4 / 42
残虐王
4 チェイン
しおりを挟む
「……か……陛下」
声をかけられて王はハッとした。顔を上げると、大臣が心配そうな顔をしていた。
レスカがいなくなってから三日目。
王の心はここにあらず、と言った状況だった。しかし、そんな事はおくびにも出さずに、なんだ? と視線を大臣に向けた。
「陛下のおっしゃった者ですが、やはり誰も見ていないそうです。その者は本当に陛下のお側に?」
大臣は不思議そうな顔をして、王に尋ねた。
王は大臣にレスカを探すように命じていたが予測していた通り、誰もレスカの存在を知らなかった。思えば、レスカが誰かと関わっているところや話しているのをみたのは、一度だけだった。あの茶髪の男とだけ。
あの男がレスカを連れ去った……?
そう思うが、あの茶髪の男を思い出すとレスカが呼んでいた男の名前の方が頭に引っかかった。どこかで聞いたことのある名前。
一体どこで?
記憶を探るが、見つけられない。
「陛下?」
「……なんでもない」
「その者を捜索させましょうか?」
大臣は王に尋ねた。王は思わず『ああ』と答えそうになったが、その声を喉の奥で押しとどめた。
見つけてどうする? 私にはもう時間がない。
「いや、いい。私は部屋に戻る」
王はそう言って椅子から立ち上がった。その様子を大臣はただ見つめるしかなかった。
……レスカは何者なのか。
自室に戻った王は自問しながら長椅子に腰かけ、横になっていた。頭の中を疑問がぐるぐると周り、こんな時こそ、レスカの淹れたお茶が飲みたかった。
だが、レスカはいない。
……いつも手の中から零れ落ちていく。どれだけ必死に掴もうとしても、水のように大事なものは零れ落ちてしまう。
今までの人生を振り返り、王は思う。
母を早くに亡くし、父には愛されず、求めた兄姉にさえ酷い目に合わされた。大事にしていた小犬も殺されて。
胸の奥がじわりと痛んだが、それはいつもの事だ。王は目を瞑って、天井を仰いだ。
しかし、王はハッとして目を開けた。
ある事に気が付いたからだ。
王はすぐさま長椅子から立ち上がり、部屋を出るとある場所に向かった。それは中庭の大きな木の傍、木の札を王が幼い頃に立てた場所だった。少し息を切らしながら、王はその木の札を見つめた。
そこに書かれているのは『チェイン』
王が幼い頃、少しの間だけ飼っていた子犬の名だった。
子犬を飼っていたのは、もう二十年も前の事で王はすっかり忘れていた。いや、悲し過ぎて忘れたかったのだ。だから今まで思い出せなかった。
気に食わないからと、大事に育てていた子犬を兄姉たちに無残に惨殺され、それに怒った王が反撃したところを返り討ちにあって顔の半分を失った。
子犬を失くし、顔の半分も失った王はその記憶を心の奥深くに封じていたのだ。だから思い出せなかった。
「……チェイン」
王は名を呟き、子犬の姿を思い出す。
親とはぐれて、城の中に迷いこんでしまった子犬。
全体が茶色の毛におおわれていたから、古代語で茶色の意味を持つチェインという名前にした。だから、あの男の名前を王は少し妙だと思って覚えていた。
人間にチェイン、茶色などという名前は付けないからだ。
……なぜ、同じ名前が。
そう思った時、草むらからカサカサッと葉が揺れる音がした。
さっと身構えたが、草むらから出てきたものに王は目を剥いた。
「ワン!」
一鳴きして、尻尾をパタパタさせながら王に歩み寄ってきたのは死んだ子犬・チェインとそっくりの子犬だった。
子犬はパタパタと尻尾を振りながら、王に恐れることもなくその足元にすり寄った。それはチェインと全く同じように。
……なぜ。
王は声に出せずに、困惑した。チェインは二十年以上前に死んだのだ。
布切れのようにボロボロに痛めつけられ、腹を裂かれ内臓を引きずり出され、血を流して。
なのに、どしてここにいる?
