32 / 180
第二章「デートはお手柔らかに!」
5 アントニオ
しおりを挟む
――――翌日。
「キトリー様、大丈夫ですか?」
「ああ、だいじょーぶ」
心配げなセリーナは遅い朝食を食べる俺に尋ねた。
……結局よく眠れなくて朝寝坊しちゃった。その上、なんだか寝不足。ううっ、スッキリ目覚めるはずが。
そう思いつつ、俺は一人食卓てもそもそっとパンをスープに浸して食べる。
もう父様と兄様は仕事で城に出向き、母様は婦人同士のお茶会があるとかで出ている。なので今朝は実に静かな朝だ。
……母様が出てて良かった。朝から小言を聞くとこだった。
そう思いながら俺は引き続き、パンをもそもそっと食べる。
「ところでキトリー様、今日のご予定はお決まりで?」
「ん? 今日は部屋でゆっくりしておくよ。だからセリーナ、部屋にお茶のセットを置いといてくれる? 今日は誰とも会わず、一人でいたいんだ」
「畏まりました。では、部屋にご用意させておきますね」
「んー、よろしく~」
俺は答えながら紅茶を飲み、一人ほくそ笑んだ。
それから一時間後。
自室に戻ると、セリーナが運んでくれたお茶のセットがテーブルに置かれ、いつの間にかベッドメイクも終わっていた。俺が朝食を食べている間にメイド達が掃除してくれたのだろう。毎日ありがとうございます、と感謝しつつ俺は持ってきた鞄から服を取り出し、鏡の前でささっと着替えた。
「よし、こんなもんだろう」
ベストの皺をピッと伸ばし、鏡に映る自分を見る。そこには庶民に扮した俺がいた。
……これなら町の中に紛れてもわからないな。
顔見知りならいざ知れず、これなら誰も公爵家の令息とはわかるまい。俺は最終の仕上げと言わんばかりに黒縁メガネを掛け、ハンチング帽を被って鞄を肩にかけた。
「ンフフフッ、よーし完璧!」
俺は自分の姿に満足した後、鏡の前を離れて窓を開ける。
外はいい天気で、どこからかメイド達の楽し気な話し声が聞こえてくる。声は裏の洗濯干し場から聞こえてくるものだろう。俺はその声を聞きながら、辺りを確認する。
……よし、誰もいないな。
俺はキョロキョロと見渡した後、慎重に窓の外へ出て、こそこそっと壁伝いに裏口へと向かう。
……町に出かけるって言ったら、大層な護衛を付けられるからな。久しぶりの帝都だ。一人で存分に楽しも~っ! あ、でも先にアイツのとこにも行かなきゃ!
そうして俺は一人、こっそりと家を出てある場所へと向かったのだった。
◇◇◇◇
――――賑やかしい帝都の町・ローセン。
その中の商業街地区には様々なお店が立ち並び、あらゆるものが手に入ると言われている。おかげで多くの人が通りを行きかい、いつだって通りは活気づいていた。
ただそんな町角にひっそりと建つ、古びれた本屋が一軒。
そこに人の出入りはなく、今にも潰れそうな雰囲気だった。だがその本屋の奥。カウンターに一人の青年が座り、入荷したばかりの本を数えていた。深紅の髪に本屋にしては体格のいい青年。
「ええっと? これは新刊予約の取り置きか。こっちは入荷待ちだったお客さんので。こっちは」
青年は呟きながら帳簿を見つつ本を分別していたのだが、その背後にニヤリと笑う影が忍び寄った。
「トニ男、ひ・さ・し・ぶ・りっ。フゥ~ッ」
妙に色っぽい声で囁かれ、耳元に息を吹きかけられた青年は「ウワッ!」と悲鳴を上げて立ち上がった。その驚きっぷりに息を吹きかけた人物は大笑い。
「にゃはははは~っ! 相変わらず耳が弱いなぁ!」
その声に視線を向けると、そこには懐かしい顔がいた。
「キトリーッ!? お前、どうしてここにいるんだッ!?」
「よっ、トニ男。久しぶりだな」
「その名前で呼ぶなって言ってんだろ! 俺はアントニオだッ!」
憤慨する青年ことアントニオは、腰に手を当てて怒った。
アントニオは俺の同級生で、大事な友人だ。平民出身で、亡き祖父母がやっていた本屋を継ぎ、今ではこうして本屋の店主をしている。
そして公爵家の令息ではなく、本当の俺を知っている数少ない一人だ。
「いいあだ名なのにぃ。トニ男の方がしっくりくるじゃん?」
「そんな風に俺を呼ぶのはお前だけだ!」
アントニオは俺の首に太い腕を回して、締め技をきめてくる。
「ぐふっ! ギブギブぅぅ! ごめんなさい、もう言いませんからぁッ!」
俺は必死に謝って、豪腕から解放してもらう。あー、新鮮な空気、おいしっ!
