だってわかってるよ。管理人さんに無理なことを頼んでることぐらい。でも、俺が行かなきゃ拓真の奴、このままじゃダメになっちまう」
彼は机の上に乗せた両手をぎゅっと握り、苦しそうに言った。
皆藤拓真、彼の親友であり幼馴染だ。だが卒業旅行に一緒に出掛け、親友は生き残って、彼だけが死んだ。その事によって彼の親友は罪悪感を抱き、生きることをほとんど放棄している。
それは管理人の特権として知りうる彼の情報だった。だから彼が帰生を急ぐ理由もわからなくもない。できれば、友人を思う彼の為に力になってやりたいとも思う。
しかし規則は規則。管理人としてこの大事な規則を破る訳にはいかないのだ。
「あなたの気持ちはわかります。ですが、これは私にはどうしようにもないのです。まことに残念ですが」
私が言うと彼は悔しそうな顔を見せたが、それ以上私に何も言わなかった。彼もわかっているのだ、私には無理なことを。
でも、そんな時だった。声をかけられたのは。
「ねえねえ、管理人さん。僕の通行許可証と彼の通行許可証、取り替えられない?」
そう言ったのはまだ十一歳の少年、宮城義行だった。
彼は四年半前にこちらに来て、もうすでに通行許可証を得る資格を有している。だが彼は未だ現世に戻ろうとしていなかった。
「何を言っているんですか。そんなことをすれば、君はまた三年とニ週間、また待たなければならないんですよ?」
私が尋ねると少年は頷いた。
「いいんです。まだ僕、帰る勇気ないし、このお兄さん、今すぐ帰りたがってるから」
少年はそう答えた。でもその答えを引き留めたのは私ではなく彼の方だった。
「おい、ボウズ。そんな事、軽々しく言っちゃダメだ。いや、まあ俺としては取り替えてくれるのは嬉しいけど、あと三年も待たないといけないんだぞ? ちゃんとわかってるのか?」
彼はさすがにこの少年から通行許可証をもらうのは気が引けたのか、そう言った。けれど少年は笑顔で答えた。
「いいんだ。僕、すぐ使う気ないし。今帰っても辛いから。だから僕も理由が欲しいんだ、ここに残る理由が。だからお兄さんが僕の通行許可証を使って。これはギブアンドテイクってやつだよ。ね?」
「……ボウズがいいなら。でも本当にいいんだな?」
彼が再確認すると少年は頷いた。
「大丈夫だよ、心配いらない。という事で管理人さん、いいでしょ?」
少年は私にまっすぐな瞳で見てきた。彼の方も期待を込めた目で私を見ている。
そこまでするなら、私も手を打つしかない。
「やれやれ、全く困った人たちですね。私の前で勝手に話を進めて。私はまだ許可するとは言っていないのに。……ですが、そう言う事ならいいでしょう。交換、という事なら」
私が言うと彼は「よっしゃー!」とガッツポーズを取った。全く現金なものだ。
「通行許可証を発行しましょう、けれど条件があります。帰るのは一日。そしてあと二週間待つこと。そうすればあなたもこちらで一年過ごしたことになります。さすがに一年未満で帰し、四日という日を与えては他の者にも示しがつきませんからね。私ができる最大の譲歩はそれまでです。それとこれは口外しない事。私達だけの秘密です、いいですね? 今回は友人の為に戻りたいというあなたの気持ちを汲んで特別に行うのですから。それでよろしいなら、通行許可証を発行しましょう」
私が尋ねると二人は笑顔で頷いた。
それから彼は二週間をきちんと待ち、無事に現世に戻った。たった一日だったけれど、彼にはそれだけで十分だったようだ。帰ってきた彼は私と少年にお礼を言い、そして天国へ向かった。
