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おまけ話「年上オメガは養いアルファの愛に気づいて、幸せな日々を送る」
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ある日の午後。
凛はリビングのソファに座り、四カ月前に生まれた双子を両腕に抱えて授乳していた。
んくんくっとそれぞれ凛の胸に吸い付いて一生懸命、母乳を飲んでいる。その愛らしい姿に凛の目尻は自然と下がってしまう。だが、それは凛だけではなくーー。
「美味しそうに飲んでるな」
隣に座って見ていた朝陽が呟いた。
「うん。あんまり母乳、出ないけど」
「でも男のオメガで出るのは珍しい方なんだろ? 出るだけ十分だよ」
「ん。けど赤ん坊には母乳がいいって聞くからさ。俺がもっと出る体ならよかったんだけど」
「気にしすぎだよ。なんなら俺、一滴も出ないし」
朝陽は自分の胸を触って言い、その仕草に凛は思わずくすっと笑ってしまう。けれどそんな凛の頭を朝陽は優しく撫でた。
「だから、あんまり気にするなよ。それにいい粉ミルクも買ってるんだし。たまには俺にも粉ミルクを作らせて。俺は授乳できないんだからさ」
朝陽の頼もしい台詞に凛は嬉しく思った。
「うん、わかった」
……朝陽もすっかり父親だな。いいお父さんでよかったな。お前達。
凛は未だちゅぱちゅぱっと乳を吸う双子達を見て思った。しかし、そんな折。
「でも……俺も凛の母乳、飲んでみたかったなぁ」
さっきの頼もしさはどこに。朝陽は物欲しいそうな顔で言い、凛はぼっと顔を赤くした。
「なっ! だ、駄目だぞ。これはこの子たちのなんだから!」
「わかってるよ……。だから俺はこっちで我慢する」
朝陽はそう言うと凛の太ももをすりっと撫で、股間をいやらしく触った。
「ん、朝陽!」
「今日の夜はこっちで大人のミルク、飲ませて? それとも俺の、飲む?」
朝陽はにっこりと笑って言い、凛は口をわななかせた。
……ぜ、前言撤回! 全然父親っぽくない!
「飲ませないし、飲まないから!!」
「はいはい。でも優しい凛はきっと夜になったら、させてくれるよな?」
朝陽に眩しいぐらい笑顔で言われて凛は、うっと口を曲げた。そんな凛を他所に朝陽は子供達に話しかける。
「お前達。今夜は父さん達、忙しいから夜は大人しく寝てるんだぞ?」
「こ、子供に何言ってんだ!」
朝陽は言い聞かせるように子供たちに話しかけ、凛はますます顔を赤くした。
赤子が朝陽の言葉を理解するわけがないとわかっていても、恥ずかしい。
でも、そんな凛の気持ちとは裏腹に、双子達は元気よく返事をした。
「あぶ!」
「ばぶ!」
まるでわかった! とでも言うような声に凛は「へ?」と間抜けな声を上げたのだった。
おまけもおわり(笑)
お気に入り、ありがとうございます!
凛はリビングのソファに座り、四カ月前に生まれた双子を両腕に抱えて授乳していた。
んくんくっとそれぞれ凛の胸に吸い付いて一生懸命、母乳を飲んでいる。その愛らしい姿に凛の目尻は自然と下がってしまう。だが、それは凛だけではなくーー。
「美味しそうに飲んでるな」
隣に座って見ていた朝陽が呟いた。
「うん。あんまり母乳、出ないけど」
「でも男のオメガで出るのは珍しい方なんだろ? 出るだけ十分だよ」
「ん。けど赤ん坊には母乳がいいって聞くからさ。俺がもっと出る体ならよかったんだけど」
「気にしすぎだよ。なんなら俺、一滴も出ないし」
朝陽は自分の胸を触って言い、その仕草に凛は思わずくすっと笑ってしまう。けれどそんな凛の頭を朝陽は優しく撫でた。
「だから、あんまり気にするなよ。それにいい粉ミルクも買ってるんだし。たまには俺にも粉ミルクを作らせて。俺は授乳できないんだからさ」
朝陽の頼もしい台詞に凛は嬉しく思った。
「うん、わかった」
……朝陽もすっかり父親だな。いいお父さんでよかったな。お前達。
凛は未だちゅぱちゅぱっと乳を吸う双子達を見て思った。しかし、そんな折。
「でも……俺も凛の母乳、飲んでみたかったなぁ」
さっきの頼もしさはどこに。朝陽は物欲しいそうな顔で言い、凛はぼっと顔を赤くした。
「なっ! だ、駄目だぞ。これはこの子たちのなんだから!」
「わかってるよ……。だから俺はこっちで我慢する」
朝陽はそう言うと凛の太ももをすりっと撫で、股間をいやらしく触った。
「ん、朝陽!」
「今日の夜はこっちで大人のミルク、飲ませて? それとも俺の、飲む?」
朝陽はにっこりと笑って言い、凛は口をわななかせた。
……ぜ、前言撤回! 全然父親っぽくない!
「飲ませないし、飲まないから!!」
「はいはい。でも優しい凛はきっと夜になったら、させてくれるよな?」
朝陽に眩しいぐらい笑顔で言われて凛は、うっと口を曲げた。そんな凛を他所に朝陽は子供達に話しかける。
「お前達。今夜は父さん達、忙しいから夜は大人しく寝てるんだぞ?」
「こ、子供に何言ってんだ!」
朝陽は言い聞かせるように子供たちに話しかけ、凛はますます顔を赤くした。
赤子が朝陽の言葉を理解するわけがないとわかっていても、恥ずかしい。
でも、そんな凛の気持ちとは裏腹に、双子達は元気よく返事をした。
「あぶ!」
「ばぶ!」
まるでわかった! とでも言うような声に凛は「へ?」と間抜けな声を上げたのだった。
おまけもおわり(笑)
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この話好き・:*+.\(( °ω° ))/.:+
面白かった〜
オメガバースの小説の中で
こんなに面白く笑いつつ
ほんわかするの物に久しぶりに
出会いました。
ありがとうございますm(_ _)m