チェインそっくりな子犬は、王の足元にすりすり頭を擦り付け「くぅーん」と鳴く。まるで忘れてしまったの? とでも言いたげに。
「……チェイン」
名を呼ぶと「ワンッ!」と嬉しそうに鳴いた。
王は腰を屈め、子犬を両手で持ち上げた。軽くて小さな体のくせに、嬉しそうにパタパタと尻尾を一生懸命振っている。
もうそれはチェインそのものだった。
「……お前、どうして」
王が呟くとチェインはバタバタと暴れた。まるで、下におろして、と言うように。
王はチェインを地面に下ろし、チェインは「ワンワンッ!」と吠えて先をかけ走った。まるでついてこい、と言わんばかりだ。
意志をはっきりと持つチェインに、王は不思議に思いながらついて行った。
そして着いたのは、建国碑の前だった。
その昔、初代王がこの地の神と契約を交わしたと言われるものだ。初代王は目に見えないものを見ていたとされ、その力がこの国に繁栄をもたらした。
その初代王と同じ黒髪に漆黒のような瞳を持つ王は幼い頃、初代王の生まれ変わりだと言われ、特別視されていた。だが、その事に嫉妬し、王位を揺るがすのではないかと危惧した母親達に兄姉達は唆され、甚振られた。
第六子の、それこそ母親がジプシーの踊り子である自分など捨て置けばよかったのに、彼らは無視できなかった。もしも彼らが無視し続けていれば、今の王はなかっただろうに。
……愚かな事だ。
王はそう思ったが、気が付けばそこにチェインの姿はなかった。
どこに行った? と辺りを見回せば、いつの間にか近くに茶髪の男が立っていた。
「!」
「……主(あるじ)、早く、思い出して」
まるで子供のような喋り方で男は王に言った。
「思い……出す?」
「だいじ、なこと。だいじ、な人のこと。……主のこと、待ってる」
「待っている、だと?」
それは何の確証もないのに、レスカの事だと王はわかった。
「待ってる、主のこと」
男は言った後、にこりと笑った。だがその姿は蜃気楼のように急速にぼやけていく。
待てッ! どこに行く! レスカはどこだッ! レスカに会わせろッ!
そう声に出して言いたいのに、王の声は出なかった。訳も分からず、辺りを暗闇が包んでいく。
王は声にならない声を上げて、手を伸ばした。
「ッ!」
ハッとして目を開けると、天井に向かって手を伸ばしていた。
王は辺りを見回し、自室の寝椅子に横になっている事を知る。そして鼓動が早鐘のように胸を打っていた。王は身体を起こし、頭を抱えた。
……今のは夢?
だが現実味を帯びていた夢に王は、ただの夢だとは思えなかった。そして茶髪の男・チェインが言っていた言葉を思い出し、王は一人呟いた。
「……私は何を忘れている」
夜の帳が落ちた町中。
「計画は滞りなく進んでいるか?」
ある居酒屋の奥の部屋で、フードを被った男がそう尋ねた。部屋には数人の男女がいて、その者達はこの町で顔が利く者ばかりだった。
「はい、おっしゃられた通りに」
「全て準備が終わっています」
二人が答え、男は「そうか」と返し、その場にいる面々の顔を見た。
「王を討つ日は、明日の早朝とする」
革命軍の彼らにそう告げた。そして各々が頷き、お互いの顔を見合わせた。
傍若無人な残虐王をこの手で討つ。その強い意志を持って。
「必ず、王の首を獲るぞ」
そう言い放ち、フードを外したのは王の側近である大臣だった。
声をかけられて王はハッとした。顔を上げると、大臣が心配そうな顔をしていた。
レスカがいなくなってから三日目。
王の心はここにあらず、と言った状況だった。しかし、そんな事はおくびにも出さずに、なんだ? と視線を大臣に向けた。
「陛下のおっしゃった者ですが、やはり誰も見ていないそうです。その者は本当に陛下のお側に?」
大臣は不思議そうな顔をして、王に尋ねた。
王は大臣にレスカを探すように命じていたが予測していた通り、誰もレスカの存在を知らなかった。思えば、レスカが誰かと関わっているところや話しているのをみたのは、一度だけだった。あの茶髪の男とだけ。
あの男がレスカを連れ去った……?
そう思うが、あの茶髪の男を思い出すとレスカが呼んでいた男の名前の方が頭に引っかかった。どこかで聞いたことのある名前。
一体どこで?
記憶を探るが、見つけられない。
「陛下?」
「……なんでもない」
「その者を捜索させましょうか?」
大臣は王に尋ねた。王は思わず『ああ』と答えそうになったが、その声を喉の奥で押しとどめた。
見つけてどうする? 私にはもう時間がない。
「いや、いい。私は部屋に戻る」
王はそう言って椅子から立ち上がった。その様子を大臣はただ見つめるしかなかった。
……レスカは何者なのか。
自室に戻った王は自問しながら長椅子に腰かけ、横になっていた。頭の中を疑問がぐるぐると周り、こんな時こそ、レスカの淹れたお茶が飲みたかった。
だが、レスカはいない。
……いつも手の中から零れ落ちていく。どれだけ必死に掴もうとしても、水のように大事なものは零れ落ちてしまう。
今までの人生を振り返り、王は思う。
母を早くに亡くし、父には愛されず、求めた兄姉にさえ酷い目に合わされた。大事にしていた小犬も殺されて。
胸の奥がじわりと痛んだが、それはいつもの事だ。王は目を瞑って、天井を仰いだ。
しかし、王はハッとして目を開けた。
ある事に気が付いたからだ。
王はすぐさま長椅子から立ち上がり、部屋を出るとある場所に向かった。それは中庭の大きな木の傍、木の札を王が幼い頃に立てた場所だった。少し息を切らしながら、王はその木の札を見つめた。
そこに書かれているのは『チェイン』
王が幼い頃、少しの間だけ飼っていた子犬の名だった。
子犬を飼っていたのは、もう二十年も前の事で王はすっかり忘れていた。いや、悲し過ぎて忘れたかったのだ。だから今まで思い出せなかった。
気に食わないからと、大事に育てていた子犬を兄姉たちに無残に惨殺され、それに怒った王が反撃したところを返り討ちにあって顔の半分を失った。
子犬を失くし、顔の半分も失った王はその記憶を心の奥深くに封じていたのだ。だから思い出せなかった。
「……チェイン」
王は名を呟き、子犬の姿を思い出す。
親とはぐれて、城の中に迷いこんでしまった子犬。
全体が茶色の毛におおわれていたから、古代語で茶色の意味を持つチェインという名前にした。だから、あの男の名前を王は少し妙だと思って覚えていた。
人間にチェイン、茶色などという名前は付けないからだ。
……なぜ、同じ名前が。
そう思った時、草むらからカサカサッと葉が揺れる音がした。
さっと身構えたが、草むらから出てきたものに王は目を剥いた。
「ワン!」
一鳴きして、尻尾をパタパタさせながら王に歩み寄ってきたのは死んだ子犬・チェインとそっくりの子犬だった。
子犬はパタパタと尻尾を振りながら、王に恐れることもなくその足元にすり寄った。それはチェインと全く同じように。
……なぜ。
王は声に出せずに、困惑した。チェインは二十年以上前に死んだのだ。
布切れのようにボロボロに痛めつけられ、腹を裂かれ内臓を引きずり出され、血を流して。
なのに、どしてここにいる?
チェインそっくりな子犬は、王の足元にすりすり頭を擦り付け「くぅーん」と鳴く。まるで忘れてしまったの? とでも言いたげに。
「……チェイン」
名を呼ぶと「ワンッ!」と嬉しそうに鳴いた。
王は腰を屈め、子犬を両手で持ち上げた。軽くて小さな体のくせに、嬉しそうにパタパタと尻尾を一生懸命振っている。
もうそれはチェインそのものだった。
「……お前、どうして」
王が呟くとチェインはバタバタと暴れた。まるで、下におろして、と言うように。
王はチェインを地面に下ろし、チェインは「ワンワンッ!」と吠えて先をかけ走った。まるでついてこい、と言わんばかりだ。
意志をはっきりと持つチェインに、王は不思議に思いながらついて行った。
そして着いたのは、建国碑の前だった。
その昔、初代王がこの地の神と契約を交わしたと言われるものだ。初代王は目に見えないものを見ていたとされ、その力がこの国に繁栄をもたらした。
その初代王と同じ黒髪に漆黒のような瞳を持つ王は幼い頃、初代王の生まれ変わりだと言われ、特別視されていた。だが、その事に嫉妬し、王位を揺るがすのではないかと危惧した母親達に兄姉達は唆され、甚振られた。
第六子の、それこそ母親がジプシーの踊り子である自分など捨て置けばよかったのに、彼らは無視できなかった。もしも彼らが無視し続けていれば、今の王はなかっただろうに。
……愚かな事だ。
王はそう思ったが、気が付けばそこにチェインの姿はなかった。
どこに行った? と辺りを見回せば、いつの間にか近くに茶髪の男が立っていた。
「!」
「……主(あるじ)、早く、思い出して」
まるで子供のような喋り方で男は王に言った。
「思い……出す?」
「だいじ、なこと。だいじ、な人のこと。……主のこと、待ってる」
「待っている、だと?」
それは何の確証もないのに、レスカの事だと王はわかった。
「待ってる、主のこと」
男は言った後、にこりと笑った。だがその姿は蜃気楼のように急速にぼやけていく。
待てッ! どこに行く! レスカはどこだッ! レスカに会わせろッ!
そう声に出して言いたいのに、王の声は出なかった。訳も分からず、辺りを暗闇が包んでいく。
王は声にならない声を上げて、手を伸ばした。
「ッ!」
ハッとして目を開けると、天井に向かって手を伸ばしていた。
王は辺りを見回し、自室の寝椅子に横になっている事を知る。そして鼓動が早鐘のように胸を打っていた。王は身体を起こし、頭を抱えた。
……今のは夢?
だが現実味を帯びていた夢に王は、ただの夢だとは思えなかった。そして茶髪の男・チェインが言っていた言葉を思い出し、王は一人呟いた。
「……私は何を忘れている」
夜の帳が落ちた町中。
「計画は滞りなく進んでいるか?」
ある居酒屋の奥の部屋で、フードを被った男がそう尋ねた。部屋には数人の男女がいて、その者達はこの町で顔が利く者ばかりだった。
「はい、おっしゃられた通りに」
「全て準備が終わっています」
二人が答え、男は「そうか」と返し、その場にいる面々の顔を見た。
「王を討つ日は、明日の早朝とする」
革命軍の彼らにそう告げた。そして各々が頷き、お互いの顔を見合わせた。
傍若無人な残虐王をこの手で討つ。その強い意志を持って。
「必ず、王の首を獲るぞ」
そう言い放ち、フードを外したのは王の側近である大臣だった。
12
あなたにおすすめの小説
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
塔の上のカミーユ~幽囚の王子は亜人の国で愛される~【本編完結】
蕾白
BL
国境近くにあるその白い石の塔には一人の美しい姫君が幽閉されている。
けれど、幽閉されていたのはある事情から王女として育てられたカミーユ王子だった。彼は父王の罪によって十三年間を塔の中で過ごしてきた。
そんな彼の前に一人の男、冒険者のアレクが現れる。
自分の世界を変えてくれるアレクにカミーユは心惹かれていくけれど、彼の不安定な立場を危うくする事態が近づいてきていた……というお話になります。
2024/4/22 完結しました。ありがとうございました。
僕がそばにいる理由
腐男子ミルク
BL
佐藤裕貴はΩとして生まれた21歳の男性。αの夫と結婚し、表向きは穏やかな夫婦生活を送っているが、その実態は不完全なものだった。夫は裕貴を愛していると口にしながらも、家事や家庭の負担はすべて裕貴に押し付け、自分は何もしない。それでいて、裕貴が他の誰かと関わることには異常なほど敏感で束縛が激しい。性的な関係もないまま、裕貴は愛情とは何か、本当に満たされるとはどういうことかを見失いつつあった。
そんな中、裕貴の職場に新人看護師・宮野歩夢が配属される。歩夢は裕貴がΩであることを本能的に察しながらも、その事実を意に介さず、ただ一人の人間として接してくれるαだった。歩夢の純粋な優しさと、裕貴をありのまま受け入れる態度に触れた裕貴は、心の奥底にしまい込んでいた孤独と向き合わざるを得なくなる。歩夢と過ごす時間を重ねるうちに、彼の存在が裕貴にとって特別なものとなっていくのを感じていた。
しかし、裕貴は既婚者であり、夫との関係や社会的な立場に縛られている。愛情、義務、そしてΩとしての本能――複雑に絡み合う感情の中で、裕貴は自分にとって「真実の幸せ」とは何なのか、そしてその幸せを追い求める覚悟があるのかを問い始める。
束縛の中で見失っていた自分を取り戻し、裕貴が選び取る未来とは――。
愛と本能、自由と束縛が交錯するオメガバースの物語。
落第騎士の拾い物
深山恐竜
BL
「オメガでございます」
ひと月前、セレガは医者から第三の性別を告知された。将来は勇猛な騎士になることを夢見ていたセレガは、この診断に絶望した。
セレガは絶望の末に”ドラゴンの巣”へ向かう。そこで彼は騎士見習いとして最期の戦いをするつもりであった。しかし、巣にはドラゴンに育てられたという男がいた。男は純粋で、無垢で、彼と交流するうちに、セレガは未来への希望を取り戻す。
ところがある日、発情したセレガは男と関係を持ってしまって……?
オメガバースの設定をお借りしています。
ムーンライトノベルズにも掲載中
愛され少年と嫌われ少年
透
BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。
顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。
元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。
【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】
※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる