残虐王

神谷レイン

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花の名を君に

3 口づけ

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 それから次の戦いまで、時間はかからなかった。

 翌週には、また隣国の軍が押し寄せた。この前の倍の数だ。
 その為か、次の戦場は何もない草原だった。ロベルトはジーナに乗って、その草原の丘の上にいた。後ろには数少ない味方がいる。

 その少なさに敵将は鼻で笑った。あんな人数で我々と戦う気か? と。

 でも、ロベルトは威風堂々と声を張り上げた。

「私はバートルトとの息子であり、アンデルトの村々を束ねる首領ロベルト。私はこの地の神と契約を交わした。この地に害をなすなら神の力を借り、お前達を退ける……!」

 ロベルトはそう宣言した。しかし敵軍は大声で笑った。

 何を言っているんだ? 気でも狂ったか? と信じなかったのだ。

 しかし、ロベルトは怯まなかった。

「信じられないのなら、力の一部を見せてやろう」

 ロベルトはそう言うと、隣にいる僕に視線を向けた。僕は頷き、そしてロベルトは横に手を払った。それと同時に僕は力を使って突風を起こした。
 敵軍は突然起こった突風に笑い声を止めた。偶然だろ、とそれぞれが驚きながら。
 ならば、とロベルトは手の平を掲げるように上に挙げた。

 僕はその動きを見て、敵がいる足元に花々を咲かせる。
 敵の兵隊たちは足を上げて、軽い悲鳴を上げている。僕はそれがおかしくって、思わず笑ってしまった。でも、ロベルトは顔を崩さず、真剣な顔で「まだ信じられないか」と声を張り上げた。完全に敵兵は動揺していた。
 そこにロベルトは追い打ちをかけるように、言い放った。

「退き、二度とこの地に足を踏み入れるな。そうすれば、害は加えない。でなければ……っ」

 僕はロベルトに言われていた通りに、風を起こし、草原を囲む森の木々を揺らして不気味な音を作り出した。そして、動物達にも協力してもらって唸り声を盛大に出してもらったら、敵の兵隊たちは顔を青ざめさせた。どうやら効果は絶大だったみたいだ。
 その上、敵将の近くには僕が見える人がいたみたいで。

「か、神が本当にいらっしゃる! な、なんてことだ!」

 そう言いながら恐れながら一番に逃げて行った。

 僕は面白くなっちゃって、帰れと言わんばかりに彼らを追いかけるように竜巻をお見舞いした。すると、敵兵は悲鳴を上げて逃げていく。敵将の命令も聞かないで。
 僕はくすくすっと笑い、ロベルトはやりすぎだ、と少し呆れた様子で僕を呼んだ。

「レスカ」

 名前を呼ばれてロベルトを見ると、その顔はほっと安堵した顔だった。
 そして、背後に控えていたロベルトの味方達は嬉しそうに声を上げた。

「あいつら、本当に帰って行く!」
「俺達の勝利だッ!」

 歓喜の声が草原に響き渡った。




 たった千の兵が十万の敵兵に血を見ることなく勝利したこの日は、歴史に残ることになる。そして勿論、兵を率い、神と契約したロベルトの名も。

 けれど僕が力を貸したことでロベルトから自由を奪ってしまう事になるとは、この時の僕は知らなかった。














 あの日を境に、敵は一切の軍を送りつけてくる事を止めた。

 勿論、何度か近くにこようとした気配はあったけれど、その度に近づくな、と言わんばかりに僕が敵軍の足元に花を咲かせたり、風を巻き起こしていたりしたからだろう。
 そして神が宿る国として、敵は来なくなった。

「お前のおかげだ、レスカチア。ありがとう」

 久々に湖に来たロベルトは僕に会うなり、頭を下げてお礼を言った。
 僕は驚いちゃって、目をぱちくりした。だってまさか頭を下げてお礼を言われるなんて思っていなかったから。

「ロ、ロベルト?」
「誰も傷つけることなく終わらせられた」

 ロベルトは本当に僕に感謝しているようだった。
 僕はロベルトの力になれたんだって改めてわかって、なんだか嬉しかった。

 そしてロベルトは言葉の通り、僕の力を使って誰かを傷つけようとはしなかった。風を起こすことも、花を咲かせることも、僕が得意な事。だから、僕は今回寝込んだりしなかった。
 約束を守ってくれた事、僕の事を気遣ってくれた気持ちも僕を笑顔にさせる。

「ロベルト、頭を上げて」

 僕が言うとロベルトは頭を上げた。黒い瞳が僕を見る。

「僕は僕のしたいことをしただけだよ」

 僕がにこにこと笑って言うと、ロベルトは苦笑した。

「お前は俺に甘すぎる」
「そうかな? でも、いいでしょ。ロベルトは特別だもの」

 僕は言うとロベルトは困った顔を見せた。

 何か僕は困らせる様な事を言っただろうか?