「たくっ、相変わらずろくでもねぇ奴だ。テメーは。……ところでここに来たなら、んっ」
アントニオは容赦なく俺に手を差し出した。
「できてんだろーな? もう一カ月も遅れてんだぞ」
「いやー、色々あったじゃん? 俺」
「それはそれ、これはこれだ。さっさと出せ」
アントニオは再会の感動もなく、ずいっと手を差し出してきた。感動のない奴め。と思いつつ、俺は「はいはい」と答えて鞄に入れていた原稿をアントニオに手渡した。するとフンッと鼻を鳴らして笑った。
「できてなかったら、シメてたところだ」
「仲良しフレンドに対して酷くない?」
俺は口を尖らせて言うが、アントニオは不服そうな顔を見せた。
「誰が仲良しフレンドだ。お前とはただの腐れ縁だ」
「照れちゃってぇ~、もぅ」
俺はアントニオをツンツンと突く。しかし段々アントニオのこめかみがぴくぴくと動いてきた。
「あのなぁ! お前が原稿を持ってこないとこっちが怒られるんだぞ。仲介役してる俺の身にもなれ!」
「いつも感謝してるよ、マイフレンド」
俺はぽんっとアントニオの肩を叩く。
「たくっ。ちゃんと書けてるか確認するから、お前はサイン本書いとけ」
アントニオはそう言うなり店を閉めて、母屋に俺を連れていくと倉庫から本を取り出してきて俺の目の前に積み上げた。
『転生したらそこは異世界でした! 著・フォレスト・リバー』
これは俺が書いたBL小説。話の内容は、こちらの世界に住んでいた一人の男が日本と言う異世界に転生して、そこで年上の男と恋するお話だ。
「ほら、ペンはここに置いておくから」
アントニオはテーブルにサインペンを置き、俺の向かいに座った。だがそのアントニオの手には赤ペンが握られていた。
「俺はいいけど、店まで閉めて良かったのか?」
「ああ、この時間は客はほとんど来ないからな。大丈夫だ」
そう言いながらアントニオは原稿を読み、時折赤ペンを走らせる。その顔は編集マンさながらだ。
……というか、本当に編集者なんだけど。
実はアントニオは俺の友人でもあるが、個人的な担当編集者でもある。
始まりはBL小説を書いたのはいいが、どこに持っていけばいいのか俺が困っていたところ、アントニオがツテを使って出版社との間を取り持ってくれたのだ。以来俺は作家の端くれになり、アントニオは小説の脱字誤字の訂正や話のアイデアなどにも携わる編集者になった。
しかし……皆さんにここで残念なお知らせがある。
アントニオは悲しい事にBLが読めるだけで我らが同志(特別BLが好きな腐男子)ではないのだッ!(泣)
この世界では同性婚もできるので、BL小説もただの恋愛小説に分類される。なのでアントニオも小説としてBLを読んだりするらしいが、特に好きなわけじゃないらしい。そもそもアントニオは本なら何でも読む雑食系。
……アントニオもこっち側だったら色々と話し合えたのになぁ。推しの作家さんとか、BL本を薦めあったりとか~。カップリングとかぁ~!
