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花の名を君に
6 自覚
しおりを挟む月明りの道を通り抜け、僕はある場所に訪れていた。
そこには項垂れるように寝台に座るロベルトがいた。
久しぶりに見るロベルトに僕は胸がぎゅうっと痛くなって、その肩に触れたいのに僕は今すぐに逃げ出したい気持ちにもなる。
でも、逃げてちゃ駄目なんだ、と自分を叱咤して、声を出した。
「……ロベルト」
それは思ったよりも小さな声だった。けれど、ロベルトはハッと顔を上げた。
蝋燭が一本だけ灯る部屋の中、ロベルトは僕を見つけた。その顔は少し、いや大分疲れていた。でも、ロベルトは疲れているだろうにすぐ立ち上がると、僕の名を呼んだ。
「レスカチアッ!」
ロベルトは僕に駆け寄ってくると、逃がさないといわんばかりに僕を抱き締めた。久しぶりのロベルトの力強い腕、逞しい胸、揺れる黒髪が僕の目に入る。
そしてロベルトの髪の香りが僕の鼻腔を掠める。それはとても愛おしくて優しい香り。
僕はそこで初めて、本当の意味で愛を自覚した。
ロベルトに抱き締められるだけで、胸が苦しくて、嬉しくて、切ない。この特別な、他の誰にも感じた事のない想いが愛なのだと。
そして……僕は気が付けば泣いていた。水晶の涙を。
「レスカ!? どうしたっ、どこか痛むのか? 俺が抱き締めたからか?」
突然泣き出した僕に驚いたロベルトは、慌てて僕から離れようとした。でも僕はそんなロベルトの背をぎゅっと抱きしめて、首を横に振った。
「なら、どうした? どうして泣いてる?」
ロベルトは心底心配した様子で僕に尋ねたけれど、僕は涙を止められなかった。
どうして僕は今まで気が付かなかったのだろう?
こんなにもロベルトの事を愛している事に。誰よりも何よりも変えがたい僕のたった一人の大事な人だって事に。それはきっとずっとそこにあったはずなのに。どうして今更気が付いてしまったのだろう?
僕の胸は悲しさと今まで気づけなかった後悔で押しつぶされそうになる。
ロベルトは人間で、僕は人ならざる者で相容れない者同士なのだと。そしてロベルトにはもう番がいて子供がいて、僕の想いはロベルトには邪魔な事。
でも、もうこの想いを消し去ることは絶対にできない事を。
「レスカ……本当に、どうしてしまったんだ」
ロベルトは心配そうに僕を見て言った。
僕を抱き締めてくれたロベルトの体は心地よかったけれど、その体は少し前より痩せていた。この雨のせい、つまり僕のせいだ。
僕のせいでロベルトは痩せるほど疲れている。その事実がまた僕の胸の抉る。
大事で特別な人を、僕は苦しめているのだと。
僕はそれも悲しくて、ただただはらはらと涙を零した。
涙は零れ、床に落ちて水晶になる。それも僕が人ならざる者だから。その事実を突きつけられているようで悲しさは増した。
でも、そんな僕をロベルトは何も言わずに寝台に連れて行き、座らせた。僕の肩を抱き、親指で僕の涙が水晶になる前に拭ってくれる。
「レスカチア、何があった? 俺に話してくれないか?」
ロベルトは優しく僕に問いかけた。
自分こそ心底疲れているだろうに僕を心配してくれる。その優しさが今は痛かった。
「ロベルト……」
「ん? なんだ、レスカチア」
僕が呼ぶとロベルトは僕に微笑んでくれた。その笑みがあんまりにも優しくて、僕はロベルトの胸に抱き着いた。僕は言うべきじゃないとわかりつつも、心の叫びを言葉にせずにはいられなかった。
「……僕はっ、どうして、人間、じゃ、なかったのかなっ」
僕は涙ながらに言ったものだから、上手く言葉にできなかった。でもロベルトは僕の言葉をしっかり聞き届けてくれた。
「レスカ? ……どうしてそんな事」
ロベルトの戸惑った雰囲気が僕に伝わる。僕はロベルトを見上げて、しゃくりあげながら戸惑う双黒を見つめる。
「僕っ、人間、ひっく、が、よかった!」
「レスカチア、どうしたんだ。どうして、そんな事を」
ロベルトはそう聞き、僕は僕をもうコントロールできなかった。
「ロベルト、どうして番を、持ったの? ……僕っ、僕が人間ならッ! 僕が……うあああああぁんんっ!」
僕は堪らず、とうとう声を上げて小さな子供のように泣き出した。
そしてロベルトに向かう好きの気持ちは具現化して部屋に現れた。
僕は無意識に力を使い、レスカチアの花がロベルトの部屋の中に咲き乱れる。季節じゃないのに、僕の想いを伝えるように寝台以外の部屋中に黄色の花は咲き誇った。
「レスカチア……これは」
ロベルトは驚き、床に咲くレスカチアの花を見てから泣いている僕を見つめた。
ずっと昔、ロベルトは教えてくれた。愛する人を見つけたら、レスカチアの花を贈る風習が村にはあるのだと。その事を僕は忘れてはいなかった。そして、ロベルトも。
「……ロベルト」
「レスカ……お前は俺を」
ロベルトは呟いた後、息を飲んだ。僕は俯き、涙を零した。
零れる涙は寝台の布に落ちる前に水晶になって、ころころと床に転がっていく。たくさんの水晶が床の絨毯に散らばる。
けれど、ロベルトはそんな事に気にも留めないで、僕の頬を両手で掴み、僕の顔を上げさせた。
「レスカチア……」
ロベルトは僕をじっと見つめる。
そしてロベルトは困ったように笑うと、それから僕にゆっくりと顔を近づけて口づけた。
柔らかいロベルトの唇が僕の口にふにっと触れ合う、それはほんの一瞬でとてもとても優しいものだった。
けれど、どうしてロベルトがそうしたのかは僕にはわからなかった、僕はまだ口づけの意味を知らなかったから。でもロベルトに触れられて僕は嬉しかったし、気持ち良かった。
もっともっと触れて欲しいと思うほど。
柔らかなロベルトの口。僕より大きくて、少しかさついてるその唇で。
そして、その思いが伝わったようにロベルトは僕に尋ねた。
「レスカチア、もっと口づけてもいいか?」
「え?」
僕が驚くとロベルトは、僕の返事を待たずに僕の口を食べた。今度はぱくっていう感じに。
ロベルトの唇が僕の口を吸い、舐める、そして僕の口をこじ開けて中に入ってきた。ぬるりとしたロベルトの舌に僕はぴくりと肩を揺らす。
「んっ、んぅぅっ」
口から呼吸が出来なくて、鼻から息が出てしまう。
それでも、ロベルトは僕の口を食べるのを止めてくれなくて、くちゅくちゅと水音を出しながら僕の舌を舐め、吸いあげる。
こんなのは初めてで、口が離れた時にはすっかり意気が上がり、僕の意識はぼぅっとして涙は止まっていた。
「ん、はぁ……ロベ、ルト?」
僕は熱い息を吐き、ロベルトを見つめた。ロベルトは熱っぽい視線で僕を見つめ、僕の頬をゆっくりと撫でる。すりすりと撫でられて、僕は気持ち良くなってしまう。
でも、そんな僕にロベルトは尋ねた。
「レスカチア……俺がどうしてこうするかわかるか?」
「え?」
突然の問いに僕は本当にわからなくて、ふるふると顔を横に振った。
「どうして……?」
無知な僕にロベルトは微笑み、それからこつんっと額同士を合わせると鼻先が触れ合う距離で僕に告げた。
「レスカチアが好きだからだよ。お前を、愛している」
ロベルトの言葉に僕は目を見開き驚いた。でもそんな僕にお構いなしで、ロベルトはまた口づけをしてきた。さっきと同じように、僕の口をまるで食べるみたいに。
「んっ、ぁ!」
くちゅくちゅとさっきと同じように僕の舌を絡めて舐める。
そしてロベルトはぴたりと僕に密着し、左手で僕の顔に触れながら、右手を背中に回して僕を抱き締めた。
僕はロベルトの腕で拘束され、舌で口の中を蹂躙され、まさにされるがまま。
「んんぅ、ロベ、ルトッ」
僕は息もできなくて、でも嬉しくて、このままずっとこうしていたいって思った。このままロベルトの熱に溺れたいって。
でも不意に一つの疑問が僕の胸でざわつき、僕はロベルトの胸を押して、慌てて離れた。唾液の糸が伸びて、僕は口を拭う。
「……レスカ?」
両手を突っぱねて自分を押しのけた僕をロベルトは不安そうに見た。
「レスカチア、嫌だったか?」
尋ねられて僕はすぐに「ちがう」と答えた。
「じゃあ、どうして」
「……だって、ロベルトには番が……いるでしょ」
僕はぽつりと呟いた。
ロベルトには番がいる。
動物はお互いが気に入って番になる。たぶん人間もそうだろう。なら、ロベルトも。
「ロベルトは番の事……気に入ったから番にしたんでしょ」
僕はロベルトを見て言った。僕はロベルトが僕だけを見てくれないのは嫌だった。例え、どれほどロベルトを愛していても。それが精霊の性なのだと、僕は後から知った。
けれど、ロベルトは複雑そうな顔をした。
「気に入った……のは確かだ。だが、俺が本当に愛しているのはお前だけだ。彼女にもその事は伝えている。……それでもいいと言われ、婚姻を結んだ。俺はお前に愛されないのだと思ったから」
ロベルトは正直に僕に打ち明け、僕は息を詰めた。
ああ、なんてことだろう。ロベルトが番を持ったのは僕のせいなのだ。
馬鹿な僕はロベルトを愛している事に気が付かなかった。気が付いたのは失ってから。
なんで。どうして。……僕に教えてくれなかったの?
そう心が非難めいて呟くけれど、例えロベルトが僕に告白をしてくれていても、僕は本当の意味では理解できなかっただろう。ロベルトもその事を僕よりもわかっていたから、いわなかったのだ。
そしてロベルトは人間で僕は人ならざる者。僕とは違う時間を生きてる。
僕は生まれた時から全然姿が変わらない。でもロベルトは子供から少年になり、青年になって今じゃ大人だ。時間の進み方が違う。
僕の気持ちが追い付くまで待っていたら、ロベルトはきっと老人になっていただろう。そこまでロベルトを待たせられないし、ロベルトもその立場から待つことはできなかった。
今ならわかる。……でも。どうしてそれが今なんだろう。
僕は悔しくてぎゅっと手を握った。そんな僕を慰めるようにロベルトは僕のこめかみに唇を落とした。
「レスカチア、お前だけを愛している……。それだけはわかって欲しい。この気持ちに嘘偽りはない」
「僕が……僕がもっと早くわかっていたら」
僕が番になれたのに。
そう言いたかったけれど、僕は人間じゃない。僕じゃ、ロベルトの子は産めない。僕は精霊王と呼ばれていても万能の神ではないのだ。
だから僕はぐっと唇を噛み締めた。
「どうして僕は人間じゃなかったんだろう……」
ぽつりと呟いた僕の頭をロベルトは優しく撫でた。
「お前が人でなくても、俺には関係ない。レスカチアはレスカチアだろう?」
ロベルトはそう僕に優しく声をかけてくれる。
「ロベルト……」
「……レスカ、もう一度口づけても?」
ロベルトはそう静かに囁いた。
僕にどう拒否することができるだろう。
ロベルトに番がいても、子がいても、やっぱり僕はロベルトが好きだし、こういわれたら「うん」と言う答える以外なかった。僕が頷くとロベルトはまた僕に口づけた。ロベルトの舌が僕の舌を絡め、歯列をなぞり、吸い付く。
「んぅ……あふっ」
ロベルトに口の中を好きなようにされて、僕はロベルトに縋るように抱き着いた。そうしなければ体がよろめいてしまいそうで。
ロベルトの熱い体温、逞しい腕、密着する体から伝わってくるロベルトの心臓の音。
全てが僕をドキドキさせる。好きの感情が体から溢れてくる。
「はぁ、レスカチア……お前の唇は柔らかくて、いつまでも口づけていたくなる」
ロベルトは唇を離し、濡れて半開きになっている僕の唇を親指でなぞった。
色っぽい仕草と熱のこもった瞳に見つめられて、僕の体の奥が今まで感じた事のないじわじわとした熱を覚える。
「ロベルト……」
僕は熱い息を吐き、小さく呟いた。
そんな僕をロベルトはぎゅっと抱きしめて、耳元で囁いた。
「こんな日が来るとは……レスカ」
甘い声で囁かれると、僕の体はぞくぞくっと震えた。やっぱり体がおかしい。ロベルトがもっと欲しい、そう心が叫ぶ。
「ロベルト、僕、体がおかしい」
「レスカ……?」
「ロベルトがもっと、欲しい」
「レスカチア……それは」
「ロベルト、僕、体がもぞもぞする。……なんでだろう。ロベルトにもっと触りたい」
僕が言うと、ロベルトの瞳孔が大きく開いたのが見えた。
「ロベルト?」
「……レスカ、意味が分かって言っているのか?」
ロベルトは真剣な顔で僕に尋ねた。僕は首を傾げた、だって意味なんてない、言葉の通りだったから。
「え?」
問い返す僕をロベルトは寝台に押し倒した。そして驚く僕をロベルトはじっと見つめた。
「はぁ、もう我慢できない。……レスカ、少しだけ触らせてくれ」
ロベルトはそう言うなり僕の上衣を脱がせ、体を撫でた。大きな手で撫でられると、体がぴくりと跳ねる。なのに、そんな僕の首筋にロベルトは口づけを落とした。
その感触に僕は「ひゃ」と声を上げてしまう。
それでもロベルトの手は止まらない。ロベルトは僕の体のあちこちに唇を落とす。そうされると僕の体はぴくぴくと動いて、もっと体の奥が疼く。
ロベルトに触れたいし、触れられたい。もっと交わりたいって。
「あっ、ぅっ、ロ、ロベルトッ」
僕は息を上げ、ロベルトにされるがまま身を委ねた。でも、不意にロベルトの下半身が僕の足に当たって、そこが膨らんでいるのがわかった。
一瞬、なんで? と思ったけど、僕ははっとひらめいた。
「ロベルト、もしかして……僕と交尾したいの?」
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