 そう思っている内に、ロベルトは僕をぎゅっと抱きしめた。
 最近、こうしてよく抱きしめられるなぁ、と僕はぼんやり思った。でも、抱きしめられて嫌な事は一度もない。

「レスカに他意がないことはわかっている。でも、言われれば期待してしまう」

 何が? と僕は聞きそうになったのだけれど、ロベルトを見ると黒い瞳がなんだか物言いたそうに、そして僕の奥の奥まで見つめるようにじっと見てて、僕はその瞳に見つめられて身体がぞくっとした。

「ロ、ベルト?」

 名前を呼んだ後、ロベルトは僕の口に唇を合わせてきた。それは一瞬で、僕は何が起きたのかわからなかった。
 きょとんっとする僕にロベルトはまた困った風に笑った。

「悪い。……でも謝りはしないぞ。お前が特別、なんて言うからだ」

 ロベルトはそう言うと僕から体を離して、空気を換えるように僕に籠を見せた。

「レスカ、今日はパイを持ってきた。食べるだろう?」

 そう聞かれて、僕は「う、うん!」と戸惑いながら答えた。
 僕は驚きながらも、なんでか胸がドキドキした。

 なんでだろう? と思いながらも、僕はロベルトがくれたパイをむしゃむしゃと食べた。やっぱり人間の食べ物は美味しくて、ちょっと体に悪い。

 僕はロベルトの肩にもたれて昼寝をした。
 やっぱりロベルトの傍は心地いい。そう僕は改めて実感した。
 だけど、僕の知らないところでロベルトの取り巻く状況は変わっていった。













 それからロベルトは忙しくなって、僕に全然会いに来なくなった。

 僕は敵も来なくなったし、前みたいにいっぱい遊べると思っていたから、つまんなくて。
 僕は膝を抱えながら口を尖らせて、湖でただただ待った。でも、そんな時にふと思いついちゃったんだ。

 会いに来ないなら、会いに行けばいいんだってことに!

 ほとんどの人間に僕の姿は見えないんだけど、僕は人間から隠れながらロベルトの住んでいる村に向かった。でも村と言っても大きくて、その村を治めるロベルトのお家は他の家よりも大きくてしっかりした家だった。
 けれど僕はそんな事どうでもよくて、ウロウロとしていたら馬屋にいるジーナに会った。

「ジーナ!」

 僕が声をかけるとジーナは僕に気が付いた。僕は傍に寄って、ジーナの頭を撫でる。

「こんにちは、ジーナ。ロベルトを探しているのだけど、どこにいるか知ってる?」

 僕が尋ねるとジーナはヒヒンッと鳴いて、ロベルトのいるところを教えてくれた。

「ありがとう、ジーナ。また後でね!」

 僕はジーナにお礼を言って、教えてもらった場所に向かった。それは家の奥、木のドアに花の模様が描かれている部屋だった。僕はドアをこんこんっとノックをしてみる。
 すると中から「入れ」と言うロベルトのような声が聞こえた。

 でもロベルトにしては、声が少し硬いような。たぶん、ロベルト……だと思うけど。

 僕はそう思いつつもドアを開けた。中にはやっぱりロベルトがいて、僕は嬉しくなった。
 でもロベルトは机に向かって書き物をしていて、僕に気が付いていない。

「何か用か?」

 ロベルトは書き物をしながら、硬い声で僕に言った。いつも僕に声をかけてくれる声とはやっぱり違う、変な感じだ。けどそれは置いておいて、僕はにまっと笑ってロベルトの名前を呼んだ。

「ロベルト」

 僕が声をかけると、ロベルトの手がピタッと止まり、ぱっと顔を上げた。そして僕を見ると驚き、間の抜けた表情を見せた。

「レ、レスカッ!? どうしてここに!」

 ロベルトは心底驚いたのか、ガタっと椅子から立ち上がって言った。
 そんなロベルトの姿がおかしくて僕はくすくす笑ってしまう。

「ロベルトに会いに来たんだ。だって全然会いに来てくれないから」

 僕が言う間にロベルトは僕に歩み寄った。

「し、しかし、大丈夫なのか? 今までここに来ることはなかったじゃないか」

 ロベルトは心配そうに僕を見た。
 確かに僕は今まで人間のいる場所には来なかった。だって用がなかったし、動物達にも行かない方がいいと言われていたからだ。
 でも、今回は理由があった。ロベルトに会うと言う、理由が。