少し天国でゆっくりすると言って笑顔で。
そして通行許可証を交換した少年もしばらくして現世へ。
彼は家族の元に戻り、そしてまた笑顔で戻ってきた。小さかった弟が大人になっていて驚いたとしきりに私に話し、その後、無事に転生の道を選んだ。
人の繋がりとは面白いものだ。
後々、彼らが来世で兄弟になるのは私と神のみぞ知るところなのだが。
「何、思い出しているんですか?」
不意に声をかけられて物思いから顔をあげると、そこには補佐官がいた。
彼の名前は山村順平。彼は管理人である私とは違う、ただの死者だ。けれど、彼には私の仕事の一部を手伝ってもらっている。それも数年前から。
始まりは彼が声をかけてきたことがきっかけだった。
「――――あの、お仕事手伝いましょうか?」
彼は私の事務机の前に立って私に言った。今までそんな事を言われたことがなかったので、私はいささか驚いたが、彼は至極まじめな様だった。
「いつも忙しそうにしてらっしゃいますし、私でよければお手伝いしますよ」
そう彼は私に提案した。しかし、この仕事は私に任せられた仕事であるし、それに彼はもうすでに四年の時をここで過ごし終えている。
「私の手伝いよりも現世に戻っては? あなたの通行許可証はもう発行できますよ」
知らないはずはないと思いつつも、私が言うと彼は笑った。
「ええ、それは知っています。ですが、まだ帰れないんです。約束があるので」
そう彼は答えた。
この黄泉平坂では四年の時間を待たなければ通行許可証は発行できないが、四年を過ぎればいつでも現世へ戻る事ができる。それは、十年でも二十年でも百年先だって可能だ。
実際、孫に会いたいからと百年近く待った人もいる。彼もまたそういった人と同じなのだろうか。
「約束ですか、それならゆっくりしていられては? ここはそう言った場所です」
「ええ、けれどここ最近管理人さんが忙しくされてるみたいですから、私でも手伝えたら、と思いまして」
彼は親切にもそう言ってくれた。
実際、大規模災害や感染症で亡くなった人が多くいて、その人たちに通行許可証を発行しなければならない私は死ぬほど忙しかった。まあ、私が死ぬことなんてないのだが……。
私は毎日事務処理に追われ、本当に休む暇もなかった。そんな様子を彼は見ていて、思わず声をかけた、というところなのだろう。
「管理人さんがいらないというのなら構いません。でも、私に手伝えることがあったら言ってください」
彼はそれだけを言うと頭を下げて、その場を離れようとした。そんな彼を私は引き留めた。
「ちょっと待ってください。正直、今の私は猫の手も借りたいほど忙しいのです。なので、あなたの手をお借りできたらとても助かります。ただずっとという訳にも行きませんでしょうから、とりあえず一年間、その間だけ手伝っていただけますか? そしてもし、あなたが帰生したい時が来たら、その時は自分の事を優先してください。それが条件です。あと、手伝ったから通行証を再発行して欲しいとかそういうお願いは聞けませんので……それでよければ」
私がそう告げると、彼は素直に「はい、わかりました」と笑顔で答えてくれた。
それから私は彼に代行補佐官という肩書を与え、書類の整理や整頓を手伝ってもらう事にした。おかげで、今回の大規模帰生はなんなく無事に終えることができた。
けれど、一年を過ごしても彼は辞めることはしなかった。ここにいても暇だから、と言ってそれからも私の手伝いをしてくれたのだ。
本当にいつこの人は帰る気なんだろうか? まさか、一生ここにいるとかいいませんよね?