「おい、手が止まってるぞ」
ギロッと睨まれて、俺は慌てて手を動かす。久しぶりに会えたのに厳しい友人である。ぐすんっ(泣)
「キトリー様、大丈夫ですか?」
「ああ、だいじょーぶ」
心配げなセリーナは遅い朝食を食べる俺に尋ねた。
……結局よく眠れなくて朝寝坊しちゃった。その上、なんだか寝不足。ううっ、スッキリ目覚めるはずが。
そう思いつつ、俺は一人食卓てもそもそっとパンをスープに浸して食べる。
もう父様と兄様は仕事で城に出向き、母様は婦人同士のお茶会があるとかで出ている。なので今朝は実に静かな朝だ。
……母様が出てて良かった。朝から小言を聞くとこだった。
そう思いながら俺は引き続き、パンをもそもそっと食べる。
「ところでキトリー様、今日のご予定はお決まりで?」
「ん? 今日は部屋でゆっくりしておくよ。だからセリーナ、部屋にお茶のセットを置いといてくれる? 今日は誰とも会わず、一人でいたいんだ」
「畏まりました。では、部屋にご用意させておきますね」
「んー、よろしく~」
俺は答えながら紅茶を飲み、一人ほくそ笑んだ。
それから一時間後。
自室に戻ると、セリーナが運んでくれたお茶のセットがテーブルに置かれ、いつの間にかベッドメイクも終わっていた。俺が朝食を食べている間にメイド達が掃除してくれたのだろう。毎日ありがとうございます、と感謝しつつ俺は持ってきた鞄から服を取り出し、鏡の前でささっと着替えた。
「よし、こんなもんだろう」
ベストの皺をピッと伸ばし、鏡に映る自分を見る。そこには庶民に扮した俺がいた。
……これなら町の中に紛れてもわからないな。
顔見知りならいざ知れず、これなら誰も公爵家の令息とはわかるまい。俺は最終の仕上げと言わんばかりに黒縁メガネを掛け、ハンチング帽を被って鞄を肩にかけた。
「ンフフフッ、よーし完璧!」
俺は自分の姿に満足した後、鏡の前を離れて窓を開ける。
外はいい天気で、どこからかメイド達の楽し気な話し声が聞こえてくる。声は裏の洗濯干し場から聞こえてくるものだろう。俺はその声を聞きながら、辺りを確認する。
……よし、誰もいないな。
俺はキョロキョロと見渡した後、慎重に窓の外へ出て、こそこそっと壁伝いに裏口へと向かう。
……町に出かけるって言ったら、大層な護衛を付けられるからな。久しぶりの帝都だ。一人で存分に楽しも~っ! あ、でも先にアイツのとこにも行かなきゃ!
そうして俺は一人、こっそりと家を出てある場所へと向かったのだった。
◇◇◇◇
――――賑やかしい帝都の町・ローセン。
その中の商業街地区には様々なお店が立ち並び、あらゆるものが手に入ると言われている。おかげで多くの人が通りを行きかい、いつだって通りは活気づいていた。
ただそんな町角にひっそりと建つ、古びれた本屋が一軒。
そこに人の出入りはなく、今にも潰れそうな雰囲気だった。だがその本屋の奥。カウンターに一人の青年が座り、入荷したばかりの本を数えていた。深紅の髪に本屋にしては体格のいい青年。
「ええっと? これは新刊予約の取り置きか。こっちは入荷待ちだったお客さんので。こっちは」
青年は呟きながら帳簿を見つつ本を分別していたのだが、その背後にニヤリと笑う影が忍び寄った。
「トニ男、ひ・さ・し・ぶ・りっ。フゥ~ッ」
妙に色っぽい声で囁かれ、耳元に息を吹きかけられた青年は「ウワッ!」と悲鳴を上げて立ち上がった。その驚きっぷりに息を吹きかけた人物は大笑い。
「にゃはははは~っ! 相変わらず耳が弱いなぁ!」
その声に視線を向けると、そこには懐かしい顔がいた。
「キトリーッ!? お前、どうしてここにいるんだッ!?」
「よっ、トニ男。久しぶりだな」
「その名前で呼ぶなって言ってんだろ! 俺はアントニオだッ!」
憤慨する青年ことアントニオは、腰に手を当てて怒った。
アントニオは俺の同級生で、大事な友人だ。平民出身で、亡き祖父母がやっていた本屋を継ぎ、今ではこうして本屋の店主をしている。
そして公爵家の令息ではなく、本当の俺を知っている数少ない一人だ。
「いいあだ名なのにぃ。トニ男の方がしっくりくるじゃん?」
「そんな風に俺を呼ぶのはお前だけだ!」
アントニオは俺の首に太い腕を回して、締め技をきめてくる。
「ぐふっ! ギブギブぅぅ! ごめんなさい、もう言いませんからぁッ!」
俺は必死に謝って、豪腕から解放してもらう。あー、新鮮な空気、おいしっ!
「たくっ、相変わらずろくでもねぇ奴だ。テメーは。……ところでここに来たなら、んっ」
アントニオは容赦なく俺に手を差し出した。
「できてんだろーな? もう一カ月も遅れてんだぞ」
「いやー、色々あったじゃん? 俺」
「それはそれ、これはこれだ。さっさと出せ」
アントニオは再会の感動もなく、ずいっと手を差し出してきた。感動のない奴め。と思いつつ、俺は「はいはい」と答えて鞄に入れていた原稿をアントニオに手渡した。するとフンッと鼻を鳴らして笑った。
「できてなかったら、シメてたところだ」
「仲良しフレンドに対して酷くない?」
俺は口を尖らせて言うが、アントニオは不服そうな顔を見せた。
「誰が仲良しフレンドだ。お前とはただの腐れ縁だ」
「照れちゃってぇ~、もぅ」
俺はアントニオをツンツンと突く。しかし段々アントニオのこめかみがぴくぴくと動いてきた。
「あのなぁ! お前が原稿を持ってこないとこっちが怒られるんだぞ。仲介役してる俺の身にもなれ!」
「いつも感謝してるよ、マイフレンド」
俺はぽんっとアントニオの肩を叩く。
「たくっ。ちゃんと書けてるか確認するから、お前はサイン本書いとけ」
アントニオはそう言うなり店を閉めて、母屋に俺を連れていくと倉庫から本を取り出してきて俺の目の前に積み上げた。
『転生したらそこは異世界でした! 著・フォレスト・リバー』
これは俺が書いたBL小説。話の内容は、こちらの世界に住んでいた一人の男が日本と言う異世界に転生して、そこで年上の男と恋するお話だ。
「ほら、ペンはここに置いておくから」
アントニオはテーブルにサインペンを置き、俺の向かいに座った。だがそのアントニオの手には赤ペンが握られていた。
「俺はいいけど、店まで閉めて良かったのか?」
「ああ、この時間は客はほとんど来ないからな。大丈夫だ」
そう言いながらアントニオは原稿を読み、時折赤ペンを走らせる。その顔は編集マンさながらだ。
……というか、本当に編集者なんだけど。
実はアントニオは俺の友人でもあるが、個人的な担当編集者でもある。
始まりはBL小説を書いたのはいいが、どこに持っていけばいいのか俺が困っていたところ、アントニオがツテを使って出版社との間を取り持ってくれたのだ。以来俺は作家の端くれになり、アントニオは小説の脱字誤字の訂正や話のアイデアなどにも携わる編集者になった。
しかし……皆さんにここで残念なお知らせがある。
アントニオは悲しい事にBLが読めるだけで我らが同志(特別BLが好きな腐男子)ではないのだッ!(泣)
この世界では同性婚もできるので、BL小説もただの恋愛小説に分類される。なのでアントニオも小説としてBLを読んだりするらしいが、特に好きなわけじゃないらしい。そもそもアントニオは本なら何でも読む雑食系。
……アントニオもこっち側だったら色々と話し合えたのになぁ。推しの作家さんとか、BL本を薦めあったりとか~。カップリングとかぁ~!
「おい、手が止まってるぞ」
ギロッと睨まれて、俺は慌てて手を動かす。久しぶりに会えたのに厳しい友人である。ぐすんっ(泣)
51
あなたにおすすめの小説
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
※第33話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
秘匿された第十王子は悪態をつく
なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。
第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。
第十王子の姿を知る者はほとんどいない。
後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。
秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。
ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。
少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。
ノアが秘匿される理由。
十人の妃。
ユリウスを知る渡り人のマホ。
二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
天啓によると殿下の婚約者ではなくなります
ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。
フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。
●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。
性表現は一切出てきません。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
腐男子♥異世界転生
よしの こひな
BL
ある日、腐男子で新卒サラリーマン・伊丹トキヤの自室にトラックが突っ込む。
目覚めたトキヤがそこで目にしたのは、彼が長年追い続けていたBL小説の世界――。しかも、なんとトキヤは彼が最推しするスパダリ攻め『黒の騎士』ことアルチュール・ド・シルエットの文武のライバルであり、恋のライバルでもあるサブキャラの「当て馬」セレスタン・ギレヌ・コルベールに転生してしまっていた。
トキヤは、「すぐそばで推しの2人を愛でられる!」と思っていたのに、次々と原作とは異なる展開が……。 ※なろうさん、Caitaさん、PIXIVさんでも掲載しています。
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる