エルフェニウムの魔人

神谷レイン

文字の大きさ
79 / 81

79 ユーリ

しおりを挟む

「あー、取り込み中のところ悪いが、一言だけ言っておくぞ」

 それは実に面倒くさそうな声だったが、エルサルの言葉に俺達二人は視線を向ける。

「何かお前達は勘違いしているかもしれないが、男になった、のは間違いだぞ」

 エルサルはシュリを指さして言った。

 その言葉に俺達はえ? と驚く。だって、確かにシュリの股には男のものが生えているのは確認済みだ。だからシュリもエルサルに反論した。

「え、何言ってるんだエルサル。俺は男になったんだぞ。ここ、生えてきたし」

 まるで小さな子供が言うようなセリフに対し、エルサルは呆れた顔をして腰に手を当てた。

「馬鹿、生えたらからって男になった訳じゃない……。シュリ、射精した時、ちゃんとした精液じゃなかっただろ」

 エルサルは真顔で直接聞き、あまりのいいようにウィリアが恥ずかし気に声を上げる。

「ちょ、ちょっとエルサル!」
「聞きたくなかったら、耳を塞いでろ。で? どうなんだ?」

 エルサルはお構いなしに尋ね、ウィリアは両耳を閉じた。

「確かに俺の……透明だった。な? アレクシス」

 シュリは答え、同意を求めるように尋ねられて、俺は思わず、え! と動揺する。
 こんなのほとんど俺とシュリが交わりました、と公言しているようなものだ。けれどシュリの瞳が、な? と聞いてくるので俺は仕方なく、頷いた。

「あ、あぁ」

 俺はなんで好きな相手の兄にこんな返事をしているんだろうか、と思いながらエルサルに視線を向ける。だがエルサルの顔はいたって真面目だった。

「やっぱりな。お前のは精子がないんだよ」
「精子って、赤ちゃんの元になるやつだよね?」
「そうだ。魔人でも精液は白い。お前のが透明だったなら、精子がないんだろう。……代わりに後ろが濡れたんじゃないか?」
「え! エルサル、どうして知ってるの!? そうなんだ! 俺もお尻が濡れて」
「やっぱりな。以前にお前と同じタイプの魔人から話を聞いたことがある。外見の見た目は男だが、性別はグレー。排泄器官とは別に肛門から伸びる管を持っていて、そこが生殖器官になる。普段はそこは塞がっているが、交わる時だけその管が開いて濡れるって話だ。……つまり、お前もちゃんと交われば子供を産めるってことだ。シュリ」
「えー! そうなの!? じゃ、じゃあ、俺のお尻にアレクシスのちんこを入れたら子供がっ」

 そこまで言いかけたシュリの口を俺は耐え切れずに、ぱふっと閉じた。

「シュリ、そこまでにしてくれ」

 聞くに堪えない。あけすけな会話に、こっちが恥ずかしくなってくる。
 だがシュリの言葉にエルサルは「まあ、そうだ」と答えた。そしてオレンジ色に近い琥珀の瞳をほのかに光らせると、ぽんっと手の内に手鏡を出現させた。

「それに、そうじゃないとこいつの説明がつかん。……これが証拠だ」

 エルサルは鏡の持ち手を持つと、俺達に鏡を向けた。そこに映っているのは俺とシュリだ。けれどエルサルがパチンっと指を鳴らすと、鏡は揺れ、一人の少年とも少女とも見える十七歳くらいの子が現れた。

 紫の瞳に白い髪、褐色の肌。どこか見覚えのある顔立ちをしている。そして耳にぴょこんっと獣の耳が生えている。その毛色は白いが、俺の耳とよく似た耳だ。

「誰だ?」

 シュリが声をかけると、エルサルは面倒くさそうに答えた。

「今回の首謀者だ」
「え? なんの」

 そうシュリが尋ねようとした時、エルサルがその子に声をかけた。

「おい、ユーリ。終わったぞ!」

 そのエルサルの声でその子は鏡に俺達が映っていることに気が付き、声を上げた。

『ん? エルサルおじさん?  って、わぁっ! ママ、パパッ! パパ、わっかーいっ!』

 キーンっと響きそうな声で言われ、俺とシュリはちょっと意識が飛びそうになる。だが、その子は俺達の事はお構いなしで『パパ、ちゃんとママの事、捕まえたんだね! よしよし!』と満足げに頷いた。

「ママ? パパ?」

 シュリと俺は不思議そうな顔をして鏡に映るその子をじぃっと見つめた。

『あれー? エルサルおじさん、パパとママにまだ教えてないの? ……まあ、いいや。じゃ、自己紹介から! 僕はパパとママの子供のユーリだよ』

 ユーリは俺とシュリを指さすと、にっこり笑って自己紹介をした。でも俺とシュリは信じられなくて、あんぐりと口を開けるしかなかった。

『あ、パパもママ、信じてないー? 本当に二人の子供だよ! ほら、ママと一緒の白い髪に、パパと一緒の耳が生えてるでしょ? ほらほら、尻尾だってあるんだよ!』

 ユーリはくるっと周り、ズボンの隙間からぴょんっと出ている尻尾を見せた。毛色は白いが、形は俺の尻尾とそっくりだった。

「ほんとだ。アレクシスと同じしっぽ……ってことは、ほんとに俺とアレクシスの?」
『だから、そうだって言ってるんじゃーん』

 シュリが尋ねると、ユーリはキャッキャッと笑って言った。どうやら俺達の子は大分明るい子らしい。でも鏡を持っていたエルサルは「どうだ、わかったか?」と俺達に見せて言った。

「い、一体、どういう事なんだ。エルサル」

 俺は説明を求めるように尋ねたが、エルサルは面倒くさそうな顔をして鏡を自分に向けると「ユーリ、お前が説明しろ」と言った。

『はーい!』

 ユーリは元気に返事をし、俺は不思議に思う。

 エルサルはどうして俺達の子と名乗るユーリと仲がいいのか?

 でもそんな疑問が顔に出ていたのかユーリが俺に声をかけた。

『あー、はいはい。パパ、僕が今から説明するから、そんな不思議そうな顔をしないでねー』

 ユーリにパパと呼ばれ、なんとなく胸の奥がむず痒くなる。だけど、ユーリは構わず俺達に事のあらましを教えてくれた。

『実はねー、今回の転移魔術はエルサル伯父さんが間違って起こしたものじゃないの。僕が頼んで、ママをパパのところに送ってもらったんだ!』
「え、そうなの!?」
「君が?」

 シュリは声をあげ、俺が思わず尋ねるとユーリはむくっと顔を膨らませた。やっぱり親子なのか、その仕草はシュリによく似ていた。

『君じゃないよ。ユーリだよ! ……でも、そう。僕がきっかけを作ったの。だって僕はパパとママの子供でしょ? でも二人が会わなかったら僕は生まれないわけで。だからエルサル伯父さんにこうやって鏡通信を使ってお願いして、転移魔術でママを五百年後の世界に送ってもらったの!』
「ていうことは、エルサルの転移魔術は故意にしたことなのか?」

 シュリはエルサルを見て呟き、エルサルは「俺が間違って魔術を使う訳ないだろう」と呆れた顔で弟を見た。

『で、前にママとパパに聞いた通り、時期を見てもう一度ママを過去に戻してもらって、魔力がなくなったエルサル伯父さんの代わりに、今度は僕がパパをそっちに飛ばしたんだ!』

 ユーリはふふっと笑って言い、俺は説明を聞いて一人、なるほど、と納得する。

 実はエルサードと二人で資料を読みふけっていた時、突然エルサルから鏡を通して通信があったのだ。

 その話の内容は、シュリとルサカ国王が随分と落ち込んでいる事。もう二度だけ、転移魔術を発動できることだった。そしてエルサルは俺達に聞いた。

『転移魔術を使いたいか?』と。

 その問いに、俺とエルサードは何の迷いもなく目を合わせて転移魔術をお願いした。互いに、戻りたい場所があって、会いたい人がいたから。

 その答えに、エルサルは転移魔術を使ってくれると言った。けれど今回はエルサルは魔術を使わないという。その上過去に行くのは俺だけで、代わりにルサカ国王がこちらに来るという話だ。

 不思議に思っていたが今、ようやく理解した。

『ママがね、いっつも自分を迎えに来たパパがかっこよかったって話をしていたから、ママを未来に呼ばないで、パパを送ったんだよ! ね、どうだった? パパ、かっこよかった?』

 ユーリはにこにこしながら尋ね、シュリはくすっと笑って「かっこよかったよ」と素直に答えた。

 その答えにユーリがキャーッ! と嬉し気に声を上げた。やっぱり、その仕草は何となくシュリに似ている。

 だが、鏡の向こうでそんなユーリに声をかける人物がいた。

『ユーリ、何してるの? ん? 誰かと話してる?』

 ユーリの後ろから覗き込む、一人の青年が見えた。見覚えのある赤い髪と濃い青の瞳、顔立ち。ちらりと誰かの顔が浮かぶが、思い出せない。

『ああ、アレクシスさんとシュリさん! ん? アレクシスさんが若い? もしかして過去と通信してるの?』

 俺達を見知っているような口ぶりに俺とシュリは顔を見合わす。

 ……やっぱり俺達の知り合いなのか? だが一体、誰だ?

 そう思ったが、その答えはすぐにユーリの口から聞けることになった。

『ミクシオン! ほら、この前話しただろ? パパとママに運命の出会いをさせる計画の事! 今、二人が運命の再会を果たしたところなんだ!』

 ユーリが言うと『ああ、アレクシスさんが未来から過去に迎えに行った時の』と彼は、どうやら、この一連のことをユーリから聞いていたようだ。しかし、彼の名前を聞いて俺は驚きの声を上げる。

「ま、まさかミクシオン王子!?」

 俺が尋ねると、大人になったミクシオン第三王子はにっこりと鏡の向こうで笑った。

『そうですよ、アレクシスさん。俺は大人になったミクシオンです』

 ミクシオン様はすっかり爽やかな青年になり、どちらかというと陛下よりもラーナ様に似た顔立ちだ。でもそこにはライオンのぬいぐるみを失くして泣いていたあの幼さはどこにもない。
 爽やかさの中に精悍さも垣間見える、大人の男になっていた。

 ……道理で見覚えがあるはずだ。だが、まさかミクシオン様だとは。

 俺は驚愕の思いを抱えながらミクシオン様を見ていると、ミクシオン様はシュリに鏡越しに視線を向けた。

『シュリさん。アレクシスさんの手をもう離しちゃだめですよ。大事なものは大事に扱わないと。失くして嫌なものは、ちゃんと傍に置いておかなきゃ』

 ミクシオン様はパチッとウインクしてシュリに言った。それは少し前にシュリがミクシオン様がぬいぐるみを失くした時に言った言葉だった。
 そしてミクシオン様に言われて、シュリはくすっと笑った。

「ああ、そうだな。……もう失くしたりしない。この手をずっと握っていく」

 シュリは俺の手をぎゅうっと握って言い、俺もその小さな手を握り返す。

「シュリ……。俺も離さないよ」

 俺が言うとシュリはにこーっと嬉しそうに笑った。その顔を見て俺の顔もついつい緩んでしまう。幸せで。
 そんなシュリと俺のやり取りを見ていたユーリはまたキャーッと嬉しそう声を上げ『ママ、可愛い―っ。ね、エルサルおじさん、もっとパパとママに鏡を近づけて!』とエルサルに言った。

 だがそんなユーリの要望に対してエルサルは小さくため息を吐き、小言を俺達に呟いた。

「お前達の子供は本当に人使いが荒い。ちゃんと教育しろ!」

 俺とシュリはまだ生まれてもいない子供の事で叱られ、お互いに顔を見合わせて笑った。
 そしてそんな俺達を擁護するようにユーリは『むー、パパとママの悪口言わないで!』とエルサルに抗議して、俺達はとうとう声を上げて笑った。




 ◇◇◇◇





 それから。
 その場で、俺達はユーリの転移魔術で未来に帰ることになった。

 そして、エルサルの話では転移魔術を使えるのは、もうこれで最後。未来に飛んでしまったら過去には戻れないとエルサルはシュリに伝えた。
 未来と過去が関わりすぎてしまうと世界に悪影響を及ぼしてしまうらしい。

 だからエルサルはシュリに告げた。

「もうこっちには帰ってこれない。それでもいいな?」

 エルサルは尋ね、シュリは一瞬寂し気な顔をしたが「うん、俺はアレクシスの傍にいたい!」とはっきりとエルサルとウィリアに伝えた。その答えに俺は嬉しくなる。
 俺はぎゅっとシュリの手を握った。

「一生大事にする」

 俺が誓うように言うとシュリは、嬉しそうにへへっと笑って俺の手を握り返した。

「俺も、一生大事にするよ。アレクシス」

 シュリの誓いに俺は顔を緩ませてしまう。そんな俺達のやり取りを見て、エルサルはふっと笑った。

「いい答えだ。……ユーリ、やってくれ」

 エルサルが号令をかけるように言うと、ユーリは鏡の向こうで腕をまくった。

『はーい! じゃ、パパ、ママ、行くよー!』

 ユーリが言うと、ボォワァァアッと妙な音が突如辺りに響き始めた。
 紫色の光が地面から現れ、光の円陣が現れる。そして紫色に光る円陣はくるくると回って、見たことのない記号が浮かび上がらせ、光の柱を形作るように強い光を天に放った。
 四度目ともなると見慣れた光景だ。

「シュリ! 元気でね!」

 ウィリアは泣きながら、エルサルの傍でシュリに言った。

「ウィリアも! エルサルを頼む!」

 シュリはそう言い、エルサルはその言葉に反論した。

「馬鹿、それはこっちのセリフだ。アレクシス、弟を頼んだぞ」
「はい!」

 俺が返事をするとエルサルは優し気に笑った。
 そして光の帯が俺達を捕まえ、広がっていた円陣は段々と小さく縮小していく。

「じゃあな! ウィリア! エルサル!」

 シュリが笑顔で涙を流しながら言った時、一瞬の閃光が俺達を包んだ。





 それから俺達は無事に未来に戻り、気が付いたらエルサル広場の噴水の中にいた。
 辺りを見渡すと、この前シュリを送った時のように、騎士達が広場を一時封鎖し、そこにはシュリと俺の帰りを待っている人達がいた。
 俺達はずぶ濡れになりながら顔を見合わせて笑い、シュリはみんなと再会の挨拶を交わした。

 そして帰りを待ってくれていたロニーの話では、俺達の代わりにこちらに来ていたルサカ国王がエルサードを連れて、二人で過去に戻ったそうだ。

 エルサードはロニーに退団届を託して。
 本来ならば退団するのに一ヶ月はかかるものだが、今回は仕方ないだろう。

 幼馴染であり親友であるエルサードが過去に行ってしまったことは少し寂しい気持ちもするが、そんな俺の気持ちを他所に母さんはシュリを連れ帰った俺の背中を叩いて「さすが私とネイズの子だわ!」と嬉しそうに言ったもんだから、寂しい気持ちを少し薄れてしまった。

 そして騒ぎも落ち着き、ようやく部屋に戻ってきた俺とシュリは濡れたままの体を温める為、一緒の風呂に入り、我慢できなかった俺達は食事もとらずにベッドで抱き合っていた。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 透夜×ロロァのお話です。 本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけを更新するかもです。 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑) 大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑) 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる

七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。 だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。 そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。 唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。 優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。 穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。 ――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。

処理中です...