彼の存在にはとても重宝していた私だが、なかなか帰らない彼に少しだけ不安に思っていた。
だが、それから数年後、ついに彼も帰生する時が来たのだ。
「管理人さん、私の通行許可証をお願いします」
彼はそう私に言った。だから私はすぐに彼に通行許可証を発行した。私の仕事だからだ。けれど、その通行許可証をみた彼は少し驚いた顔をしていた。その通行許可証は普通の通行許可証とは少し異なっていたから。いつも私の傍にいてみていた彼なら、違いなど一目瞭然だろう。
「管理人さん、これは?」
彼は不思議そうに私に聞いてきた。聞かれることは想定内だったが。
「特別通行許可証です」
私が言うと彼はますます不思議そうな顔を見せた。
「特別? どうして?」
「私があなたのこれまでの仕事を評価した上での事です。あなたは一年と言わず、この忙しい数年、私の手伝いをしてくれました。まあ早い話、私からのお礼、プレゼント、と言ったところです」
私が簡潔にまとめると彼は驚いた顔を見せた。人間とはよく表情が変わるものだ。
「そんな! 別に私は! それにこういう事はしないって最初に!」
「何でもないことをした、と思っているのでしょう? でも行いには報酬というものが付きものですよ。悪いことをすれば地獄行、良いことをすれば天国行きとね。だから、それはあなたの正当な報酬です。何も遠慮することはありません。私はお願いは聞かないとは言いましたが、報酬は払わないとは言っていません。……まあ、いらない、というのなら普通の通行許可証を発行しますが?」
私の言葉に彼は特別通行許可証をぐっと手に持った。
「いいえ、ありがとうございます!」
彼は笑顔で私にお礼を言った。それでこそ、特別通行許可証を発行した甲斐があるというものだ。
「ならば結構。では、その特別通行許可証の説明をしましょう。それには人の心の中に入り込む力が備わっています。つまりあなたが望めば、望む人物の心の中に入りこみ話す事も可能という事です。例え、意識を失くした人物と話す事でもね。使い方は簡単、望む人物に念じればいいだけ。ここまでいえば、使い方はわかりますね?」
私が説明を終えて尋ねると、彼は「はい! 本当にありがとうございます!」と頭を下げた。
彼は私がどうしてその特別な力を与えたのかわかったからだ。そして、私は彼がどのようにその力を使うかもわかっていた。
彼の娘の夫はつい先ほど事故にあって意識不明の重体だ。このままいけば彼の義理の息子は死んでしまうだろう。だが、呼びかければ光がないこともない。彼はきっと義理の息子に対してこの力を使う事だろう。
「いいですか? 一言だけ言っておきますが、その力で人が救えるかはわかりません。微かに希望があるだけです。人の生き死にを決めるのは神の采配ですし、結局のところ、その人次第ですからね。希望を持ちすぎてはいけませんよ」
私は一応、彼に釘を刺しておいた。力を渡したのはいいが、その力で救えない場合もあるのだ。それは神の領域。私が口を出していい場所ではない。だからこそ私は言ったのだが、彼はそれでも良かったようだ。
「わかりました。でも何もないよりはずっといい。本当にありがとうございます。管理人さん」
彼は再度私に礼を言い、私はなんだか気恥ずかしかった。私は何もしていないのだ。彼の仕事を評価したに過ぎない。
「はいはい、わかりました。お礼はもういいですから、早く娘さんのところに行って差し上げてください。きっとあなたの力が彼女には必要でしょう」
「はい、では行ってきます! また四日後に!」
彼はそう言うと回帰門をくぐって現世に戻って行った。
それから彼は力を使い義理の息子に意識が戻ってくるまで声をかけ続けた。そのおかげか義理の息子は息を吹き返し、彼は娘夫婦の件が終わった後、妻の元に戻って、それからようやくこの黄泉平坂へ戻ってきた。
「ただいま戻りました。管理人さん」
「おかえりなさい、よい四日間だったようですね」
「はい! 娘ももう大丈夫でしょう。それに妻にも会えて、よい四日を過ごすことができました。管理人さんのおかげです」
彼はいつにない笑顔で私に言った。帰生から戻ってくる人達は大抵こういう顔を見せる。満足のいった顔。この顔を見る為に私はこの仕事をし続けているのかもしれない。
「あなたの四日間、楽しめたのでしたらそれは良いことでした。さ、ではこれからどうなされますか? 天国に行かれますか? 転生の道を行かれますか?」
内容を知っている彼には説明を省いて言った。彼にはどちらの道でも開かれている。けれど、彼は三番目の道を選んだ。
「管理人さん、ここで管理人さんの手伝いをまだするっていう三番目の道はないんですか?」
彼は照れくさそうに言い、私はその事に驚いた。
「何を言ってるんですか! あなたは天国に行くことも、転生をすることも許されているんですよ!?」
私が少し声を大きくして言うと、彼は笑った。
「はは、管理人さんでも驚くことがあるんですね」
からかうように言われて、少し恥ずかしさを感じた私は咳払いをした。
「コホン。私でも、驚くことはあります。今のような事を言われたらね」
「そうですね、私のように言う者はいないでしょうし。でも、もし許可していただけるのなら、あなたの仕事を手伝わせていただけませんか?」
彼は初めて私に申し出てきた時と同じように私に言った。最初の頃を懐かしく思い出す。私としては彼にはいて欲しい。忙しくなくなったと言っても、毎日仕事は山のようにあるのだ。でも、彼をここに引き留めていくわけにはいかない。
彼がここに残る理由がないのだ。そして、私は彼がここに残りたがる理由がわからなかった。誰しも、天国か転生の道を選ぶからだ。
「私、としては願ったり叶ったりですが、どうしてですか? 帰生も終わり、あなたには次の道が開けているのですよ?」
しかし問いかける私に彼は笑って言った。
「そんなのは、管理人さんと一緒ですよ」
「私と、一緒?」
「そうです。ここではいろんな人が現れる、子供からお年寄りまで。その人達それぞれの人生を背負って。私はそんな彼らの帰る最後の時の手伝いをしたいんです。帰生する四日の日々を。管理人さんみたいに。あ、勿論大変な管理人さんの手伝いをしたいって気持ちもありますよ!」
彼は最後とって付け加えたように言ったが、彼の動機は仕事をするにあたって十分なものだった。私だって、その動機一つでこの忙しい管理人をしているのだから。
「やれやれ、とんでもない動機ですね」
私が頭を抱えて言うと彼は心配そうに「え、やっぱりだめですか?」と尋ねてきた。 そんな彼に私は小さく息を吐いた。
「一度やると言ったら断れませんよ? まあ、とにかく神に伺ってみましょう。代行補佐官ではなく、正式な補佐官としてここに残れるように」
私は一枚の紙を手に取り、そこへ嘆願書を書き始めた。それは補佐官採用の嘆願書だ。それを見た彼は笑顔を見せた。
「ありがとうございます! 管理人さん」
「ただし永遠に、という訳にはいきませんよ。あなたは死者なのだから、帰生を終えたあなたがここに留まること自体、異例の事です。ですから、必ずいつかは終わりがくる、という事を念頭に入れておいてください」
「わかりました」
彼はそう返事をした。それから私の嘆願書は神に受け入れられ、彼は私の補佐官という事でさらに傍で数年を過ごした。そして、今もそうである。
「なんだか懐かしそうな顔をしてらっしゃいましたけど? あ、これは今日の分の書類です」
彼はこの数年で無表情と呼ばれる私の表情を読み取るようになり、そして補佐官として立派に仕事をこなしていた。今も書類を運んできたばかりだ。
彼は両手に抱えていた書類の束をどんっと私の机の上に置き、また私の机の上に書類の山を一つ作った。
また、書類の山……。
私の気持ちを読んだのか、彼は申し訳なさそうに笑った。
「今日は四年目を迎える人が多いようで」
「はあ、仕方ないですね」
私は書類を一枚一枚手に取って行く。とりあえず、処理しなければたまるだけなのだ。ならば、目の前の山から崩していかなければ。それに今の私は一人ではない。
「私も手伝います」
そう言ってくれる彼がいる。今は頼れるだけ頼ろう。彼がこの先、彼の奥さんがこの黄泉平坂へ来て、帰生した後、一緒に転生する間までは。
「なら、保管庫に行って通行許可証を結ぶ紐の補充をお願いします。もうすぐ切れそうなので。それから後でこの書類すべてにチェックを。今日は忙しくなりますよ」
「そうですね。ああ、もう一人目の方が来られたようですよ。紐を急いで取りに行ってきますね」
彼はそう言い、残った私は書類を手に取る。
「岡田千夏。今日で四年目ですか。さてさて、仕事をなくてはね」
私は呟き、愛用の羽ペンにインクを付けて書類に必要事項を書き始めた。もう手慣れた仕事だ。
だが今日も明日も、これからも私はここで回帰門の通行許可証を発行する。
――――――それが私、管理人の仕事。
おわり。
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ご拝読、ありがとうございました。
応援ありがとうございます!
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