「うん。でもロベルトに会いたくて」

 僕が思ったままを口にすると、ロベルトは顔を緩ませて柔らかに笑った。

「……そうか」

 ロベルトはそう言うと、僕の頬を撫でた。僕はこの手で撫でられると、なんだかうっとりしてしまう。猫のように喉まで鳴らしてしまいそう。

 でも僕がロベルトの手にうっとりしていると、ロベルトはまた掠めるようにちゅっと口を合わせてきた。僕はびっくりしてぱちっと目を開けるとロベルトはくすっと笑った。

「お前があんまり気持ちよさそうな顔をするからだ」

 言い訳のようにロベルトは僕に言った。

 でも、僕が気持ちよさそうだからってなんで口を合わせる必要があるんだ。

 まだ口づけの意味も知らなかった僕はじろっとロベルトを見た。でもロベルトは色っぽく笑う。
 そこには僕と初めて会った時の幼いロベルトはどこにもいない。大人の男がいた。そして男の笑みに僕の胸はどきっとまた変な動きをした。

 最近、ロベルトに会うといつもこうだ。僕の胸はどうしちゃったんだろう??

「しかし、折角ここに来たのなら、お茶でも出そう」

 ロベルトはそう言うと、ドアを開けて人を呼び、お茶を頼んだ。
 しばらくしてお茶と一緒に旬の果物が運ばれてきて、ロベルトと並んでふかふかの長椅子に座り、僕はお茶と生の果物を遠慮なく頂きながら尋ねた。

「ロベルト、今度はいつ来てくれるの?」

 僕が尋ねると、ロベルトは難しい顔をした。それで僕はすぐに察した。

「しばらくは来れないの?」

 僕が尋ねるとロベルトは正直に答えた。

「ああ。……今は話し合いが設けられていてな。もう二度と攻め入られないように近隣の村々を束ね、国を作ろうかと話している」
「ふぅん、それって大変なの?」

 僕は国とか、そういう概念がわからなかった。だってこの世界は誰のものでもない。だけど人は土地に線を引たがるし、動物達も縄張り争いをする。みんなで仲良くつかったらいいのに。

「ああ、まあな。それで私が王に、と言われているんだ」
「おぅ? それってなあに?」

 それは初めて聞く言葉だった。

「みんなに指示を出す人だよ。何がみんなにとっていいか、何が最善かを考える人だ」

 ロベルトはわかりやすく僕に教えてくれた。でも、僕は首を傾げた。

「それなら、もうロベルトはしてるじゃない」

 僕が言うとロベルトは苦笑した。

「王になるという事は、今よりも多くの人を動かす立場になるという事だ。責任は重くなる」
「嫌なら他の人に任せたら?」

 僕は単純にそう思った。でも、ロベルトを王にしたのは僕のせいだった。

「そうだが……皆、俺が神の力を宿したと思っているからな」
「神の力? ……あ、もしかして僕の事?」
「ああ……。でも、俺が頼んだことだからな」

 ロベルトは、僕のせい? と僕が聞く前にそう言った。僕に責任を感じさせたくなかったのだろう。だけど僕のせいだ。でもロベルトは僕にそう言わせなかった。

「俺は近々王になるだろう。会える時間も減ると思う……。悪いな、レスカチア」

 ロベルトは申し訳なさそうに僕に言った。
 大変なのはロベルトの方なのに。王とか国とか、僕にはよくわからなかったけど、ロベルトが大変な事に巻き込まれているのだけはわかった。

 だから僕が言えるのはただ一つだけ。

「ロベルト、君は僕の特別だ。君が必要だと言うのなら、いつでも僕の力を貸すよ」

 僕がそう言うとロベルトは何とも複雑そうな顔して、それから僕の肩を抱き寄せた。

「何も必要ない。こうして傍にいてくれれば、それだけで十分だ」

 ロベルトはそう言って僕の頭に頬を擦りつけ、息を吸った。まるで僕の匂いを嗅ぐように。

 何か匂いがするのだろうか?

「僕、何か変なにおいする?」

 僕が尋ねれば、ロベルトは「いいや、いい匂いだ。花のいい匂いがするよ」と優しく囁いた。そうして密着していれば、ロベルトの温かい体温と鼓動が触れて、僕もなんだか幸せだった。

 僕達はしばらくそうして、日が暮れる前に僕は森に帰った。
 ロベルトは「会える時間は減るが、お前に必ず会いに行く。だから待っていてくれ」と別れ際に言って。

 僕は今度はいつ会えるんだろう?

 そう思いながら異界のねぐらに戻り、ぐっすりと眠った。
 けれど、ロベルトが会いに来たのはそれからすぐの事だった。



 ある報告を僕にしに……。



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